-127話ー ウォーマンティス討伐報酬
二か月以上に及ぶ長いウォーマンティスの討伐を終えて、
俺達は屋敷に帰って居た。
「う~ん、屋敷に帰って来たのは良いのだが・・・・
何でグランドマスターや、
各街のギルドマスターが居るの?
百人隊長のアモンさん、
其れにちっパイ師匠迄居るし~クラスの皆は、
まだ初級ダンジョンでの
素材の換金が済んで居無いから分かるんだけれど、
如何したの?家に帰らないの?南街のギルマスの
スレンダーで綺麗なエニーさん迄居るし~
如何なってんの?」
今夜の晩御飯のエビフライをほうばり乍ら、
「チ 其れはの、モモん家の風呂が広いのと、
ご飯が美味しいからだの」チ
「ギルマス そうだ、そうだ~お酒も美味いよ~」ギルマス
「ア 私はジャーキー叔父様によめ・・・・
身の回りの警護の為に、行く様に言われたのです。
部隊も明日から20人程、屋敷の警護の為に、
此処に派遣されて来ますよ、
ご飯も美味しいし、お酒も美味い、言う事無しですわ!」ア
「いや、警護は要らないよ~強力な護衛が居るし」
「ア 確かに、彼女達は私なんかより
遥かに強いのは分かって居りますけれど、
此れから、この屋敷に尋ねて来るであろう、
貴族達に対処するのは難しいでしょう、
私達であれば、私は伯爵家の三女ですし、
騎士達も其々貴族家の者達で、
貴族の扱いに長けた者達ですので、
モモタロウ様に金の無心に来る程度の貴族であれば、
叩き出す事位平気で出来ますので、ご安心ください」ア
「そういや~そうだったわ~俺は、
一応魔法使い爵で貴族扱いだけれど、
学生だからね~貴族の中でも一番身分が低かったわ~
じゃあ、アモンさんお願いするね~」
「ア もぐもぐ、あっ!心得ました!」ア
「で、ペチカさん如何すんの?」
「ぺ もぐもぐ、ん?コホン、私達も逸材であるモモちゃんを、
心無い者達から守る為に今日から此処で暮らします。」ぺ
「ギルマス 万歳~!」ギルマス
「お~いっ!仕事は如何すんだよ~?」
「ギルマス 飛んでいく!!」ギルマス
「飛べるのかよ!」
「ぺ もぐもぐ、私達はエルフだからね、魔力も多いし寿命も長い、
飛行魔法なんかは会得して居るよ~一応上級魔導士だしね~」ぺ
「そうでした~皆、綺麗なエロフさんでした~」
「ギルマス まあ、綺麗でセクシーなエロフさんだなんて、
可愛い坊やね今晩、如何?」ギルマス
「まあ、セクシーとは言って居無いですが」
「エ もぐもぐ、本当に肉食系のエルフです事!
ぷんぷん、ごっくん!プッハ~」エ
「仕方が無いですね~カンシン、
後で皆の部屋の用意をしてあげて」
「カ もぐもぐ、ごっくん!プッハ~・・・・
はっ、承知致しました」カ
「皆 もぐもぐ、宜しくお願いしま~すっ!」皆
「ぺ もぐもぐ、あっそうだわ、モモちゃん明日ギルド本部に来て、
中級ダンジョンで回収した素材を渡して呉れ無いかしら、
其れと、モモちゃんの報酬なのだけれど、
金額が大き過ぎるから、三百万枚は十年払いで
年間各十万枚の、三十万枚で、
明日、討伐報酬と合わせて、今年の分三十一万枚渡すわね」ぺ
「ごっつあんです」
「エ もぐもぐ、そうですわね~
一括で支払われても困りますわね」エ
「ネ もぐもぐ、みゃーも十年払いにゃのか?」ネ
「ぺ そんな訳無いですよ、二百枚一括で支払われますよ」ぺ
「ネ ほっ、にゃ~」ネ
「で、ペチカさん俺達、
初級ダンジョンで集めた素材が有るんですけれど、
一緒に渡しても良いですか?」
「ぺ う~ん、そうね~
本部はウォーマンティスの素材で一杯に成るでしょうから、
申し訳無いのだけれど、
南街のギルドで換金して呉れ無いかしら?ごくごく、プッハ~」ぺ
「エ きゃ~モモちゃん初級ダンジョンの素材が有るの?
一杯有るの?」エ
「はい、エニーさん其れはもう、ざくざくですよ~」
「エ キャ~嬉しいわ~もう冬に入ったから、
北街に負けて居て、
如何しようかと思って居たの~ごく、ごく、プッハ~」エ
「はは・・・じゃあ本部にウォーマンティスを降ろしたら、
南街の方へも行きますねっ」
「エ もぐもぐ、はい、お待ちして居ますわ、
ごくごく、プッハ~」エ
「「「南街に負ける何て悔し~っ!!ごくごく、プッハ~」」」
「エ ふふん、今年まっぱで逆立ち、
街一周の刑は貴方達の誰かですね~」エ
「ぺ 何言ってんの?エニー、
今年はウォーマンティスの討伐で、
皆頑張ったから、罰は無しですよ」ぺ
「「「良しっ!!」」」
と、ガッツポーズを決める姉妹三人、良いのか其れで、
「エ ペチカ姉~そんな~」エ
「ぺ じゃあエニーが恒例の裸、逆立ち街一周・・・・する?」ぺ
「エ 嫌~~っ!!堪忍して~お嫁に行けなくなる~!」エ
「ぺ 何言ってんの?五年連続記録出して居るの貴方じゃ無い」ぺ
「エ ふぇ~ん、今年はモモちゃんが居るんだよ、
生きて行けないよ~」エ
「ぺ じゃあ、今年は無しって事で」ぺ
「エ ・・・・ハイ分かりました。シュン」エ
「ぺ 分かれば宜しい」ぺ
「エ やけ酒だ~!モモちゃんお酒お代わり~!」エ
「あ~はい、はい」
翌朝、朝ご飯を食べ終わると、
ちっパイ師匠と、ギルマス達は、
各々仕事場に向かって飛んで行った。
「うん?師匠の仕事って何だ?さて、俺達も出掛けるか、
カンウ、馬車持って来てくれる?」
「カ ご主人様」カ
「ん?何だいカンウ」
「カ はい、門の外が人だかりで溢れて居ります。
騎士隊が来る迄、待っては如何で御座いましょうか?」カ
「なんてこったい!マジか~早過ぎんだろう!」
「エ モモちゃん、貴族の耳は地獄耳ですからね~」エ
「怖ぇ~貴族、マジ怖ぇ~!」
「カ 此れは騎士隊が来る迄、待った方が良いでしょう、
私一人では、刃傷沙汰に成りかねません。」カ
「かん口令は如何した~~!!」
「ア かん口令は装備に関してですので、
モモちゃんが、
大金を手にして居る事が漏れてしまったのでしょうね」ア
「漏れてしまったのでしょうねじゃねえよ~
表歩けないじゃん~!」
「ア 其れに、今回の大活躍ですから、もう有名人ですね、
女帝様の覚えも目出度いので、
是非娘の婿にと言う所でしょうか」ア
「若くて綺麗な御姉さんなら俺の周りに一杯居るよ~!」
「皆 まあ、ぽっ」皆
「其処、皆、赤く成んない!」
「ア 天使の様な若くて綺麗な御姉さんだなんて、
可愛いですね、
もう直ぐ騎士隊が到着しますので少し待ちましょうか?」ア
「天使とは言って居無いですけどね、しゃあないし、
待ちますか~」
暫くすると、貴族達を掻き分けて騎士隊が到着した。
と、アモンさんが壁の楼閣に上って、早速指揮を取り始めた。
暫くすると人垣は整理されて馬車が通れる位の道が出来た。
俺達は馬車に乗り込むと、
幌を張って騎士達が整理した道に出る事が出来た。
すると5人の騎士が馬に乗り、馬車を囲む様に展開して、
馬車に近ずく者を遮って呉れた。よく訓練されている。
「キ モモタロウ殿~
我が家の娘を是非嫁に貰って下され~!!」キ
「キ 何を、我が家の娘は幾らでも子を産めまするぞ~!!」キ
「キ 何の、我が家の娘は床上手で御座いまするぞ~!!」キ
幌の隙間からちらりと外が見えた。
其々に娘を連れて来て居る様だ。
「オークの群れが居るよ~オークの群れが手を振って居るよ~
怖いよ~アモンさ~ん」
「ア ・・・・まあ、其れは仕方御座いません、
モモちゃんは家格の低い身分なので、
娘の中でも売れ残りを連れて来て居るのでしょう」ア
「でも売れ残りにも程が有るよ~
何人かおばさんが居たよ~
如何見ても40は過ぎて居たよ~
マンティスやゴブリンも居たし、ふえ~ん!」
「ア 皆、モモちゃんの事を知らないですからね~
ご愁傷様で御座います。」ア
「エ モモちゃん、私くしが居りますわ、
何時でもバッチ来いですわ」エ
「有難う~エレン~しく、しく、しく」
モモタロウはエレンの膝枕で、
親指をくわえてしくしくと泣くのだった。
此の後ギルド本部に着く迄、
モモタロウはエレンの膝を涙で濡らすのであった。
「エ モモちゃん、何時までも泣いて無いで、
ギルド本部に付きましたわ」エ
「うん、分かったよ~」
「エ 完全に自信を無くして居りますわね」エ
「ア 困ったもんですね」ア
ギルド本部は冒険者でごった返して居り、帰ろうとした時、
「ぺ 待って~モモちゃん帰らないで~!!」ぺ
グランドマスターのペチカさんが飛んで来た。
「ぺ 御免ね~モモちゃん、
中級ダンジョンのウォーマンティスの討伐報酬の、
支払いでごった返して居るのよ~裏庭に来てくれるかしら」ぺ
「はい、呼び出しも出来ないみたいだったので、
帰ろうかと思って居たんですよ、分かりました裏庭ですね」
馬車を裏庭に付けると、ペチカさんがやって来て、
解体場に案内された。
「広いですね~此れならドラゴンでも解体出来そうですね~」
「ぺ はい、1度死んだドラゴンが発見されて
此処で解体した事が有ったのよ」ぺ
「良く運べましたね~」
「ぺ まあ、あの時は魔法の袋が有りましたからね」ぺ
「便利ですよね~魔法の袋」
「ぺ えっ、モモちゃん持ってるの?」ぺ
「はい、俺もエレンも持って居ますよ」
「ぺ 売って~!!」ぺ
「何で?魔法の袋有るんでしょう?」
「ぺ 実は、他国のギルドに回して居たら
此処の分が無くなっちゃったのよ~
貴重な物じゃない、
中々無くて、大物が狩れたら他国のギルドに迄、
借りに行かなくちゃいけないの、面倒臭いじゃ無い」ぺ
「いやいや、飛べるんだから、飛んで行きゃ~良いじゃん」
「ぺ そうなんだけれどね、中々私が行けないじゃない」ぺ
「他の街のギルマスは?」
「ぺ 其れがね~空を飛んで居ると出るじゃ無い色々と、
ワイバーンとか飛竜とかガーゴイルとか
グリフォンとか邪竜とか、
妹達も嫌がっちゃって、困ったもんだわ」ぺ
「ふ~ん、まあ良いか」
ストレージからリリー謹製の魔法の袋を出すと、
ペチカさんに渡した。
「はい、此れで良いですか?」
「ぺ いやいや、そんなに簡単に渡されても困るんだけれど、
幾らで売ってくれるの?」ぺ
「俺はその辺が疎くて、ペチカさんに任せますよ」
「ぺ じゃあ、金貨十万枚でお願いするわ」ぺ
「ちょっと待った~!!二百億ですと~
国家事業の予算ですか~!」
「ぺ 二百億?大幅に色を付けて居ますけれど、
相場の二倍ですよ、
其れだけの貴重品で、
ギルドも欲して居る旧エルフ魔法文明の、
失われた技術で作られた物ですので、
此れ位の価値に成るんですよ」ぺ
「だって~エレン~」
そう、エレンはその貴重な
魔法の袋を実家を追い出された時に、
かっぱらって来て居るのだ。
「エ ほほほほ・・・・其れが何なのですか?
私くしのせいじゃ有りませんわ」エ
強気だが、足がガタガタ震えて居る。
「エレン、姉ちゃんに知れたらヤバいんじゃね?」
「エ モモちゃん、其の時は守って下さいまし」エ
「はいはい、分かったよ」
「エ ほ~~っ」エ
「ぺ 何か、凄く安心して無い?」ぺ
「エ 当然ですわ!
私くしモモちゃんに全幅の信頼を寄せて居ますのよ、
ダメだった時はすっぱりと諦めますわ」エ
「こりゃ、守ってやらないとね」
「ぺ で、モモちゃん売ってくれるの?」ぺ
「ああ、勿論良いですよ」
「ぺ だからモモちゃん大好き~!」ぺ
又、べろちゅうされてしまった。
エレンが涙目で引き剥がしてくれた。
「エ 此処は如何見ても私くしがモモちゃんに抱き付いて、
熱い接吻を交わす場面ですわ、このエロフと来たらもう!」エ
「ぺ ふふふ、先に動いた方の勝ちですよ」ぺ
「エ ぐぬぬぬぬ・・・・」エ
「まあそれは良いとして、ウォーマンティス出しますよ~」
「エ、ぺ 良くな~い!!」エ、ぺ
「ぺ まあ、そうですね、出して下さい。」ぺ
ウォーマンティスの死骸と、魔石と、その他もろもろを出すと、
解体場から溢れてしまった。
「ぺ 何なんですか~此の数は~」ぺ
「う~ん、三十万匹弱と言った所でしょうか~」
俺達はウォーマンティスの山に解体場から
裏庭に押し出されてしまった。
「ぺ ちょっと~そんなに狩ったの~!
余んまり簡単に倒すもんだから、
此の数は予測して居無かったわ~」ぺ
ペチカさんは大急ぎで、
解体職員を集めて、作業に取り掛からせていた。
「ぺ ふぅ~ビックリしたわ~此れだけあれば元が取れる?
もしかしたら黒字かも~いや~本当に驚いたわ~
じゃあ皆、私の執務室に来て」ぺ
「皆 は~いっ!」皆
俺以外の者は白金貨で支払われた。
金貨一枚が日本円で、二十万円だ。
百枚で、二千万円と成る
一人金貨二百枚なので、四千万円だな、
白金貨が一枚一千万円なので、四枚と言う事に成る。
金貨で払える量では無いので、
今回は全て白金貨にして居るとの事、俺以外はだな、
皆手を震わせながら貰って居るのが分かる。
「ネ にゃにゃにゃ~
落とさないようにしないといけにゃいにゃ~」ネ
「ウ 持って居る手が震えるぴょん」ウ
「おいおい、お前ら王族だろうが~」
「ネ こんなに大金持った事がにゃいにゃ~」ネ
「ウ そうだぴょん大体が銀貨だぴょん。」ウ
「貧乏臭せ~プリンセスだなおい」
「エ 又お金が増えましたわ。」エ
「エレンは通常運転だな」
「ぺ モモちゃんは高額だから王金貨で渡すわね」ぺ
と、王金貨で八百二十枚渡された、
王金貨は一枚約二キロ有るのだが、
十枚入りの皮袋が八十二袋で、
一枚一億円なので、八百二十億円だ。
こんなに重い貨幣なので、
主に貿易と軍資金でしか使われない。
「ぺ モモちゃん、王金貨は市場では、
殆ど流通して居無いからね、
冒険者ギルドに来てくれれば、何時でも手数料無しで、
金貨、大金貨、白金貨と交換するからね~」ぺ
「は~いっ、ごつあんです~」
と、ストレージに仕舞った。
「ぺ と、ギルド本部での用事は以上だ。後モモちゃん」ぺ
「な~に?」
「ぺ 今夜は遅く成りそうだから、晩御飯取って置いてね、」ぺ
「ラジャ~」
と、俺達は懐を温かくして、
南街の冒険者ギルドに向かうのであった。