-124話ー 中級ダンジョン ウォーマンティス討伐 5
中級ダンジョン4階層のウォーマンティスを駆逐した翌朝、
「さて、此処から本丸の5階層に成る訳だけれど、
如何したもんかね~」
「モモちゃん、何か懸念でも?」
「ペチカさん、う~ん、岩の向こうなんだけれど、
既にウォーマンティスが、
うじゃうじゃ居るんだよね~」
「でも、結界シールドは破られる事は
無いんじゃ有りません事?」
「エレン、結界は破れ無いんだけどね~
此処で少し数を減らしたいな~って、
其れに、居るみたいなんだよね~マザーが」
「モモちゃん何でそんな事が分かるの?」
「東街の巨乳で美人のソニーちゃん、気配が分かるんですよ、
其れも飛び切り大きい奴が3つ有ったりするんですよね~」
「あら、モモちゃん巨乳で美人で妖精みたいなんて、良い子ね」
「まあ、妖精みたいとは言って居無いですけどね~」
「しかし、3つですか?まあ、
一匹では無いだろうとは思って居たのですが・・・・」
「ですよね~ペチカさん、
一匹見付けたら数百匹は居るのかもね」
「もう、モモちゃんたら、ゴ〇ブリじゃ無いんですから」
「ボインで可愛いソノカちゃん、そうだと良いんだけどね~
まあ、既に沢山繁殖して居るのは間違い無いでしょうね」
「ボインで、可愛くって天女みたいだなんて、もう、
仕方が有りませんね、お婿さんに来ます?」
「「「「「其れはダメ~!」」」」」
「まあ天女とは言って無いんですけれどね。
あの群れに何か、きっついの一発かましてやりたいよね~」
「あら、簡単じゃあ有りません事?入る前にやった、あれ、
もう一発かませば良いんじゃ有りません事?」
「エレン、あれはトンネルだから出来た事なんだよね~」
「確か、4階層から、5階層に続く階段は、
100メートル位有ったんじゃ無いかしら、広さも確か、
洞窟と同じ位だったかしら?」
「えっそうなの?色白でロリ巨乳の
西街ギルドマスターのルカさん」
「まあ、色白ロリ巨乳で、精霊のようだなんて、
此の子ったら、
大人をからかってはいけませんよ・・・・ぽっ」
「まあ、精霊の様だとは言って居無いですけれどね、
100メートルか~火炎放射の様な効果を
期待出来るね~やってみようか?」
「ギルドマスターは~いっ!」ギルドマスター
「じゃあ悪いけれど、風魔法使いと、火魔法使いの人集めて~」
「皆は~いっ!「皆
此の後集められた数百人の風魔法使いと、火魔法使いに、
「皆さ~ん、今回集まって貰ったのは、
4階層と、5階層を繋ぐ階段に、
大量のウォーマンティスが居り、
5階層の周囲に広がって居ますので、
此れにきっついのを一発をかましたいと思います」
「皆おお~~っ!!」皆
ダンジョン入り口の事も有り非常に指揮が高い。
「先ず風魔法で階段に詰まって居るマンティスを吹き飛ばして、
階段をトンネル状にしてから、火魔法を撃ちます。
又、時間差で、風魔法を撃ち込みます。
火魔法は、トンネルを通して、
恐らく円錐状に広がるでしょう、
全部とは言いませんが、
上手く行けば2割程度のマンティスを、
殲滅できるかもしれないし、
マザーを巻き込める可能性も有りますので、
皆、頑張ってきっついのをかましましょ~!!」
「皆おお~~っ!!」皆
「では先ず風魔法使いの皆~準備は良いか~い!!」
「風魔法使いおお~~!!」風魔法使い
「ほんじゃ~行っくよ~・・・・ファイヤ~!」
≪しゅばばばばばば・・・・・・・・~≫
風魔法が塞いだ大岩に当たる前に、大岩を退けると、
大岩に張り付いて居たマンティスが落ちた。
地面に落ちる寸前に、風魔法のウィンドウが炸裂した。
後ろから押し潰されていたマンティスや、
上下左右に居たマンティスが、
吹き飛ばされ、5階層へと、
ところてんの様に半分位、押し出されたが、
此処に又々、誰かが放った
上級魔法のトルネードウインドウが炸裂して、
残りのマンティスを吹き飛ばして、5階層に放り出した。
しかし、昆虫だけに、
しつこくトンネル内に二割程、残って居たが問題には成らない。
「は~い、火魔法使いの皆~出番だよ~!」
「火魔法使いおお~~!!」火魔法使い
「其れでは~ファイヤ~!!」
≪ズババババ・・・・・・・・~!≫
「続いて風魔法~~!ファイヤ~!!」
≪しゅばばばばばば・・・・・・・・~≫
階段の途中で炸裂した火魔法が強力な風魔法に押されて、
5階層へと消えて行く、
「うんうん、逆流も無く
上手く洞窟型巨大火炎放射が発射出来たね、
ガ〇ダムの巨大レーザーみたいだわ~」
マップを見た限りでも、大成功して居た。
火魔法は円錐状に広がって居り、
出口付近に居るウォーマンティスの
やく三割以上を焼いて居た。
其の中にマザーマンティス2匹混ざって居り、
大成功と言って良いだろう。
もう一度風魔法でトンネルに残った熱気を飛ばしてから、
俺達は階段を降りて行った。トンネル内はまだ燻ぶって居り、
所々が溶解して居た。
俺は、こんがりと焼けたマンティスを回収し乍ら、
5階層に向かった。
出口から出ると、ウォーマンティスが盛大に燃えていた。
「おお~此れは何~~ウォーマンティスって火に弱いの~?」
炎は、回りのウォーマンティスに燃え広がって居り、
周囲を巻き込み乍ら燃え盛って居た。
「モモちゃん知らないの~?昆虫型のモンスターは、
全体的に火が弱点だよ~」
「ペチカさ~ん、そんな大事な事は最初に教えてよ~」
「えっ、だって常識だよ~」
「だって、俺知らないもん~」
「知らないもんって、賢者様だから知って居ると思って居たわ~」
「だって俺、賢者じゃ無いし~ヒーラーだし~」
「御免、御免なさい気を付けるわね」
「うん、お願い、取り敢えず暫くは収拾付きそうにも無いし~
出口に蓋をして、4階層に戻ろうか?」
「そうね、そうしましょう」
此の後、後ろに伝達して全軍4階層に戻ると、
其の日一日休養に充てる事にした。
翌朝、5階層に出ると、火災は既に鎮火して居たが、
数キロに渡ってウォーマンティスの
焼け焦げた死骸が広がって居た。
其の中には逃げようとしたのだろう、
マザーマンティスの死骸も混ざって居た。
「マザーマンティスって、
デカいね~20メートル位有るんじゃね?」
「そうですね~25メートル位いですかね~?」
「ペチカさ~ん、其れデカ過ぎね?
オスの5倍位の大きさに成るんですけど~」
「メスは、交尾した後オスを食べちゃいますから、
オスを一撃で葬る位強くなくちゃ成らないからでしょうね」
「ええ~っ!オス、やった後に食べられちゃうんですか~?」
「はい、交尾の後大量の卵を産む為に、
栄養を必要として居ますからね~
大抵は、逃げられない様にやっている最中に
鎌と、頭が無くなって居ますね~」
「・・・・オスって悲しいね・・・・・・・・」
「でも、オスは頭が無くなって居ても交尾を
最後迄やり切るらしいですが」
「何其れ、更に悲しいよ~」
俺達は、まだ、煙の立ち上る荒れ地でマンティスの死骸を回収すると、
陣を組んで、進みだした。
「あ~あ、又出口迄行って大岩で塞がなくちゃ、面倒臭いね~」
「モモちゃん其の心配は無いですよ、
6階層からは、キラーマンティスが出ますので、ウォーマンティスは、
6階層に行くことは有りませんよ」
「キラーマンティスって更に強いの?」
「はい、体も大きくて10メートル位に成りますし、
ウォーマンティスより遥かに凶悪に成りますね、6階層では、
ウォーマンティスは、キラーマンティスの餌ですね」
「天敵かよ~でも、お陰で此のまま殲滅戦が出来るのは、
討伐期間が短く済んで助かるかも」
「はい、かなりの長期間の討伐に成って居ますからね~
モモちゃんのお陰で余り疲労は無いようですが、其れでも、
疲れと言うのは溜まって行く物ですからね」
「そうですよね~ペチカさん、確実に早く討伐を完了させて、
軍の皆を早く解放してあげないとね~」
「はい、モモちゃんダンジョンを無事に出る事が出来たら、
お祝いに、皆で、豪勢なバーベキュウをしましょうね!」
「そうだね、俺も、最高の肉とお酒を提供しますよ、
大賢者様が原始の森で狩った肉が沢山有りますからね」
「うふふふふ・・・・期待して居ますよ」
「「「「「万歳~~!!」」」」」
俺達の軍は4階層への入り口を大岩で塞ぐと、
殲滅戦へと乗り出した。5階層も本来であれば、
草原が広がり、森などが点在して居るそうだが、
見渡す限りの荒れ地が広がって居り、
横幅が、約30キロで奥行きが150キロ有る。
全て、ウォーマンティスに食べ尽くされており、
マンティス同士でも、
共食いをしている様だ。此れだけ荒らされるとダンジョンも、
一日二日では再生しきれない様だった。
モンスターは、1日でほぼ再生される様だが、
生まれて来るのが、
5階層では、マンティスと、
ウォーマンティスで有りマンティスなんてのは、
直ぐに食べられてしまう。絶対的に食料が少ないので、
共食いを始めてしまう訳だ。その他には獲物を求めて、
上の階層に上がって、
やがてはダンジョンの外にと成って仕舞うのである。
其れに何より、メスの卵の生む速さが何より問題であった。
通常地上では、半年から1年に一度なのだけれど、
ダンジョンの様な魔素の濃い場所では、
数か月に一回とか数週間に一回とかに成るそうだ。
ペチカさんの話では、恐らく交尾した翌日には
産卵して居るのでは無いかと言って居る。
其れならば、途轍も無く大量の
マンティスが発生して居ても納得は行く、
更にダンジョンも一定数のマンティスを産んでいる訳なのだから、
昨日倒したマンティスの数は優に五千を超えて居り、
既に此の階層のウォーマンティスの数は一旦は、
五万から、四万五千位に減ったのだが、
今日又、五万を超えた。
とにかくマザーを全滅させないと話に成らないと分かった。
そして、生まれた幼生は共食いをし乍ら大きく成り続けて、
一日二日で成虫に成って居る様なのである。
唯、悪い事ばかりでは無い、
奴らは、何時も飢えて居り、
俺達が広い荒野をしらみつぶしに探さなくても、
俺達の気配を感じ取る様で、向こうから襲って来るのだ。
まあ、足の生えた肉がやって来て居る様な物だろう。
俺達は、唯、階層主部屋に向かって居るだけで、
奴らから来てくれるのだ。
楽と言えば楽なのだが、其れに、荒れ地は見通しも良かった。
地平線まで見通せるのは、今の俺達には有利だった。
「皆~戦闘準備をして~半時位で戦闘に成るよ~」
「皆は~いっ!」皆
「モモちゃんもう見えるの?」
「うん、まだ点が動いて居る位にしか見えないけれどね」
まあ、本当はマップで見てます。
「流石モモちゃん凄いですわ~」
其れから暫くして、本日一回目の戦闘が始まった。
ウォーマンティスの数は約二千、
マザーが一匹混ざって居た。
弓矢の三段撃ちで、どんどん数を減らして、
マザーを攻撃してみるものの、
デカいだけあって、急所に迄は矢が届かない、
更にウォーマンティスの数を減らして、マザーの周りを開けると、
俺は、カンウ、チョウヒ、チョウウンを呼んで、
「カンウ、チョウヒ、チョウウン、あのデカいカマキリを倒すには、
如何したら良いと思う?」
「「「はい、先ずは四本の足を切り落として、
倒れた所で首を跳ねて、鎌を切り落とすのが良いかと」」」
三人には、竜牙で出来た、
青龍偃月刀、蛇鉾、槍の他に竜牙剣を持たせて居るので、
「うん、良い答えだ!では、懲らしめてやりなさい!!」
「「「ははっ!」」」
三人は、結界シールドから風の様に走り出すと、
マザーの後ろに回り込んで、
体を支えている四本の足を切り飛ばすと、
カンウがマザーの首を跳ねて、チョウヒと、チョウウンが、
マザーの両の鎌を切り飛ばした。
風のような流れる様な戦闘に軍の中から感嘆の溜息が漏れた。
「良し、本軍出動!残敵を掃討して下さい」
「皆は~いっ!」皆
残った数百のカマキリを四千の本軍がタコ殴りして、
戦闘が完了した。最初の頃に比べると皆、
カマキリとの戦闘に慣れて、
レベルも上がって居るので、此の程度の群れでは
問題無く狩れる様に成った。
「ほう、皆、レベルが上がって居るせいか、スムーズだね~」
「そうですね、もう、金の冒険者のレベルに、
何人も成って居るでしょうね」
「流石ペチカさん、良く見て居ますね~」
「はい、此れでもグランドマスターですからね。
冒険者の強さと、人を見る目には自信が有りますよ」
「じゃっ次行こうか~」
「皆は~いっ!」皆
こうして、5階層の殲滅戦は進んで行くので有った。