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-125話ー 中級ダンジョン ウォーマンティス討伐 6


中級ダンジョンの異常発生した


ウォーマンティスの討伐に、


初級ダンジョンを討伐した、


魔法学院のクラス全員と担任、そして、


エレンと俺に屋敷で働いてくれて居る全員が、


総勢七千の討伐軍に参加した。



ウォーマンティスは、


5階層に居るモンスターなのだけれど、


どんな事情かは分からないが、


普段発生する事の無いメスが発生した事で、


異常発生したのだ。其のメスから生まれるマンティスは、


当然又メスが含まれて居て、



更に加速度的に数が増えると言う


悪循環に成って居たのだった。


俺達の討伐軍は、長い時間を掛けて、


やっと5階層に到達してマザーを討伐し始めた。


此処からやっと、


日を追うごとにマンティスの数が減り始めたのだった。



しかし其れは討伐軍も同じで、


日を追うごとに体力と精神力を消耗するのだった。


俺はそう成らない様に毎日、ちゃんと休養と食事を取る事で、


疲労が残らない様に心を配って居たのだけれど、此処に来て、


目に見えて疲労して居るのが分かった。



「ペチカさん、皆、参って居るようですね~」



「此れだけの長丁場に成るとね~モモちゃんは、


疲れが残らない様に、


頑張って居てくれるのだけれど、


ずっと神経が張り詰めた状態ですからね~」



「そうですね、


せっかく減らした数が又増えるのはシャクですが、


此処で、ちゃんとした休養を入れましょうか?」



「どれ位の期間を考えて居るの?」



「七日間では如何でしょうか?」



「七日ですか?マンティスの数が凄く増えるんじゃない?」



「恐らくですが、五万以上には増えないだろうと見て居ます。


ダンジョンの復活のサイクルと、共食いを合わせても、


この狭い空間では其れが限界なのでは無いでしょうか?



勿論メスの数が異常に増えれば話は変わって来るでしょうが、


七日位では余り変わらないでしょう」



「う~ん、此の岩で出来たドームや、出口を塞いで居る大岩を、


破壊されませんか?ウォーマンティスの鎌は鉄をも切り裂く強力な物ですよ」



「其れは、問題ありませんよ、


何方も結界シールドで覆って居ますから、


傷一つ付ける事は出来ませんね」



「じゃあ、此処で焦る必要は無い・・・・と言う事ですか?


・・・・・・・・万全の態勢で最後の仕上げに臨むと言う事ですね、


皆さんは如何思いますか?」



「首脳陣我々は脳筋なので任せま~す。


美味しいご飯を食べれるし~」首脳陣



「ふむ、脳筋騎士達は完全に胃袋を鷲掴みにされて居ますね」



「「「私達もモモちゃんに従いま~すっ」」」



「ふむ、妹達は更に色気ずいて居ますね」



「配下我々はご主人様の決定がすべてで御座います」配下



「メイド達には絶対の信頼を受けて居るようですね」



「私くしは、モモちゃんのする事に口出しは、致しませんわ」



「エレンちゃんもモモちゃんを信頼して居ますね」



「当然ですわ!」



「良いでしょう、


疲労の為に全体が瓦解するなんてのは良く聞く話ですし、


此処で一度リセットしましょう。ただし、


マンティスに異常な動きが出たら、


直ぐに再討伐に掛かります」



「そうですね、警戒は怠ってはいけませんね、


では、全軍にそう伝えて下さい。


今日は飲酒も許可すると」



「首脳陣は~いっ!飲めるぞ~!!」首脳陣



「此の首脳陣は~何も考えて居ませんね」



俺は休養を決めると、


先ず、大きな岩風呂を作って、カフェテラスや、


寛げる空間を増設した。


ちょっとした温泉リゾートだな、


飲み物などのサービスを受けられる様に、


人員を配置して、



メイド軍団を常駐するようにしたのだ。


厨房も用意し、簡単な軽食の準備をして、


料理人も配置、


七千人の人が寛ぐ事の出来るように工夫した。


寝泊まりもカプセルホテルを作って、


人数分の部屋を確保した。



一人一人に番号の入った札を渡して、


小さいが、一人一部屋のプライベート空間を、


提供した。勿論鍵付きだ。


討伐の期間中皆、緊張して居たのが、


休養、二日目には緊張が解けて、



皆、穏やかな顔に成って、


風呂と食事と飲み物と睡眠を楽しんだのだった。


食事は大人数なので、


基本は、バーベキューだが、焼く物を変えて行った。


肉に海鮮物、焼きそば、お好み焼き、


特にカレーライスが大人気だった。



俺は其の間に全軍の装備を変えて行った。


三千の騎士達には、真っ赤な竜の鱗で作られた、


軽くて頑丈なフルプレイトメイル、


剣は、鉄剣から竜の骨で作られた


反りの有る真っ白な片刃刀、



冒険者達にも、真っ赤な竜の鱗で作られた


軽装に真っ白な竜骨の片刃刀、此れだけで、


何倍にも攻撃力が跳ね上がる。


槍も、竜骨を用いて強力な物とした。


勿論弓隊にも竜の鱗で作られた軽装と


竜骨で作られた脇差を配った。



皆が装備して居た武具は、


木の札を付けて、ストレージに預かって居る。


首脳陣の分は内緒だけれど、


ドラゴンの素材を使って居る。


剣も、ドラゴンの鱗だ。色は赤で統一した。


ただし、一切の口外を禁止した。



口外した者は装備一式返還する契約だ。


この契約は冒険者ギルドと、


騎士団が、一切を取り仕切っている、


実に信頼性が高い物と成って居る。


つまりは、契約の魔法が掛かって居るのだ。



其処までしないといけないのは、


此の装備が勇者クラスの装備と成るからである。


まあ、騎士物語に出て来る様な装備が


一気に七千以上配布された事に成るのだ。


その全てにリリー謹製の紋章迄入って居る。



更に首脳陣に配った物は、伝説級だったりする。


そんな話が世間に広がれば、


俺は其れこそ大変な事に成る訳で、


此の国に居れなくなるのは必至なのだ。



まあ、あれだ、騎士や冒険者達が、


報酬はもう要らないと言う位なのだ。


普通の騎士や冒険者では、


一生お目に掛る事の出来ない様なお宝だったりする。


回復術師にも僧侶には、


オパールアゲハとトパーズアゲハと


竜鱗を繊維にした物で編んだ、僧侶服と、


冒険者には竜の素材の軽装と脇差を配って居る。



そう成ると気に成るのは、


討伐が終わってからどんな言い訳をするかと言う事なのだが、


全体集会で相談をした結果、


5階層で女神様が降臨成されて、


モンスターから民を救う為の


戦いをして居る勇者に褒美をと、



女神様から頂いたと言う事に成った。


話がどれだけ盛られるのかと思うと、


少し恐ろしかったりするのだが。


神の居る世界なのでオーケイなのだそうだ。



特に回復術師は、


女神教の信者が増えると喜んで居た。良いのか其れで、


七日の休養も終わり、今日から又討伐の日々が始まる。



「皆~!ゆっくり休めたかい~!」



「皆おお~~!!」皆



「今日から、又、討伐に掛かるよ~」



「皆おお~~!!」皆



「此の討伐が終わったら、


最高のお肉を使ったバーベキューをするよ~!」



「皆バンザ~イ!!」皆



「地上に出てからだけど~食べ放題!


飲み放題でやるよ~!!」



「皆バンザ~イ!!」皆



「よ~しっ!では陣を組んで~!」



「皆おお~~!!」皆



「モモちゃん、


此れは全軍の胃袋を鷲掴みにしちゃいましたね~」



「ペチカさん楽しみが有った方が良いじゃ無いですか」



「そうですね、今までに無い位に士気が上がって居ますね」



「モモちゃん、私くしもバーベキューが楽しみですわ~」



「うん、エレン楽しみにして居て~出し惜しみ無しで、


良い肉た~んと出すからね~」



「首脳陣は~いっ!(ですわ~)」首脳陣



「首脳陣も返事しちゃって居るよ~まあ良いか~


全軍~戦闘準備~弓隊~弩を準備して~!」



「弓隊おお~~!!」弓隊



俺はドーム状の岩を退けると、


回りに集まって居るウォーマンティスの群れに、


矢の一斉射撃を放って行った。3段撃ちの効果は抜群で、


次々とウォーマンティスを倒して行き、



又、五万以上に膨れ上がって居た群れの


総数を撃ち減らして行くのだった。


此の日、俺達の気配に集まって居た


約二万のウォーマンティスを狩る事が出来た。


マザーも3匹混ざって居り、マンティスに大打撃を与えた。



普通に軍隊で有れば、敗走して居る数なのだけれど、


相手は昆虫型モンスターだ。


全滅する迄襲い掛かって来るのだ。


戦闘の最終段階の白兵戦も攻撃力の高い武器の為に、


あっと言う間に全滅させる事が出来た。



「武器を変えるだけで、こうも早く討伐出来るんだね~」



「其れはそうですよ、鉄製の武器では


中々マンティスの堅い殻は切れませんからね、


今迄は、かなり苦労をして


柔らかい部分に絞って攻撃して居ましたから、


無理をして怪我をする者も多かったのですけれど、



此れ位簡単に殻が切れるのであれば、4本の足を落として、


動きを封じて、頭を落として、鎌を落とす作戦が使えます。


結果として、怪我人の数が激減したでしょう?」



俺は、最後の怪我人の治療を終わって、其の娘に抱き付かれて、


ほっぺたにキスをされ乍ら、



「ペチカさん、そうですね~ウォーマンティスの鎌で、


剣を折られる事も無くなりましたしね~


攻撃方法が確立出来たみたいで、


怪我をする人が減って、俺達も助かりますね~」



此の日は、騎士も冒険者も武器の性能の高さに興奮して居り、


防具の性能のお陰も有り重傷者は一人も居無かった。



「モモちゃん其れより凄いのは、此れだけの長丁場の戦場で、


まだ一人の戦死者も出て居無い事の方が凄いのですよ、


モモちゃんが此処に来る迄に


ダンジョン入り口での戦闘で、三百人以上の、


騎士と冒険者が戦死して居る事を思えば、


正に奇跡ですね」



「そうでしたね、


既に三百人以上の人が亡くなって居るんでしたね、


俺も、余り調子の良い事を


言わない様にしないといけないですね」



「余り其の事は気にし無いで、悪いのはあの筋肉バカだから、


まあ、本人も死に掛けたし、此れ以上言うのは止めますが、


モモちゃんに関係の無い話とだけは言って置くわね、



亡くなった騎士達も冒険者達も死ぬ覚悟が有っての事ですし、


其れに、今回の事が終われば、


騎士は帝国から、冒険者はギルドから、


亡くなった遺族には手厚い保証の準備が有ります」



「そうですね、


俺からも遺族の人達には労ってあげて欲しいです。


亡くなった人はもう帰っては来ないのですから、


せめて・・・・」



「勿論です。其れにこんな事を


言ってはいけないのですけれど、


今回、七千人の兵を集める事が出来ましたが、


中級ダンジョン入り口での戦闘で、生還出来るのは、



二千人程度で有ろうと、予測して居たのです。


帝国も、冒険者ギルドも、例え大きな被害が出ても、


此処を死守する責任が有る為にね」



「そうですね、カマキリが此処を抜け出して、


農村部が襲われたら、帝国は何をやって居た。


冒険者ギルドは何をやって居た。


と言う事に成りますもんね」



「其の通りですね、帝国や冒険者ギルドの信頼は


失われる事に成るでしょうね」



「グランドマスターって大変なんですね~」



「モモちゃん変わってくれる?」



「嫌です!」



「ん、もう、モモちゃんの意地悪~っ!


でも、又何かあったら協力してねっ」



「「「姉ちゃん!気色悪い~!」」」



「あんた達は黙ってな~!!」



「「「はひっ!」」」



「う~ん、長女は権力が有るな~」



「そうですわね、まあ、


世界中の冒険者を束ねて居るのですものね~」



「そうでした~すっかり忘れてました~」



翌日からも戦闘の日々が続き、


徐々にウォーマンティスの数を減らして行った。


休養が終わっての


初日にマザーを3匹倒したのが効いた様だ。


階層主部屋に辿り着いた時には、


マップに映るマンティスの総数は、



一万を下回っては居たが依然2匹のマザーが健在で、


数を増やして居たが、階層主部屋は健在で、


ウォーマンティスは下の階には行って居無かった。


此処で、折り返して、4階層に向かって進みだす。



「何か、荒れ地、雑草が生えて来てません?」



「そうですね、少しずつダンジョンが


回復して居るようですね」



まだ木等は生えて居無いが、


此処に来て草原が回復しつつ有る様だった。


ウォーマンティスの攻撃も段々と散発的に成って来て、


行軍が楽に成って来た。



4階層の入り口に着いた時には、マザーは全滅して居て、


ウォーマンティスの総数も百匹を下回って居た。


5階層のウォーマンティスの


普段の総数は、約千匹なのだそうだ。



「皆~お疲れ様~マザーを


全滅させることに成功したよ~


卵も全て焼き払う事に成功したし


目標達成だよ~しか~し~


もしかしたら、まだ卵が有るかも知れないので~


此処で拠点を作って、


三日間様子を見ま~すっ良いですか~」



「皆おお~~!!」皆



此処に、又、ドーム状の岩の拠点を作ると、


三日間様子を見る事にした。



「せっかく退治したのに、卵が残って居て又、


同じ網の木阿弥とか、


シャレに成んないしね~卵は約一日でかえるみたいだし、


確認してから帰還しましょう。」



「皆は~いっ!」皆



そして、此の三日間の間に、


ウォーマンティスの孵化は確認されなかった。


ダンジョンが生み出すウォーマンティスだけであった。


この三日の間にウォーマンティスは、


約千匹程生み出されて、


森や草原なんかも徐々に復元されて行った。



俺は、ドーム状の岩で出来た拠点を解除すると、


周りを見渡し乍ら溜息を付いて、



「ダンジョンって凄いね~


あの荒れ地が今や見渡す限りの草原だよ~


モモちゃんビックリ~」



「ふう~本当ですね~やっと、


通常のダンジョンに戻りましたね」



俺は塞いだ穴の大岩を退けると、


階段を登って行き階層主部屋へと、


階層主のウォーマンティスが現れたが、


エレンが難なく倒して・・・・


何と宝箱が、



「ペチカさん此処、宝箱が出るの?」



「いいえ、聞いた事が無いですね~」



「まあ、罠が有ってもなんだから


中身だけ頂きますね、ほいっと」



「モモちゃん何が有りました?」



俺は、ストレージに回収した宝剣を出すと、



「こんなん出ましたけど~」



「此れは、凄い宝剣ですね。


其れはモモちゃんの物にして貰って良いですよ」



「えっ?良いの?」



「首脳神オーケイですっ!」首脳陣



「じゃあ、遠慮なく頂きますっ!」



「此れは、ダンジョンからの贈り物ですわね」



「今回の一件は


ダンジョンも困って居たのかも知れませんね」



階層主の扉を開けると、4階層は既に回復して居り、


見渡す限りの草原と、森が点在して居り完全に復活して居た。


俺達の軍は、4階層のビッグマンティスを狩り乍ら3階層へと、



3階層の階層主部屋も復活して居て、


階層主のビッグマンティスを倒して、


2階層、1階層へと、途中筋肉親父も拾って、


やっとダンジョンの外へと帰って来た。


ダンジョン内に延べ65日間の討伐を終えて、


地上に帰って来たのだった。

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