-117話ー 2回目初級ダンジョンアタック 1
俺は、初ダンジョン探索を終えて、
魔法学院にも報告を済ませ、
怪我人の治療も済ませて、
今度は冒険者ギルドへと向かった。
冒険者ギルドに到着して受付へ行くと、
今日もギルマスが受付嬢をして居り、
「すいませ~ん、初級ダンジョン探索して来たんですが~
素材の買取をお願いしま~す」
「あら、モモタロウさん?丁度良かったわ、実は、
医務室に怪我人が10人居るのよ、
治療して上げて呉れないかしら」
「はあ、構いませんよ」
と、2階の医務室に連れて行かれると、
大部屋の床に10人の冒険者が寝かせられて居た。
「こりゃまるで、災害被害者の避難場所みたいだわ」
此の世界では、ベットは木箱に藁を敷き詰めて、
シーツを被せた物だ。
重いし衛生的でも無い。逆に傷を悪化させてしまうので、
床に筵を敷いて寝かせて居るのが一般的なのだ。
その点学院の医務室は、
簡易の木のベットが置かれて居り、かなり進んで居る。
「此れは、かなりの大怪我じゃ無いですか」
「そうなのよ、歩く事も出来ないので、
此処に運び込まれたんだけれど、
薬草での治療をして居るのよ、
ギルドにとっても、冒険者は大切なの」
「まあ、了解しました。ヒール、ヒール、
ヒール、ヒール、ヒール、
ヒール、ヒール、ヒール、
ヒール、ヒール、と、ヒールの乱れ撃ち~」
すると、怪我人達の傷が、みるみる治り始めて、
意識の無い者も意識を取り戻して、
俺の周りに集まって、祈り出した。
此処でも女性が8人と、女性率が高い。
「怪我人有難う御座います。聖者様!」怪我人
「いやいや、俺は冒険者だから、そんな大層な人じゃ無いから」
「怪我人いいえ、私達にとっては神に等しいです!」怪我人
「そんな、大層な」
「モモちゃん凄いです!尊敬します~
お尻の穴を広げても良いです~」
「引っ張るなぁ、おいっ!」
「お尻の穴は兎も角、
とても尊敬出来ることをして居るのですね」
「いや、報酬も貰って居るし」
「銀貨1枚と、ギルドからのお礼だけでは、
中々教会からも来ては貰えませんから、
冒険者ギルドとしても、本当に助かりますわ」
「いやいや、冒険者ギルドにもお世話に成る訳だし、
此処は持ちつ、持たれつで良いんじゃ無いですか」
「皆モモちゃん偉い!」皆
「護衛ご主人様、尊敬致します」護衛
「え~っと、素材の買取でしたね、其れではカウンターに戻りましょうか」
「え~っと、ちょっと、量が量なんで、カウンターは無理かな?」
「あら、どの位ですか?」
「はあ、キャタピラーが174匹に、
ビックキャタピラーが4匹の、
皮と肉と魔核と、ゴブリン135匹の魔核と、
後、ポーションが3、640本ですね」
「そ、其れは、カウンターでは無理ですね。って言うか、
他の冒険者に見られ無い方が良いですね、
襲われかねないですわ。
其の量だと・・・裏の解体場に行きましょうか」
「じゃあ、皆さん、もう危険な狩はしない様にね」
「怪我人は~い、有難う御座いました!聖者様~」怪我人
俺達は、ギルマスの後に付いて、
裏庭に有るデカい解体所に行くと、
解体用の台の上に素材を出した。
「どんな感じですか?」
ギルマスは、丁寧に素材を判別し出すと、
「肉に付いては問題は無いですね、
血抜きも完璧で凄く新鮮で良い肉です。
其れと、ビックキャタピラーと、
レベル2の物が混じって居ますね、
皮の処理に付いても完璧です。最後にポーションですが、
素焼きの小瓶にモモのマークですね、可愛いです」
と、ポーションの小瓶の栓を抜いて、
1滴手の甲に落とすと、
「此れは!!・・・・・・・・
凄い!最高品質のポーションで、味も青臭く無くて、
爽やかな甘みすら感じますね、
此れは飲みやすいし、新しい商品に成ります。
と、其の前に肉を振り分けましょうか、
おやじさん達~ちょっとこっちに来て~
肉と、皮と、魔核の選別手伝って呉れる~」
「「「はいよ~」」」
っと、いかついおっさんが3人、こっちにやって来て、
「おっ!此れは中々のもんだな~おい、
ボウズ、金額は期待しとけよ~」
「皆は~い」皆
俺達はギルマスの執務室に案内されて、
お茶をして待って居ると、
やがて、ギルマスが戻って来て、
「やっと計算が終わったわ、
先ずはキャタピラーですが、状態も良く、
レベル2の物も多数混じって居り、
1匹当たり銀貨8枚で査定しました」
「皆わ~い」皆
「ビックキャタピラーが、1匹、銀貨20枚ですね」
「皆わ~い」皆
「ゴブリンの魔核は1個当たり、銀貨2枚に成ります」
「皆は~い」皆
「そして、ポーションですが、
此れは、素晴らしい物で、
今迄に無かった物ですね、
高位冒険者の需要が見込めますので、
銀貨10枚としました」
「皆万歳~!」皆
「で、合計ですが、
銀貨38,142枚と成りました~!」
「皆万歳~万歳~万歳~!」皆
「では、大金貨190枚と、金貨7枚と、銀貨2枚と成ります。
では、お受け取り下さい」
と、机の上にお金の入った皮袋をドスンと置かれた。
中身を確かめた後に、
「確かに受け取りました」
と、ストレージに仕舞うと、
「モモタロウさん、此のポーションですけれども、
品薄に成ったら又作って頂けますか?」
「了解しました」
「で、此れはモモタロウさんが治療してくれた分の、
報酬です。ギルドからのお礼も含めて金貨1枚です」
「ごっあんです」
「モモちゃん、モモちゃん~私達の分け前は?」
「取り敢えず6等分しようか、
護衛の皆と屋敷の皆の分は俺が出すからね」
「モモちゃん私も半分出しますわ」
「「「「私達も出します~」」」」
「皆有難う、じゃあ屋敷に帰ってから分配しようか?」
「皆は~い」皆
「じゃあ、ギルマス、帰るね、」
「はい、又お願いしますね、と其の前に、
受付カウンターで、
冒険者カードの更新をして置きましょうか」
「皆は~い」皆
受付のカウンターで、冒険者カードの更新をすると、
俺達はギルドを後にした。
因みに貧乏トリオと、護衛カルテットは、
鉄の冒険者に昇格済みだ。
アンザンは元々が、鉄の冒険者なので、其のままだ。
屋敷に帰ると、早速リビングで山分けだ。
「モモちゃ~ん、一人幾らに成るの?」
「え~っと銀貨で、一人6,357枚だから、
大金貨が、63枚と、
金貨が2枚と銀貨が17枚だね、ほいっ」
各自の前に皮袋の入ったお金を置くと、生徒会カルテットは、
震え乍ら袋からお金を取り出して数え始めた。
「うん、一人6,357万円の儲けか、此れは嬉しいね」
「又、お金が増えて仕舞いましたわ」
「まあ、邪魔に成るもんでも無いし、良いんじゃね」
「でも、此の4人は泡吹いて気を失って居ますわ」
「あら、まあ」
4人は、はっと気付くと、
「「「此れで、初めて田舎の親に仕送りが出来ます~」」」
と泣き出した。家族に思い入れが有る様だ。
「「「「モモちゃん此れを使って」」」」
と、大金貨を1枚づつ出して呉れたので、
エレンと二人で、残りを出し合って、
「カンウ、チョウヒ、チョウウン、ハットリ君、
待たせたね、はい特別ボーナス」
と、大金貨を1枚づつ手渡すと、
「「「「大金貨ですと~!!」」」」
と、驚いて泣き出してしまった。
其の後、金貨1枚を大入り袋に詰めて、
「此れは、留守番組の大入り袋ね、皆に渡して来て呉れる」
「「「「はい、喜んで、はいっ!!」」」」
4人は大急ぎで皆の所へ走って行った。
「さあ、今夜は打ち上げの本番!
庭でバーベキュウでもするか~」
「皆は~い、バーベキュウって何か知らないですけど~!」皆
此の日は、ダンジョン探索の成功と、
豊猟を祝って、大いに飲んで、語り合った。
翌朝、朝ご飯を食べて、
一番の鐘が鳴ると魔法学院に登校した。
友達と、バカ話をし乍ら登校するのも良い物である。
俺達は、登校すると貧乏トリオと別れて、Sクラスに、
教室に入ると、早速ネコちゃんが絡んで来た。
「おう、おみゃーら、
初級ダンジョンに行って居たんだってにゃあ、
どの位儲けたんにゃ、言ってみにゃ」
「ネコちゃん、
お金が無いからってカツアゲはダメだよ~ぴょん」
「ウサギは黙っていにゃ!」
「貴方達、生徒会長の目の前で、
カツアゲするんじゃありません!」
「生徒会長は黙ってな!
って、よう~生徒会長~カッコいい服着てよう~
一体どうしたんにゃ」
「黙る筈がないでしょう、
私達の為に臨時でパーティー組んで呉れたのですから、
此の装備は、モモちゃんが用意してくれたのです。
其れに貴方、エレンさんの実力は本物ですよ、レベル36の、
ドラゴンスレイヤーに喧嘩売る気?
死ぬよ、レベル15のチンピラじゃ、
相手に成らないですよ」
「にゃにお~・・・・
そお言やドラゴンスレイヤーだったにゃあ、
すんませんでした~にゃ」
「此奴~エレンがドラゴンスレイヤーなの、
すっかり忘れて居たな~」
「所で、エレンの姉御~うちらも、
初級ダンジョンに連れて行って欲しいにゃ」
「其れは、私も連れて行って欲しいです~ぴょん。
国からの仕送りが、ネコちゃんのせいで、底を着いたぴょん」
「品の悪い泥棒ネコは不必要ですわ~」
「ふ~ん、ボクも其の話に一枚噛ませてくれないか~い」
「オカマエルフは、黙って居るにゃ」
「ボクも、強く成りたいんで~連れて行って~」
「男の娘は、お荷物だからお呼びじゃ無いぴょん」
「君達、ホームルームの時間はとっくに始まっているよ~
さ、席に付いて~」
「皆は~い」皆
「所で君達、中々面白い話をして居たね~
モモタロウ君、初級ダンジョンは如何だったんだい?」
「はい、マドカ先生、初めての挑戦でしたが、
面白かったですよ~儲けも、ウハウハでしたし~」
「えっ、ウハ、ウハ?
安っすいモンスターしか居ないのでは?」
「いえいえ、3階層のポーション草を採取して、
自分でポーションを作れば、
大儲けですよ~特に俺、分解と錬成のスキル持ちですからね」
「そうで~す。
私も今日からブルジョアの仲間入りで~すっ」
「マジですか?」
「マジです」
「・・・・・・・・では、今日の授業は屋外授業とします。
では皆準備して、出発しますよ」
「皆えっ、え~~??」皆
「私は今金欠病です。今日の晩御飯も食べられ無い位にです。
分かりましたか~?では、出発しましょう!」
「皆は~い」皆
「良いのか~此れで~!!
此の学院のカリキュラムは如何成っとんのじゃい!!」
「先生~!一人足りませ~ん!」
「ああ、良いの良いの、
カニが食べたいと飛び出して行ったそうだから」
「先生~」
「はい、モモタロウ君」
「俺んちに馬車が有るので出します。
其れと、護衛を4人付けますね~」
「おお~其れは助かるよ、私一人では心許無いから、宜しく~」
『え~っと、カンウ、チョウヒ、リュウビと、シュウユと
馬車で来て~初級ダンジョンに又、行く事に成っちゃった』
『『『『サー・イエッサー』』』』
「さて、皆に最低限死なない装備を配ります。
食料は、俺が山ほど持って居るので、食事の心配は無用です。
其れと、俺はヒーラーとタンクをしますので、
この際です。皆で、レベル上げをしましょう。
目指せレベル50~!!」
「皆おお~~!!」皆
「何で、マドカ先生迄叫んでんの~?」
俺と、エレン、アンザン以外にマドカ先生を入れて、10人分の、
下着から、服、装備、武器、一式をストレージから出すと、
皆に配って行った。やはりマドカ先生を始め、皆その場で、
素っ裸に成って、着替え始めた。
「お~い、王族も居るんだろう~!恥じらいは如何した~!!」
皆、キャ~キャ~言い乍ら着替えるのだった。
余程珍しいのであろう。
「皆着替えたか~い?」
「皆は~い」皆
「じゃあ、パチンコに付いて説明するね~
皆は、もう既に魔法使いで攻撃魔法を使える訳だけれど、
其れだと、素材を大きく傷つけて、高く売れません」
「皆うん、うん」皆
「ですので、このパチンコでモンスターを狙撃して、
経験値を稼いでもらいます。その間俺が、
結界魔法で攻撃を防いで、
最後に前衛の護衛4人と、
エレンに蹴散らして貰います。良いですか~」
「先生~質問にゃ」
「はい、ネコちゃん」
「如何やって此のパチンコを使うにゃ?」
「う~ん、ゴムを引っ張ってみて」
「こうにゃ?」
と、反対側に引っ張った。
「放して見て」
「はいにゃ」
ばっち~~ん!!
「うぎゃにゃ」
「はい、反対に放すとこうなるので気を付けましょう、後は、
其処にそう、パチンコ玉を付けて発射します」
「こう?」
≪パシュッ!≫
≪ずぼっ!≫
ネコちゃんのお尻に命中した。
「ぐほっにゃ!」
「と、成るので人に向けて撃たない様にね、
尚、レベルが上がるとゴブリン程度であれば
瞬殺出来る様に成ります。
いきの馬車で、カチカチ鳥と、
ボウボウ鳥を狩り乍ら練習して下さいね」
「皆は~い」皆
「弾がお尻の穴に入って、取れないにゃ!」
「先生?指示しないで良いんですか、ぴょん?」
「はい、私は魔法使いでダンジョン探索は素人ですので、
冒険者のモモタロウ君に従います」
「う~ん、良いのか其れで?教育は如何すんだ?」
「今日の晩御飯が食べられたらオッケー?」
「皆・・・・・・・・」《皆》
「馬車も来たようだし、皆、出発するよ~」
「皆お~!!」皆
俺達は、学院内に乗り付けた馬車に乗ると、
一路、初級ダンジョンに向かって、出発するのだった。
「う~ん、帰って来たばかりなのに、良いのか此れで?」
「良いんですよ、屋外授業も立派な授業ですよ、
其れで、ご飯も食べられてお金も儲かる。最高じゃ無いですか」
「いやいや、死ぬリスク高いですから、
ハイリスク、ハイリターンですから」
チョウヒ、リュウビ、シュウユが、
パチンコの狙撃のコツを教え乍ら
俺達は、初級ダンジョンに向かった。
皆、コツをつかむのが早かった。
流石、Sクラスと行った所だろうか?
ただ、キャットピープルのトラ族のチョウヒに
キャットピープルの、
トラネコ族のネコちゃんが、非常に怯えていた。天敵らしい。
そうこうして居る内に初級ダンジョンに到着した。
「ネコちゃんも、借りて来た猫みたいに大人しくなったし、
オカマエルフも、ダークエルフのカンウに怯えて居るし、此れは、
探索も順調に行きそうだな」
俺の、2回目のダンジョン探索が、始まるのだった。