-115話ー 初級ダンジョン初アタック 1
俺達はダンジョンに入ったのだが、
まあ数万人入って居ると言う割には、空いている。
「俺、初ダンジョンなんだけれど、何だか空いてるよね?」
「何を言って居ますの?冒険者達は夜明け前に既に入って居ますわ」
「凄い列に成るもんですから、暗い内に先を争って並ぶんですよ」
「レベルの低い冒険者は、芋虫を倒して魔核と肉を手に入れる為に」
「10人位でパーティーを組んで、芋虫をタコ殴りにするんですよ~」
「それでも、凄っごく時間が掛かるんですよ~」
「冒険者も生活が掛かって居ますからね~、
少しでも沢山狩って、お金にしないと、
人数分の日当出ないですからね~解体もしないとですから」
「しかも命懸け、人が死ぬなんて毎日の事ですしね~」
「そんなに頑張っても、一日フルに戦っても、
3匹が精一杯なんですよ」
「ふ~ん、大変なんだね、で、1匹幾らになるの?」
「はい、ちゃんと解体した物で、肉、皮、魔核で、
銀貨5枚です」
「安くない?1匹で5万って3匹で、
15万を10人で分けたら、1人日当1万5千円じゃん」
「普通の人の稼ぎの15倍ですよ、命も懸けますよ」
「命懸けで、日当1万5千円って・・・・・・・・
で、何時も日帰り?」
「いえ、私達は3階層迄行きますので、
だいたい3日は掛かりますね」
「ほえ~3日も?ご飯は?お風呂は?寝るのは?」
「はい、ダンジョンには各階層に
セーフティエリアが有りますから、
干し肉や何かの携帯食料を普通は用意しますが、
今回は・・・・」
「「「水さえ有れば、餓死はしませんっ!」」」
「「「・・・・・・・・」」」
「まあ、俺のアイテムボックス宝箱に作り置きのご飯、
沢山有るから、問題無いけど」
「「「「「キャ~モモちゃん愛してる~」」」」」
「現金だな、おい」
「「「「「ぺろ、ぺろ~」」」」」
ダンジョンは真っ暗かと思いきや、ヒカリゴケと言うのが、
壁一面に生えていて薄暗いって感じだ。
ヒカリゴケの光は青く、お化け屋敷が近いんじゃないだろうか?
俺達が歩いて居るのは、1階層のメインの通路で広い、
10メートル四方は有ろうか、
其のメイン通路の其処彼処に枝分かれの、
側道が張り巡らされて居て、数万の冒険者が潜っても、
中々かち合わないそうだ。
鍾乳洞が分かりやすいだろうか。
「アンザンさん何でメイン通路ばかりを進むんだい?」
「はい、3階層迄出来るだけ早く行く為です。
ダンジョンは、広大ですので、
他の冒険者達は時間の掛かる奥へは、
余り行きません。鉄級以上の中ランク以上の冒険者は、
帝都に近い中級ダンジョンに入りますので、
此方には来ませんし、時たま高ランク冒険者が、
ダンジョン制覇しようと、
大人数で挑戦する位でしょうか?」
「挑戦って?初級ダンジョンなのに?
まだ攻略されて無いの?」
「はい、まだ、35階層迄ですね、初級と言いますが、
其れは低層での事で、
ダンジョンは階を重ねる事で、
モンスターも強力に成って行きますから、
此処と、中級ダンジョンも古いので何方も、
100層以上有るのでは?と言われて居ますね」
「中級ダンジョンも攻略されて無いんだ~」
「何方にしても、奥に進んで行けば、
沢山芋虫が出て来ますので」
「それじゃあ、ちゃっちゃと行きますか~」
此の後、小1時間程、全くモンスターは現れなかったが、
突然、曲がり角の方からキャタピラーが10匹程現れた。
「戦闘態勢!」
「皆はいっ!」皆
「シールド!」
俺は、最前列にシールドを張ると、
「パチンコ発射準備!」
「「「「はい!」」」」
キャタピラーが、此方を見付けて一斉に襲い掛かって来た。
が、シールドに阻まれて、動きを止めた所で、
「パチンコ射撃、ファイヤ~!」
≪ぱ、ぱ、ぱ、ぱ、・・・・ぱ、ぱ、ぱ、ぱ、・・・・
ぱ、ぱ、ぱ、ぱ、・・・・ぱ、ぱ、ぱ、ぱ、≫
「「「「全弾命中!!」」」」
「良し!前衛、殲滅せよ!」
「「「「はっ!」」」」
護衛達が、青龍偃月刀、蛇鉾、槍、忍刀で、襲い掛かって、
キャタピラーを壊滅させた。
「「「「凄い!こんなの初めて!」」」」
「皆、今の攻撃パターンで行くからね~憶えといて~」
「皆は~い」皆
俺は、キャタピラーの死骸に行くと、
ストレージに回収した。
「あっ、モモちゃん解体は?」
「あ~俺、分解と、錬成のスキル有るから大丈夫だよ」
「「「「「チート~(ですわ~)」」」」」
「何で~?」
「「「「「解体は凄く暇が掛かるんですよ
(ですわよ~)」」」」」
「って、エレンは知ってんじゃん!」
「すっかり忘れて居ましたわ~」
「って記憶力!」
「此処で、お昼にしようか~」
「「「「こんなキャタピラーが沢山出た所で~?」」」」
「今のシールド見たろ?」
「「「「は~い」」」」
「モモちゃん、凄い統率力~」
「そうですね、曲がり角の向こうにいるモンスターを、
まるで事前に分かって居るかの様でしたね」
「いや、まあ、分かって居るんだけどね、
俺、敵感知スキルと、ナビスキル有るし」
「「「「ナビスキルって何?」」」」
「頭の中に、地図が浮かんで何処に敵が居るのかが、
分かるスキルかな?」
「モモちゃん、一体どれだけスキルが有るんですか?」
「う~ん、攻撃以外、一杯~?」
「「「「チートです~」」」」
「大軍師のジョブを持って居ても不思議では無いですね~」
「俺のジョブは、平民だよ」
「「「「有り得な~い」」」」
「さて、休憩終わり~出発しようか」
「皆は~い」皆
此の後、何十回もキャタピラーと遭遇したが、
瞬殺して行った。キャタピラー以外現れないのは、楽で良い。
「キャタピラーばかりで、楽だね、此れが初級である所以か~」
「鉄以上の冒険者の方は皆そう言いますね、私も楽ですが」
「「「私達は楽じゃ無いよ~」」」
「何時も沢山のキャタピラーと遭遇して」
「キャタピラーのスピードが遅いから、
隙を突いて逃げるんですからね~」
「レ モモちゃん、私、気持ち悪いよ~」レ
「ん?あっ本当だ、レベル10に成ってるよ、
アンザンさんも、レベル21、一つ上がったね~
レベルアップ酔いしているみたいだし、此処で6時間休憩するか」
「生徒会 此処でって、メイン通路のド真ん中ですよ~」生徒会
「まあ、見ててよ」
と、俺は通路の岩の壁に土魔法で穴を明けると、
中に仮設住宅を作った。皆で中に入ると又岩を戻して、
入り口を戻した。皆、口を開いたまま驚いて居たが、
休める時にしっかりと休まないとね、
「ア あれ?ダンジョンの壁って穴を明けれたかしら?」ア
ぎくっ!
「俺又、変な事したか~?」
「生徒会 まあ、良いじゃ無いですか~
休めるのは、有難いです~」生徒会
「レ 今でしたら、エッチな事をされても、分からないです~」レ
「バカな事言って居無いで、先にお風呂に入って来て、
その間に、ご飯の用意しとくから、」
「生徒会 は~い」生徒会
「さて、おかずは手っ取り早く食べれる
唐揚げにするか、美味しいし、
と、ご飯にコンソメスープに、サラダっと」
準備をする端から、
既にエレンが食べ始めて居るが、まあ良い、
護衛の4人は、不思議そうに辺りを見回して居る。
先発の生徒会の4人がお風呂から上がって来ると、
「次は、護衛の4人、お風呂に入っておいで」
「護衛 ご主人様より先に入るなどと」護衛
「良いから入って来なさい。段取りが悪くなるから、」
「護衛 ははっ!」護衛
お風呂から上がって来た生徒会の4人は、黙々とご飯を食べて居る。
先にご飯を食べ終わったエレンはデザートのチョコバナナを、
宝物の様に大切そうに食べて居る。
護衛の4人が、お風呂から出て来た時には、
エレンもご飯を食べ終わり、
エレンにお風呂へ行く様に言って、
エレンがお風呂に入っている間に、
護衛の4人にご飯を食べて貰い、
ご飯と、デザートを、食べ終わった生徒会の4人に、
「アンザンさん達は、部屋に行って、寝ておいで、」
「しかし、見張りが」
「護衛 私達4人が交代で致します。
その為の護衛ですから」護衛
「御免ね、お願いするよ、見張りは、1人2時間交代で、
戦闘の主力だから、ちゃんと疲れを落とす事、良いね」
「護衛 はっ!!」護衛
「生徒会 じゃあモモちゃん寝るね、
服は脱いでも良い?」生徒会
「ダ~メ!装備は其のままで、
疲れを取るのと、油断するのとは別だよ、
寿命を短くしてしまうからね」
「生徒会 は~い、ぶう~ぶう~」生徒会
「はいはい、お休み~」
「生徒会 お休みなさ~い」生徒会
エレンが風呂から上がって来ると、
「エ あら、あの娘達、もう寝たんですの?」エ
「ああ、レベルアップ酔いして居るからね~
ちゃんと休ませないと後が大変だからね~」
「エ ふん此れ位で、とんだ魔法使いです事」エ
「あ~エレン~確か、飛竜を倒した時レベルアップ酔いで、
ヒィ~ヒィ~言って、ゲロってたの誰だっけ~」
「エ ・・・・まあ良いですわ、此れも経験ですわ」エ
「んじゃ、エレンも寝ておいで、
ダンジョンもまだ序盤だからね」
「エ は~い、ですわ、モモちゃん」エ
「ん?」
「エ お休みなさいですわ。」エ
「はい、お休み」
エレンも、寝室へと消えて行った。此の仮設住宅は、
3LDKの豪華サイズで、
各寝室には2段ベットが2組4人が寝れる仕様で、
風呂も広く1度に4人入れるジャグジー使用だ。
12人生活できるのだ。
俺は、護衛の4人に食後のデザートを配り乍ら、
「見張りを任せて悪いけどお願いするね、でも、
見張りは1人で良いから、
3人は必ず交代で休んで居る事、良いね。
先ず侵入不可能な結界を張って居るから、
いざと言う時の用心の為なんだ。」
「護衛 はい、承知致しました」護衛
俺も、一っ風呂浴びて食事を取った後寝室へ、
隣のベットでは、既に大鼾をかいて居るエレンが、
こっちにデカい尻を見せて居た。
「って、装備脱ぐなって言ったのに、此奴素っ裸だよ
エレンの尻デカいなあ、っと俺も寝ますか、お休みなさ~い」
『リ は~い、お休みっス~』リ
・・・・・・・・
『ピピピピピピピ・・・・
リ ダーリン起きるっス6時間たったっス~』リ
「んんぅ~っぱぁ~早いな~もう~?」
『リ そうっスよ~』リ
「お早う~リリ~まだ眠たいよ~」
『リ 大丈夫っス~もう疲労は取れているっス~』リ
「ああ、起きるか~」
ベットから出ると、エレンがデカい尻を掻き乍ら、
大鼾を掻いて居る。
「エレン~起きなよ~もう出発する時間だよ~」
「エ ん~ふぅ~ん、モモちゃ~ん・・・・
すっつきん~ふぅ~ん」エ
今度は、エレンの体を揺すり乍ら、
「エレン~早く起きなさ~い、出発するぞ~」
「エ ぐぅご~っ~すぴぃ~ぐぅご~っすぴぃ~」エ
「う~ん、如何して呉れようか~」
仕方が無いので、丸出しのでかい尻に、
「ふ、ふ、ふふふふ・・・・~此れだけは使いたく無かった。
我が家に伝わる、一子相伝の必殺技、
・・・・・・・・その名も必殺!千年殺し~!!」
ぷすっ!くっぱぁ~~!!
≪ふぅんぎゃ~~~!!!≫
「エ なっ、なっ、何をなさいますの~~~!!」エ
「ふっ・・・・幾ら起こしても、
起きないからさ~此れからは、
時間の無い時は、此れで行くよ~」
「エ 此れで行くよ~じゃ有りませんわ!
乙女のお尻を何だと思って居るのですか!
此れでは帝都に来る時と、同じじゃあ有りませんか~
あの時、私のお尻の穴がどんだけ広がったか~」エ
「ふっ、命が掛かって居る時に、何時迄も、
が~、が~、寝て居るからさ、
油断大敵ってねって・・・・・・・・臭っさ~」
「エ 臭っさじゃ有りませんわ、
責任は取って頂きますからね!!ぷん、ぷん」エ
此の後、全員起こすと出発する事にした。
まさか、エレン以外にも
千年殺しを与えるものが居るとは思わなかったが・・・・
「レ モモちゃん酷いです~
お尻の処女の方が先に無くなるなんて、
思いませんでした~ひぃ~ん、ひぃ~ん」レ
「皆 引くわ~めっちゃ、引くわ~!」皆
「護衛 私達もしてほしいです・・・・」護衛
「皆も、命掛かってんだから、気の緩んでいる娘には、
びっし、びっしっ、行くよ~
って・・・・・・・・臭っさ~」
「エ、レ 嫌~!セクハラは嫌~!」エ、レ
エレンと、レモンちゃんが抱き合って泣いて居た。
此の後、朝?ご飯を食べ乍らダンジョンを進んで行き、
数回のキャタピラーとの戦闘の後、
「此れが階層主の部屋の扉か~中は如何成ってんの?広さは?」
「ア はい、中の部屋はとても広いです。学院の校庭位でしょうか?」ア
「じゃあ、全員中に入って充分に戦えるね、階層主は?」
「ア はい、体長5メートル位のビッグキャタピラーです。
キャタピラーが2メートル位ですので、2倍以上の大きさですね、」ア
「特別強いとか?」
「ア いいえ、大きいだけで、
動きもキャタピラーと同じでのろいです。
何時も、ファイヤーボール1発で仕留めてました。」ア
「ふ~ん、じゃあ陣形通りに入って行ってパチンコで撃った後で、
前衛でタコ殴り、此れで行くよ~」
「皆 はいっ!」皆
大きな扉を開くとその先には、
石造りの大きな広間が、
本当に学院の校庭位の広さが有った。
200メートル四方とと言った所か?
俺達が中へ入ると、扉が自動で閉じて、
ビッグキャタピラーが、
此方に向かって突進して来た。モ〇ラの幼虫みたいだ。
でかい、象位は有るんじゃ無かろうか?
俺は、シールドを展開すると、
「パチンコ用~意!・・・・・・・・ファイヤ~!」
<< パパパパパパ~>>
「護衛 全弾命中です~」護衛
「的が大きいからね、前衛突撃~!」
「護衛 はっ!」護衛
<<ザシュッ!バサッ!グサッ!ブシュッ!>>
ほぼ、瞬殺で倒す事が出来た。
「ま~初級ダンジョンの1階層だからね~って・・・・
あれ、なぁ~に?宝箱に見えるんですけれど?」
「ア あれは宝箱ですが、罠が張って有るんで、
誰も手を出さないです。かなり悪質な罠だそうでして」ア
「あっ本当だ、敵感知に反応してるわ、中身は~
ふ~ん、本だね~回収しとこうか~」
「ア 話を聞いてました~
箱を開けたらダメなんです~死にますよ~」ア
「箱を開けなけりゃ良いんだよね~
ほい、回収ッと、リリー何の本~?」
『リ そうっスね~古い魔法の本っスね~
ファイヤ~ウォールっスね~』リ
「エ 私くし、其の魔法欲しいですわ、使える様に成ったら、
魔導士を名乗れますわ!」エ
「ア 私にも教えて下さい!」ア
「エ 勿論ですわ、二人で魔道士に成りましょう。」エ
「ア はい、エレンさん。」ア
「何か二人とも盛り上がって居るよ~」
「エ、ア 当然です。此れで魔道士を目指せるのですから」エ、ア
「まあ良いや、じゃあ2階層に行くよ~」
「皆 はいっ!」皆
2階層は、キャタピラーのレベル1と、
レベル2の混成だったが、
余り変わらなかった。次々とキャタピラーを倒して行って、
1回の6時間休憩を挟んで、階層主の部屋へと、
「2階層の階層主も1階層と余んまり変わらなかったね、
宝箱も無かったし」
「エ そうですわね、レベルが2ってだけで、同じでしたわ」エ
「ア そうなんですが、肉もレベル1より美味しいし、
魔核も大きいんですよ」ア
「其れ、ある意味特典じゃね?」
「ア そうとも言いますね」ア
俺達は2階層の階層主も危なげ無く倒して、
大広間の反対側に有る階段を、
降りて行くと、深い森の中に出た。
「此処が3階層か~森じゃん!どんだけ広いんだよ!」