-13話ー 商人バンジョ
ピピピピピ・・・・・・・・
頭の中で電子音が鳴り、目覚めた。
ダーリンもう直ぐ夜明けっスよ、起きるっスよ~
誰がダーリンだよ、全くもう、その呼び方は禁止ね。
え~ダメなんスカ~
当たり前じゃん、リリーは俺の一部だろ~
自分が自分に好きだなんて、気持ち悪いじゃん、
そうっスけど~意識は完全に独立してるっス、
それに、女性体っス、
そして、マスターに一目惚れしているっス、尽くしたいっス、
実体があったら、抱かれたいっス、
マリーが羨ましいっス、
ハイハイ分かりました~リリーに実体が出来たらね~
約束っスよ~
って、実体作れるの?
出来るっスよ~魂の抜けた新鮮な死体があれば、
リザレクションを掛けて蘇らせて、私が疑似魂を作って
蘇らせた、死体に憑依して、私本体と繋げるっスよ~
ただし、私が気に入った乙女の死体に限るっス、
凄っ、そんな事が出来るの?
当然っス、これでも、私、神器の一部っス、
かなり、無茶な設定も何とか可能にするっスよ~
アバター《擬態》が出来れば、いつもマスターの傍に居られるっス
抱いて貰えるっス、マスターの都合の良い女になるっスよ~
ステイタス画面の中から見ているのに、あきたっス~
あ、本音が出た。
ようはリリーも旅がしたいんだね、
まあ、そういう事っス、
そういう事なら、良さげな死体があったら,
教えてくれるかい?
了解っスよ、よろしくお願いするっス
リリーとの朝の会話も終わり目を開くと真っ暗、?
ランタン点けてたんだけど、息苦しいし、なにこれ?
柔らかい?と、
俺の頭に抱き付いたマリーが、胸を顔に押し付けていた。
薬湯で戻った、マリーの胸は何気にでかかった.Gカップはあるんじゃね~
メイド服の胸の所、はだけてるし、んん?
右手が動かないよ?これも、なんか、柔らかいんですけど~
エメルダが、右手を拘束して胸に押し当てているみたい、
こちらも、胸がはだけてて、なかなか、グッジョブ、って、
そろそろ、起きなきゃ、
二人を起こすと取り敢えず洗面所へ行き、顔を洗い、
歯磨きをして、テントへ戻り、装備を付けてから、
朝食だ、
今朝は、サンドイッチにした。ママゾンで、購入後、ストレージから出して、
食堂から、持って来た、ホットコーヒーと、ホットミルクティーで
「では、」
「「「頂きます。」」」
二人はいつもどうり、幸せ福笑いの顔で夢中で、
食べている。
「うん、玉子サンド最高~」
朝食後、ホットコーヒーとホットミルクティーを
飲みながら夜明けを待って、
テントの外へ出るとバンジョさんがやって来た。
「お早うございます。ヤマダ様、お目覚めになられましたか。」
「お早うございます。バンジョさん、昨夜はモンスター
の夜襲等はありませんでしたか?」
「はい、モンスター除けの結界のお陰で、
何事もなく、無事に過ごす事が出来ました。」
「それは、何よりです、出発は何時ぐらいになりそうでしょうか?」
「かなり、遅れておりますので、馬の準備が出来次第出発
したいと考えております。」
「そうですね、かなり、迂回路を使いましたので、
そうなりますよね、」
「お陰で、盗賊や魔物に出くわす事も無く、
無事に旅をすることが出来るのですがね、旅の安全が何よりでございます。
所で、ヤマダ様、目的地に着いた後も、私達と旅をして頂けないでしょうか?
勿論、報酬は一度の旅で金貨1枚を出させて頂きますが、
如何でしょうか?」
「申し出は大変有難いのですが、旅の目的が有りますので、
今回は遠慮させて頂きます。」
「そうですか、それは、残念です、ヤマダ様は、凄腕の冒険者の割に、
物腰も穏やかで、話しやすい、是非にと思っていたのですが・・・・
今回は、馬車代を無料にして、金貨1枚を報酬として、
出させて頂きますので、この後も到着まで、なにとぞ、
宜しくお願い致します。」
「えっ、俺って、凄腕なの?」
「「マ、エ はいっ、この国でもトップクラスの実力だと思います。」」マ、エ
「あの、報酬は別にいらないので、馬車代ただにしてもらえるだけで、
十分で有り難いですから、」
「そう言う訳には参りません、今回のキャラバン隊の利益は、
本当は秘密なのですが、
金貨100枚以上の利益がございます。
その旅の一番の貢献者である、ヤマダ様に無報酬などとあっては、
商人の誇りが許しません、
何卒、お受け取りください。」
「そこ迄おっしゃるのであれば、有難く頂戴致します。
おまけと言っては、何ですが、ジオンの街に到着しましたら、
用事を済ませて早急に街を出発する事をおすすめします。」
俺は話すかどうか迷って居た事を、伝える事にした。
昨日からノル砦の正面の原始の森の様子がおかしかったのだ。
「と申されますと?」
「はい、昨日からノル砦の正面の、原始の森の方から、
とてつもない、危機感知が働いているのです。
恐らくは、モンスターの数が異常な事態なのだと思います。」
「砦には数百の兵士が詰めているはずですが?」
「はい、その通りです、モンスターの数が異常なのです。」
「と、言いますと?」
「数万は下らないかと、」
「ヒッ・・・・」
「それに、森の奥から、続々と集結して居る様なのです。
エメルダこれは?どうすれば良いとおもう?」
「エ 本当ですか・・・これは、モンスターが後ろから押されて
原始の森から溢れ出しますね、タカシ様の話からすると、
300年振りの、モンスターパレードになるのは、
間違い無いのではないかと、出来るだけ早くジオンの街から、
離れる事を、お勧めします。」エ
「どこに逃げれば良いのでしょう?」
「エ そうですね~まだ、何時溢れ出すか、分からない現状では、
今日溢れ出すのか、明日なのか、1週間後なのか、
一月後なのか、モンスターに指揮するものが要れば、
真っ直ぐに王都へ向かうでしょう。
又いない場合は、扇形に広がると予測されます。
そうですね、長城沿いの砦間を結ぶ補給路をヨシュア王国に
向かって進むのが、モンスターから距離を取る
一番の方法だと、思われます、」エ
「ヤマダ様、我々と一緒に来てはいただけないですか?」
「私達は、モンスターを避けて、精霊街道をヨシュア王国に向かって
進む予定です。」
「王国が冒険者を捉えている噂は
本当だったのですね、私もこの王国に見切りが付きました。
ジオンの街の商いが済み次第、ヨシュア王国へ向かうとしましょう、」
バンジョさんは俺が言った事を、いち早く、理解してくれた様だ。
しかも、違法行為を行う王国に見切りを付ける決断力の速さ、
昨日から思ってはいたのだが、凄く優秀な商人なのだろう、
「で、この事は、ジオンの街の守備兵に伝えますか?」
俺たちが直接、兵に伝えに行けば捉えられる可能性がある為
申し出てくれたが、
「先ず、信用されないでしょう、一笑に付されるのが落ちです。」
「しかし、それでは、罪もない、一般の人たちに
危害が及ぶのでは?」
「その通りです。ですから、長城を超える時に、
知らせる細工をしようと考えています。
バンジョさんには、
もしよろしければ、モンスターパレードの噂を流して頂けないでしょうか?
知り合いが居たら一緒に避難するのが良いと思います。」
「はい、承知致しました。商人ギルドには、
日頃お世話になっている人たちが、いますので、避難を
呼びかけてみましょう、信じる信じないはその人に任せましょう、
馬の準備も出来た様なのでそろそろ出発いたしましょうか、
その前に」
バンジョさんは御者を集めて、何やら、話をしている、
俺たちは馬車に乗り込んだ。
バンジョさんが馬車に乗り込んで、馬車隊は動き出した。
しかし、考え込むバンジョさん、
「バンジョさんどうかされましたか?」
「はい、ヨシュア王国に逃れるにしても、その、
食料が・・・・途中、農村で求めるにしても、其の殆どは、
王国が召し上げて、無いのが、現状でして、いかがした物かと・・・
今回のキャラバンの積み荷は、南の国境沿いのセテの街から、取り寄せた物で、
売り先が、ジオンの街の領主の貴族様なのです。
ですので、荷物に手を付ける訳にも行かず、思案しておりました。」
「うん、成程、で、予定は、何人で、何日で、一日何食で、
途中水の補給は出来ますか?」
「水は問題無いですね、一番近い国境の町ポワレ迄、
10日で行きたい所ですが、
20日は見ておく必要が有るでしょう、人の数は、
乗客が100人御者や護衛を含めて30人で、130人と言った所でしょうか、
今乗っている、お客さんは、皆さん、ジオンの街から、
徒歩で、ポワレの街迄行く人が殆どで、ま~この国から逃げ出したい
人たちですね、食料は1日2食として、130人が20日間で、
5200食ですか・・・
如何ともしがたいですね、」
「5200食ですか、それは何とも・・・・・、ま~良いでしょう、
そちらは、私が何とかしましょう。」
「へッ?」
ママゾンから見本に袋ラーメン1ケースと、その丼と、片手鍋、2リットル入り
美味しい水を、1ケース購入して、ストレージから出して、
「お昼の休憩の時に、試食してもらえますか?」
「これは?食料なのですか?」
「はい、その通りです、
その時に作り方も説明しますので、」