-122話ー 中級ダンジョン ウォーマンティス討伐 3
ウォーマンティスから、
中級ダンジョン入り口を死守してから、
今日で3日が経った。ずっとマップで、
モンスターの位置を監視して居たのだが、
2階層の途中まで、殲滅して居たマンティスは、
1階層に迄這い出して来て居た。
そろそろ頃合いなので、
今日からウォーマンティス討伐軍を、再編成して、
ダンジョンアタックを開始する事にした。
ダンジョンを塞いだ壁をどけると、
風魔法で空気を送り込んで、
先鋒隊は、弓隊を守る三百人の騎士だ。
其の前には足の速い冒険者が10人が、
斥候に出て居る。
マンティスを発見したら、
戻って報告をする仕組みだ。
見つからない限りは、先行したまま戻ってこない。
まあ、マップで、何処に居るのかは分かって居るんだけど、
内緒ね!
護衛の騎士の後ろには弓隊千二百が居る。
此れらが一チームの前衛だ。
中衛に本体の二千の騎士と、二千の冒険者。
後衛が千の冒険者だ。
厄介なバトルジャンキーのオッサンは百人の騎士を率いて、
側道のはぐれマンティスの討伐を頼んで居る。
まあ、厄介払いだな、
後、数百人で物資の輸送をして貰う。
普通司令部は、中衛または、後衛に置くのだが、
今回は、俺の結界シールドが威力を発揮して居る為に、
俺達指揮官は前衛に来ている。特に俺は最前線だ。
今回、ウォーマンティスの死骸は、
ダンジョンに吸収されて居るのだが、
魔石はまだ残って居て俺が一括で回収している。
騎士団、ギルド公認でだ。
まあ、洞窟の中に金貨がばら撒かれて居る様な物なので、
窃盗や、最悪殺し合いなんて事に成りかねないのだ。
先に斥候に出て居る者も、
検査される位に此処は厳格に成って居る。
多くの死者も出て居るし、公平を期する為なのだとか、でも、
斥候が、窃盗なんて事してたら速く走れないでしょうな、
死んじゃうよ、マジで、
まあ、如何分配するのかは、
後でギルドと、騎士団で話し合われるらしい。
回収して居るのは魔石だけで無く、
逃げ遅れた冒険者の遺品や、
他のモンスターの魔石なんかも多数含まれて居るのだが、
ダンジョンは死体を食べる。が、金属や、鉱物を食べるのに、
10日~14日位掛かるそうだ。
死体はほぼ1日で食べるのだと~怖わ~
そんな訳でダンジョン侵攻1日目、数万の魔石を回収した。
「ねえ、ペチカさん、何で俺みたいな子供の作戦を?」
「モモちゃん其れはね、
君が、400人の怪我人を治療した英雄だからよ、
幾ら何でも、バカなモルヒネ侯爵の言葉を鵜呑みにはしないわ。
私達、首脳部が行き詰って居る時に、君の出した打開案は、
私達には出せない作戦で有り。其れを実行して、
あの、頑丈なカマキリ共を打ち破った。
更に君の出した戦術は理的で、
初戦を見る限り行けると思ったのよ、
私達首脳陣は、此の作戦は
カマキリに勝てる可能性が高いと判断したのよ、
それに私達は、モモちゃんの事を賢者と認識して居ます。
唯、魔力が何時まで持つのかが、問題なのよね~
今回の作戦の肝は、
結界シールド内からの中距離、近距離の弓攻撃、
モモちゃんの魔力が切れてしまうと、
撤退しなければ成りませんから」
俺は、一寸良さげな魔石を取り出すと、
「あっ、大丈夫ですよ、タンクはタンクでも俺は、
燃料タンクなんで、其れにほら、
魔石から魔力を引き出せる能力が有るんで、
魔力切れの危険は無いですよ、今回はマザー討伐迄、
結界シールド張りっぱなしで行きますんで、
其処んとこ宜しく~」
「其処んとこ宜しく~って、
凄いわね、チートじゃない、まあ良いわ、
皆には、魔力切れは無い事を言って置くわね、其れと、
魔石から魔力を引き出せる事は内緒にして置くわ、
人には知られたくは無いでしょうし」
「助かります」
「良いのよ、その代わりと言っては何だけど~
ご飯とお風呂宜しくねっ!」
っとウインクされてしまった。
「まあ、良いですよ、その代わり色々と内緒の事も有るので、
秘密は守って下さいね」
「そうでしょうねっ、勿論オーケイよっ」
「じゃっ、うちの娘らと一緒に行動してくれて良いですよ」
「「「「は~いっ!!」」」」
『まあ、あれだ。此の世界の人は、人間、亜人に関係なく、
本当に自分の欲望に忠実なんだよな~直ぐ脱ぐし~』
と、先の曲がり角から斥候が飛び出して
此方に向かって走って来た。
「大変だ~!曲がり角の向こうに、
マンティスの大群が来ているぞ~!!」
『うん知ってた』
「は~い、皆、慌てないでね~戦闘準備~~!!」
≪ざざっ!ざざっ!≫
前面にシールドを展開して、弓隊が前に出て攻撃態勢に入ると、
100メートル位先の曲がり角からウォーマンティスが、
溢れ出した。
斥候は全員無事で、俺達の後ろでへたり込んで居る。
「なあ、俺、ウォーマンティスに切られたんだけど、
死んだ~って思ったんだけど、切れて無いんだよな~」
「あっ、斥候の皆には、シールド張って有るからね、
大丈夫、大丈夫~」
「斥候はい~??」斥候
俺はホイッスルで、
「ピ~~ッ!」
「・・・・・・・・」
「ピッ!」
≪ザァ~ッ、ザァ~ッ、ザァ~ッ、ザァ~ッ≫
「ピッ、ピッ、ピッ!」
隊列が入れ替わると、
「ピ~~ッ!」
「・・・・・・・・」
「ピッ!」
≪ザァ~ッ、ザァ~ッ、ザァ~ッ、ザァ~ッ≫
「ピッ、ピッ、ピッ!」
と呉れを繰り返して行く、横幅50メートル位有る通路には、
ウォーマンティスの屍が重なって行き、山が出来始めて来るが、
マンティスは其れをよじ登って来る。
動きが鈍く成り良い的と成って、
次々と狩られて行くのだった。
天井迄の高さは10メートル程あるが、
じきに天井まで埋まってしまった。
今度は、その死体を押して、
じりじりと押し進め始めたが、
俺は、結界シールドを山にあてがうと、動かなくなった。
「は~い、皆~お疲れ様~今日は此処迄で~すっ、
結界シールドは、此のまま維持しますので~
飯食って寝ましょう~
ああ、見張りを忘れないでね~」
「皆ええ~っ!!良いのかよ~そんな暢気で~!」
「はい、此の戦闘は延々と続くと思われますので~
其の内、体力を奪われてしまうと、お終いですので~
きちんと、時間管理をして、
食べる時に食べて、寝る時に寝る様にしますね~」
「賢者様~朝に成ったら死骸はダンジョンに食べられて、
無くなると思われますが~?」
「はい訴の為の山積みですね~山が少し減る位でしょう、
全部山が無くなっても影響は有りませんが、
寝れ無いでしょう?
シールドにカマキリ張り付いて居たら」
「皆そりゃそうだ~」皆
「そんな訳だから皆宜しくね~」
「皆は~い」皆
俺は、壁に穴を明けて空間を作り出すと、
新仮住まいを空間の中に出した。
今回は岩で塞ぐことなく、扉を付けた。
今回は、大人数に成ったので、
風呂、厨房、畳みの広間にした。
まあ、宴会場みたいな感じだ。
「皆は、食事をした後休む様に、良いですね~」
「皆は~い!」皆
「緊急の用事はドアを叩いて知らせて下さい。良いですね~」
「皆は~い!」皆
「其れではお休みなさ~い」
「皆は~い!お休みなさ~い!」皆
俺達一行は、ぞろぞろと、仮住まいの中に入って行った。
全員が入り終わると、
「女子の皆は、二手に分かれて、お風呂に入っておいで~」
「女子は~い」女子
俺は厨房に行くと、
「さてと、手早く作れて、食べやすい物が良いな。
やっぱり唐揚げかな?」
揚げ物機のスイッチを入れると、既に切り分けられた、
カチカチ鳥とボウボウ鳥の肉を大量に取り出して、
必要な物を準備して行く、
ビールを人数分と、足りない物をママゾンで買い足して、
ビールは流しに水を貯めて、氷を魔法で作って、冷やして、
油の温度が上がった所でどんどん唐揚げを作って行く。
あげている間に、コンソメスープと、
シーザーサラダの用意をして行く。
最後にデザートを今日は、チョコパで行く事にする、
「モモタロウ殿、この家は?」
「あっ、副官さん来てたんですか?」
「ええまあ、打ち合わせも有ろうかと、モモタロウ殿は、
料理も作れるのですか?」
「この家は出先で、
夜営する為にアイテムボックスに入れて居る、
仮住まいですね、其れと、料理は得意なんですよ」
「何かもう、色々凄いですな」
「まあ、せっかくいらしたのですから、
皆も今夜は泊まって行って下さい」
「首脳陣チィ~ッス!」首脳陣
「うん、此の首脳陣体育会系だ!
力押ししか出来ない訳だわ~」
「首脳陣何かもう、脳筋集団ですいませんっス~!!」首脳陣
『私の真似は辞めて欲しいっス~』
『いやいや、こっちが元祖体育会系、
下っ端言葉だからねっ!』
『そうっスか~?まあ、我慢しとくっス』
とか何とかして居る内に、
女子の先頭グループが風呂から上がって来た。
「皆~長座卓出して、晩御飯の準備手伝って~」
「女子は~い」女子
何か、賑やかに成って来た。
ワイワイ、ガヤガヤと皆支度し出した。
勿論、風呂から出て来ると、温泉浴衣に着替えて居る。
「うん、緊張感がまるで無いね~」
「其れはそうですわ、モモちゃんの結界シールドを、
皆、信頼仕切って居るのですわ」
「いや、少し位は用心して欲しいんだけどね~」
「モモちゃん、何か旅行気分に成って来たよ、この着物、
胸元が危なく無いかい?」
「グランドマスター、俺の国では、
風呂上がりに一番リラックス出来る服装なんですよ、
全裸に成られても困りますからね、
ぎりぎりオーケイと言う事で」
「まあ、殿方も沢山居るし、其の心配は無かろう、
色々と苦労して居る様だね、如何だい、
エルフの胸に顔を埋めて見るかい?ふわふわだよ?」
「いや、グランドマスター気持ちだけ貰って置きますよ」
「あ~ら、エルフも随分と肉食系です事、
私くし、エルフって草食系と聞いて居たのに、
不思議ですわね?」
「まあ、うちは子沢山だからね、
エルフは肉食も草食も美味しい物が大好きなんだよ」
「まあ、其れは分かりますわね私くしも、
モモちゃんの料理が大好きですもの」
「うん、本当に美味しいよね~有り得ない位に」
「女子うん、うん」女子
「う~ん、どっちの話をして居る事やら」
「「何方もですわ」」
「そうなの?」
「「はい」」
此の後、男性陣が風呂から上がって来ると、
準備も整って居り、
「皆~何時も道理、ビールは1本だけだかんね~」
「皆は~い!」皆
「では、頂きま~す」
「皆頂きま~すっ!」皆
「モモタロウ殿、頂きますとは?」
「何時も聞かれるね~命を頂きますって言う、
感謝の言葉ですね~」
「男性陣おお~其れは素晴らしい!」男性陣
「では、我々も」
「男性陣頂きま~すっ!」男性陣
此の後、何時もの如く、誰も喋る事無く黙々と食べ続けて、
食器の鳴る音と、ビールを飲む音だけが響いて居た。
デザートを食べ終わり、食後の紅茶、俺はコーヒーを飲みながら、
「グランドマスター殿、貴方方が宿舎を移したのは、
モモタロウ殿の食事と、
ゆったりと広い風呂が目当てで有ったのか?」
「ちっ!バレてしまいましたね」
「男性陣ちっとか言ったよ~此の人」男性陣
「モモタロウ殿、我々も是非に!」
「はい、討伐の期間中だけですよ~」
「男性陣感謝致す!」男性陣
「女性陣ちっ!!」女性陣
「男性陣女性達全員ちっとか言ったよ~副隊長~」男性陣
「此ればかりは、私達も引けない何とか皆お願い致す!」
「女性陣仕方が有りませんね~」女性陣
「男性陣感謝致す!」男性陣
此の後、ワイワイ、ガヤガヤ暫し歓談の時を過ごして、
就寝に付いた。片付けをして、
畳敷きに布団を敷いて雑魚寝だ。ちょっとした合宿だね!
俺はまあ、尻に危険を感じて居るので、
別に部屋を確保している。
俺も、一っ風呂浴びて、寝るのだった。
翌朝、って言っても、ダンジョン内で暗いのだが、
皆が寝ている間に、朝食の準備をして、
「はい、は~い、朝ご飯の準備をするよ~」
全員、目を擦りながら起き出すと、
やっぱり何時もの通りだった。
唯、下着だけは付けて居り、
何とか体裁を保っては居たが。
「如何モモちゃん、切りセーフでしょ」
「いや、其の乱れ具合は如何考えてもアウト~!です~」
「女性陣ええ~っ!ぶ~ぶ~!」女性陣
「はいはい、良いから~布団片付けて朝ご飯の用意をするよ~」
「皆は~い」皆
「も、モモタロウ殿、朝は何時もこんな感じなのですか?」
「い、いやまだ、下着付けてるだけマシなんですが~」
副官は、俺の肩をポンポンと叩いて、
「うんうん、分かるよ、分かる。
モモタロウ殿も色々と苦労して居る様ですね。
うちも俺以外皆女なんだよな~、凄いよね~」
朝ご飯を食べた後片付けて、準備して、仮住まいから出ると、
ジャーキー、モルヒネ侯爵が待ち構えていた。
「おお~聖者殿遅いぞ、皆、既に出発の準備が出来て居るぞ、
で、わしは此の後何をすれば良いのじゃ?」
昨日は此のバトルジャンキーには、
側道のはぐれウォーマンティスの、
討伐に100人の騎士を引き連れて行ってもらって居たのだ。
「はい、此のダンジョンは、
俺達の後方に回れる側道は存在しないので、
後方の補給路確保の為、今日発生して居る
後方のモンスターの討伐をお願い出来ますか?」
「そうか、そうじゃのう、
補給を絶たれては問題じゃからのう、
しかし、今日発生して居るモンスターであれば、
1階層はゴブリンと、
ホブゴブリンじゃな良し、腕が鳴るぞい!」
と、オッサンは、喜んで後方に去って行った。
「あのオッサン戦線に居ると邪魔だからね」
「首脳陣うん、うん」首脳陣
「さて、それじゃあ今日も元気に狩りますか~!」
「皆おお~~っ!!」皆