ー159話- クリスマスパーティー
翌日、モモタロウ邸は朝から
クリスマス気分一色に染まって居た。
いつのまに置いたのか吹き抜けには
飾り付けられた大きなモミの木?が置かれて居り、
館内にはクリスマスソングが流れて居る。
「華やかだね~ん?サンタの格好をした女の子?
メリークリスマスと書かれた
プラカードを担いでいるよ~
何してんの?」
「配下 あっ、モモタロウ様、宜しくお願いします。」配下
と、女の子にポケットティッシュと、
チラシを配られた?
「う~ん、
此のチラシのキャバクラサンタって何?
何で皆、サンタさんのコスプレなの?
男性陣は漏れなくトナカイさんだし?
各フロアの前で、青いはっぴを着たサンタさんが、
何か呼び込みをして居るし、
どっかの繁華街かよ!」
所狭しと電飾が点滅している。
ちょっと優雅さとは懸け離れた光景に成って居た。
「もうちょっと、神戸の電飾祭りを見習おうよ~」
「緑 お~いモモタロウ~」緑
「ああ、如何しました土の女神様。」
「緑 良いな~此れ、何かわくわくするよ~
さっき、スマートボールってのを
やったんだけどさ~面白いな~
全然入らなかったけど~」緑
と、女神様は綿飴をほう張りながらやって来た。
「緑 モモタロウも一緒に回ろうよ」緑
「はい、ご一緒しましょうか」
「緑 モモタロウモモタロウ、あれ食べたい!」緑
「はい、タコ焼きですね、」
二人でたこ焼きをはふはふと食べて居ると、
「エ モモちゃんモモちゃん、
私くしも一緒に回りたいですわ。」エ
「あれ?ズロースさんは?」
「エ お姉様は何かパチスロとか言うゲームにハマって、
夢中でやって居りますわよ」エ
「おお~パチスロ廃人だよ~
其れじゃあ一緒に回ろうか、」
だだだだだだだだだ~~
「何か駆けて行ったね~」
「エ そうですわね~赤、黄色、緑、ピンク、青の
衣装を着た娘達が走って行きましたわね~」エ
「緑 今の5人、元私の配下だね~」緑
「う~ん、クリスマスに、縁日に、
コスプレ祭り?何此れ?」
だだだだだだだだだだ~~
「今度は何!」
「エ 何かセーラー服の衣装を着た白の女神様と
緑と赤と、青の衣装を着た配下の方達と、
何かシルクハットを被った方と、
悪役みたいな方と、やられキャラの方が15人程
走って行かれましたわね。
あっ、モモちゃん、あれ食べたいですわ。」エ
「セーラー〇ーンかよ!う~ん、
はいよ、お好み焼きね、女神様は?」
「緑 はい、私も頂きますね、」緑
と、お好み焼きを買って食べた。
だだだだだだだだだだ~~
「お~今度はちっぱい師匠と
学長が走り去って行った。
う~ん~?プリ〇ュア~?」
フロントの窓から雪景色の外を見てみると、
ママさんと、パパさんが二人だけの世界に入って、
ママチャリで遊んで居た。
此の騒ぎは日が暮れるまで続き、
ピ~ンポ~ンパ~ンポ~ン
「只今より、宴会場にて、
モモタロウ屋敷、クリスマスパーティー
を始めたいと思います。
お客様各位も奮ってご参加下さい」
宴会場に行ってみると、
各座卓に大きな鳥のモモ肉の照り焼きが
どんと置いてあり、
フライドチキンが所狭しと並んでいた。
皆は鳥ももとフライドチキンをほう張り乍ら
シャンパンをごくごく飲み、
正面の舞台での寸劇を見て
楽しんでいた。
「あの赤、緑、黄色、ピンク、青の5人は
ゴレン〇ャーかよ!
配下のエルダードラゴン達だよね~
元気だね~あっ一人舞台から落ちた?
何も無かった見たいに、ほんと、頑丈だね~」
「エ モモちゃんモモちゃん、
あれは白の女神様では無くて?」エ
「うん、そうだね~
あれはセーラー〇ーンのコスプレだね~」
「白 お~っほほほほほ~月に変わって撲殺ですわ!」白
「仲間の足を掴んで振り回しているね~
あっ!シルクハットを殴り飛ばしたよ~
周りの味方、皆吹き飛ばしちゃったよ~
流石はドラゴン!」
「エ でも、吹き飛ばされた人達、
皆笑って居ますわね~」エ
「うん、頑丈だね~」
「エ 無駄に頑丈ですわね~」エ
「次はちっぱい師匠だね~」
「エ 学院長も居りますわ~」エ
「プリ〇ュアかよ!」
寸劇の次は漫才や落語が、
其々有志達によって行われて行った。
「ネコとウサギは息ぴったりの漫才だったね~」
「エ まあ途中から裸踊りに変わって居ましたけれど」エ
「男の娘は歌を歌って居たね~
実は自分は男だとカミングアウトしてたね~
皆知っているけど~」
「エ モモちゃん、ちっぱい師匠の護衛達が、
ひっくり返って悶えて泣いていましたわよ」エ
「えっ、マジ?知らない人居たんだ~
男風呂に入って居るのに何故?」
「エ そうですわね~誰も入って居ない時間に
入浴して居たみたいですわよ」エ
「何で?」
「エ 何でも私の肌はモモちゃんにしか、
見せないと言って居りましたわ」エ
「いやいや、見たくね~し
俺、そっちの趣味ね~し、
ちんこ並べても仕方ね~し」
「エ 私くしの裸なら何時でも見せますわよ、
見ても起たないでしょうけれど」エ
「御免なさい・・・・・」
パーティーもたけなわと成り、各テーブルに
大きなケーキがどんと置かれて、
ローソクに火を付けると、
急に明かりが消えて、
ホワイトクリスマスの曲が流れだした。
「ローソクの火が奇麗だね~」
「エ 私くしの屋敷では何時もこうでしたのよ、
侘しいですわ。」エ
「そうなの?御免なさい」
「エ 良いのですわ、今は幸せですし、
ローソクの明かりも良いかもって思えて来ますわ」エ
ひとしきり皆が楽しむと明かりが付き、
メイド達がケーキを切り分けて行き、
各自に配って行った。
「う~ん卒が無いね~
流石はカンシンが鍛えて居るだけはあるね~
後で皆にお礼を言わなきゃね、」
こうしてクリスマスパーティーの
夜は暮れて行った。
翌朝、朝ご飯の後、
モモタロウは白の女神様に、
「白の女神様、今度のダンジョン討伐ですが、
フィールドダンジョンが広すぎて、
徒歩での探索が無理なので、
大型の飛空艇を新造したのです。」
「白 リリーちゃんが又作ったのですか?」白
「はい、気球部分の全長が200メートル、
船の部分は100メートルあるそうです。」
「白 ほう、其れは大きいですわね、
私くしの白銀の女神号の
2倍の大きさが有るのですね、」白
「はい、参加人数が300人程に成るので、
新造するしか無くて、其処で相談なのですが、
討伐の期間中レベリングをしない、
女神様の配下のハイエルフ達を
操舵要員に貸して頂きたいのですが、」
「白 はい、其れは構いませんよ、
其れだと、練習しなければなりませんね?」白
「はい、宜しければ、今日からでも、
練習しようかと考えて居るのですが如何ですか?」
「白 うん、早い方が良いですわね、
今年も後4日ですか?
今日も練習航海と思って居りましたけれど、
早速クルーを集めましょう、
後、討伐で御座いますが、
私くし達の役目は如何成って居りますの?」白
「はい、計画して居るのは、
飛空挺に並べた連弩で、魔獣を狙撃して、
女神様達の範囲攻撃魔法で殲滅、
残った魔獣を配下のエルダードラゴンの、
攻撃魔法で殲滅と計画して居ます。
何分、範囲が広大なので、
1階層当たり3日を予定して居ます。」
「白 えーっと、緑が10階層迄討伐すると
言って居りましたので、
約30日間の討伐期間と成る訳ですのね、」白
「はい、如何でしょうか?」
「白 勿論、構いません事よ。
終了後も厳冬期のど真ん中と成りますが、
モモタロウ邸に滞在する訳ですから
問題も無いでしょう。
暖かいし、温泉は有るし、
ご飯が美味しいのですから
緑も異論は無いでしょう。
私くし達、今が凄く楽しいですのよ、
私くし達には寿命と言う物が無いので、
長い長い人生の一番の敵が、退屈ですの、
そして一番の楽しみが
美味しいご飯と、お酒ですのよ
今は其の両方が満たされて居て
とても幸せですのよ、」白
モモタロウ達は屋敷を出ると、
飛空艇の発着場のプールに行き、
先ずプールを大きくしてから、
其処に新造艦を出した。
全長が、風船部分が200メートル有り、
船体部分は100メートルの巨大艦だ。
船体は黒竜の骨と鱗を使った漆黒で、
パッと見ると、とても帆船には見えない。
規模を小さくした何処かのクルーズ客船の様だ、
船の両舷側と気球の両舷側には
右に白の女神様。
左に土の女神様の横顔を
カメオのペンダントの様に
浮き彫りにしたレリーフを飾り、
船首の飾りには、
エレン姿の女神像を飾り付けてあった。
そんな外観の船では有るが、
気球に登る為の通路は3か所あり、
其々がマストの帆を張る事が出来る。
プロペラも大きくて、白銀の女神号の2倍だ。
船に3ヵ所、気球に3ヵ所有る。
そう成ると必然的に大きな動力を
必要とする訳だが、
エルダードラゴンの魔石が最大なので、
2か所に有る魔石装置をツイン魔石装置にして、
エルダードラゴンの魔石を4個使用している。
まあ単純に2倍の力を発揮する様にして居る訳だ。
両舷側には150×150=300の
固定式の連弩がずらりと並んで居る。
下方向に射撃出来る様に支柱は長めだ。
船室の数も多い、平船員から、幹部船員、
貴賓室、船長室、モモタロウの部屋、
平船員は気球内部に作られた
何時ものカプセルホテル使用で、
400人収容出来る。
幹部船員は6畳位の広さの個室だ。
貴賓室、艦長室は8畳位の広さが有る。
モモタロウの部屋も同じ仕様で、まさに客船なのだ。
客室の他は展望レストラン、男女別の大浴場、
25メートルのプール等も備わって居る。
魔法の袋がじゃぶじゃぶに有るので、
貨物室の必要が無く、
全て乗員用の為に使う事が出来る訳だ。
此の世界では、豪華客船と言って良いだろう。
既に集まって来ている
ローソン侯爵領の騎士100人、
8割が女性だが、
ちっぱい師匠の護衛とパパさんとママさん。
ローズさんの護衛と従者、魔法学院の皆、
モモタロウの家族と
新しく仲間に成ったメイド見習い達、
白の女神様と其の従者達、土の女神様と元従者達、
モモタロウ、エレン、ローズ、
ゴンザレス爺さんにぺス。
皆、新造艦に乗り込むと、主要メンバーは
3本有る支柱の一番前に有る
支柱の中の梯子を登って行った。
「うん、今日もパンツが良く見えるな~」
気球部分に辿り着いて、気球内のタラップを、
一番前迄歩いて行くと、第一艦橋が有る。
中に入ると、20畳以上の広い空間に出た。
ハイエルフが、配置に付くと、
発進シークエンスを始めだした。
「中々に段取りが良く成って居ますね~」
「白 はい、元々優秀な配下達ですし、バカだけど、
何回か繰り返したら無難にこなす様になりますわ」白
「配下 艦長はモモタロウ様で良いですか?」配下
「はい、艦長のモモタロウです。」
「配下 はい艦長、発進シークエンスが完了致しました。
オールグリーンです。ガミ〇ス空母も来て居ません
艦の名前は如何しましょうか?ヤ〇ト?」配下
「艦の名前ですか~考えて無かったよ~
如何しよう?エレン」
「エ はい何ですの?」エ
「今日のパンツは黒だったよね~」
「何でモモちゃんがそんな事を知って居ますの~?」
「梯子を登るときにね、見えちゃったんだよね~
そんじゃあ空中戦艦エレン号で、」
「エ そんな名前の付け方嫌ですわ~」エ
「配下 はい其れでは、黒パンのエレン号発進します。」配下
「エ いや~!そんな名前の呼ばれは方いや~!」エ
何故か黒パンのエレン号と言う
船名が定着してしまった。
「まあ単にエレン号なんだけれどね、
まあ良いか、黒パンだった事は間違って無いし」
エレン号はゆっくりと離水すると、
雲海を抜けて、高度10000メートル迄上昇した。
「配下 進行方向は如何しますか?」配下
「そうだね~連弩の訓練も兼ねて居るから、
撃っても影響の無い海に向かってくれる?」
「配下 了解、海に向かって飛行します。
黒パンのエレン号、北西に向かいます。」配下
「配下 北西に向かって転舵します、ヨ~ソロ~」配下
「エ いや~!其んな名前で呼ばないで~」エ
「配下 現在高度10000メートル、
偏西風、風速60メートル微風、
追い風と成って居りますので、
空気は薄いですが、
時速70キロ程の速度が出て居ます。
海岸線迄およそ20時間です。」配下
「其れじゃあスピードアップしますか、
飛空魔法展開」
飛空艇の気球部分から銀色の巨大な翼が生えて、
車の様に徐々に加速を始めた。
「配下 時速80キロ、90キロ、100キロ、
120キロ、150キロ、250キロ、
400キロ、600キロ、800キロ、
1300キロ、安定しました。海迄1時間です。」配下
「じゃあ、お茶にしますか」
「皆 は~い」皆
メイド達がお茶の準備をして、
大きなテーブルに、お茶とお茶受けの
メイプルシロップ味のワッフルを並べて行った。
「美味いな此れ」
「メイド はいご主人様、
料理長のユキ姫を初め、
料理人達の力作で御座います。」メイド
「流石だね、
カンシンに鍛えられているだけの事は有るよ」
「カ 私だけの力では有りません。
ご主人様のメイド達は各自に血の滲む様な
努力をして居るからに他成りません、
皆を褒めて頂ければ幸いです。」カ
「そうだね~カンシンは
何時も他の娘達を褒めるよね~
そんなカンシンだから
俺は信頼して居るんだよね~」
「カ はい、有難う存じます。
しかし私は何時もご主人様の
お側に居りますので、
こうしてお言葉を頂ける
機会も多いのですが、
他の者達は中々そう言う訳にも参りませんので、
出来るだけご主人様に、認知して頂ける様に
心を配って居るだけなのです。
私達はご主人様にお言葉を頂ける事が
何よりも嬉しいのですから、」カ
「皆ええ娘や~、雪姫、タロ、ジロ、シロ、
美味しかったよ、何時も有難うねっ!」
『4 褒めて頂いて、嬉しいです~』4
此の後海に出てから、レベリングのメンバーは、
みっちりと、連弩の射撃訓練と、
マガジンの交換の訓練を行った。
射撃は海の上に幾つもブイを落として、
其れに狙いを定めて、
上空50メートルの所から撃つのだ。
最初は的外れな所に飛んで居たが、
丈の短い矢も慣れて来ると、
ブイの周りに集まりだして居た。
帰る頃に成ると、
ブイに充てる者も出だして居た。
「うん、良い感じだね、
後数日もしたら練度も上がりそうだよね、
皆~そろそろ帰ってご飯にしようか~」
「皆 は~い」皆