-103話ー 改修した屋敷
学院長室を出た俺達は、事務室に戻って、
「はい、お疲れ様でした。此れは、一年分の教材と、学生服とに成ります」
俺とエレンは、教材と学生服を魔法の袋に仕舞うと、
「あらお二人共、魔法の袋をお持ちですのね、羨ましいですわ。
所でマドカその服装は?」
「おう、新しい教員の制服ぜよ、色っぽいだろう、
お局様、で、中身もこうぜよ」
ばっとスカートを捲り上げると、
黒のガーターベルトに黒のパンツに黒の長靴下が、丸見えに、
「どうだ。エロイだろう!此れなら男をゲット出来るぜよ」
「お局様言うな!でも中々やりますね、
早速私も買い替えましょう」
「お局様、私も見て下さい。ほら」
ポワンもスカートを捲し上げると、
白のガーターベルトに白のパンツ、白の長靴下が丸見えに、
「どうです、清純でかつエロイでしょう。此れで、
お婿さんをゲット出来ます~」
「お局様言うな!う~む強敵ですね、私も早く波に乗って、
お局様を卒業しなければなりませんね、夢の寿退社の為に」
「いやいや、スカート自分で捲り上げて居る時点で、
清純じゃ無いですから、殆ど痴女ですから」
「所でお二人様、
授業料は30日で金貨1枚に成って居ますので、
今度いらした際に、
今月分の納入の方をお願い致しますね。
此方は、修学旅行の積み立ても含みますので、
宜しくお願いします」
「はぁ~入学金以外に授業料居るんだ~」
「仕方有りませんわね、一年分でお幾らに成りますの?」
「はい、お二人は途中入学ですので、
残りの授業料は、金貨6枚と成りますね」
「分かりましたわ、二人分で金貨12枚です。はい」
「はい、確かに受け取りました。
此の金貨も女帝時代の金貨に成りますね、
金貨の付加価値2割増しで計算いたします。
此方が、お釣りと受取証と成りますので、
無くさない様に保管しておいて下さい。
え~っと、書かれて居る用紙には、
お二人共、S級クラスで、
7日後からの授業と成りますので、
忘れない様にお願い致しますね、
時間は、授業の一刻前に鐘が鳴ります。
2回目の鐘が鳴ったら授業開始に成りますので、
遅れない様に」
「「は~い」」
「では、本日の手続きは以上で終了です。
お疲れ様でした。私も急いで購買に行かなければ!」
と、言うだけ言って部屋を飛び出して行った。
「やれやれ、まだ決まったばかりで、
購買で売って居る筈も無いぜよ、お局様も、気が早いぜよ」
「其れは、あれじゃ無いですか~
落ち着いているように見せて居ても、
実は、凄く焦って居るんじゃ無いですか~」
「「・・・・は・は・ははは・・・・
じゃあ俺達此れで、(私くし達此れで)」」
「はあ~い7日後、楽しみにして居ますね~」
「うむ、7日後にな」
俺達は事務室を出ると、其のまま学院の外に出て行った。
其の頃、魔法の試射場では、ヨハンナが、
「レベル1に負けた。レベル1に負けた。レベル1に負けた。
レベル1に負けた。レベル1に負けた。レベル1に負けた。」
と、呟いて居た・・・・・・・・
古い街並みを二人歩き乍ら、
「何とも、大変な学院だね~」
「聞いて居るのと大違いですわ、もっとこう、
威厳と言いますか、格式と言いますか、
帝国最高の教育機関ですのに、
何とも、期待外れでしたわ」
「まあ、学院長が幼女の時点で、格式なんて吹っ飛ぶよね~」
「はぁ~そうですわね~・・・・
私くし今迄、何の為に頑張って来たのやら・・・・」
「良いんじゃない?肩肘張る事も無いだろうし、
気楽にやれば~?」
「本当、そうですわね、5年間の学院生活、
楽しむ事に致しましょう」
「へっ、5年も、学校に通うの?」
「はい、そうですわよ、
此れから魔法の他にも歴史、経済、科学、
文化に渡って、最新の教育を受ける事に成りますわ、
更には、優秀な生徒には学院の研究部門への
配属なんてものも有って、
多岐に渡っての研究が成されていますのよ、
認められれば、帝国アカデミーの会員に成って、
教授に成れますわ」
「ふ~ん、大学の様なもんかな?まあ俺は、
楽しい学生生活が又、送れると言うのが一番だけどね、
なんせ、前はアルバイトで、
4年間終わっちゃったしね今回は有意義にしたいな」
「モモちゃん、学校に通ったことが有りますの?」
「いや、前の人生でだよね、
俺、前の人生憶えてるんだよね~
今は15才だし、お金も有るし家も有る。
楽しい生活が出来ると良いな~何て、思って居る訳だよ」
「へ~珍しいですわね、私くしも前の人生憶えて居たら、
そんな風に思えるのかしらね~でも、モモちゃん、
私くしが一緒なんですから、
楽しく無い筈ないじゃ有りませんか」
「うん、そうだと良いよね、っと、
宿に帰る前に、屋敷に寄るよ、
もう屋敷の改修出来て居ると思うからさ」
「リリー様は本当に凄いですわね、
何処かの青い万能ロボットみたいですわ」
『褒めて~もっと褒めて~竹コンブ~っス』
「うん、リリーは本当に凄いよ~有難う」
『え、えへへへへ・・・・~』
「あら、リリー様でも照れるんですのね、うふふ・・・・」
屋敷の大きな門に着くと、油を指して貰って動き易くなった、
鍵で通用扉を開けて中に入ると、広く上品な庭に出た。
庭をず~っと歩いて行くと、屋敷が・・・・無い、そう、
屋敷は、今、ストレージの中なのだ。
「門から此処迄歩くのは、結構大変だな」
「あら、そう?私くしは好きよ、
庭の花壇には花が咲いて居るし、
円形の噴水池も素敵ですわ、きっと季節によって、
咲く花が楽しみに成ると思いますわ、
小径も石畳みで広いし、馬車が余裕で交差出来ますわ。
此れだけの庭でしたら、学友が出来たら自慢できますわね。」
「そんなもんかね~」
「はい、そんなもんですよ~お友達と、お茶会がしたいですわ」
「其れも良いかもね、」
と、俺は、屋敷の有った場所にストレージから、
改修された屋敷をドン、と出した。」
「わぁ~何て綺麗なのかしら!」
真っ白い石造りの宮殿が飛び出してきた。現代で言う所の
アメリカのホワイトハウスの様な感じで、3階建てだ。
此の世界では、貴重なガラスがふんだんに使われている。
「此れ、宮廷の宮殿にも負けて居無いんじゃ無いですか?
私くし、此れ程、ガラスがふんだんに使われて居る屋敷なんて、
見た事無いですよ」
「うん、中々の物だね~母屋の他にゲストハウスが左右に2棟か、
良い感じだね、あの正面に有る盾のレリーフは?」
「あ、はい見惚れて居ましたわ、あのレリーフですね、
通常はあそこに、貴族家の家紋を入れますのよ」
「え~如何しようか~俺平民だしさ~、
エレンの家の家紋入れちゃ駄目?」
「別にダメでは無いですけれど、
一応、お姉様に知らせて置きますね」
「うん?お父様じゃあ無いの?」
「はい、私くし追い出されて居ますし、
お姉様にはとても可愛がって頂いて居ましたが、
兄弟は皆女、姉妹ばかりですし、
御姉様が実家を継ぎますから、養子を貰って居ますわ
ハゲオヤジはドケチですけれど、お姉様は寛容ですから、
私くしの話であれば、直ぐにオッケイして呉れますわ
だから、家紋を使って頂いて、問題は有りませんわ」
「そんじゃオッケイと、
言う事で、どんな家紋なの?」
「はい、盾に魔法の杖ですわでも良いのですか?
モモちゃんが手に入れた屋敷ですのに」
「ああ良いよ、家紋が有った方がカッコ良いし、
怒られたら消したら良いんだからね」
「いや、そんなに単純な事では無いのですけれど、
揉めたら最悪、屋敷をとられるなんて事もある位ですよ」
「其の時は其の時、屋敷丸ごとストレージに入れて逃げるさ、
此の位の屋敷なら、何時でも建てられるしね、
で、家紋ってこんな感じ?」
「ハイそのまんまですわ、モモちゃん本当に人間離れして居ますわ」
「良いじゃん別に、じゃあ、家紋、カモ~ン」
正面に有るレリーフと、門に有るレリーフに盾に魔法の杖と言う、
スタンダール伯爵家の家紋が刻まれた。中々カッコ良い
横で、エレンがすっ転んで居る。
「じゃ、中に入ろうか」
「あ、はい、何か本家の家紋より
精緻でカッコ良いんですけど~
何か、複雑ですわ~」
大きな正面玄関から中に入ると、
旅館の様に履き物を脱ぐようにして居て、
左にカウンターが有り、受付に成って居る。
「此のカウンターちんベル置いて有るよ~
何処の旅館だよ~全く」
「此処で履き物を脱ぐんですね、
此れだと屋敷内が美しく保てますね、
本当に、目から鱗ですわ」
「全フローリングだからね、
傷が付かない様に配慮して居るんだよね、
折角の家だし、綺麗に使いたいじゃ無い」
「其の通りですわ、でも此れだけ広い屋敷ですと、
使用人が必要ですわね~」
「正面が、パーティ会場兼リビングだね、
使用人って何人位、要るかな~」
「リビングには広過ぎますわ、此の規模でしたら、
使用人は最低でも10人位、警備が4人は必要でしょうね~」
「隣に休憩室が有るんだね~
俺、秘密が多いし口の堅い人が良いね~」
「廊下を隔てて食堂が有りますのね、
大きな食卓ですわね、
その又向こうにリビングですか、落ち着きそうですわ、
あれは何ですの?枯草?
口が堅い人であれば高くは付きますけれど、
奴隷を買うと言う選択肢も有りますね、
奴隷であれば、どんな秘密も漏れる事は有りませんわ」
「あれは畳みと言って、俺の国の文化だね、寒くなったら、
コタツでまったりと過すのが良いんだよね、
奴隷か~離れを宿舎にするのも良いかもね~
奥に厨房だね、効率良さそうな造りで気に入ったわ~
その向こう側に使用人の休憩室だね」
「2階は如何ですの~奴隷は、
初期費用が高額に成りますけれど、
費用対効果抜群ですわよ、お給料要らないし、
亜人であれば人族より、基礎体力が大きいし、丈夫だし」
「2階は、主寝室と、ゲストルームだね、
主寝室はエレンが使って良いよ、俺には広すぎるから、
亜人の奴隷使用人か~良いかも」
「其れはいけませんわ、やっぱり主寝室は、
主であるモモちゃんが使わないと、
亜人の奴隷使用人って
モモちゃんエッチな事考えて居るでしょう」
「こんな広い部屋無理、落ち着かないよ、
て事で、エレン頼んだ。
貴族の悪役令嬢だしね、3日分宿を取って有るから、
明後日、見に行こうか?場所知ってる?」
「貴族令嬢だからって、
こんな広い部屋に居た事は無いですわ、
実家でもこの部屋の5分の1位でしたわ、
私位下の娘に成ると、
使用人の部屋で済まされてしまいますのよ、
私くしも落ち着いて眠れませんわ、
この部屋はゲストルームにしましょう。
帝都の事なら任せて下さいな、北街の歓楽街の手前に、
帝都で、一番大きな奴隷商が有りますわ。
奴隷商の割に律儀な商人で信用出来るそうですよ、
奴隷を娼館にレンタルなんて事もして居るそうですわ、
其れで裏にも顔が利くそうですし」
「ゲストルームでも、居間と寝室は別々なんだよな~
何処の旅館だよ~寝室だけで10畳位有るし、
居間も10畳位有るよ~
ベランダ付きだし~スイートルームじゃん、
じゃあ、明後日1度、行ってみますかね~」
俺達は2階の豪華な居室を見た後、3階へ、
「あら、3階にお風呂が有るんですわね~って、
ちょっと広過ぎません事~2~30人位入れそうですわよ
あら、屋外にもお風呂が、有りますのね凄く良い景色ですね。
其れでは、明後日奴隷商に行きましょう」
「うん、中々の眺めだね、林や家々の屋根が見えるね、
露天風呂には日本庭園か~岩風呂だし此れは風流だわ~
じゃあ明後日、道案内宜しく~」
此の後、離れへ行って、
「うん、ワンルームだね、俺、この部屋でも良いんだけど」
「其れは、絶対ダメですわ、他の者に示しが付かなく成りますわ」
「ですよね~」
戸締りをしてから宿に戻って、受付のカウンターで、
「戻りましたわ、後、又お風呂の用意をお願い致しますわ」
「はい、承知致しました。お食事は如何なさりますか?」
「用意して来たので、必要有りませんわ」
「うちの店は、肉料理には定評が有るのですけれど、
ワインの品揃えも豊富で、
貴族の方々にも定評が有るのですが?」
「必要有りませんわ、どうせ香辛料と、
ハーブしか使って居無いのでしょう?
うちのモモちゃんの方が遥かに優秀ですわ、
其れにお酒だって、多種多様で、
凄く美味しいのよ、
高いだけのワイン何てお話に成りませんわ」
「はあ、そうですか、失礼致しました」
俺達は部屋に戻って、
「さて、今夜は何んにしようかね~焼肉の話が出たし、
ドラゴンの焼肉定食にするかね~」
作り置きの、ドラゴンの炭火焼肉を大皿で出して、
垂れは勿論、白金のタレだ。お好みでニンニクを、
スープはあっさりと、ワカメスープで御飯大盛りに、
忘れちゃいけない、肉にはサラダだ。ポテトサラダも加えて、
ハイ出来上がり
「「では、いただきま~すっ」」
俺達が焼肉定食を食べて居ると、ドアをノックする人が、
「は~い鍵は空いてるよ~」
「失礼します。お湯を入れに来ました~」
「ああ、昨日と同じ人だね、宜しくね~」
「美味しいですわ、美味しいですわ、もぐもぐもぐもぐ、
ぱくぱく、もぐもぐ、ぷしゅっ、ごくごく、プッハ~美味ぇ~
生き返りますわ、きっと私くしは、此の時の為に生きて居るのですわ~」
「お嬢様、お湯を張り終わりました~」
「今日もご苦労様、時間が空いた時にでも、食べてね」
今日はチョコイチゴを、渡すと
「昨日頂いたお菓子、凄っごく美味しかったです~
有難う御座います~」
「そう言ってくれると、嬉しいよ」
「此のお菓子は、旦那様が作られたのですか?」
「そうだけど」
「尊敬します~憧れます~」
「褒めてくれて、有難う」
其の時、どたどたどた、と階段を上がる、誰かの足音が、
どたどたどた、バ~ン!!と、乱暴に扉を開けると、魔女衣装の、
一人の少女が現れて、
「私の料理が不味いって言ったのは、貴方ね~!!」