-114話ー 初級ダンジョン
ピピピピピ・・・・・・・・
『ダーリン、もう直ぐ夜が明けるっスよ~
初級ダンジョンは遠いから、朝は早めに用意するっス~』
「うぅ~ん~お早うリリ~そういや~生徒会長、
夜明け前に集合って言ってたね~・・・・・・・・
起きるか~」
着替えて厨房に行くと、既に料理担当の、
昨夜名付けした、鬼族の鬼女のマキ姫と、
ワーウルフのタロ、ジロの、
3人が既に朝ご飯の準備をして居た。タロ、ジロ、と言っても、
男じゃ無い年頃の女の子だ。決して南極は関係ないのだ。
「お早よ~マキ姫、タロ、ジロ、俺とエレンと、
後、そ~だね護衛に、カンウと、チョウヒ、馬車の見張りに、
チョウウンと、ハットリ君を連れて行こうか、
此の6人は馬車で、
朝ご飯食べるから用意し無くて良いからね、
ほんで、俺も調理するから、
少し使わせて貰うよ」
「「「お早う御座います。ご主人様、了解致しました」」」
俺はママゾンでサンドイッチ用のパンと、水筒を人数分、
2リットルボトルを5本購入すると、
ぱぱっと、サンドイッチとホットドッグ多めに作った。
出来た頃に、皆、起きて来たので、
「丁度良かった。カンウとチョウヒは、
パーティーの、前衛で、
チョウウンと、ハットリ君は馬車の見張りで、
付いて来て呉れる~」
「「「「ははっ!」」」」
「もう直ぐ学院の友達が来るから、身支度と、
馬車の用意を」
「「「「はっ!」」」」
と、此処で着替えだした。
「いや、部屋で着替えて呉れたら良いんだけど~」
「「「「いえ、ご主人様の気が変わらない内に、
ぱぱっと準備致します。兵は時を貴ぶもので御座います」」」」
「いや、まあ眼福だし、良いんだけれど」
「モモちゃ~ん、朝ご飯は~?」
「食べてる時間無いから、馬車でサンドイッチだね、
もう作って有るから」
「今、食べたいですわ~」
「我慢しなさい」
「お腹減った!お腹減った!お腹減った~」
「はいはい、分かりました」
と、取り敢えずエレンにサンドイッチを食べさせた」
「ご主人様~ご学友がいらっしゃいました~」
「は~い、通して~」
「「「「エレンさ~ん、モモちゃ~ん、門から此処に来る迄、
凄っごい時間掛ったよ~って、
凄っごいメイドの数~びっくり~!!」」」」
メイドが、並んで、一斉に、
「メイド 御学友様、いらっしゃいませ~!」メイド
「「「「はい、いらっしゃいました~!」」」」
「出かける前に、何?其の格好?」
全員、鍋を頭に被って、木の鍋蓋を盾に?
「「「だって、皮鎧を買うお金が有りませ~ん」」」
会長だけは、商家の娘だけ有って皮鎧を着ていたが・・・・
「う~ん、ダンジョンに潜る格好じゃ、無いね~
リリー用意して上げて~」
『は~いっスほい、ポン!武器も付けて置くっス~』
「有難と~」
「きゃ~何、此の軽装カッコ良い~真っ赤です~」
「其れに、服も良い~凄ご~く伸びるわ、ビヨ~ン~」
「此の赤いパンツ、エロ~イ此れは?腹巻?」
「其れは、ブラジャーですわ」
「「「「ぶらじゃー?」」」」
「乳バンドですわ~サイズフリーで良く伸びますわよ」
「「「「凄っご~い!」」」」
「この、魔女のワンピースもカッコ良いですね、
魔女みたい~」
「いや、魔女だから!」
「此のローブもカッコいいです~魔女みたいです~」
「だから、魔女だから」
「「「魔女見習いで~すっ!」」」
「そんじゃ、客室で着替えてって、もう脱いじゃって居るわ~
まあ良いや、エレン、着替え手伝ってあげて」
「分かりましたわ」
魔女の服は下着、レギンズ、ワンピース、ローブ、帽子迄、
皆オパールアゲハと、トパーズアゲハと、
赤竜の竜鱗を繊維にした物で、
軽装も、赤竜の鱗で作って有る。胸当てと手甲、肘あて、
肩あて、腰あてには小物入れや竜骨の短剣やサバイバルナイフ、
膝あてに、トレッキングシューズ、
薬草を入れる為の革製のナップサック、
頭を強打しない様に額あて、
「きゃ~真っ赤です~お先真っ赤です~」
「血の色や~ケ、ケ、ケ、ケケケケ・・・・~!」
「凄く高そう~」
「モモちゃん良いのですか?」
「ん?良いよ、怪我されても困るしね~其れに・・・・
レベリングするからね~」
「「「「ひぃ~」」」」
「皆、真っ赤だね~赤ぞなえって言って、
血が滾る色なんだよ~」
「ひ・ひ・ひ・ひひひひ・・・・・・・・~」
「何だか一人だけ血が滾っている様だけれど、
其れと、レベリング用の武器を」
「「「「「此れ、何ですか~?(何ですの~?)」」」」」
「はい、スポーツ用パチンコの、強化版です。
リリーが、魔改造した物で殺傷力も有りますね。
凄く強力です。馬車で移動中に練習しましょう、はい此れ、玉」
「強化パチンコに、鉄製のパチンコ玉を100発、
4人に配ると、さあ、準備も出来たし出発しますか、
脱いだ物はメイドさんに渡して置いてね」
「「「「「は~い」」」」」
玄関に出ると、既に出発の準備が出来て居り、
カンウ、チョウヒ、チョウウン、ハットリ君が、
一列に並んで待って居た。
「「「「御学友の皆様、今日1日宜しくお願いします」」」」
「ご苦労様、皆、紹介するよ、カンウ、チョウヒ、此の二人が、
前衛をしてくれます。そして中衛が、エレン、
此の3人が、実働部隊だね、
そして、役立たずのポワン、レモン、ハート、俺、
其の後ろの後衛が、
アンザン、アンザンはファイヤーボールで前衛の支援だね、
其れと、アンザン、ポワン、レモン、ハートは、
さっき渡したパチンコで、
モンスターが現れたら、兎に角1回攻撃する事、
此れで、経験値が得られるからね、後は、
前衛の2人任せると言う事で、
2人が撃ち漏らしたモンスターを、エレンが留め刺してね、
今回は、初級なので此の作戦で、数をこなしたいと思います。
チョウウンと、ハットリ君は、馬車の見張りをお願いするね」
「「「「は~い」」」」
「「「「ご主人様、承知致しました」」」」
「分かりましたわ」
「じゃあ、出発しようか、道中、パチンコの練習してね~」
「皆は~い」皆
「護衛の皆さん、凄く、カッコ良いです~憧れます~」
「皆さんも、赤ぞなえと言う物なのですね」
「何だか、異国の騎士みたいでカッコ良いですね」
「アラクネさん、お尻の部分も鎧で覆われて居るのですね」
「はい私は、大きな蜘蛛のお尻が狙われやすいので、
安心できます」
「槍の先が剣に成って居るのですか?」
「私のは、青龍偃月刀と言います。此れの小さなものを、
薙刀と言います。メイド達が装備して居ります」
「私のは、蛇鉾と言います」
「私は、スピード重視で、槍です」
「「「「凄い」」」」
「皆、乗ったね、じゃあ出発しようか、カンウ頼んだよ」
「はっ!では出発致します」
カンウ、チョウヒ、チョウウンが操車席に、荷台の幌は、
前に寄せて畳んである。荷台には俺達と、一番後ろには、
体の大きなハットリ君だ。
俺は、全員にサンドイッチと紅茶の入った水筒を配ると、
朝もやの中を、のどかに走る馬車の中で食べるのだった。
貴族門を越え、南街を越えて帝都の南門を越えると、
其処には、
農村地帯が広がって居た。帝都100万人以上の、
食を支える大穀倉地帯だ。
「リリー初級ダンジョン迄、どの位掛かるの?」
『そうっスね、2時間余りと言う所っスかね~』
「キャ~楽です~何時もなら、
歩きで、夕方まで掛かるんですよ~」
「そうですね~ダンジョン前で、野宿するんですよね~」
「近くに宿は無いの?」
「ダンジョンの回りが、町に成って居るんですけど~」
「私達、宿に泊まるお金が何時も無いですから」
「冒険者の多い町で野宿って、危なくない?」
「野党は冒険者より弱いですし、って言うか、
強けりゃ冒険者に成って居ますよね~」
「私達は弱いですけれど、会長が強いんで、
冒険者も近づいて来ませんよ~焼かれたくは無いだろうし」
「でも1度襲われましたよ~見張り立ててたのに~
レモンが目を開けたまま寝てしまって、器用だわ~は、は・・・・
「器用だわ~じゃ無いですよ本当に、
目を開けたら、
胡散臭いおやじにおっぱい揉まれて、
舐められて居たんですから」
「でも、あの冒険者達其の後、
火達磨に成って居たじゃ有りませんか~」
「当然です。女だけのパーティーと、
舐めて掛かるから悪いんです。
火達磨にされて、当然です」
「でも、会長~後で聞いたんですけど、
あの冒険者達、冒険者を剥奪されて、
全身大火傷のまま、鉱山送りにされた様ですよ~」
「「「死んでるね」」」
「まあ、お陰で噂が広まって、
誰にも襲われない様には成りましたが」
「でも、お金無くて、
何時も野宿なのは変わりませんけど~」
「「「私達が悪いんや無いんや~世間が悪いんや~」」」
「まあ、今回は、エレンさんやモモちゃん達が居るから、
稼げるだけ稼ぎましょう、暫く来なくて良い様に、
其れに、皆のレベルが上がれば、
楽に3階層迄行ける様に成るかも知れないし」
「「「は~い」」」
「苦労して居るんだ~」
「そうですわね~」
「「・・・・・・・・」」
「モモちゃん、此の馬車可笑しく無いですか?」
「へっ?」
「「「そう言えば、会長~お尻が痛く在りません」」」
「其れに、石畳でも無いのに、余り揺れて居無いですよね?」
「そうですね~こんな街道なら、
お尻が浮かび上がる位跳ねるんですけど」
「「「魔法の馬車?」」」
「んな訳有るか~!色々と、工夫して有るんですよ」
「其処ん所詳しく!!」
「企業秘密です」
「う~ん、残念、お金の匂いがしたんですけど」
「「「出た!商家の銭ゲバ!」」」
「誰が銭ゲバですか~!」
「「「会長~」」」
「は、は、はははは・・・・
じゃパチンコの練習をしようか?
標的はっと、何が良いかね」
「はい、其処ら辺にいっぱい飛んで居る、
カチカチ鳥が良いと思います。
作物を食い荒らす害鳥なので、
殺しても、文句が来ません」
「じゃあ、ボウボウ鳥もですね、
何方も、人を小馬鹿にして居るので、
天誅です。其れに焼き鳥にしたら美味しいし」
「じゃあ、決定だね当たん無くても良いから、
目標が近づいたら撃ち始めて、
真ん中に付いて居るちょっぽりが、
照準器なんで、上手く利用してね。弾は沢山有るからね」
「「「「は~い」」」」
しかし全然当たら無い処か、明後日の方向に、
「ご主人様、宜しいですか?」
「ん?ハットリ君、なあに~?」
「はっ、私は、飛び道具が得意ですので見本をと思いまして」
「そうだね、此れじゃ使い物に成んないし、お願いするね」
と、パチンコ一式を渡すと、
パ、パ、パ、パパパ・・・・・・・・
と、カチカチ鳥と、ボウボウ鳥を、
瞬時に20匹程撃ち落とした。
「「「「凄っご~い!!」」」」
と、4人に手取り足取り教えだした。
最初は、的外れであったが、段々と標的に近ずき出して、
やがて、ぽっ、ぽっと当たり出した。
その間もハットリ君は、一々、皆に何がダメで、
如何していったら良いのかを、丁寧に説明して行った。
何時の間にか4人は、10匹位うち落としていた。勿論全て、
撃ち落とした鳥はストレージに回収済みである。
うち落とした鳥を見て見ると、
何方も凄っごく間抜け面をして居た。
が、鶏位の大きさで食いでが有りそうだった。
「まだまだ、一杯居るね~ハットリ君、後100匹頼む!」
「ラジャ~!」
パ、パ、パパパパ・・・・・・・・と、あっと言う間に、
100匹以上撃ち落とした。
「「「大漁じゃ~!」」」
「此れで暫くは、食料に困りませんね!」
「「「は~い!っ」」」
「狩猟民かよ!」
此の後も、鳥を撃ち落として、
「食料確保、あれっ!?俺も、
目的と手段がれ替わって居たわ~
充分にパチンコの腕を上げたね、
此れで、パワ~レベリング出来るね~」
「「「「は~い!農家にも喜ばれます~」」」」
そうこうして居る内に、初級ダンジョンの町に付いた。
俺が思っていた以上に大きな町で、
街と言っても差し支えない規模だった。
ダンジョンを中心として、
周囲10キロ程を高い塀に囲まれて居て、
更にダンジョンの周りを高い塀で囲み、
外門に続く道の両脇にも高い塀で囲んで居て、
モンスターパレードに備えた作りと成って居た。
ダンジョンを囲んで居る塀の門の横に冒険者ギルドが有り、
なんでも、ダンジョンの運営を帝国から委託されて居るそうだ。
ダンジョンに入るには、
此処で、ギルドを通しての許可が必要と成る。
冒険者カードを持って居れば、
名前だけを記入すると入れるが、
其れ以外の者は冒険者に成って、カードを発行して貰うか、
大銅貨1枚の税金を払って、入るかの何方かだそうだ。
因みに、パーティーに1人冒険者が居ればオーケーらしい、
其のダンジョンを中心に
冒険者の町がドーナツ状に広がって居る。
何でも、ギルドに馬車を預ける事が出来るのだそうだ。
もっと、閑散として居ると思ったのだが、
常時数千から、数万人潜っているそうだ。
ダンジョン内は広大なのである。
「見張り要らね~しゃあない、
予定には無いけどチョウウンと、ハットリ君も、
パーティーに加わってくれる?」
「「は、はっ!」」
「序でに、冒険者に成って居無い人、冒険者登録しようか」
「「「「御主人様の思う通りに!」」」」
「「「1人銀貨1枚掛かるんですよ~私達無一文ですよ~」」」
「此処は、奢っておくから、其の分しっかりレベル上げる事!」
「「「は~い」」」
冒険者には奴隷も多く、何でも金で揉める事が無いそうだ。
酷い主に成ると、危険が迫ると自分が助かる為に、
奴隷を囮にする者も居るらしい。世の中世知辛いと思った。
全員の冒険者登録を済まして、名前の記入を済ますと、
「いざ、初級ダンジョンへ!!」
「皆はいっ!」皆
俺の初めての、ダンジョンアタックが今始まるのだった。