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-121話ー 中級ダンジョン ウォーマンティス討伐 2


「弩は行き渡ったか~い!」



「皆は~いっ!!」皆



弓隊による3段撃ち作戦が決まると、直ぐに魔法兵団千人と、


俺の私兵が41人、更に女性冒険者の有志二百名を募って、


千二百人以上の弓隊を結成した。百人を一隊として、



3列で三百人のグループを4つ作った。


此れを4か所に配置するのだ。


更に弓隊の護衛で三百人の騎士が守りについた。


中衛を騎士二千人と、冒険者を二千人


とで本体を形成して、残りの冒険者千人が後衛で予備兵力に、


此処一番の時に投入すると決まった。



「良し、じゃあA隊は左翼へ、B隊は前面左へ、


C隊は前面右へ、D隊は右翼に展開して、


合図に笛を鳴らすから、宜しくね~」



「皆は~いっ!!」皆



そう、此れだけ大規模な弓隊に成ると、


統率を取るのが大変なのである。


広域に展開するし、一斉に攻撃しないと、


効率が悪くなり、


思って居る程の効果を発揮しない可能性が有るのだ。



そこで登場したのが、チカン除けのホイッスルだ。


此れは遠く迄響くのである。まあ、


太鼓のような物と考えれば良いだろう。


ピ~ッと長く吹くのは用意、ピッ!と短く吹くのは発射、



ピッ、ピッ、ピッ短く3回鳴らすのが交代だ。5回が退却、


此れだけ決めている。多いと混乱するからね。



今回俺の周りには、副官や騎士隊の幹部の偉いさんや、


綺麗なエルフのお姉さん達が張り付いている。お姉さんは、


各ギルドのギルマスだそうだ。偉い人ばかりだな、うん。



「配置に付きましたね~じゃ、やってみますか~」



「偉いさんワク、ワク・・・・ワク、ワク」偉いさん



先ずは、ダンジョンの出口に結界シールドを張り、


ウォーマンティスのお代わりが無い様にしてから、



≪ピィ~~ッ!≫



前面、左翼、右翼とも狙いを付けたのを確認すると、俺は、



≪ピッ!!≫



≪ザァ~ッ、ザァ~ッ、ザァ~ッ、ザァ~ッ≫



四方向から一斉に四百本の矢が、


ウォーマンティスの中心に向かって、襲い掛かった。


数百匹のウォーマンティスが、悶絶しながら倒れて行く。



≪ピッ、ピッ、ピッ!≫



矢を放った前列が2列目、3列目の間を縫って後方へ下がり、


矢のつげかえに入ると、2列目、3列目が、前に進んだ。此処で又、



≪ピィ~~ッ!!≫



・・・・



≪ピッ!!≫



≪ザァ~ッ、ザァ~ッ、ザァ~ッ、ザァ~ッ≫



≪ピッ、ピッ、ピッ!!≫



此れを何度も繰り返すと、ウォーマンティスの数が、


どんどん減って行き前衛の騎士と冒険者達が、


マンティスをタコ殴りにし出した。


圧倒的に守備兵の数が勝り出したのだ。


竜の鱗の鎧を着たおっさんが、


暴れ回って居るのが見える。



「偉いさんな、何と凄い!


あれ程に苦戦して居たのがうその様だ!」偉いさん



弓隊を正面に集めると、


今度は火魔法を使える者だけを数百人集めて、


隊列を作って貰い、


其の後ろに数百人の風魔法使いの隊列を作った。


と、結界シールドを張って居る入り口を見ると、



ウォーマンティスの群れが後ろから押されて、


壁に張り付いて、潰れている。



「何あれ、気持ち悪いカマキリの金太郎あめかよ」



「おぇっ!本当に気持ち悪いわね!」



「此れは火魔法一発じゃ、無理かも~」



「はい、詰まって居るのをどけないとですね」



「う~ん、如何しようか~穴を作って落とすか!


うん、そうしよう!」



「偉いさんはい~?」偉いさん



「じゃあ~魔法使いの皆さ~ん、


用意を~せ~ので、ぶっ放して下さいね~」



「魔法使いは~いっ!」魔法使い



「じゃ~行きますよ~いっせいの~で、発射~!!」



≪ズバ、バ、バ、バ、バババ・・・・・・・・≫



と、同時に潰れたウォーマンティスの下に


10メートルほどの穴を、数百メートルに渡って作り出し、


ウォーマンティスの死骸を穴に落として、


結界シールドを解除した。


数秒遅れて何百発ものファイヤーボールの群れが、



ダンジョンへと入って行った。


と、同時にファイヤーボールを追う様に、


ウインドウの突風が入って行った所で、


俺は土魔法で入り口を塞いだ。


ダンジョンの中で何か凄い音がして居るが、


其処は気にしないでおこう。



「ふぅ~~っ、此れで第2段階まで進んだね~」



「モモタロウさん凄いですね!


こんな大魔法初めて見ましたわ!」



「えっ!アモンさん、ファイヤーボールと、ウインドウの、


下級魔法ですが?まあブラストウインドウと、


トルネードウインドウなんて、


上級魔法ぶち込んでた人も居るみたいですが」



「いえ、モモタロウさん此れだけ


大量の魔法を集中したのです。


最早、ファイヤーボールなんかでは無く、


最上級のヘルファイヤーに、


成って居てもおかしく無いですよ」



「え~っと、何処の街のギルマスさん?」



「あっと、御免なさいね、私は中央のグランドマスターの、


ペチカ、フィンと言います。此れから宜しくね、英雄さん」



「え~っ!こんなに綺麗な御姉さんが、グランドマスター


モモちゃんびっくりだ~!」



「まあ、綺麗な御姉さんだなんて、可愛い坊やね、


モモちゃんで良いのかしら?」



「何か、もう、はいモモで」



解除に成った隊列からエレンが戻って来て、



「もう、モモちゃんったら焼けますわ!」



「焼けるのは良いけど、


おっぱいを頭の上に乗せるのは止めなさい」



「あら、私も載せて良いかしら?」



「此処は私くしの専用置場ですの」



「けちねっ!」



「私は、鎧を着て居るので置けませんわ」



「いやいや、そんな話では無く、


皆に早くご飯を食べて貰って、


休息して貰わないとねえ、副官さん」



「いや、まあ、取り敢えず、


この騒ぎが収まってからだね~」



そう、ダンジョンの出口を死守した喜びで、


皆、大変な事に成って居た。


少し落ち着いた所で、教会の人なんかが集って来て、


炊き出しを始めて呉れた。


その間に俺はもう一仕事だ。


新たに出た負傷者を治療して回った。



此の日、早馬で、


王都にダンジョン入り口の死守の報告の、


伝令の早馬が出されて、


ダンジョンの入り口には、見張りを残すだけと成り、


炊き出しの食事を食べると、


皆、疲れの為に倒れる様に寝込んで行った。



俺達は、グランドマスターの案内で、


接収して居る商家に、案内された。


住民は既に避難済みで誰も居無い。


結構大きな屋敷で、


俺達41人全員寝泊まり出来る位の広さが有る。



「モモちゃんこの屋敷を使ってね、住人の商人さんは、


避難して居るし、ギルドが、


討伐の間借りているから遠慮しないで良いわ」



「はい、有難う御座います。綺麗で優しい御姉さん」



「あら、本当に可愛いわね、英雄さん。


じゃあ今日はゆっくりしてね」



と、ギルマスが出て行くと、



「う~ん、風呂が無いね~此れは問題だ~」



「そうですわね~お風呂に入れないのは問題ですわね」



しかし此れが当たり前なのだ。


此の世界では、此れだけ大きい屋敷でも、


風呂が無いのが普通である。


大抵は、金持ちでも床にバスタブなのだ。


しかし俺達は、


普通に風呂に入る習慣が付いてしまって居る。


汗や、埃を洗い流したいのだ。


俺は、屋敷をくまなく見て回って、



「2階に広いバルコニーが有るね~此処に風呂を造ろう!


リリー改造頼める~?」



『アイアイサ~っスはい出来た増築するっス~』



みるみるバルコニーが風呂に成って行った。



「モモちゃん、バルコニーにお風呂が生えて来ましたわ」



「モモちゃん凄い!」



「って、グランドマスター何故に此処に?」



「晩御飯の案内をしに来たのだけれど、此れ温泉?」



「いや~俺達風呂好きでして、土魔法でサクッと」



「いや、サクッとと言うレベルでは有りませんね。


あのダンジョンの入り口を塞いだ魔法と言い、


モモちゃん貴方、只者では有りませんね、


で、晩御飯ですけれど、もう準備が出来て居ますので、


中級ダンジョン冒険者ギルド支部に来て貰えますか?」



「食事は不要ですわ、モモちゃんが作ってくれますから」



「モモちゃん料理も出来るの?」



「そうですわ、その辺の料理人なんか、


裸足で逃げ出してしまいますわ」



「・・・・・・・・私も今日から此処に泊まる事にするわ」



「はあ、別に構いませんが」



「じゃ、決まりね、ギルドに早速話して来なくっちゃ」



と、グランドマスターは、そそくさと出て行った。



「女の子達~今日はご苦労様~二手に分かれて、お風呂に入っておいで~」



「女の子は~いっ」女の子



その間に俺は厨房に行き、



「あ~此処も改装しなきゃだね」



厨房も、石作りの竈に大きな木の作業台、


水道は無しで、樽に水が入って居る。


ハエがブンブン飛んで居てとても衛生的とは言い難い。



此れを、ステンレスの流しに、コンロ、


作業台、オーブン、冷蔵庫と、


改築して行った。序でに揚げ物機も取り付けて、



「改築完了!さあ、今日は何を作るかね~・・・・


最近はオーク肉の料理ばっかしだったよな~じゃあ、鳥?


鳥もカチカチ鳥と、


ボウボウ鳥を食べたよな~ほんじゃあ卵?



うん良いねぇオムライスにするかね~


ジャンボオムライスの半熟卵使用で~


後は~コンソメスープが良いね~ご飯と、シーザーサラダに、


デザートは、卵たっぷりのバケツプリンアラモードでっと、



数日は戦いも無いだろうから、ビールはオッケイで~ま~


二缶までだね~良し、必要な物をママゾンで買い込んでっと、


さ~作りますかね~」



料理のメニュウが決まって、材料が揃うと後は手早く、


どんどん料理を作って行く、


出来た物から冷めない様にストレージへ、


足らないのはダメなので、何時も多く作る。



料理を作っている間に流しで、ビールを冷やして、


出来上がったコンソメスープも寸胴で、


ストレージへ、いや本当に便利、


最後に、バケツプリンアラモードを作って、冷蔵庫へ、



晩御飯が出来た頃には、皆、風呂から上がって、


食堂のテーブルに付いて居た。


メイド達に手伝って貰い、配膳を済ますと、



「皆頂きま~すっ!」皆



「モモちゃん頂きますって?」



「はい、命を頂きますって意味ですねって、


何で他のギルマス迄来てるの?」



「あ~此の娘達?皆、私の妹なのよ~私達の種族は、


寿命が長いじゃない?普通に子沢山に成っちゃうんだけど、


其れだと、人口爆発するじゃない?で、


種族的には余り子作りには、



興味が薄いんだけれど、私達の両親の様に何時までも、


ラブラブな夫婦もたまに居るのよね~


お母さんは、2301才なんだけれどね、まだまだ元気で、


困ったもんだわ」



「困ったもんだわじゃね~よ、一体何人兄弟がいんだよ?」



「20人位だったかしら、私が長女なの」



「長女って、一体幾つ?」



「あら、女に歳を聞くのは野暮ってもんですよ」



「す、すいません」



「うん、分かれば宜しい」



「こんばんわ、モモちゃん、


私は次女のソノカ、フィン2000才で、


北街のギルマスで~すっ宜しくね~」



「次女が2000才って~あっ、俺モモタロウです南街で、


冒険者やってま~すっ」



「モモちゃん私は三女のルカ、


お風呂とっても気持ち良かったわ、


有難う、其れと、四女のエニーが、


何時もお世話に成って居るそうね、有難う」



「いえ、お粗末様です」



「モモちゃん此の夕食、凄い、


何でこんなに美味しく出来るの?


あっ、私、五女のソニー此れから宜しく~」



「料理は実力です。此方も宜しくです」



其の後、デザートを食べ終わる迄、誰も喋らなくなった。


何時もの様に食器が鳴る音と、


ビールを飲む音だけが食堂に響くのであった。


夕食が終わって、ほろ酔い加減で紅茶を飲み乍ら、



「何・・此の幸福感は?身も心も幸せ~!」



「「「うん、うん」」」



「エレンさん貴方、何時も此の幸福感を味わってるの?」



「そうですの、私くしもう、


モモちゃんから離れられない女に成って居りますの、


モモちゃんが出す物を、


一滴残らず飲み干すいけない女に成って仕舞いましたわ」



「皆うん、うん」皆



「ちょっ、言い方!」



こうして、


中級ダンジョンの入り口を守り切った日の夜は更けて行くのだった。

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