-111話ー Sクラスと生徒会
屋敷のメイド達も慣れて来た頃、
俺とエレンは、魔法学院に初登校したのだった。
「其れでは教室に参りましょうか」
「「は~い」」
Sクラスと書かれた札が、掛かって居るドアの前の着くと、
「此処が、貴方達が此れから勉学に励む教室です。
あくまで勉学に励むので有って、エッチを励むのでは有りませんよ」
「いや、分かって居るから、勉強する為に高い金払って来てる訳だし」
「では二人共、入りますよ」
「「は~い」」
ドアを開くと、先生を先頭に、エレン、俺と入って行った。
「うん中々、可愛い男だにゃ~パシリに使うにゃ、
男を従えて箔をつけるにゃ」
「んんま~可愛い、可憐な男の子です事~
エルフの私にぴったりだ事」
「って、お前、男うさ」
「あ~腹減った~ずら~」
「ぐぅ~ぐぅ~すぴぃ~すぴぃ~・・・・・・・・」
先生は、パンパンと手を叩くと、
「はいはい、皆さん静粛に~!
今日は、新しいお友達を紹介します」
「お、お友達って~子供かよ」
「じゃあ、自己紹介してくれる?」
「では私くしから、私くしは、エレノワ、スタンダールと、
申しますわ、冒険者をやって居りますの、
魔法剣士ですわ、此れから宜しくですの」
う~次俺だよ~こんなの苦手だな~
「こんにちょわ~」
「皆あっ、噛んだ!」皆
「俺、モモタロウって言います、ヒーラーです、よろちく」
「皆あっ、又噛んだ!」皆
「二人共、一番後ろに用意して有る、席に付いて」
「先生~一番後ろに有る、ロフトは何ですか~
でっかい机に脚だけ見えて居るんですけど~」
「あ~あれね、気にし無くて良いわ、でも、
覗いたりしたら駄目ですよ~
死にますよ~マジで・・・・・・・・
君達にはまだ説明して居無かったわね、
此のSクラスは特別で、既に帝国魔法使いに成れるレベルの者、
他国の身分の高い人等の特別クラスなのよ」
「要は?」
「御免なさい、教える魔法が有りません、って事かしら~?」
「「金返せ~!!」」
「まあまあ、魔法関係の授業も有りますし、
例えば、召喚魔法とか魔法薬の勉強とか、剣や格闘の授業とか、
読み書き、算術、歴史、経済、戦術、帝王学、貴族社会のルール等、
多岐に渡って勉強しますから、
帝国魔法使いは貴族認定されますので、
このクラスにいる時点で、
既に貴族認定されて居るのですよ、
だから、色々勉強しなくちゃね」
「帝王学・・・・要る?」
「はい、他国の王族も居ますし、
人生、何が有るか分らないでしょ」
「「何で、最初に教えて呉れなかったの?」」
「忘れてました~・・・・てへっ」
「「殴っても良い?~ぐうで」」
「何時までも漫才して無いで、さっさと授業を始めるにゃ!」
「はいはい、さっ席に付きなさい」
「「は~い」」
「エレンが前を歩いて席に向かうと
「にゃっ」
行き成り、エレンの足を引っ掛けようと足が出て来た。
エレンは其のまま、引っ掛けた足を引き摺って後ろ迄、
「にゃ、にゃにをするのにゃ~!」
「あら、御免あそばせ、
足元に糸くずが付いて居るのかと思いましたら、
汚い、ネコの足でしたのね」
「貴様~やる気かにゃん!」
「あら、良い度胸です事、ドラゴンスレイヤーの私達に、
喧嘩を売るのですね死ぬ覚悟は有りまして?」
「お前達、ドラゴンスレイヤーなのかにゃ?」
「ええ、巨大な飛竜を狩りましたわ」
「・・・・ふん、今日は此れ位で勘弁してやるにゃ」
と、ネコちゃんは、すごすごと席に戻って行った。
「ネコちゃん、余り五月蠅くすると、あの方を又怒らせて、
又、照り焼きにされるよ~ぴょん」
「げっ!にゃ」
後ろを見てネコちゃんは、胸をなで降ろして、
「ふん、あんな奴が怖くてネコをやってられるか、にゃん」
と、小声でうそぶいて居た。
「何かネコちゃん、めっちゃ怖がって居るけど、
影の総番長とか?まさかね~」
俺達が席に付くと、ホームルームが始まった。
と、エレンと反対隣の女の子が、
「初めまして、私は生徒会長のアンザン、ガーター、
ネコさんは、何時もあんなんだから気にし無いでね、
私は水属性の魔法使いなの、君は?」
「あっ、始めまして、俺はモモタロウ、回復術師です。
エレンと、二人でパーティーを組んで居て、
ヒーラーとタンクをやって居ます」
「モモタロウ君か~冒険者なんだね~かっこ良いな、
私と、お友達に成って呉れない?」
「い、良いですよ」
「嬉しいな~後で二人共、学院を案内するね」
「宜しくですわ、アンザンさん、私くし、
アタッカーですの」
「はい、宜しくね、エレンさん」
アンザンさんのお尻は、実にアンザン、ガータで、有った。
「皆さん今日は、召喚術に付いてのお勉強をします。
45ページを開いて下さい」
≪バ~~ン!!≫
と、勢いよく扉を開くと、
「ダ~リン、浮気は〇さないっちゃ~!」
「ら・・・・ヨハンナ先生、何事ですか?騒がしい」
「だ~・・・・モモタロウ、直ぐに来るっちゃ~
生徒が死に掛けてるっちゃ~」
「はいはい、分かりました~勉強出来ね~」
俺とエレンは、ヨハンナ先生に闘技場に連れて行かれると、
其処は、世紀末だった。
「モヒカン、革ジャンの筋肉もりもりが一杯だ~
ケン〇ロウにに、やられる、やられキャラが、ひでぶ~だ~
で、全員が、何で女性なんだよ~・・帰りたい・・・・」
「私くしもですわ」
「モモタロウ、こいつだっちゃ~」
「何か首の位置が可笑しく無い?」
身長2メートルは越えるべん髪大男が、首を90度に曲げて、
横たわって居た。
「あっ、もう死んでるね、サヨナラ~」
「ロン様を助けて、私の一番大事な物を上げるから」
と、モヒカン、筋肉もりもりお姉さん軍団がにじり寄って来た。
「怖い~!はい、分かりました。先生~首をもとの位置に!」
「わかったっちゃ!」
「ひぃ~怖いよ~ヒール~」
べん髪筋肉ダルマの体が、輝き出して、
「ぶっはっ!」
と息を吹き返し、気付いた。
「げほっ、げほっ、あたしは、如何したのかしら?」
「モヒカン軍団ロン様~良かった~」モヒカン軍団
「先生~誰?此の人、怖いよ~」
「ああ、此奴は、ロン、モルヒネ、モルヒネ侯爵家の3男だっちゃ
此のバカ、ビックバッファロー持ち込んで、
急に格闘始めて、吹き飛ばされたっちゃっ
落ち方が悪くて、首の骨を骨折したっちゃ
やばかったっちゃ、親衛騎士隊、隊長のモルヒネ侯爵の息子、
死なせる所だったっちゃ、危うくクビに成る所だったっちゃ
モモタロウのお陰だっちゃ、侯爵に無礼打ちされる所だったっちゃ
お礼に、モモタロウのお嫁に成るっちゃ」
「又かよ、要らねえよ全くもう、何て、学院なんだよ」
「モモちゃん、あの牛は?」
「あれが、ビックバッファロー?デカいな、牛と言うより、
ゾウじゃね?」
「モンスターですからね~凶暴ですわ」
「何で、そんなもん持ち込むんだよ~」
エレンはすっとその場から牛の方へと駆けて行くと、牛の突きを、
かわして、下から上へと、抜刀一閃、居合抜きで切り上げた。
ほんの数舜、動きが止まった牛の首がずれる様に落ちた。
刀に付いた血を振り払うと、
ビックバッファローをストレージに仕舞った。
「皆お~~っ!パチパチパチパチ~」皆
エレンが、此方に戻って来ると、
「エレン、流石レベル35だね~で、
牛を仕舞ったのは何で?」
「当たり前ですわ、此の牛とても美味しいんですの、
今夜は、此の牛で焼肉パーティーですわ~」
「今月苦しいから、お肉、少し分けて欲しいっちゃ、」
先生にお肉を10キロ程分けてあげたら、凄く喜んで居た。
「さあ、モモちゃん、教室に帰りましょう」
「ちょっとお待ちになって~」
「牛なら返しませんわよ」
「貴方では無いわ、貴方の後ろに隠れた殿方、
そう貴方、見付けましたわ、
私の白馬の王子様。此れは、運命の出会いですのね」
「で、ロンさん、何で又あんなモンスターと、素手で?」
「はい、お恥ずかしいのだけれど、ビッグバッファローで、
筋トレしていたら小石で躓いてしまいまして、
体勢を崩した所で、吹き飛ばされてしまい、あのような姿に」
「いや、恥ずかしいのはあんたの頭だろ?色んな意味で、
モンスターで、筋トレって何?死ぬの?で、其の立派な髭は?
孫居るんじゃね~?其れに、モヒカン軍団は?」
「あら私、今年18歳ですのよ、少し恥ずかしいのだけれど、
此の頭は、我が家の伝統で御座いますわ、
此の愛らしい娘達は、侍女ですわ。
で、モモ様、子供は何人欲しいですか?
きゃっ言っちゃったわ、恥ずかし~」
俺は、スキル逃走を使って全速力で逃げた。
「あ~モモ様~お待ちになって~」
「あ~ばよ~・・待つかよ~待ったら死ぬきっと、死ぬ」
俺は教室に逃げ帰った。
「あら、モモタロウ君お早いお帰りだね、
エレノワ君はまだかい?」
「はい、もう暫くしたら戻ると思います」
「ふむ、トイレか、まあ良いだろう。席に付きなさい」
「は~い」
暫くして、エレンが、帰って来た。
「モモちゃん、酷いですわ、先に逃げ出すんですもの」
「御免、エレンでも、もしあのモヒカン筋肉ダルマがエレンに、
あんな事言って、迫って来たら如何する?」
「・・・・脱兎の様に逃げますわ」
「ですよね~」
此の後、召喚魔術の講義をうけて、
≪か~ん、か~ん、か~ん≫
「はい鐘が鳴りましたね、午後の授業は召喚魔法の、
実地練習を致しましょう、
鐘がなりましたら魔法訓練場に集合する様に」
「皆は~い」皆
「モモタロウさん、エレノワさん、お昼は、
何処で食べるのですか?」
「エレンで良いわ」
「じゃあ私も、アンザンで」
「じゃあ俺もモモで」
「私くし達は、お弁当ですので中庭にでも行きますわ」
「もし宜しかったら、生徒会室で食べませんか?」
「良いですわよ」
「じゃあ決まりですね、一緒に参りましょう」
「モモちゃん行きますわよ」
「は~い」
「ちっ、此れだから人間にゃあ」
「ネコちゃん、又、博打ですって文無しなのぴょん?」
「しゃらくせいにゃ!おい、カツアゲに行くにゃ」
「まあ、乱暴ですわね、此れだから獣人は嫌われるのですわ」
「五月蠅せ~にゃん、オカマエルフは黙って置くにゃ~」
生徒会室に入ると、3人の女の子が突っ伏して居た。
「「「会長~お腹減ったよ~何か食べさせて~」」」
「貴方達は、又、文無しなの?良いわ、
私のお弁当を分けて上げるわ」
「「「さっすが、会長~男前~!」」」
と、3人が起き上がり、
「「「あっ!」」」
「命の恩人」
「美味しいお菓子のお客さん」
「美味しいご飯のお客さん」
「散々な憶え方だなおい!」
「まあ、間違っては居無いですわ」
「貴方達、モモちゃんと、エレンさんを知って居るの?」
「知って居るも何もこの前話したじゃ無いですか~」
「ああ、大火傷を負った所を助けて貰い、お礼に毛を見せたって言う?」
「言い方!」
「はい」
「貴方は、お風呂にお湯を入れたら、
美味しいお菓子をくれたって言う?」
「はい~」
「貴方は確か、自分の料理をバカにされたと勘違いして、
文句を言いに行ったら、逆に美味しい御馳走を、
食べさせて貰ったって言う?」
「はい」
3人共、目をキラキラさせて、
「「「その節は、有難う御座いました~」」」
「いいえ、お粗末様、弁当沢山有るから、皆も食べる?」
「「「「「は~い!」」」」」
「何で、エレンも混ざるの?」
「まあ、沢山有る唐揚げにするか、其れとコンソメスープと、
ポテトサラダだね、デザートはチョコパにするか~」
と大皿に入った唐揚げと、コンソメスープの寸胴と、おひつに、
お茶碗と、箸に、スプーンにフォークに、スープカップに
コップに、麦茶に、ポテトサラダの大皿と、取分け用小皿を出すと、
大きい長机も一杯だ。ご飯をよそってスープを入れて、
塩コショウとタルタルソースとマヨネーズと、
サラダドレッシングを、準備したら、
「各自、小皿に取り分けてね~じゃん、食べようか」
「「「「頂きま~す」」」」
「「頂きますって?」」
「はい、会長~命を頂きますって、意味らしいですよ~」
「其れは、良い言葉ですね、では私も」
「「頂きます」」
「んん~美味しいですわ~でも此れは、ビールが欲しく成りますわ~」
「「「「ビールって、何ですか~?」」」」
「まあ、良く冷えたエールの様な飲み物で、
エールより遥かに美味しいのど越しですの」
「「「「飲みたいで~すっ!」」」」
「学校だからダメです~
生徒会の役員がそんな事言っちゃダメでしょ」
「「「「「ええ~ぶ~ぶ~」」」」」
「はい、ぶ~ぶ~言わない、午後の授業が始まっちゃうよ」
「「「「「は~い」」」」」
此の後、デザートを食べ終わる迄、
誰一人喋る事無く食べて居た。