表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/201

-133話ー キャンプ合宿 1


翌日朝食を取った後、


モモタロウ達は街に戻ると兵舎に行き、


ユンケル隊長と面会して、



「ユンケル隊長、昨夜の討伐は上手く行きましたか?」



「はい、盗賊共の寝込みを襲って、


残り10名の盗賊を打ち取りました。


此方の兵も怪我人は出ましたが、死者は出ませんでした。


拉致されて居た女性達も30人居りましたが、


救出する事が出来ました」



「被害者の女性達は如何なるのでしょう?」



「彼女達は現在教会で保護して居ますが、


被害者の女性達の家族は皆殺しにされて居て、


頼る者も居無いので、


修道院に行くことを望んで居ります」



「女性達の中で怪我人は?」



「全員、酷い暴行を受けて居りまして、


奴隷商に売るつもりだったのでしょう、


顔には傷は付いて居ませんが、


殴る蹴るの暴行を受けて居り、


酷く怯えて居りまして」



「そうですか、俺は治癒師なので怪我人の治療をしましょう、


教会に怪我人を集めて頂けますか?」



「それは助かります。応急処置は済まして有りますが、


街の教会の治癒師は一人だけなので手が足りなくて、


皆、教会で治療中ですので、ご案内いたします」



モモタロウはユンケル隊長に案内され、


盗賊の死体の山を通り過ぎて、



「ユンケル隊長、此奴らの死体は?」



「はい、此奴らは


既に首を改めて罪状を調べて有りますので、


帝都から検察官が来た後に、晒し首にします。


体の方は穴を掘って、埋めます。


放置しておくと魔物が寄ってきますので、



賞金首も多く居たので、報奨金は期待して居て下さい。


最も支払いは、手続きが有るので5日位掛かりますが、


此奴らの持ち物も全てモモタロウ殿の物と成ります」



「いや、俺達此れから湖で合宿が有るので、


今日には出発したいのですが」



「そうですか、魔法学院の生徒でしたな、では、


帰りに寄って頂けませんか?」



「承知しました」



モモタロウ達は教会へ行き、女性達の所へ行くと、


皆、殴られたのだろう、


傷は無い物の顔は腫れて、体にも痣が出来ていた。


一人ずつヒールと唱えてハイヒールを掛けて行った。


女性達を犯される前の状態に戻す為だ。



「だってさ~家族皆殺しにされた上に孕ませられたとか、


シャレに成んないよね~俺なら普通に死ねる」



勿論皆には内緒である。



「ヒール、ムニャムニャ~」



「ムニャムニャ~って何ですの~」



「あ、うん、避妊の呪文だよ~」



シドニーさん達の事が有ったので、


如何やって妊娠はしないよ~って、


安心させられるか考えた結果、


オリジナルの避妊魔法のスキルにする事にした


だって、ハイヒールが


使えるとは言えないからね~命が危ない。



其の事を女性達に伝えると、泣きながら聖者様と言われた。


其の女性達の一人が、懺悔して来た。


な、何と助けに来た兵隊に強要されて


蹂躙されたと言って泣いて居るのだ。



モモタロウの形相が変わり血管を浮かせて、


ユンケル隊長を見ると、


ユンケル隊長は、後ろに飛びずさり


見事にジャンピング土下座を決めた。



「も、申し訳御座らん~!!その様な不埒者が居ったとは~」



ユンケルは直ぐに昨夜討伐に向かった兵隊70人を集めると、


陰から女性に面通しを行い5人を逮捕すると、


魔道具を使って、犯罪を確定させた。



魔道具は街に入る時に使う魔道具で、


犯罪者の罪が分かるものだ。


其の魔道具に強姦と言う文字が浮き出た。


他の兵隊も其の後一緒に調べられたが、


犯罪を犯したのは其の5人だけであった。


調べている間、ちっぱい師匠の腕がプルプル震えて居た。



直ぐに全軍が集められると、街の人々も集まって来た。


ユンケル隊長が大きな声で、5人の罪状を叫んで、


如何に其の5人が許されない罪を犯したのかを述べた後、


隊長自らの手で5人の首を跳ねた。すると、


街の人々から大歓声が上がった。帝国万歳と、



「ユンケル隊長、此の国では強姦は死刑なの?」



「重い罪ですが死刑では有りません。


しかし軍規は別です。私達は武力集団です。使い方を誤れば、


民を不幸にしてしまう、私達は民の剣であり、盾なのです。



女帝様の意向でも有ります。


女帝様の顔に泥を塗る様な行為は許されません。


例えどんな高官であってもです。


厳然として我々には鉄の軍規が有るのです。


民に対しての不当な暴力行為は即決裁判の後、打ち首です」



「いや、其処まで厳しく無くても」



「いいえ、私達は帝国民の税金で雇われて居るのです。


其の雇い主を蹂躙する等、


言語道断!八つ裂きにしたい位です。


ましてや敬愛する女帝様の顔に泥を塗ったのです。


打ち首と成るのは当たり前で有ります。


蹂躙された女性に何と詫びたら良いのか、


申し開き様も有りません」



すると、近くに居た女性が、土下座をして、



「頭を上げて下せい隊長様~


兵隊さんには命を救って頂きました。


だから、おら、


蹂躙される位は仕方無いんだと思って居ました。


だども、聖者様にはおらの汚れた心を聞いて貰いたくて、


懺悔させて貰いましただ。隊長さんは悪くないだ~


悪いのはおらだ~申し訳ありません~申し訳ありません~」



ユンケルさんは、泣きじゃくる村娘の手を握り、



「何を申す、娘子よ~被害者の君に何の罪が有ろうか!


悪いのは兵の指揮をとり切れなかった私なのだ。


本当に申し訳ない!」



「頭を上げて下さい。隊長様~おら、


おら如何して良いか分かんないだ~」



呆然とそのやり取りを見て居るモモタロウに、


貰い泣きして居るエレンが、



「モモちゃん、都会から離れる程、


情報の少ない村々では、


人々は純粋ですの、学校も無いし、


文字の読み書きも教会位でしか習え無いの、


都会の情報も定期的に来る商人からですのよ、



其れに女性が多いので、


皆、女神様を信じて女帝様を崇め、


牧師様や兵隊を尊敬して居るの、私くし達と違って、


とても純真なの、傷付いた此の娘達の明日の為に、


何か一言、言ってあげて、聖者様。うふふふふ・・・・」



モモタロウは土下座して居る女性の元に行き、


両膝を付けると、女性の手を取り、



「皆さん本当に辛い目に会いましたね」



「も、勿体無い、おら生き残りました。


おっ父も、おっ母も、あ兄様、弟も皆、殺されました。


けんど、おらまだ生きて居ますだ、蹂躙されはしましたけんど、



生き残る事が出来ましただ。


おら、此れから行く修道院の皆様の役に立てる様に、


必死で働いて行きますだ」



「そうですね、一生懸命に働いて居れば、


辛い記憶も少しは紛れるでしょう。


修道院には恐らく色んな境遇の人達が来るでしょう。



其の人達の心を支える様な強い人と成って下さい。


其の為にも良く働き、


良く学んで強い心を育ててくれると嬉しいです」



「はい、はい、聖者様。おら、頑張りますだ。


おら、農家の娘で畑には詳しいです。


其処から役に立ちたいですだ」



「皆さんも辛いでしょうが頑張って下さい」



「女性達はい!頑張りますだ」女性達



此の世界の女性達のメンタルは強い。


何度挫けても命さえ有れば、必ず立ち直って行く、


死が隣り合わせの世界の為なのであろう、


男が少ない為でもあろう、



男に対しても同じだ、肉食系女子が殆どで、


逆ナンは当たり前、


気に入った男の前だと平然と素っ裸に成ったりする。


女性にとって男女の関係が出来るのは


バッチ来いなのだ。一夫多妻だしね~



貴族は貴族同士でしか婚姻は出来ない。


平民の女性が入ると、不利に成るからね~まあ、


裏道は有るのだけれどね、


平民でも貴族の養子に成って、貴族と結婚出来るからね、


其れにはお金も掛かるのであまりしない様だけれどね、



モモタロウはユンケル隊長に帰りに寄る事を約束すると、


ナゴの街を後にした。



「モモちゃん、とんだ寄り道に成って仕舞いましたね、


二日は遅れて仕舞いましたわね」



「良いんじゃね、見て見ぬふりは出来ないしね、


二日って言うか、


帰りにはローソン侯爵領に行くんですけれど、


皆は先に帝都に帰る?」



「皆面白そうだから一緒に行く~」皆



「おいおい、遺体の護送だぞ~


面白いは不謹慎じゃ無いか?」



「皆御免なさ~い」皆



「分かってんのかね~本当に」



「まあ、良いんじゃ無いかのう、


帰ったら儂が許可申請して置くぞい」



「学院長有難うって、爺臭い幼女だな~」



「うむ、妾も許可するぞモモよ」



「えっ、ちっぱい師匠の許可っていんの?」



「皆さあ?」皆



「皆適当だな~」



湖に続く深い森で一泊した後、


次の日の昼前にドサン湖の畔に辿り着いた。


モモタロウは土魔法で木々をストージに仕舞って、


更地を作ると整地して、


ストレージから、砦風仮住い改を出すと一旦中に入った。



砦風仮住い改は仮住まいの強化版で、


大人数を収容する事が出来るのだ。


今回のキャンプは既に50人を超えて居るのだ。


建物は石造りの2階建てで、大きな食堂、厨房、風呂に、


幾つかの大部屋だ。ちょっとした旅館だね、



更に外側は、石壁で囲んで有り、


モンスターの襲来にも備えている。


勿論庭もある。


大人数でバーベキューパーティーが出来る位には広い、


昼ご飯は、庭でカレーライスを作った。


キャンプにカレーライスは外せ無いよね!



「ご主人様」



「うん?何ですか?カンウ」



「はい、昼ごはんの後、


私達は湖に食材を釣りに行こうかと」



「おっ、良いね~俺も行きたい」



「モモちゃん一人ずるいですわ、


私くしも行きたいですわ」



「うん、良いよ~で、釣り道具は?」




「はっ、カンシンに頼んで、


既にママゾンから購入済みで御座います」



「良し!じゃあ誰が一番大きいのを沢山釣れるか競争だね」



「妾も混ぜるのじゃ~」



「我も~」



「私も~」



「カンシン大丈夫~?」



「ご主人様お任せ有れ!」



「うん任したよ~で、何が釣れるの?イワナ?」



「モモちゃん何を言って居ますの、


ドサン湖は有名な釣りスポットですのよ


獲物はずばりエンペラーサーモンですわ」



「おお~!何かデカくて旨そうな名前だね~


メーター級も夢ではない?」



メイド長のコウメイと、メイド達がやって来て、



「ではご主人様、私達メイドは


山菜とキノコと沢蟹を獲って来ますね」



「おう、任せた」



「メイドは~い」メイド



と言う事で、釣り組は屋敷の警備組とエレン、


師匠、学院長、先生、モモタロウだ。


ドサン湖の畔に着くと、



「じゃあカンウ、釣り道具を出して~」



「はっ、承知致しました」



≪どさどさ~≫



「えっ、何此れ、マグロやカジキを釣る様なぶっ太い竿や、


デッカイリール?糸太っと~餌はマンテスノ肉~?


ね~カンウ~エンペラーサーモンって大きいの?」



「いえ、モンスターフィッシュとしては中型?


いや、小型の部類に入るのでしょうか?」



「どの位の大きさなの?」



「はい、大きい物で4メートル位ですね、


後、外道に鬼イワナと、キラーナマズが居ますが何方も、


6メートルを超えて人を襲うので注意が必要です」



「湖で泳いだら?」



「はあ?もって5分でしょうか」



「で、如何成るの?」



「食べられます」



「・・・・・・・・」



「あでもエンペラーサーモンは昆虫食なので、


たまに外道が掛かりますが、


エレン様も居ますので大丈夫ですよ」



「何でエレン?」



「はい、モンスターフィッシュは雷に弱いので、


魚が掛かったら浮かせて雷を落とします。


そうしたら気絶してしまいますので、その間に陸に上げて」



「上げて?」



「〆ます」



「直ぐに〆るの?」



「はい、意識が戻ったら暴れて危険ですからね~」



「本マグロ漁なんかでは掛かったマグロに


電気ショックを与えて、


気絶させて釣り上げると言う様なのが有った様な」



釣りの方は入れ食いだった。


雷を使える魔法使いが居ないと


釣りが出来ないと言う事も有って、


漁が出来る者が限定されて居る為だとか、



ナイロンの糸が電気を通したので、モモタロウも、


魚を釣り上げる事が出来た。


3回ほど湖に引きずり込まれたが、


カンウに引っ張り上げて貰い事無きを得ていた。



何度か意識が戻った魚に食べられ掛けては居たが、


って言うか食べられていた。


その都度カンウに引っ張り出されて居た。


シールド結界が体に張られているので、


怪我などはしなかったが



ナマズの口から引き出された


モモタロウはナマズを見乍ら、



「あ~怖かった。


でもこのナマズ如何見てもアンコウだよね~」



ナマズを湖に捨て様とするカンウを引き留めて、


ナマズを鑑定すると、極上食材と、出て居た。



「やった~アンコウ鍋だ~!」



「はい?こんな気持ちの悪い魚を食べるのですか?」



「何言ってんのカンウ此れ、


極上食材だよ~此れから寒くなるし、


鍋にしたら最高じゃん~温まるよ~


顔の醜い魚ってのは無茶苦茶美味しいんだよね~」



「そんなもんですかね~」



「そんなもんですよ~」



日暮れ前に釣りは終わり、回りの景色を見て見ると、


真っ赤な夕焼けに、紅葉が真っ赤に染まって居た。


釣果も素晴らしく、大量だ。



「美しい夕焼けだね~」



「ええ、紅葉に染まって居る景色が、更に赤みを帯びて、


幻想的で素敵ですわね~」



暫し、モモタロウ達は紅葉に染まる湖の美しい景色を、


只呆然と眺めて居るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ