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143/201

-143話ー 迎え


翌朝、モモタロウ達は朝ご飯を食べ終わると、


冒険者ギルドへと行き、


昨日遺体を侯爵城の墓所に安置して来た報告と、


スクリュー男爵邸で回収した遺体を引き渡して、


必要のない宝石やその他の遺留品を


冒険者ギルドに売りに来たのだった。



「はい、依頼書にもちゃんと


侯爵様のサインを頂いて居ますね、


遺体の搬送依頼は此れで完了と成ります。


シドニー、ローソン様より預かった


金貨100枚、此れが報酬と成ります。


お受け取り下さい」



「ごっつあんです!」



「其の次ですが、


旧スクリュー男爵邸の死霊討伐ですが、


此れも完了して居りますので、


此の後遺体を解体所で引き取ります。


此方が侯爵家より出て居ります


報酬、金貨500枚と成ります。



お受け取り下さい。尚、住宅ギルドより金貨100枚の、


懸賞金が掛かって居ますが、


此方は住宅ギルドに行って貰って下さい。


此方が討伐証明書に成ります」



「またまた、ごっつあんです!」



「最後に回収された旧スクリュー男爵邸の


遺留品の買い取りですが、


査定に2日見て頂けますか?


ギルマスが


直接買い取り価格を提示するとの事ですので」



「了解しました」



「はい、宜しくお願い致します」



「モモちゃん買取価格が気に入らなかったら、


断って良いんだからね、


其の時はギルド本部が買い取るからね」



「ペチカさん、有難う御座います。


其の時は宜しくお願いしますね」



話が終わると、受付嬢に案内されて解体場に行き、


白骨の遺体とギルドに買取を頼んだ遺留品を出して、



「受付嬢さん、遺留品の預かり証は?」



「えっ?必要でしょうか?」



「貴女、何考えて居るの?バカなの?死ぬの?


もう良いです。モモちゃんこんないい加減なギルドに、


宝物を売る必要なんて無いわ。


全てギルド本部が責任をもって買い取らせて頂きます。


遺留品を仕舞って帰りましょう!」



「はっ!グランドマスター?直ぐにギルマスを」



「必要有りません!」



とペチカさんが切れたので、


モモタロウは逆わらないで、


遺留品をストレージに仕舞うと、


早々に冒険者ギルドを後にした。



住宅ギルドに行く途中、



「あのギルマスはダメね」



と呟くのだった。



「こ、怖い」



住宅ギルドへ行くと、



「やっぱり誰も居無い。今日は~!何方か居ませんか~!」



「は~いっ!今行きますね~」



此の前のドワーフのお姉さんが出て来た。



「あら、貴方先日の?無事に戻れて何よりだわ」



「はい、旧スクリュー男爵邸の討伐が完了したので、


報告に来ました~」



「えっ?本当にあの、悪霊を倒したの?」



「はい、冒険者ギルドから報告来てません?


此れが討伐の証明書です」



と、冒険者ギルドから貰った討伐証明書を手渡した。


其れを見て受付のお姉さんは、



「あら、本当!凄いのね坊や」



「いや~それ程でも有ります~」



「じゃあ、懸賞金、金貨100枚を渡す前に、


家は如何するの?


何か坊やだと自分で作っちゃいそうだけど~


土魔法とか得意そうじゃない」



「はい、もう作っちゃいました!」



「・・・・凄いのね、私の人を見る目は本物だわ。


え~っとちょっと待ってね」



御姉さんは奥に戻って金貨袋持って帰って来た。


金貨袋をモモタロウに手渡すと、


棚から羊皮紙の書類を取り出して、



「此れ、此れ、確かモモタロウ君で合って居るわよね」



「はい、モモタロウです。可愛くてボインのお姉さん」



「まあ、可愛くてボインでセクシーなお姉さんだなんて、


可愛い坊やね、はい此れ、


大事な土地の権利書だから無くしちゃダメよ」



「は~い、セクシーとは言って無いですけど~」



「ま~モモちゃんたら、


何時もこうして女を引っ掛けて居るんですのね」



「ま~何時もの事ですわ」



「「ご主人様にそう言われたら、


直ぐにパンツを脱ぎます!」」



「ま~坊やは愛されて居るんですね、妬けるわ、


女は皆、直情的だけど、亜人種は特に燃えやすいのよね~


私もパンツを脱ぎそうになったわ。坊やは情熱的ね」



「情熱的ですか?『社交辞令の積りなんだけど、


・・・うん気を付けよう』」



「あっ、そうそう君は冒険者だよね~」



「はいそうですが」



「冒険者ギルドには気を付けなよ」



「はい?」



「あそこの冒険者ギルドは良い噂は聞かないからね、


住宅ギルドも、もう付き合いが無くなったし、


人の悪口は言いたく無いから此れ以上は言わないけれど、


兎に角気を付けなさい」



「はい、ご忠告有難う御座います」



「坊やは礼儀も正しいんだね、


顔もショタ顔だし、こりゃお姉さんたまらんわ~


今度家を見に行っても良いかしら?坊やが建てた家を見たいし、


何ならベットに押し倒して貰っても良いわよ」



「何時でも見に来て下さい。押し倒したりはしませんが」



「あら残念!でも見に行くわね。其れと坊や」



「はいまだ何か?」



「坊やには、私みたいなショタ好きが


飛び付いて来るでしょうけれど、


鬼女族にだけは気を付けてね」



「怖いんですか?」



「怖い?んん~そうね~ある意味そう、怖いわね~・・


どの国も一夫多妻でしょう?


女が圧倒的に多いんだからそう成るわよね、


可愛い男の子に女子が群がるのは当たり前なんだけど、


でもそんな事は当然、


女の子自身も分かって居る事なんだよね~」



「鬼女族は違うのですか?」



「少し違うの、鬼女族は凄く情熱的なのよ、


私達亜人よりずっと、


一人だけをずっと愛せば問題無いのよ、本当に、


貞淑で、才色兼備、非常に母性的で良く働くし、


子育ても上手いんだけれど、



他の女を愛する事を許さ無いの、絶対に許さ無いの


例え自分をどんなに大切にしていて貰って居たとしても、


おかしく成っちゃうらしいの、


嫉妬に狂ってちんちん切り落とされるか、


浮気した男の人を刺し殺して、


ちんちん切り落とすんだって~怖いよね~」



「う~ん、ホラーだね~


『殺してもちんちんは切り落とすんだね~』


はい、ちんちん切られたく無いんで、気を付けますね」



「此の国、


此の領内にも鬼女族は居るから気を付けなよ~」



「正にモモちゃんの天敵ですわ!」



「まあ、恋愛の問題が無ければ、


一流の冒険者が多いんだけれどね~」



「「ご主人様のちんちんは私が守ります!!」」



懸賞金と土地の権利書を受け取ったモモタロウ達は、


領都の門を抜けて一路ローソニア郊外の森に作った


仮家改冬仕様を目指した。


到着した時には既に午後をかなりまわって居たが、



皆既に出発準備は出来て居て、直ぐに仮家改冬仕様を仕舞って、


その場を出発した。


箱馬車4台は、日が沈む前に領都へ入るべく、


雪道を急ぐのであった。



「姉御~領都のお屋敷はどんな感じなのにゃ?」



「ああ、見たらビックリする位凄いぞ、


何と言ってもお風呂が凄い。


泉の様な大きな、


ぷーると言うお風呂が有るんだ。泳げるんだぞ」



「ネコは犬かきしか出来ないぴょん」



「バカ者~ネコかきだにゃ~」



「にぎやかだね~」



「はいご主人様、皆、待ち焦がれて居りましたので」



「ご苦労様だったね、カンシン、コウメイ」



「いえ、其れが私達の仕事で有りますので,


念話で連絡も頂いて居ましたし」



「有難う、所でペチカさん、


シドニーさん達の変装は大丈夫でしょうか?」



「ああ任せてくれ、シドニー殿は冒険者ドニーとして、


モモタロウパーティーの一員として過ごして貰う、


他の侍女達と一緒にな、


服装も冒険者だし、冒険者カードも作った。


覆面も用意したしな、完璧だ」



「はい、宜しくお願いしますね。


エレン、新しい屋敷の家紋だけれど、


スタンダール家の家紋使っても良い?」



「はい、天然温泉ですのよね、


お姉様には私くしから手紙を、


書いて置きますわ、恐らくですが、


お姉様も利用するかと思いますわ。


御姉様は酷い冷え性なので、


きっと重宝して呉れますわ」



「うん其れは良いね其れと、


屋敷の維持管理なんだけど、


又、奴隷を買おうと思うんだけど良いかな?


何人位必要だと思う?」



「そうですわね~人を雇うと


給金の支払いの度に来ないといけなくなるし、


奴隷を買い揃える方が現実的かしら、まあ、


屋敷を使わない時は貸し出すと言う事も出来そうですが、



人数は・・・・地上5階でしたわね~


10人以上は必要でしょうね、


後警備と管理者も含めて、15人位が妥当じゃ無いかしら」



「そうなんだよ奴隷であれば、リリーが経費や給金なんかも、


全て管理して呉れるから、楽なんだよね~」



「では、落ち着いたら私くしとカンシン、


コウメイの4人で参りましょうか」



「うん、そうしようか、


ペチカさん、冒険者ギルドの事怒って居ましたけれど、


如何したんですか?」



「うん、まあ内輪の事で迷惑を掛けて御免なさいね、


あのギルドは如何にも信用が置け無いわね、


住宅ギルドの話も有るし、


本部と連絡が付き次第に監察官を呼ぶ事にするわ。



何か埃が一杯出て来そうね、


そんな所に高額なお宝を任せる訳にも行かないしね、


最悪ギルマスが魔法の袋を盗んで行方をくらます。


何て事も有るかも知れないわ」



「えっ、そんな事有るんですか?」



「モモちゃんは甘く考え過ぎね、あの魔法の袋、


1つで人生何度も


贅沢三昧で暮らせるだけの価値が有るのよ、


魔法の袋にお宝詰め込んで、


姿をくらませれば一生贅沢三昧なのよ、



ギルマスだけで無くて、


受付も信用成らないわね、グルかも?


お宝を受け取る為に用意された


ギルド本部からの資金も一緒に、ねっ、


モモちゃんを殺して奪えば大儲けだもの、



モモちゃんも気を付けるのよ、


居場所も割れて居るのだから


襲われるかも知れないわよ」



「はい、気を付けますね、『まっ、もっとも俺、


常に結界シールドに守られて居るんだけれどねっ』」



「まあ、ギルドを疑って居る私が


真っ先に狙われるでしょうけれど」



『うん、皆にも結界シールドを張って置こう。屋敷にも』



『了解っス~』



『リリー宜しく~』



領都の門の所に日が沈む前に


何とか帰って来れたのだった。


検閲所では、


スタンダール伯爵家の家紋が威力を発揮し、


エレノア、スタンダール。


スタンダール伯爵家の子女だと告げると、


門番は検閲無しで門を通してくれたのだ。



「貴族の威光すげ~」



「ああ、私の用意したシドニー通過計画が~」



と、約一人だけ泣いて居たが、



「まあまあ、帰りも通る訳ですし、


必要に成るかも知れませんよ」



「そ、そうかな~?」



皆は気付かなかったが、


早馬が1頭、夕暮れの街に消えて行った。


モモタロウ達は其の儘、


街を抜けて貴族街へと向かうのであった。


貴族街に入る門でも貴族の威光が炸裂して、


検閲無しで貴族街に入ると、



モモタロウの屋敷へと向かうのだった。


屋敷に到着した時には既にとっぷりと日が暮れて居り、


カンウが観音扉の重そうな鉄の門を開くと、



4台の箱馬車は吸い込まれる様に敷地の中に入って行った。


其処から屋敷に着く迄に更に


時間が掛かった事は言う迄も無い事で有った。


こうして、ようやく皆が合流して屋敷に入ったのだった。



「皆~寒かっただろう、お風呂に入っておいで~」



「女子達は~いっ!」女子達



「モモタロウ君、ボク達は?」



「男は後回しに決まってんじゃん」



「男共ですよね~」男共



「女子が上がって来る迄、適当にしといてよ」



「男共は~いっ」男共



「じゃあ俺は晩御飯の用意をするわ」



59人の大所帯だ。食事を作るのも大変なのである。


ご飯はリリーがユニークスキルの電子レンジを使って、


沢山のお櫃を用意してくれる。



おかずの材料も後は


調理するだけと言う位には準備もしてくれ、


足らない物はママゾンで購入して、


何を作るのかを話すだけなのだ。


調理は微妙な味加減が有るので、


自分で料理をする訳だが、



「リリー」



『は~い、何スか~?』



「今晩の晩御飯だけれど、


寒いんで鍋にしようと思うんだけど~


鳥肉が良いね、其れとご飯と茶碗蒸しに、


デザートは杏仁豆腐が良いな~


其れと、何時もの


お酒とあての材料も準備をお願い出来る~」



『了解っス~ダーリン調理場に居くっス、


私達夫婦で協力し合って美味しいご飯を作るっス~』



「そうだね、張り切って作ろうか~」



と、何時もリリーが助けてくれて、


女の子達もお風呂から上がったら手伝ってくれる。


そうでもしなければ、


幾ら調理師レベルが10であったとしても、


短時間に59人分もの料理を作る事なんて出来ないのである。


此の点モモタロウファミリーは上手く機能して居た。



モモタロウは今日も料理の準備で忙しく動き回り、


女の子達が、お風呂から出てくると、


其々が自分の出来る準備を始めて、


男子がお風呂に入っている間に準備が整う。


何時もの光景だ。



男子がお風呂から上がって来たら、皆揃って宴会場で、



「皆頂きま~っす!!」皆



「モモ~お風呂には感動したにゃ!


毎日こんな広いお風呂で泳げるなんて、至福にゃ!」



「そうだぴょん、ネコは寒いのが苦手だから、


寝て居る以外にはきっとお風呂に入り浸るぴょん」



「そんにゃ事もにゃいにゃ、


5階の吹き抜けから立って居る鉄の棒で、


一気に下まで降りたいにゃ」



「あ~其れ!うさもしたいぴょん」



「あれは非常用だから落ちない様に注意してね」



「みゃ~の身体能力なら大丈夫にゃ!」



「うさも身体能力は凄いぴょん」



「本当かな~」



こんな他愛も無い話をし乍ら


今日も夜は更けて行くのだった。

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