-130話ー 盗賊討伐
「話は分かった。合宿の方は許可しよう」
現在俺達は学院長室で
アナ、ルノア学院長にキャンプ・・・・いや、
合宿の許可を貰いに来ているのだった。
学院長はチョコバナナをほうばり乍ら、
「う~ん、
美味しいぞ~甘くてほっぺたが落ちそうじゃわい」
「落ちそうじゃわいだなんて、何て爺臭い幼女なんだ」
そう、学院長は見た目が幼女のハイエルフなのだ。
仁王立ちしてチョコバナナをパクパク食べ乍ら、
「おい、モモタロウ」
「はい、何で俺?マドカ先生じゃ無いの?」
「何を言って居る。実質上のリーダーはお主であろう?」
「そうなんかな?まあ良いけど、で何ぁに?」
「うむ、条件が一つあるのじゃが、わしも連れてけ、良いな!」
「何ですと~学院は如何すんの?」
「わはははははは・・・・儂はただのお飾りじゃ、
学院の運営は委員会が抜かりなく運営して居る。
何の問題も無い、分ったか」
「はい、はい分かりました~
何だか段々大所帯になって来るよな~」
「そうですわね、
此れも美味しいご飯が作れるモモちゃんの、
性って所でしょうか?」
「まあ、嬉しい様な嬉しく無い様な・・・・」
「ボッチよりはましだと思うべきですわ」
「そうだね、寂しいよりは、賑やかな方が良いか、
お金も一杯有る事だしな~」
「人が集るのもモモちゃんの能力なのですわ」
「ンにゃ事は如何でも良いにゃ、早く帰って、
バーベキューパーティーをするにゃ」
「うんそうだね、じゃ帰ろうか?」
「皆は~い」皆
「あっ、そうそうモモタロウ、
行く前に医務室に寄ってくれるか?」
「あっ、はい分かりました」
医務室によって、数人の怪我人を治療すると、
「アカシヤ先生、俺達此れから又合宿に行くんで、
13日程留守にしますんで、後宜しくお願いしますね~」
「え~~っ又屋外授業ですか~勘弁して下さいよ~
で、何処に行くのですか?」
「はい、ドサン湖の畔で、攻撃魔法の野外訓練です」
「え~っ良いな~あたしも行きたいな~連れてって~
医療班って事で」
「学院の医務室は如何するのじゃ?」
「そんなのほっときゃ良いって~・・・・学院長~!!」
「良いわきゃ無かろうが~!お前減給なっ!」
「ひぃい~~ご勘弁を~!」
「なら、きりきり働くのじゃ!」
「はい~~」
此の後屋敷に帰って、分け前を分配して、
レベルの発表をしたのだが、
「何此れ、俺以外皆金の冒険者級にレベル上がってんじゃん」
「そうですわね~二ヵ月以上、其れこそ無数のC級モンスターの、
ウォーマンティスの討伐をしましたからね~」
「いや、其れにしても俺以外
全員レベル40超えは、やばいでしょ~」
「ふふふふ・・・・・・・私くしなんて、レベル59・・・・
ヒュドラとタイマン張れますわ!」
「エレン様凄いです!」
「何をおっしゃって居ますのカンウ、貴方レベル63でしょう、
人間辞めて居ますわよ」
「てへへへへ・・・・」
「ほう、其れは凄いのう、此処数百年で初めてでは無いかの、
亜人でもレベル60を超えるのは」
「まあ、チョウヒもレベル63ですが、其れも此れも、
ご主人様有っての事で御座います」
「いや、此れは純粋に皆が命懸けで得た実力だから、
思い切り自慢しようよ」
「「ははっ!」」
「いや、二人の言って居る事にも一理ありそうじゃの、
お主が指揮を執ったそうでは無いか、名将と言った所かの」
「いや、学院長其れは褒め過ぎですよ、お肉食べます~?」
「いや、そんな事は無いぞ、モモよお前はよく頑張った。
で、此のちびっこは誰じゃ?」
「あっ、ちっぱい師匠、此方は魔法学院の学院長の、
アナルノアナ学院長です」
「ちっぱい言うな!」
「アナルノアナ言うな!」
「そうか、そなたがシリノアナ学院長か、
確かハイエルフであったの」
「シリノアナ言うな!で、此の幼女は誰なのか?」
「はい、俺の師匠のちっぱい師匠です。ケツノアナ学院長」
「ケツノアナいうな!で名前は?」
「・・・・・・・・何だっけ?ちっ、ぱいさん?」
「ちっぱい言うなバカ者!妾はアンジュじゃ、憶えて置け」
「はい、ちっぱい師匠」
「・・・・・・・・」
「アンジュ・・・・どこかで聞いた様な?」
「さあ、さあ肉が焼けて来たよ~食べよう~!」
「は~いっ」
「・・・・まあ良いか食べようっと」
と、空からグランドマスターのペチカさんが帰って来た。
「モモちゃ~んただいま~
バーベキューパーティーをして居るの?
儲かったみたいね、良かったわ~」
「はい、お陰様で皆にも大金を分配出来て、
レベルも上がったので、
お祝いですね!パーッとやって居ます」
「うん、おめでとう~じゃあ着替えて来るわね~」
此の後、ギルマス達が次々に帰って来た。
楽しく雑談し乍らバーベキューと
お酒を飲んで居たのだが、
「「「「ええ~っ!明日からキャンプに行く~
其れも13日間~!」」」」
「ええ、そうです。ですから姉様後宜しくね~」
「「「「モモちゃん如何言う事~?」」」」
「はい、ずっと忙しかったので、骨休みにドサン湖で、
キャンプをして、攻撃魔法の訓練をします」
「「「「私達も骨休めした~い!!」」」」
「ギルドは如何すんの~?」
「「「「こんな時の為に、部下が居るのよ~」」」」
「姉様、私はもう引き継ぎ済まして居ますわ」
「「「「エニー憶えてらっしゃい!」」」」
「ヒィエ~ッ!」
「藪を突いちゃったよ」
「モモちゃん」
「はい、ペチカさん」
「私達も連れてって、今すぐ引き継ぎ済まして来るから~」
「ああ、はい、良いですよ~」
「おいモモ、キャンプって何じゃ?」
「はい、ちっぱい師匠、ドサン湖でキャンプして、
美味しい魚を一杯食べて、ゆっくりしようかと」
「ちっぱい・・・・何?美味い魚が居るのか?
はい、何でも5メートル位のオニマスと言うモンスターが、
凄く美味いらしいですよ、森が深いので、
猪や熊や鹿なんかも美味いらしいです」
「よしっ!妾も行くぞ!」
「えっ、良いの?謎の仕事は?」
「そんなもん、やってられっか~~!!」
「じゃあ、まあ参加って事で」
「モモタロウ様」
「はい、アモンさんも参加ですか?」
「はい、私はモモタロウ様の
護衛を言いつかって居ますので、
是非、参加させて下さい。
決して美味しい魚が食べたいだとか、
猪や熊や鹿の新鮮な肉が食べたいだとか、
美味しいお酒が飲みたいだとか、
たまにはゆっくり休みたいだとか、
そんな事を考えて居る訳では有りませんから」
「で、本音は?」
「え~ん、食べたい、飲みたい、休みたいよ~!」
「と、言う訳で参加っと」
「では、番兵に伝えて来ますので、で、護衛の兵は?」
「皆レベル40以上ですが、いると思います?」
「ですよね~では」
「メイドご主人様~私達も行きたいです~
しく、しく、しく、しく」メイド
「は~い分かりました~」
「メイドわ~い!ご主人様大好き~」メイド
「う~ん、馬車2台で足りるかな~?
あっ、其れと新しい馬車改造しとかなくちゃリリー頼める~?」
『了解っス~回収~改造~コピー、ハイ出来上がりっス~
車体を2台厩舎に入れて置いたっス~1台は、
ケンタウロスのリュウビに引いて貰うと良いっス~』
「えっ、リュウビ1人じゃきつく無い?」
『ご主人様、大丈夫で御座います』
『リュウビはレベル54っス地竜並の力持ちっス、
全く問題無いっス』
『リリー様有難う御座います。ご主人様のお役に立ちたいです』
『リュウビ良く言ったっス。流石私達の眷属っス』
「ええ娘や~其れじゃ、リュウビお願いするね」
『はい!お願いされました!』
バーベキューパーティーは夜遅くまで、賑やかに行われた。
「おいモモタロウその銀色の毛並みの子犬は何じゃ?」
「はい学院長、俺の従魔のペスですが?」
「いや、儂にはフェンリル様に見えるのじゃが?」
「フェンリル?何其れ美味しいの?ペス学院長に挨拶して」
「わん!」
ペスは学院長の前まで行くと、学院長の足におしっこを掛けた。
「ほう、中々躾が良い様じゃの」
「はははは・・・・メイドの皆が甘やかす様で」
「メイドは皆、獣人だったの」
「はいそうですが」
「獣人にとって、フェンリルは神に属する故仕方が無いか、
しかし、お主ちゃんと躾けなくてはいかんぞ」
「はははは・・・・中々忙しくって、ペスおいで」
「わん!」
「ペス、お座り」
学院長の尻を触るペス。
「お触りかよ~」
「お手」
両前足で万歳をするペス。
「お手上げかよ~」
「お代わり」
茶碗を出すペス(箸を咥えている)
「・・・・・・・・」
中々甘やかさせられて居る様である。
「リリー如何なってんの?」
『獣人の娘達はペスには逆らえない様っス』
「いかんな~此れは、ペス飯抜き!!」
「きゃ~ん!!」
お腹を見せて、服従のポーズを決めるペス。
「可愛い!それじゃあ、
今回だけは見逃すからちゃんと、眷属の言う事を聞く事、
良いね!」
「わん!」
「ほう、一瞬にしてフェンリル様を従えるとは・・・・
モモタロウお主は何者じゃ?」
「はい~?只のヒーラーですが?」
「そうじゃったの~まあ良いか?」
翌朝、朝ご飯を食べた後、
屋敷を護衛の兵隊に任せると、
俺達は馬車3台で出発した。
目的地はお魚の美味しいドサン湖だ。
此れから三日間馬車での旅が始まったのであった。
馬車の旅はのんびりして居て良い、
馬車も板バネ式のショックを取り付けて有り、
座席にもバネで、振動を吸収する作りで、
最初に乗った馬車とは乗り心地は雲泥の差が有る。
車体の材質も、竜骨を加工した物なので、軽くて頑丈だ。
車輪にゴムを巻いて居る事で、ごつごつと言う振動も少ない、
「モモちゃん此の馬車本当に振動が少ないね~楽だわ~」
「ええペチカさん、色々と工夫して有るんでね」
「へえ~流石は大賢者様のお弟子さんね、
此れを商売にすれば大儲けが出来るんじゃ無い?」
「面倒臭いですし良いですよ、
魔法で加工しないといけないし、
自分の分だけですね・・・・・・・・」
「ん?モモちゃん如何したのかしら?」
「あっ、いえ何でも無いですよ~
ちょっと嫌な物が見えたのでね、
おい、カンウ今見えてるよね」
「はいご主人様、全員戦闘態勢に入りました」
「距離は?50キロ先か、全速でも2時間は掛かるか、
リリー詳しい状況を!」
『はいっス野党は約百二十人、
大規模っス!既に3台の馬車が襲われて居て、
壊滅して居るっスね』
「えっ、まだ10人生きているけれど?」
『恐らく生きて居るのは女性で、
蹂躙されている真っ最中の様ですっス
死者は、四十人と言う所っス結構大きな戦闘をしたようっス』
「う~ん、戦闘で気が高まっている所に女か、
時間が遅れれば殺されてしまうな、くそっ!」
「モモちゃん如何したの?」
「はい、50キロ程先でキャラバンでしょうか、
野党に襲われて、全滅して居ます。
今は生き残った女性を蹂躙して居る所の様です」
馬車の中に戦慄が走る!
ペスの銀色の毛が逆立ち青い目が、赤く燃え上がる。
馬車から飛び出したペスは風の様に前方へ消えて行った。
「此れから敵に攻め込むので、足の遅い者は、
後から援軍として合流して下さい!
リュウビこっちに来てくれるか!」
『はい、承知致しました』
モモタロウはケンタウロスのリュウビに跨ると、
「全員整列~!足の速い者は今すぐに準備!
野党の群れに切り込む!
足の遅い者は第二陣として援軍として後から来てくれ!
良いか!事は一刻を争う準備出来次第に出発する!」
皆が、装備を身に着けると、
「第一軍出発~!!」
カンウ、チョウヒ、チョウウン、バタイ、
リュウビ、シュウユ、ハットリ、
鬼族のユキヒメ、ワーウルフが4名、ラビットピープルが、9名、
空を飛べるギルマス、師匠の6名が先発隊として、出発した。
後衛が、足の遅いドワーフが5名と、其の他の者達だ。
馬も有るのだが、馬では遅いので後衛とした。
先発隊の28名は馬よりも早いのだ。
風のような速さで、先発隊は進んだ、
『作戦はこうだ。
野党共は蹂躙して居る女性を当然人質とするだろうから、
空からの奇襲で、女性の周りを先ず電撃制圧する。
其の後俺達が野党の主力を殲滅して、後衛が到着したら、
残党狩りを行う、此れで行く!何か意見は?』
「メイド了解致しました!」メイド
『俺達は俺以外全員レベル40以上の強者だ!
負ける気はしないが、決して油断はするな!そして、
野党は生け捕る必要は無い皆殺しで良い!
変な仏心は破滅を呼ぶ!良いな!』
「メイド了解致しました!」メイド
其の頃、襲われているキャラバンは、
護衛の男の騎士達は皆殺しにされ居て、
女騎士や、貴族風の少女や其の次女と思われる女性達10人は、
百を超える野党の群れに蹂躙され阿鼻叫喚の世界と成って居た。
「へへへへ・・・・
こりゃあ当たりだぜ~婚礼のキャラバンの様だぜ~
良いか~おめえら~蹂躙すやるのは良いが、
傷を付けるんじゃね~ぞ!
身代金を取った後に
奴隷商に売っぱらうんだからな~!」
「野党へ~いっ!」野党
「こりゃ良いぜ~ウォーマンティスの討伐に参加しようと、
此の国まで来たが、討伐終わってやがって、
如何しようかと思って居たがよ~
帝都郊外は、ゆるゆるじゃね~かやりたい放題だぜ~
此れで、暫くは女にも困らね~うぇへへへへ~」
其処に一陣の風が吹き寄せて、リーダーと思しき男の首が、
ポロリと地面に落ちた。
「野党いっ!・・・・・・・・」野党
次に女性を蹂躙して居る男達の首が
次々に女性の体の上に落ちて行く、
首の無くなった体からは大量の血飛沫が
女性の体を真っ赤に染め上げて行った。
数秒後、百を超えるの野党たちは目に見えない何者かに、
首を飛ばされて行く、野党はパニックになり逃げようとするが、
目に見えない其の何かは其れを許さない。
大きな円を描くように、外側から首を切り飛ばして行く。
辺りには血のコンパスに描かれた様に血飛沫が舞って居た。
女性達は、恐ろしさの余り声も出ずに、失禁して居る。
逃げる事が出来ないと分かった野党達はその場に立ち尽くして、
只自分の犯した罪に恐れおののき、すくんだ足は既に動かずに、
失禁し、脱糞し、只、己の首が飛ばされるの待つのみだった。
目に見えない疾風は、情け容赦無く
野党にその怒りをぶちまけるのだった。
暫くすると、女性を守ろうと戦死した騎士達、
野党に蹂躙されて、
身も心もズタズタにされた女性達以外の者全てが、
首の無い骸と成って転がって居た。
「こりゃいかん!!女の子達の心が壊れてしまう!
皆、すまんが先に行く!」
「メイド了解致しました!」メイド
モモタロウは、リュウビから飛び上がると、其のまま全速力で、
現場に向かうのであった。