-118話ー 2回目初級ダンジョンアタック 2
此処は、初級ダンジョン2階層の途中だ。
昨日はクラス全員、一人だけ何か、
カニ食いたいと不参加の様だが、
担任のマドカ先生の、独断と生活の為に、
屋外授業で、初級ダンジョン探索教習が始まった。
因みにマドカ先生はダンジョンに付いては素人らしい。
ただ飯とお金の為だけに、思いついた様だ。
昨日は午後九時迄探索した後に、側壁の岩に空間を開けて、
仮住まい改を作った。
要は人数が増えたので、大きくしただけなのだが、
今迄、ベットだった所を畳にして布団を敷いて雑魚寝である。
食堂も畳み敷きの宴会場仕様だ。
風呂は、20人が一度に入れる位に大きくしてある。
前回は油断しない様に、全員装備を付けたまま寝る様に、
指示したのだが誰も守らなかったので、
今回はもう諦めて、全員温泉浴衣にしてある。
朝ご飯の用意を済ませて全員起こすと、
其れはもう大変な姿で現れた。
「はい其処、おっぱいが飛び出してるよ、仕舞いなさい!
マドカ先生!パンツ位は履いて居て下さい。
毛が見えて居ますよ!
もう、浴衣着ている意味が無いわ!
って、其処!オカマエルフ君!
全裸は止めなさい!見たく無い物がぶら下がって居るよ!
其処の男の娘~!女の子のパンツを履くのは止めなさい!!
膨らんで居るから、
頭痛て~王族とか居るんでしょう?少しは恥じらいを~!」
「モモタロウ様、お早う御座います。
私くしソリア王国第5王女の、
キャロラインと申しますわ。
16才、レベル10の魔法使い見習いですわ
彼氏いない歴16年のベテランですわ」
「はいはい、王女様ね、
先ずはおっぱい仕舞って、パンツ履こうか?
丸見えですよ其れはもう下の金髪の1本1本迄」
「あら、モモタロウ様に見せて居ますのよ、
ヒーラーのお婿さんを、
連れて帰ったら、国での立場が上がりますもの」
「丸出し先生~あんな事言って居ますよ~」
「モモタロウ君、其れは許してあげて呉れ無いかい、
彼女達は、其れなりの血統では有るのだけれど、
魔法使いだからね~
例え見習いであっても、国の戦略上の重要人物なのだよ、
だから、大金をつぎ込んででも魔法使いにしたいのさ。
普通第5王女で有れば、
政略結婚させられるのだけれど、しかし、
彼女は、魔法使いに成れる可能性が有る。
魔法使いは、軍隊にとって重要な戦力だ。
其の為に幼い頃から魔法使いの勉強ばかりで、
お嬢様が習う様な勉強は教えないのさ、
そんなんだから、変人が多い訳だ。
けれどもだ、他国から優秀な魔法使いを連れて行けば、
中々許されない結婚も出来る訳だ。
そうしないと、
国内の魔法使いのお嫁さんにされてしまう訳だな、
此のクラスを見ても分かる通り、
男の魔法使いは少ないのだよ、
最悪、王女であっても、
ヒヒ親父の側室なんて事も有るのさ
其れにうちのクラスの男共は変態ばかりと来ている。
例え凄く頼り無いとしても、モモタロウ君は、
外角低めギリギリストライクなんだよ」
「ギリストかよ!ってか、
丸出しで言われても、説得力ないわ!」
「モモタロウ君お早う~
私はザンジ公国のイリオン侯爵家7女の、
シンホニーイリオン18才彼氏いない歴、年齢の、
レベル15の風属性の魔法使いだ。
此れから、長い付き合いに成るだろうから、宜しく頼む。
モモタロウ君のご飯は絶品だ!
キャロラインは外角低めギリストらしいが、
私には、ど真ん中のストライクさ!エレン君を側室に迎えて、
子供は9人が良いね、其のうち一人は、是非、男の子を頼む!」
「全裸で、頼む!じゃね~よ、仁王立ちは辞めて、
せめて、浴衣着て下さい~!
他にも男子居るんだから~」
「なぁに、気に留める奴なんていないさ。変態ばかりだからね、
ダンテみたいな両刀使いも居る様だが、
メイドと変わらないさ、って、モモタロウ君、
君は別だよ君の為に見せて居るのだから、さあ、
品定めして呉れたまえ」
「う~ん、そんなに爽やかに、変態られても・・・・」
「モモちゃんお早う、皆、変人だから気にし無くて良いよ」
「ああ、アンザン会長お早う、会長だけだよ~まともなのは~」
「其れは前回、一緒にダンジョンに潜って居るからね、
モモちゃんが好きなのは、
エロイ女の子じゃ無くて、何時も頑張って居る娘だからね、
だから私は、何時も一生懸命頑張る様にするの」
「「「む、む、む、むむむ・・・・・・・・」」」
「あら、アンザン分かって居るじゃ有りませんの・・・・
モモちゃんお早うですわ
モモちゃんがエロイ女が好きなら、
私くし1000回は関係して居ますわ」
「分かったから、頭の上におっぱい乗せるのは止めなさい。
其れより、朝ご飯にするよ~皆~座って~」
「全員頂きま~すっ!」全員
今朝の朝ご飯は、シャケ定食だ。
デザートには、バケツプリンアラモードを、
準備している。食べている間は誰も喋らない。
カチャ、カチャと器の当たる音だけが響いて居る。
食後の紅茶を飲み乍ら、
「エレン君、モモタロウ君のご飯は、
何時もこんなに美味しいのかね?」
「そうですわよ、モモちゃんの料理は、世界一ですわ!」
「其れで、君は何時も此の料理を食べさせて貰って居るのかね?」
「勿論ですわ、其の為に命を張って前衛をして居るのですわ、
其れはもう、モモちゃんの前衛は
命が幾つ有っても足らない位ですわ。
飛竜と出くわした時は、そりゃ~もう、10回は死にましたわ」
「其れは、壮絶だね~」
「お陰で、モモちゃんのご飯を遠慮する事無く食べられますわ」
「今迄、遠慮した事なんて有ったっけ?」
「こ、こほん、仕事の前払いですわ」
「皆~聞きましたか~毎回、此のご飯が食べたいなら~
死ぬ気で頑張るんですよ~」
「皆は~いっ」皆
「それじゃあ、出発しますか~」
俺達は2階層の途中の主道に出ると、
狩りを再開した。
今回のダンジョン探索で、一つ発見が有った。
ネコちゃんと、うさぎちゃんだが、
逃げ足が、物凄く速いことが発覚したのだ。
正に、脱兎の如くである。
何時も、カツアゲをして回って居て、強い奴が現れると、
凄い速さで逃げて居たのである。
其の特技を生かして、体にゴブリンの肉をくくり付けて、
回廊中を走り回る事で、キャタピラーを
半ば、トレイン状態で引き寄せて呉れたのだ。
此の為に狩りの効率が物凄く上がったのは言うまでも無い。
3階層でも勢いは衰えず、ゴブリンと、
キャタピラーを、集める事が出来た。
「さあ、次が来たよ~皆~経験値稼ぐよ~」
「皆は~いっ」皆
「狙え~・・・・・・ファイヤ~!!」
≪ぱ、ぱ、ぱ、ぱぱぱぱ・・・・・≫
≪ぱ、ぱ、ぱ、ぱぱぱぱ・・・・・≫
≪ぱ、ぱ、ぱ、ぱぱぱぱ・・・・・≫
「全弾命中~!」
「前衛~突貫~~!!」
「「「「「おお~!」」」」」
と、3階層を狩り尽くして、薬草も採り尽くした。
「マドカ先生、時間的に今日は、此処迄ですが、
明日は如何しますか~?」
「勢いに乗って居るので~4階層に行っちゃいましょう~!」
「大丈夫かよ、此の先生~?・・・・アンザン、階層主は?」
「はい、ホブゴブリンに成ります。Dランクですが、
ゴブリンの3倍ほどの大きさに成ります。
ファイヤーボール一発で倒せますが、
問題が、4階層で此処から、オークが出現する様に成ります。
オークは人型の猪で、3メートルを超えるモンスターで、
Ⅾランクでは有りますが、
ゴブリンと同じ様に群れで襲って来る為に、
侮れません、以前は他のメンバーが、
弱小であった為に、近寄りませんでした。
オークの肉は猪と同じ様に美味しく、
高値で取引はされて居るものの、
群れで襲って来る為に
低ランクキラーと言われて恐れられて居ます。
しかし、今回のパーティーでは、問題無いでしょう。
其れに、4階層ではマンドラゴラが採取できますので、
此処を狙わない手は無いと思います」
「良し、決定~!今夜、一泊した後、4階層に突入しま~す」
「皆おお~っ!」皆
と、近くの岩山に空洞を作って、
仮住まい改を作って中に入り、
入り口を閉じて、玄関で靴を脱ぎ、広間に集まって、
点呼を取った後、女子を先に風呂に入れて、
「モモタロウ君~如何して、男同士なのに、
風呂も、部屋も別にするんだ~い?」
「貞操が危ないからに決まってんだろうが~!」
「ボクも、モモタロウ君と一緒が良いな」
「もじもじしながら言うな~!」
「其れなら大丈夫さ、ボクも男の娘君も受けだから、
でも、ダンテ君には気を付けた方が良いよ、
彼、コーラル王国の第3王子だけれど、攻めだからね」
「色々危ない連中だなおい!お前ら本当はもう、
ダンテにやられてんじゃ無いのか?」
もじもじする二人
「やられて居るじゃ無いか~い!」
俺は、そそくさと厨房に晩御飯を作りに行った。
「さてと、今夜は何にするかね?カチカチ鳥と、
ボウボウ鳥が沢山有るから、
蒸し鶏とソテーにするか、そんで、
デザートは、フルーツ蜜豆にするかね~」
と、決まった所で必要な物をママゾンで買い込むと、
早速、料理に取り掛かった。
男子が風呂から上がった所で、
料理も完成して、配膳を済ますと、
「全員頂きま~すっ!」全員
「モモちゃん!」
「うん?何だいエレン?」
「ビールが飲みたいよ~此の料理には絶対合うよ~」
「びーる?モモタロウ君、お酒なの?」
「ダンジョン探索中はダメです!命に関わりますから~」
「モモタロウ君、私は教師だ。今回の屋外授業で、
可愛い生徒達が怪我をしない様に、見守って居るんだよ、
分かるかい?物凄く神経を擦り減らして居るんだよ?
だから、せめて、一口!」
「ダメです~!」
「其処を何とか!」
「無~理~」
「お願い~」
「ダ~メ~」
「モモタロウ君、君の言う事は良く分る。
だが、疲れを翌日に残さない様に、
少し、アルコールを体に入れる事によって、
血のめぐりが良く成り、疲れが取れるのだよ、
酒は百薬の長、般若湯と言うでは無いかね?
ねっねっ、お願いします~後生ですだ~」
「此奴は~!もう、分かりましたよ、一人1本ですからね!」
「皆万歳~!!」皆
「じゃあ飲む人、手を挙げて~」
全員手を挙げた。
「護衛達よ、お前らもか~」
護衛の4人は、視線を逸らすと、
「「「「ご主人様、申し訳御座いません。
しかし、お酒の魅力には・・・・」」」」
「しゃ~ね~な~俺も飲んじゃお~」
と、全員に配って行った。ソテーに凄く合った。
食後、直ぐに解散して護衛の4人に、
「少し、お酒が入ったけれど見張りに支障は無いかい?」
「はい、全く」
「故郷を思い出します」
「狩りの時は何時も、
夜は地酒で酒盛りをして居ましたので」
「獣人は、子供でも酒には強いのです」
「其れなら良いんだけれど、
俺、一っ風呂浴びて来るから、後、宜しくね」
俺は、一っ風呂浴び乍ら、
「獣人って、酒が好きなのか~プハ~」
翌朝、朝ご飯の準備が出来て皆を起こすと、
昨日の朝と同じだった。
「如何も、此の世界の女性の恥じらいの感覚が、
俺には良く分らないわ、
俺の方が可笑しいのかね?」
と、静かな朝ご飯の後、バタバタと、準備をすると、
「いざ、出発~!」
「皆おお~っ!」皆
と、階層主の扉を開けると、身長4メートル程の、
凶悪そうなゴブリンが居た。
ホブゴブリンだ!前面に結界シールドを展開すると、
「狙え~!」
「皆は~いっ」皆
「ファイヤ~!!」
≪ぱ、ぱ、ぱ、ぱぱぱぱ・・・・・≫
≪ぱ、ぱ、ぱ、ぱぱぱぱ・・・・・≫
≪ぱ、ぱ、ぱ、ぱぱぱぱ・・・・・≫
「前衛~突貫~!!」
≪おお~~!!≫
ホブゴブリンは、成す術も無く死体と成った。
死体をストレージに回収して、
部屋の反対側に有る階段を降りて行くと、
目の前には草原が広がり、所々に森や林が点在して居た。
「此処が4階層か?良い天気だ。本当に不思議な光景だ。
とても、地下とは思えないね、
きっと、各階層が亜空間なのかな?天井無いし~
一つの閉ざされた世界だよねえ」
俺は、初めての4階層に出たのだった。