-131話ー 盗賊討伐 其の後 1
全速で飛翔する事約十数分、
首の無い骸が転がっている現場に到着した。
「おえっ!何此れ!」
当たりは血の海と成って居り、地獄絵図の様相だった。
其の中心には蹂躙されて居た
10人の女性が固まって、震えて居る。
其の女性達の前には返り血を浴びて赤く染まった、
5メートルは有ろうかと言うオオカミが座って居た。
オオカミはモモタロウを凝視して、
「わふぅ~~」
女性達は全身血に濡れて居るせいであろうか、
ずるりと滑って、ずっこけて居た。
うん、きっと全身血に濡れて居るせいだな!
「ペスかい?」
オオカミに尋ねると、
「わふぅ~~」
<ずべしゃ~~!!>
と、又ずっこける女性達、
「・・・・・・・・う~んペスだ、あっそうだ。
皆さん、今から治療するので、其のまま固まっててね」
俺の声を聴いて、又ブルブルと震え出して、頷くのだった。
「女性・・・・・・・・」女性
「エリアハイヒール!!」
高等治癒魔術を使ったのは、体の状態を蹂躙される前に戻す為だ。
治療を済ますと、皆に立って貰いペスと一緒に洗浄魔法を、
皆、衣服は引き千切られて居り、全裸で有ったので、
ストレージから衣服一式を取り出すと、一人一人に配って行った。
其の頃、ギルマス達が到着した。
「何此れ、酷い惨状ね、おえっ!」
「此れは暫く肉は食べれんな!」
「此れはモモがやったのか?殺し方が美しく無いぞ!
綺麗に焼き払うのが吉なのじゃ!」
「いやいや、俺じゃ無いから!俺は戦闘レベル1だから、
ペスが綺麗さっぱり討ち果たした物だから!ねっ、ペス~」
「わん!」
「はい?」
ペスは元の子犬に戻って居た。
「ギルマス達ふぅ~~ん?」ギルマス達
「まあそれはともかくとして、
女の子達の治療は終わったから、
服の着付けを手伝ってあげて」
「ギルマス達は~い!」ギルマス達
「とその間に俺は、戦死した騎士達の回収をと」
遺体が硬直する前に綺麗に形を整えて、
丁寧に一人づつストレージに回収して行き、
野党の骸は無造作にストレージに放り込んで行った。
人数が多いからね、
着替えが済んだ女の子達に、
ペットボトルの紅茶を配って飲んでもらった。
紅茶を飲み終えた女の子達は、緊張の糸が切れたのか、
皆、大声で泣き始めた。
ギルマス達は其れをなだめるのに手いっぱいの様だ。
其れで、やっと落ち着いた女の子達に、
ギルマス達は、早速事情聴取を始めて居た。流石だね、
そうこうして居る内に、先発隊が到着して、
辺りの警戒に当たって貰い、
日が傾く頃には、後衛部隊が到着した。
「ああ、もう日が沈むね~今日は大変だったわ~」
「そうですわね、私くし達が到着した時には
綺麗に片ずいて居りましたけれど、
早々に決着が付いたんですの?」
「いやね~ペスが怒って
馬車から飛び出して行ったじゃない~」
「そうですわね~」
「やっちゃったみたいなんだよね~」
「みたいとは?」
「うん、此処で大暴れして
野党を皆殺しにしちゃったんだよね~」
「はい?ペスちゃんってそんなに強かったのですか?」
「ああ、うんまあね」
「どの位ですの?」
「ドラゴンとタイマン張れる位?」
「・・・・あの小さな体で?」
「此処に着いた時には5メートル位はあったね~」
「そうですの」
「うん?驚かないの?」
「はい、モモちゃんが
そう言うのならそうなのでしょう、
メイド達からも崇拝されて居ましたからね」
「俺を信用してくれて居るんだ~」
「はい、私くし人生掛けて居ますからね」
「うん、有難うエレン」
「そう思うのでしたら、たまには可愛がって下さいな」
「其れは~・・・・」
「良いのですよ、其の気に成ればと言う事ですわ。
何時でもカムオンですのよ」
「うん・・・・」
「あっ!モモちゃん此処に居たのね、大体わかったわよ、
あいつら只の盗賊団じゃ無かったみたいね、
隣の国からやって来た傭兵集団だって、
何でも、ウォーマンティスの噂を聞き付けて、
帝国に雇って貰うつもりで来てたみたい。
でもウォーマンティスの討伐が終わっちゃって居て、
仕事も無いってんで、盗賊やってたみたいだわ
何でも帝都から少し外れると監視も緩かった様で
暴れていたみたいね、
其れを聞いたちっぱい師匠が急に怒りだしてね、
宰相ぶん殴るって飛び出して行ったのだけれど、
何だったのかしら?」
「さあ?何だったんでしょうね」
「其れとあの娘達だけれど、
侯爵家から伯爵家への輿入れだそうで、
お嬢様が盗賊に蹂躙されちゃって
もう、お嫁に行けないから、
暫くモモちゃん家に厄介に成りたいってさ~
何でも、回りの女騎士や侍女達も
公爵家の頼子の貴族子女だって~
よっ、モモちゃんモテモテだね~」
「いや、モテモテは良いけど、
うちはメイドの獣人と
上手くやって行けない人はお断りですよ」
「其れは大丈夫でしょう、皆敬虔な女神教の信徒だそうよ。
女神教は、人種差別を禁止して居て女神教には、
神竜様も入って居るからね~」
「其れなら良いですよ~部屋は一杯空いて居ますからね~
家賃は取らないですよ~」
「いや、そう言って貰えると助かるよ、
此のままだとあの娘達皆、
教会に放り込まれるからね~其れにモモちゃんの事、
白馬の王子様だと思い込んで居る様なんだよね~」
「白馬って、俺は冒険者なんですが~」
「まあ、モモちゃんたらモテます事」
「ふぅ~~で、
グランドマスターのペチカさんが何で頼んで来るの?」
「う~ん、実はお嬢様に泣いて頼まれちゃってさ~
目をハートにされて~
私もモモちゃんに厄介になっている以上断れなくってさ~
いや~お嬢様喜ぶよ~女騎士もさ~もう、
メロメロで困ったよ~」
「で、相手の伯爵家のお婿さんは?良いの?恋人だよね~」
「ああ其れね、親同士の取り決めでまだ会った事も無いそうだよ、
あの娘長女だそうだけれど、
私がダメだったら次女が行くんじゃ無いかって~
お婿さんも長男で御家を継ぐそうだから、自分は勘当されて、
次女が長女扱いに成るんだって~良く分んないよね~」
「全くその娘には責任無いのに酷い話だよね~
だから貴族は嫌なんだよね~
ふぅ~~取り敢えず夜営の用意でもするかね~」
と、3台の壊れた馬車と、
盗賊の馬車1台をストレージに入れて、
「リリー修理と、改造をお願い出来る~」
『は~い、了解っス~』
「何時も有難う愛して居るよ~」
『リ ・・・・うん』リ
何故かもじもじし出す、エレンと、ペチカさん
「エ、ぺ んん、もう、愛してるよ~だなんて・・・・ぽっ」エ、ぺ
其の後、砦風仮住い改をストレージから道の脇に取り出して、
「皆~今日は此処で夜営をするよ~馬車と、
盗賊から回収した馬を厩に繋いで~」
「皆 は~いっ!」皆
仮住い改に入ると、
「は~い、皆お疲れ様~
女の子達~お風呂に入っておいで~」
「女子 は~いっ」女子
「と、その間に俺は晩御飯の準備っと、
今日は何にするかね~皆良く動いたし~
うん、豚バラ炒めにするか~」
オーク肉のバラと、その他の具材と調味料を、
ママゾンで購入、其れと食後のデザート用のバニラアイスと、
生クリーム、チョコ、ウエハース、フレーク、サクランボと、
ウルトラドライとちょっと贅沢な弁天ビール、
酎ハイ各種、ウイスキー
を購入、忘れちゃいけない越後の大吟醸~
準備が出来た所で、先ずは、ササニシキでご飯を炊いて、
お酒を冷やして、調理の開始、
人数が多いのでどれも大量と成る。
女の子達が風呂から上がって来た。
男連中が風呂に入っている間に女の子に手伝って貰い準備、
皆がそろった所で、
「頂きま~すっ」
「皆 頂きま~すっ!」皆
何時も通り食べている間は皆、凄く静かだ。
流石に酷い目にあった10人は食が進まない様だが、
ご飯は食べて居るっと、其の時ドアがバ~ンと開き、
「師 何故妾が帰って来る迄待ってくれぬのだ~!!」師
「あっ、ちっぱい師匠お帰り~さあ、空いている所に座って~」
「師 ちっぱい言うな~うむ、まあ良いじゃろう」師
と、ちっぱい師匠が座った所で、
ストレージから用意してあったご飯を出して、
「さあ、おあがりよ!」
「師 うむ、まあ良い、頂きますのじゃ」師
と、機嫌を直して食べ始めるのであった。
晩御飯も進み、宴会に成った頃、
「子女 あの・・・・モモタロウ様・・・・
皆の命を救って下すって、
本当に有難う御座いました。皆を代表を致しまして、
心からお礼を申し上げます。」子女
「ああ、良いですって、其れより行くの遅く成って御免ね~
もっと早く気付いて居れば、
護衛の騎士達も助けられたかも知れなかったのに」
「子女 其のお言葉を頂ければ
騎士達も浮かばれる事で御座いましょう。
グランドマスターのペチカ様にお聞き致しました。
50キロも彼方にいる所で、私達の異変に気付いて、
直ぐに行動を起こして下さり、助けに来て頂いたとか、
まるで、一陣の風の様であったと、本当に有難う御座いました」子女
と、泣きながらお礼を述べた。
「まあゆっくりとで良いですから、心を癒して下さいね。
体の方は、既に襲われる前の状態に戻して有るので、
あんなに怖い思いをしたのだから、中々大変ですが、
時が解決するでしょう。」
「子女 えっ?元に?私達は孕む覚悟をして居たので御座いますが」子女
と、女騎士と思しき女の子が自分のパンツの中に手を突っ込んで、
「女騎士 あっ!本当だ有るわ!」女騎士
「女の子 え~っ!マジ!」女の子
他の娘達も確認し出した。
「あの~あんな風に確認しないと分からない物なの?」
「子女 はい・・・・私も後で確認したいと思います。」子女
「あ~分からないんだ~自分の体なのに~」
「シ 申し遅れました。私くしは、シドニーローソンと申します。
ローソン侯爵家の長女で、今年17才に成りました。
帝都のとある伯爵家へ輿入れする途中に襲われて、
貞操を失いました。此の事は、次の街に付きましたら、
相手先の御家と、我が家の父に報告をし勘当して頂きます様に、
お願いをするつもりで御座います」シ
「何で勘当に成るの?」
「シ はい、家名を汚さない為にで御座います。」シ
「体も元に戻ったし、無かった事には出来ないの?」
「シ はい、かならず何処かからか情報は洩れるもので御座いますし、
何より、私自身が其れを許さないので御座います。」シ
「侍女達 私くし達も実家に報告を入れ、勘当して頂きます。
シドニーお嬢様だけに責任を負わせる訳には参りません。」侍女達
「ふ~ん、そんなもんかね~まあ良いか、皆さん、
此れから俺の屋敷で暮らす訳ですが、
うちのメイドは殆どが獣人なので、
其れが気に入らない人は居ますか?」
「皆 モフモフ、サイコ~」皆
「まあ、部屋数だけは有りますので、
家賃無し食事ただで、自由に過ごして下さい。
後、基本皆で助け合って生活するので協力して下さい。」
「皆 は~いっ!」皆
「じゃあ、カンシン後頼んで良いかい?」
「カ はい、承知致しました。ご主人様」カ
「あっと、そうだね~メイドに成るんだったらお給料出すから、
カンシンに相談してね」
「皆 は~いっ!」皆
「と、其れから女騎士の人こっちに来てくれる?
新しい装備渡すから」
「女騎士 はっ!」女騎士
と、真っ赤な竜の鱗で出来たフルプレイトメイルと、
インナー、竜鱗剣のセットを渡した。
「女騎士 こんな美しい装備を頂けるので有りますか!」女騎士
と、温泉浴衣を脱ぎ捨てると、早速着替え始めた。
中々良いからだをして居る。
「むふふふふ・・・・痛った~」
エレンにつねられた。
「悪い事はして居無いのに酷い!」
「エ 鼻の下が延びて居ますわよ!」エ
「御免なさい」
「エ 見るなら私くしの体にしなさい!」エ
「えっ!だって見飽きたよ~」
「エ まだ一度も可愛がってくれても居無いのに酷いですわ~」エ
「皆から刺さる様な視線が~」
「皆 千年殺しはするのに、まだして居無いんだ、
酷い奴だよね~」皆
「皆 きっと見抜きして居るんだわ、鬼畜ね!」皆
「皆 エレンさん可哀そう~きっと毎晩悶々として居るんだわ、
放置プレイね!」皆
<鬼畜~鬼畜~鬼畜~鬼畜~>
クラスメイトの女子達が腕を振り乍ら小声で
鬼畜コールをし出した。
「御免なさい~」
と、土下座するモモタロウだった。
「シ モモタロウ様って、本当に愛されて居るんですね」シ
「女騎士 やっぱり白馬の王子さまですっ!」女騎士
「きっとそんな事は無いと思うよ~」
「シ いえ、あの空を飛ぶ姿は私には英雄に見えましたわ!」シ
「女騎士 うんうん、古の物語に出て来る騎士様の様でした!」女騎士
「いやいや、騎士に騎士様と呼ばれても~」
「女騎士 いいえ、私達は私兵の騎士ですから、
聖騎士様とは全然違うのです!」女騎士
「ふむ、レベル15と、レベル13か~強くなりたい?」
「女騎士 はい勿論、あのような屈辱は2度としたく無いです」女騎士
「う~ん、厳しいよ?」
「女騎士 はい、くっころです」女騎士
「じゃあうちの屋敷、道場が有るから鍛えて上げるよ」
「女騎士 はい宜しくお願いします。
先生!道場って何か分かりませんが」女騎士
「いや、教えるのは俺じゃ無くって、カンウ頼んだ!」
「カ はっ!承知!」カ
「女騎士 私達はモモタロウ様に教えて欲しいのですが?」女騎士
「えっ!ダメだよ~俺、攻撃レベル1だし~
其の辺の酔っ払いのオッサンより弱いし~」
「女騎士 ええ~マジですか~!」女騎士
「マジです!」
「女騎士 カンウ様宜しくお願い致します!」女騎士
「カ はい、此方こそ宜しくお願い致します!」カ
「変わり身早っ!カンウ死なない程度に鍛えて上げて、」
「カ はいご主人様、承知致しました。」カ
皆にも酒が回り、各々の身の上話を聞く事に成るモモタロウであった。