表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
165/201

ー165話ー 特急ダンジョン 2階層


特急ダンジョン2日目も連弩組は


今日もレベルアップ酔いの為に


カエルの合唱の様にゲロゲロしていたが、


其処は鍛えられた騎士達で、晩御飯はきっちりと食べて居た。


レベルアップ酔いの皆は、


何とか晩御飯を食べ終わると、部屋に戻って行った。


討伐の後、飛空戦艦は上空10キロの地点で、遊弋して居た。


此の高さで有れば空気も薄く


魔物には襲われる心配が余り無かった。


警戒の為に交代で、ハイエルフ達が見張りに付いている。


艦内の最上階の展望レストランでは


昨日のメンバーが今日も酒盛りをしていた。



「今日もレベルが爆上がりにゃ~楽しいにゃ~」



「もう、獣人国では、最強うさ~最強の女王に成れるうさ~」



「めでたいにゃ~今日も裸踊りにゃ~


そうれ~そうれ~うっふんにゃ~」



今日もお盆を手にネコは見えるか


見えないかのぎりぎりを攻めて居た。



「はい、はい、はいはいはい~アッハンうさ~」



ウサギは丸い尻尾のお尻を突き出してポーズを取って居る。



「う~ん此の二人、本当にお姫様なのか~?


どう見てもプリンセスには見えない二人だよね~」



二人は何時も楽しそうに裸踊りをして、


ワンパターンでは有るが、他のクルーの心を和ませて居る


大切な存在でも有る。



「う~ん、2人を泣かせた男爵許すまじ、


男爵の屋敷を吹っ飛ばしてやろうか~」



「モモタロウ殿、其れには及びませぬよ、


我が城を追い出された寄り親の子爵が


既に男爵一家を断罪して居ります。


男爵の首が届いたと、息子から連絡が有り申した。」



「そうじゃぞ~モモタロウよ、


妾の正規軍が討伐の準備をしていると聞き及んだ子爵が、


宰相に泣きついて来おったそうじゃ、


腹が立つのも分かるのじゃが、ここらが落とし所で有ろうな。


しかし獣人国の姫君達に対しての無礼、


寄り親である子爵から獣人国に正式に謝罪を致すそうじゃ。」



「そうですよね~獣人国とは


正式に友好関係が有るのでしょう?」



「その通りじゃ、帝国は獣人差別を禁じて居るし、


其れを破る者にはきつい罰則も、もうけて居るのじゃ、


民間レベルでも貿易で行き来して居るしのう、


帝国にとっても大切な貿易相手でもあるのじゃ。


獣人国から輸入される砂糖と、


スパイスはとても貴重な物なのじゃ、


遠い南大陸の国とはいえ、


王族に対しての無礼は見過ごす事は、出来ぬのでな~


男爵に対しては、領地、財産没収の上、爵位の剥奪、


見せしめの為に男爵一家の鉱山送りを予定して居ったのじゃが、


先に寄り親の子爵が切れた様だの、


侯爵領を追い出されて自領に戻る途中で、


兵をあげて二人で侯爵領を支配しようと言ったそうじゃ、


じゃが、男爵は常備兵を持って居らぬのじゃ、


要は、お前が兵を出して、


侯爵を打って侯爵の領地を俺にをくれと言った訳じゃな、


流石に温厚な子爵も切れて、


其の場で男爵は首を跳ねられたそうじゃ、


男爵一家も有名なバカ者揃いであった為についでとばかりに、


討伐隊を向かわせて処断した様じゃの、


重税に苦しんでいた領民からは歓迎された様じゃの。」



「男爵と其の家族に対しては


可哀そうと言う気にはならないですね~


何方かと言うと、そんなバカに振り回されて居る


領民が可哀そうですよね~」



「まあ、其の通りじゃの~」



モモタロウと、女帝様は踊る二人に手拍子を送り乍、


溜息をつくのだった。


宴会中ドラゴンレンジャーが楽しそうに走り回って居た。



翌朝、ダンジョン討伐3日目、



「皆~今日の目標は


ミノタウロスと~マンティコアだよ~


強力な魔獣に成るから~


油断して死なない様にしましょうね~」



「皆 どよどよ~は~いっ」皆



此処はダンジョンなのだ。


昨日まで狩って居た魔物は有る程度回復して居た。


何も全部狩る必要は無いので、


要は数を減らせれば良いのであった。


朝ご飯を食べた後、飛空戦艦エレンは高度を落として、


マンティコアの群れを目指した。



「艦長~前方20キロに


マンティコアの群れ約200匹飛んで居ます。」



「はい、其の群れに向かって飛行してください。」



「了解しました。会敵まで、およそ10分」



「皆~マンティコアの群れまで10分で~すっ、


相手は飛んで居ますので良く狙って攻撃して下さ~い。


攻撃準備~!」



と艦内放送をすると、



「皆 は~いっ」皆



艦内で待機して居た海兵達は会敵迄の10分で、


持ち場に移動して、連弩の準備を済ませていた。


10分後、マンティコアの群れに遭遇すると、



「では、殲滅隊は待機、連弩隊各個撃破初め~!」



連弩によるマンティコアの群れに攻撃が始まった。


飛行して居る相手に矢を当てるのは難易度が高いが、


昨日、一昨日と動いて居る魔物に対しての


攻撃で練度は上がって居た。


空を飛んで居るマンティコアにも命中して居た。



「おお~刺さって居るね~、それ程は固くは無いんだね~」



「艦長~マンティコアは固いです。普通の弓矢で有れば弾きますよ~


連弩の威力が強力過ぎるのです~」



「そんなもんかね~」



「そんなもんです」



10分程で空を飛んで居るマンティコアは居なくなった。


全てストレージに回収されて居た。


マンティコアはライオンの体に怖いおっさんの顔が付いており、


尻尾には毒針が付いている。決して弱くは無い


普通の冒険者が遭遇したら生還を諦めるレベルの恐ろしい魔獣だ。


マンティコアも攻撃して来たが全てシールドに阻まれて、


シールドに張り付いている所に短針を浴びて絶命して居た。


マンティコアを殲滅した後にモモタロウは一番近くに有る


ミノタウロスの大規模集落に向けて飛んだ。



「艦長~ミノタウロスは約1000匹位居る様です~


こんなの出て来たら普通の国で有れば壊滅しますよ~


会敵迄15分です。」



「皆~次はミノタウロスの大規模集落に向かいま~す。


ミノタウロスは飛べませんので良く狙って狙撃して下さいね~


会敵迄15分で~すっ」



「皆 は~いっ」皆



ミノタウロスは約5メートルの牛頭巨人のAランクモンスターだ。


力が強く好戦的で石器の斧が武器の様だ。


しかし飛べない、此方からすると只の標的でしかない訳だ。


しかも美味しい、A5ランクの牛肉並みだった。


牛よりもでかいので、食べ応えが有った。



「今夜はミノタウロス、A5霜降り肉のすき焼きだよ~


頑張って狩りましょう~」



「皆 じゅる~ごくり、 は~いっ!」皆



飛ぶ事の出来ないミノタウロス達は一方的に狩られて行った。


石器の斧を船に力任せに投げ付けては来るが、


シールドに阻まれて船には傷一つ付ける事が出来なかった。



「うん、短針はミノタウロスにも有効だね~


流石に突き抜ける事は無く成ったけれど、十分に


内臓に迄届いている様だね~」



連弩での攻撃で次々にミノタウロスは倒れて行っている。


好戦的なミノタウロスには逃げると言う選択肢は無い様で、


石斧が無く成ったミノタウロスは投石に勤しんでいた。


結局、最後の一匹迄攻撃を仕掛けて来たのだ。



「う~ん、脳みそ迄筋肉で出来居るんだな~」



3日目も手近な群れから討伐して行った。


日が沈む頃にはミノタウロスと、


マンテコアの群れはほぼ壊滅して居た。



「は~いっ本日の狩りは終了しま~すっ


皆、今日も一日ご苦労様でした~順番に入浴して行って下さ~い」



「皆 げろげろ~っ は~いっ」皆



「今日もレベルアップ酔いだね~、


毎日魔獣のレベルが上がって居るから仕方ないか~


それじゃ高度を10キロ迄上昇して下さい」



「はい、了解しました~」



今日もレベルアップ酔いで連弩組は顔色が悪いが、


流石に酔いにも慣れた様で動きは良くなって来て居る。


晩御飯もお代わりをしだした。



「連弩組もレベルアップ酔いには慣れて来たようだね~」



「そうですわね~あの人達も厳しい騎士の


訓練を乗り越えて来た人達ですわ」



「つまり?」



「脳筋ですわね~」



「身もふたもない言い方ですね~」



「所で土の女神様」



女神様達はご飯を食べるのに忙しそうだ。



「もぐもぐ、すき焼きは美味しいです~


ドラゴンも良いですけれど、


ミノタウロスのA5霜降り肉も美味しいですね~


ちょいと其処の貴女ビールを取って下さらないかしら、


え、モモタロウさん?何かしら」



「いや~食べて居るところ悪いですね~


実は如何やって2階層の行くのかな~と思いまして」



「此処はフィールドダンジョンですので、


階層主部屋何て有りませんから、


階層主を探して討伐します。」



「で、階層主は?」



「4メートル程のグリフォンですね~


此処からですと30分程離れたところに居ますよ、


2階層からはグリフォンが出て来ますので、


大体は次の階層から出て来る魔獣が階層主に成って居ますよ、


3階層迄は今のままの戦い方で大丈夫ですね、


Aランクの魔獣ばかりですから、


4階層から全てSランクに成りますので、


短針で致命傷を与えるのは難しく成りますので、


私達が止めを刺す事に成りますね、


階層主のグリフォンを倒したら


最初に入ったような洞窟が現れますから、


其処を抜けて2階層に行きます。


各階層同じですね、」



「と言う事は一旦、船から降りないといけない訳ですね、」



「面倒くさいですけれど、仕方が無いですね、


こんな大きな船は通れませんから」



「ですよね~」



翌日、朝ご飯の後、早速グリホンを見つけた。


岩山の台座のような場所に寝ていた。


モモタロウは早速、射程に迄近づくと、



「射撃開始!」



明日に〇かって撃ての映画の様に台座の岩も、


グリホンもハリネズミの様に成った。


如何にこの連弩が強力な物なのかを示していた。



「この連弩は強力ですわね~


Sランクの魔獣にも効きそうですわね~」



「そうですね~マンティコアや、ワイバーン何かは行けそう、


ミノタウロスや、グリホンはむりですかね~」



「そうですか~両女神様がそう言うんであれば、


4階層のマンティコアやワイバーンは


普通に連弩で狩りましょうか、


ミノタウロスと、


グリフォンはくびちょんぱでお願いしますね。」



「「任せてね~その代わりデザートを宜しくね~」」



「了解しました。」



モモタロウ達は一旦グリフォンが居た台座に全員降り立つと、


飛空戦艦をストレージに仕舞い、


グリフォンが寝て居た後ろに有る洞窟に入って行った。


洞窟の広さは最初の入口と変わらなかった。


隊列を整えて、1キロ程歩いて行くと、2階層に到着した。



ここでも又ゴブリンの大規模集落に遭遇したが、


壊滅させた後に女神様のブレスで掃討して置いた。


又ゴブリンの在庫が50万程増えた。


オークにしても同じで、50万程在庫した。


2階層もこうして、食物連鎖を構築して居るのであろう。


海で言ったら青イソメと、


オキアミが一杯だと言う事なのだろう。


時間も無いので早速、近場の魔獣の群れから狩り始める。


マンティコア、ミノタウロス、


グリホンと次々に群れを壊滅させて行った。


何せ、範囲が広いので大変だ。


日暮れ迄に数十の群れを壊滅させた。


魔獣の濃さは1階層よりも遥かに濃いのだ、


多少の漏れは仕方が無い、


数を減らす事を優先させて居た。


飛空戦艦は上空10キロに遊弋すると、


海兵達は自由時間と成る。


討伐も4日目にも成ると皆、疲れも出始める。


其れに毎日のレベルアップ酔いにも悩ませられている訳だ。


各自ストレスを貯めない様に思い思いの事をしている。


何時もの仲間達は、慣れた物である。


最上階の展望レストランは今日も宴会だ。



「ズロースさん、今回の遠征が終わったら、


まだ雪で閉ざされて居ると思いますので、


1度伯爵領に視察に行きましょうか?」



「私くしと2人で?ラブラブ~?」



「人妻が何を言って居るんですか、他の身内も一緒にですよ、


エレンは良いかい?」



「私くしは家を追い出された娘ですので、


行きたい訳では有りませんが、モモちゃんが行くのであれば


嫁としてお供致しますわ」



「妾達も行くのじゃ」



「「私くし達も参りますわ。」」



「儂も行こうかのう~」



「我も行くのじゃ~」



「クラスメイト じゃ~私達も~」クラスメイト



「メイド 当然ご主人様の身の回りの


お世話の為に行きます。」メイド



「じゃ~此の船を出そうか~沢山乗れるし~」



「皆 わ~い!」皆



飛空艇のお陰でモモタロウの行動範囲が


一気に広がったのであった。



翌朝も朝ご飯の後、狩りが始まった。


此の日も順調に成果を出して、ストレージの在庫は大漁だった。



晩御飯の後、



「所で、グランドマスターのペチカさん」



「はい、何ですか?将来の家族計画ですか?


私、子供は多い方が良いですわ・あ・な・た・


きゃ~言っちゃいましたわ」



「すいません。俺、立たないので、ほんと~


すんません~生まれて来てすいません~


ってそう言う事じゃ無くて~


今狩って居る魔獣の素材と魔石なんですが、


ギルドで買い取る事が出来るんですか~?」



「無理です!!ゴブリンやオークも無理です。


こんなに一遍に買ったらギルドは破産、素材の大暴落が起こって、


私も、冒険者も、モモタロウさんも路頭に迷う事に成ります。」



「じゃあ如何したら良いですか?」



「モモタロウさんの魔法の袋は、


時間無効の魔法が掛かって居りますので、


素材の劣化が有りません、


適時販売として頂かないと、買い取れませんよ


私達の魔法の袋は、中の時間が流れて居ますので、


素材が劣化して仕舞いますので、」



「成るほど、じゃあ、時間無効の魔法の掛かった


魔法の袋をギルドに貸し出すので、適時買取をしてもらえませんか?」



「えっ?あの国宝級の魔法の袋を貸し出して貰えるのですか?


ちょっと怖いんですけれど、リース料はいかほど?」



「今回は此方の都合も有るので、リース料は取らないです。」



「そう言う事でしたら、


年に1回、換金率が良い物を買い取って、


2割のモモタロウさんの経費分を抜いた後の分を


年金の様に今回の討伐に参加した人達に頭割りで配りましょう


其れでもかなりの金額に成るとは思いますが、


モモタロウさんも私達も頭割りに含まれていますので、


変な事には成らないので、安心して下さい。


私は自分の個人資産が減るのは嫌ですし、


皆さんのギルドカードも作りますね、


既に全員、レベル的に金の冒険者と成ります」



「了解です。狩りの最終日に魔法の袋を渡すので、


後の事はお任せしますね、」



「はい、了解しました。其の為にギルドは


優秀な人を雇って居る訳なので、お任せ下さいな」



こうしてモモタロウは一番の懸案に成るであろう


魔獣の素材の販売方法を冒険者ギルドと、決めたのであった。


契約書で決めた訳では無いのであるが、


其処はモモタロウの身内なので裏切られる事も無いのである。


が翌朝、ペチカさんは正式な委託の書類を作って、


モモタロウとペチカさんのサインの入った書類を2部、


1部はモモタロウにもう1部は冒険者ギルドに、


酒の入った席で、口約束だけでは信用に係ると、


後で気付いたペチカさんは急いで、


正式な書類を作ったのだと、



「だって、第三者が関わって居りますので、


なあなあで済ます訳には行きません、


動く金銭も恐らくは冒険者ギルド始まって以来の


巨額に成るだろうから正式に契約書を作りました。」



「そうですね、騎士300人も関係して居る訳ですし、


帝室に、侯爵家に、伯爵家迄関わって居ますもんね~」



と言う訳で、正式な販売契約を冒険者ギルドと交わしたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ