ー160話ー 夜会
ダンジョン討伐の前準備も順調に進み
今日は14月の32日大晦日だ。
「ゴンザレスさん明日の
新年の夜会の方は如何ですか?」
「此れはモモタロウ殿か、
順調に進んで居るようだ。
モモタロウ殿に立てて貰った
温泉宿を離宮にして、
既に各地より集まって来た
貴族達の宿舎にして居る様だの、
息子も忙しくして居る用じゃのう。
毎日の様に飲めや歌えの
大騒ぎと成って居る様じゃ、
所で、モモタロウ殿、
明日の夜会の食事の方は順調かのう?」
「はい其れはもう、色々と忙しかったのですが
シェフ達にも手伝って貰って、準備も整って、
アイテムボックスの中に全て納めて有りますので、
楽しみにして居て下さいね、」
「うむ、楽しみにして居ますぞ」
「あっ、ちっぱい師匠、一寸良いですか?」
「ちっぱい言うな!ってモモか、何じゃ?」
「はい、明日の夜会ですが、
スノーホワイトで行くんですか?」
「うむ、パパとママを載せてな、
貴族達に威厳を示さなければならぬのでな、」
「んじゃ、俺と家族も同乗させて、
後、Sクラスの皆も招待されて居るので、
クラスの皆と、学院長もお願いします。」
「うん構わんぞ、ゴンザレス爺さんも、
ズロースも載せてくれと言って居ったしの、
貴族達に白の女神様と土の女神様の加護が有る事と、
ローソン侯爵と良好な関係を築いて居る事、
何よりモモよお主の後ろ盾が妾と、ローソン侯爵と、
スタンダール伯爵家であると言う事を
大々的に周知出来るからな、
飛空艇から降りる時は最初に両女神様、
次にパパとママ、
其の後に妾と、お主、ゴンザレス爺さんと、
ズロースは、横一列に並んで降りるぞ、
此れはお主の権勢を表して居るのじゃ、
モモに手を出せば一族郎党滅ぼすぞとな、」
「凄ぇ~!英雄みたいだな~で、
そんなに優遇して良いの?俺、唯の一般人だよ?」
「何を言うか、馬鹿者め!
お主の戦力は最早、帝国を軽く凌駕して居る。
最近配下に成った
エルダードラゴン一人で帝国が滅ぶわ。
お主に対抗出来るのは
原始の森の大賢者ヤマダタカシだけじゃろう。」
「きゃ~出たよヤマダタカシ、
懐かしい名前だな~怖い思い一杯したよね~
うん、忘れよう」
「他の貴族から
ちょっかいを出されたら妾が困るのじゃ、
業病対策の研究開発、暗黒大陸との貿易、
帝国、いや人族にとって
巨大な利益がぶら下がって居るのじゃ、
妾も真面目に取り組まざるを得んのじゃ、
お主にも協力して欲しい。
妾は帝室存続のために
子を成さねば成らぬ身じゃ、
じゃが逆に子を成したら自由に出来るのじゃ、
其の時は役立たずじゃが夫に迎えよう。
ズロースは中々に良い案を示してくれたのじゃ、
その頃には妾のおっぱいも膨らんでいよう
楽しみにして置くのじゃ」
「はい、おっぱいが膨らんだらね~」
此の後、モモタロウは厨房に行き、
今夜の夕食と、年越しそば、
明日のおせち料理をシェフの皆と、
あ~だこ~だと言いながら作って、
重箱に詰めて行った。
夕食が終わって、何時もの宴会が始まって、
皆酔いが回って来る頃、
皆に年越しそばを配って行き、
年越しそばも食べ終わり、
年が明けようとする頃、
両女神様が舞台に上がった。
皆は真剣な面持ちで
今年一年無事で過ごせた事への
感謝の祈りを直接両女神に捧げて、
新しい一年の無事を願って
祈りを捧げるので有った。
スピーカーから
「さ~皆さ~んカウントダウンを始めますよ~!」
「皆10~!9~!8~!7~!6~!
5~!4~!3~!2~!1~!
明けましておめでとうございま~す!」皆
「さ~一年間無事に生きて来られたにゃ~
目出度いにゃ~宴会だにゃ~!」
「一年無事に過ごせたうさ~
良かったうさ~宴会だぴょん~!」
「おい!おかまエルフお盆を持つて来るにゃ!
裸踊りだにゃ~!」
「そうだぴょん、裸踊りぴょん」
「う~ん、何時も道理だな~
女神様方、帝室の皆さん、手拍子して居るよ~
良いのか?其れで」
メイド達が串カツ、唐揚げ、フライドチキン、
オードブルに餃子にシュウマイ、等の
酒のあてと追加で、お酒を各種運んで来た。
「皆様、過ぎ去った年の事は
奇麗さっぱり忘れ去って、
飲んで騒いで新しい一年を祝いましょう!
さあ、忘年会の始まりで御座います。」
「忘年会ってそんなだっけ?
まっ良いか~」
皆、酔いつぶれた
翌日、座卓の上には重箱が並び、
船盛りには新鮮な魚の刺身が奇麗に並べられ、
雑煮が配られて、ぐい飲みに注がれた日本酒を
モモタロウは掲げて
「皆~明けましておめでとう御座いま~すっ
今年も一年良い年であります様に~」
「皆おめでとう御座いま~すっ!」皆
此の後モモタロウは皆にお年玉を配って行った。
「う~ん?何故にゴンザレス爺さんや、
パパさんママさんにも配るのか?」
『貰えない人が居たら寂しいからっスね、
マイダーリンも1人だけ
貰えなかったら寂しいでしょっス』
「成程、言い得て妙だね、流石はリリーだねっ
いよっ!大賢者!愛する奥様!」
『むっふ~もっと褒めても良いっスよ~
因みにお年玉の中身は古代のエルフ金貨っス。
価値は流通金貨とは比べ物に成らないっス。
土の女神様のお宝の中に有った物っスね~』
「皆~今配ったお年玉の金貨は~
古代エルフ金貨で~すっ
価値が高いので、
冒険者ギルドで換金してから使ってね~」
「皆は~いっ!有難う御座いました~!」皆
何故かパパさんママさん、両女神様も返事していた?
「おいギルマス~此の金貨幾らににゃるのにゃ?」
「そうですね~珍しい物ですので、
好事家に高く売れますので
ギルドでの買取価格は
流通金貨100枚以上には成りますね」
「おいウサギ金貨100枚って幾らだにゃ?」
「うん、金貨100枚って、銀貨一杯だうさ?」
「あっ、其れでしたら、銀貨2000枚ですね、」
泡を吹いて倒れる二人
「此の二人此れでもうさ耳族と、
トラネコ族のお姫さんなんだよね~
裸踊りのプリンセス?」
おせちや雑煮、お酒も回って酔い始めた頃、
「お~いモモよ、もうそろそろ
ローソニア城に出掛けるぞ~」
「皆は~いっ!」皆
皆は飛空艇の発着場に集まると、
ちっぱい師匠は魔法の袋から
スノーホワイト号を出すと、
皆が乗り込んで行った。
「皆乗り込んだか?」
カンシンガ点呼を取って、
「皆さん乗り込んでおられます。
女帝陛下」
「うむ、お前だけじゃのう
妾を女帝と呼んで呉れるのは、
よしよし良い娘じゃ良い娘じゃ」
「陛下は我が主の
お師匠様で御座いますので、
当然で御座います。」
「モモよ良い従者を持ったな羨ましいぞ、
妾の配下と来たら其れはもう
変態ばかりじゃからのう、
羨ましい限りじゃ」
「変態ばかりなんだ~」
スノーホワイト号は領都の大通りをゆっくりと、
ローソニア城に向かって飛行して居る。
沿道には女帝の飛空艇を
一目見ようと人が集まって居た。
やがて城に到着し城の門前に着水した。
城門前には領主を始め、貴族達が整列して、
女帝アンジュ、ルグレスが降りるのを待って居た。
桟橋が掛けられて、
先ず護衛の騎士達が桟橋の左右に整列すると、
先ず最初に二人の女神様が降りて行った。
すると、貴族達の中に膝ま付いて
祈りを捧げる者達が現れた。
事前に話が伝わっている様だ。
次にパパさんとママさんが降りると、
皆、胸に拳を当て、臣下の礼を取った。
パパさんと、ママさんは
にこやかに微笑んで手を振るのだった。
次がアンジュ女帝陛下、モモタロウ、
ゴンザレス爺さん、ローズさんの
4人が横1列に並んで降りると、
ざわめきが起こったが、すぐに収まった。
女帝はローソン侯爵の前で止まると、
「ローソン侯爵大儀である。」
ローソン侯爵は胸に拳を当てて、
臣下の礼を取ると、
「女帝陛下に置かれましては、
この様な僻地にお越し頂き
感激の極みで御座います。
何も無い田舎では御座いますが
何卒ごゆるりとお過ごし下さいますよう」
「なに、気遣いは無用じゃ
お主と妾との仲では無いか
ゆっくりと温泉にでも
浸からせて頂こうでは無いか」
「ははっ有難きお言葉に御座いまする。」
「うむ、皆の者もご苦労である。早速案内致せ」
ローソン侯爵が先導して、
他貴族達はちっぱい師匠に付き従うのであった。
貴族達が女帝と共に城に向かった後に、
その他大勢が下船して行った。
最後に艦長が師匠から預かった魔法の袋に
スノーホワイト号を回収すると、
今度は城では無く離宮に向かって行った。
だって、式典は偉い人に任せたいよね
皆は、離宮に到着すると
メイド達は早速厨房を借りて
お茶の準備を始めた。
其の外の者は思い思いに寛ぐのであった。
女神様や女帝様達が離宮に来ると、
侯爵のメイド達が整列して迎え入れた。
「あっ皆、帰って来たのにゃ」
「お帰りなさいうさ」
貴族の中から1人前に出ると、
「貴様ら何故獣人が貴族の集まりに居るのか!
警備は何をして居るのだ。
女神様や女帝様も居られるのだぞ!
早く追い出さんか!」
怒鳴られてネコとウサギが泣き出してしまった
「何此れ、侯爵、如何言う事?
女帝様のクラスメイト侮辱しちゃうんだ~」
モモタロウはネコとウサギの頭をなぜると
「家に帰ろうか?」
「うん、でもモモの迷惑に成ってしまうにゃ」
「こんなの初めてじゃ無いから構わないうさ」
「此れはもう無理、全員集合~撤収~」
「皆は~いっ!」皆
「ああ、そうだ忘れてた」
モモタロウは厨房に行くと、夜会の食事を
作業テーブルの上にどさどさっと出すと
さっさと離宮を後にした。
侯爵が全速でモモタロウに追いつくと、
ジャンピング土下座を決めて、
「申し訳御座らん~!
女帝陛下の御学友を侮辱する者が居るとは、
夢にも思いませなんだ。」
「いや、侯爵が悪い訳では無いし、
ネコやウサギだけの事では無く、
俺の従者も亜人が多いですし、皆身分は奴隷なので、
とてもでは無いですけれど、
此の場には置いておけません。
私達が楽しむ雰囲気では無くなったので、
今日の所は帰らせて頂きます。」
何故か女神様やパパさんママさん
ちっぱい師匠も付いて来ていた。
「侯爵、あいつら燃やしても良いか?」
「アンジュ様其れはダメで御座います。」
「ママは許すわよ、」
「うん、パパも許す」
「離宮が壊れます。」
「皆それでかよ!」皆
ネコとウサギを侮辱した貴族は直ぐに、
ゴンザレス爺さんにぶん殴られて
追い出されて居た。
「こ奴の寄り親は誰か?」
「貴族ゲコ男爵の寄り親は其処に居る
ハゲコー子爵で~すっ」貴族
「ハゲコー子爵よ、よくも我が侯爵家の主催する夜会で、
大切な客人を侮辱してくれたな!
最早お前達の領地も無事では済まさんぞ、
今直ぐに我が領地から出て行け!」
ハゲコー子爵は、逃げる様に帰って行った。
モモタロウ達はその様子を遠めに見乍ら
スノーホワイト号の船長が魔法の袋から出した
スノーホワイト号に乗って屋敷に帰ってしまった。
「白の女神様~土の女神様~
あんな事をして追っ手を出されたら如何しよう~」
「追っ手位、私くしが
チリに変えて御覧に入れますわ」
「そうですね~
あの城が火山に成ってしまいますね~」
「ちょつと何言って居るのか分かりません。」
「「だって、ドラゴンですもの~」」
「師匠~如何しよう」
「お主が手を出さなければ、
妾が燃やして居ったのじゃ。
仮にも妾のクラスメイトを侮辱したのだぞ!
一族郎党皆殺しじゃ寄り親も含めてな」
「怖ぇ~よ!」
「さて、此の後どうしたもんじゃろう~のう」
「取り敢えず風呂にでも入って、
飯食って忘れましょうか~」
「「そうですわね~」」
「まあ、成ってしまった事は仕方無いしのう、
飲んで忘れるのが一番じゃのう」
翌朝、侯爵家から娘が届いた。
ゴンザレス爺さんと共に
「何此れ、ゴンザレスさん如何なってんの?」
「何、昨日の不手際の詫びじゃよ、
先日モモタロウ殿が救ってくれた
一番末の孫娘じゃ、
側室の一人に加えてやってくれぬか?」
「私くしソフィア、ローソンと申します。
幾久しく宜しくお願い致しますわ(ぽっ)」
「ソフィアはモモタロウ殿に
命を救われてから、其れはもう
一目ぼれでのう、
昨日の夜会で会うのを
楽しみにしておったのじゃが、
あんな事に成ってしもうてな、
息子に食って掛かったのだよ、
昨日の事は息子の完全な手落ちだからのう
息子も仕方無しに
ソフィアの言葉を受け入れたのじゃ
わしからも宜しくお願いするのじゃ、
わし共々」
「爺さんのオマケ付きかよ」
「モモタロウ様はダンジョンに
行かれるのですね。
私も是非お供をさせて下さい。
決して足手纏いには成りませんから」
「良いですよ、
姫様を守れる位の戦力は有りますからね、
其れに体の弱い姫様もレベルを上げれば、
体力も付くでしょうし」
「はい、嬉しゅう御座います
今は亡き姉のシドニー共々宜しくお願い致します。」
「シドニーさん死んでね~よ」
「其れは良いのですが、
何時ダンジョンに行かれますの?」
「其れは良いんだ~
昨日の事も在りましたので、
今日はゆっくりして、
明日から探索しようと考えて居ます。」
「其れはそうと、ネコとウサギを侮辱した
貴族は如何するのですか?」
「うむ、雪解けを待って、寄り親の子爵と共に
全軍を持って滅ぼす所存じゃ」
「何気に怖ぇ~が、友人の事なので、
此処は私達も協力しますね、
女神様も協力するって言って居るので、
飛空戦艦を出動させましょう」
「其れは心強い、感謝致しますぞ」
「モモタロウ様は飛空艇をお持ちなのですか?」
「はい、持って居ますよ、一杯」
「きゃ~私も載せて下さいな」
「明日からのダンジョン討伐は
飛空戦艦での討伐に成りますので、
楽しみにして居て下さいね。」
「はい、はい、楽しみにして居ますね、
白馬の騎士様では無く白飛空艇の騎士様ですのね、
モモタロウ様は不能とお聞きして居りますが、
私が使用可能に成る頃迄に
必ず完治させて差し上げますわ」
「がはっ!期待させて頂きますね、
でも、飛空戦艦黒いんだけど~」