-101話ー ルグレス魔法学院
俺達は、新しく手に入れた屋敷の庭で、
少し早い昼ご飯を食べ乍ら、
「さて、昼から何をしようか?宿に帰って、ヘタって居る?」
「魔法学校が近くに有るし、
お金が有れば入学の手続きをしたい所ですわね、
でも、飛竜がお金に成るのは、明日ですし・・・・」
「気になる入学費用って、お幾ら?」
「はい、金貨100枚ですわ」
「へっ?1000枚じゃ無く?」
「何をバカな事を言って居ますの?死ぬの?
金貨100枚と言えば、平民であれば、
贅沢しなければ、一生暮らせる額ですわよ~」
「そうなんだ~そう言や金貨1枚で、
20万円位だったっけ、
田舎の農民であれば1年位、暮らせるんだった。
100枚なら100年、2000万円位か~
ん?入学金2000万円って、高くない?」
「高いに決まってんでしょうが~!だから、
金持ちの貴族の子弟か、豪商の子弟しか入れないの~
もしくは、高位の僧侶か冒険者ね、
うちの様に高い身分の貴族でも、
親がケチだと入れないのよ~!」
「可哀そうに、エレン、親がケチだったんだ。
で、悪役令嬢に成ったんだ~」
「そうよ悪い?親がケチだと娘はグレる物なのよ、八つ当たりよ」
「う~ん、分らなくも無い。所でリリー」
『はい、何スか?』
「ストレージに屋敷回収した時に、お宝も回収した~?」
『ばっちり、回収して居るっスよ~奥方のへそくり迄、
お宝ざくざくっス~』
「へそくりって、
で、この屋敷のお宝、全部で幾ら位になるの~?」
『そうっスね~現金に宝石、美術品に調度品・・・・
現金は金貨だけでも、まあ、
ざっと金貨154、325枚位に成りますね。古いですが、
其の外を入れると、金貨100万枚以上の財産が有りますね~
良くため込んでいたっス~』
「エレン、今リリーに此の屋敷に有った財産、計算して貰ったら、
古い金貨だけで、
ざっと154,325枚だって~半分っこしようか?」
エレンは、ストンと座り込むと、
「こ、腰が抜けましたわ、1000枚もあれば充分よ、其れで、
お姉様に仕送りしたうえで、生活費も5年分位賄えるわ、
っつうか、一生、生きて行けますわ」
「う~ん、じゃあ、70,000枚ね、
はい、どん!魔法の袋に入れといて、
古い金貨だから現行の価値調べといて~」
「ひぃ~え~アメリカロトかよ~!好きにして~
って、現行の価値って案外しっかりして居ますのね、
確かに其の時代によって、
金の含有量変わって来るらしいですわ。」
「そう、前もって知っておかないと、
現行の金貨よりも価値が低かったら嫌だしね~
しかし、流石に量が量だからね~王金貨や、
白金貨大金貨、混じって居るからね」
「ヒック、ヒック~価値云々と言うより、
こんなの、怖くて持ち歩けないよ~」
「そりゃそうか、リリー如何しよう?」
『そうっスね~しゃあ無いので、子分にしますかっス』
「じゃあ、エレン俺の子分に成る?」
「いや・・・・親分が良い」
「其処は折れないんだ。良いよ、じゃあ親分と言う事で」
エレンの体が輝き出して、魂が繋がった。
「モモちゃん、リリー様の声が聞こえましたわ、
魔法の袋に入って居る物を全部ストレージに、
はい分かりましたわ、
私くしの荷物の管理を、全てして下さるそうですわ」
何か、楽しそうに魔法の袋から、ストレージに荷物を移し出した。
「エレン、盗まれても良い様に、
おこずかいを魔法の袋に入れとくと良いよ」
「そ、そうですわね、そう致しますわ、
其れと価値の話ですけれど、
先々代の時代は此の国の全盛期だったので、
確か金の含有量も、今より少し多かった様に思いますわ、
と言いましても、今が悪い訳では御座いません事よ、
ルグレス帝国の金貨は、北大陸でも最高品質で御座いますの。
コッサリア神国の金貨と為を張りますわ。
先々代の女帝の時代が、凄過ぎただけで御座いますわ。
クソ・・・・父が商人と話しているのを聞いた事がございますの。」
「んじゃ、魔法学校に入学金払う時にでも聞いてみようか?」
「そうですわね、あそこは何でも超一流ですから、
懇切丁寧に教えて頂けるでしょう」
「後明日、又金貨200枚入るから、100枚づつに分けようね
其れを当座の小使いにしようか?」」
「ひぃ~許して~もうこれ以上は無理ですわ~
金貨100枚が小使いって勘弁ですわ~」
「まあ良いじゃ無い、有って困る物でも無いし、
幾らでも入るし」
「其れはそうなのですけれど、怖いですわ」
お茶を飲み乍ら食休みを取ってから、俺達は魔法学校へと向かった。
屋敷を出て直ぐに大通りへ、古い街並みが広がって居る。
もう既に魔法学校が見えて居るのだが、凄く大きい。
貴族街と平民街の壁を跨ぐように立って居た。
「おお~ホグ〇ーツだ~門に、衛兵が立って居るよ~
門番じゃあ無いよ~」
「そりゃそうでしょう、女帝陛下も通って居られるのですから」
衛兵がやって来て、
「其処なお二人様、魔法学院へは如何様な御用ですかな?」
俺達が、ジュリアナちゃんのメダルを見せると、
「私くしは、スタンダール伯爵家の6女のエレノワと申しますの、
此の者は、同じパーティのモモタロウと申します。
今日は二人、入学手続きに参りましたわ」
衛兵は、メダルに魔力を流すと、
「其れは、お疲れ様で御座います。今日は女帝陛下も、
お越しに成ってお出でですので、運が良ければ、
御尊顔を見られるかも知れませんよ」
「まあ!其れは楽しみですわ。
是非女帝陛下の御尊顔を拝見したい物ですわ」
「はい、良い事が有ります様に、ではどうぞ」
門の中に入ると、広く美しい庭園が広がって居た。
大きな建物の中に入ると、受付のカウンターが有り、其処で、
「私くし達2人、入学の手続きに参りましたの」
「それは、良くお越し下さいました。其れでは此方に」
先ず通されたのは事務所で、其処には事務のお局様が、
「良くおいで下さいました。先ずは、入学金をお納め下さい」
「「はい、古い金貨なので価値も教えて欲しいのですが」」
俺達は、皮袋に入った金貨を差し出すと、お局様は、
事務的に数えて、
「此れは、先々代の女帝陛下の時代の金貨ですね、
先々代の女帝陛下の横顔が刻まれていますね。
此の金貨は現行金貨よりも、金の含有量が少しですが多く、
又、大きさも一回り大きくて、重いです。
まあ、帝国最高の女帝の時代の金貨と言うプレミアも有り、
好事家の収集の対象でも有り、
現行金貨の2割増しと言った所でしょうか、
では、200枚ですので、40枚を返却いたしますね、
はい領収致しました。ようこそルグレス魔法学院へ」
と、凄っごい微笑みを向けて来た。
強烈な営業スマイルである。流石お局様。
「さて、説明に入る前に此の用紙にお名前と、年齢、職業、と、
得意な魔法を書いて下さい」
「「はい!」」
俺達は、サラサラと必要事項を記入すると、お局様に渡した。
「エレノワ、スタンダール様は、
スタンダール伯爵家の6女で有りますね。
17歳で魔法剣士と、得意な魔法はファイヤーボール。
宮廷魔法兵団に既に入団出来るレベルですね、
将来有望の若手ですか、素晴らしいです」
と、エスと書かれたハンコをぽんと押すと、
「次は、モモタロウさんですね、あらまあ、
可愛い子はぁ~15才ですか、食べ頃ですね、
此の学院は女性が多いので、気を付けて下さいね、
一つ間違うと、酒池肉林に成って仕舞いますので、
私なら、何時でもオ~ケイですが、
と、冒険者でヒーラーとタンクですか、
得意魔法はヒールと防御結界、
即戦力じゃあ無いですか、
其れも、希少なヒーラーの、良くおいで下さいました。
モモタロウさん。此れから宜しくお願いしますね
お二人共高位冒険者なのですね、先行きが楽しみですね。」
と、俺の用紙にもエスと書かれたハンコを押すと、
「では次に、魔法の実地を見せて頂きますね、
ヨハンナ、後は宜しくね」
「はい、承知致しましたわ、お局様」
「お局様言うな~!!」
「・・・・やっぱり、お局様なんだ」
「アタイは、ヨハンナ、宜しくだっちゃ、
剣の指導担当だっちゃ」
「う~ん、浮気したら、雷撃喰わされそう~」
「最近の子供は、
直ぐに壊れてしまうから困ったもんだっちゃ~」
「ヨハンナ先生、何で壊れるの?」
「んん?木剣でしばくと、直ぐに骨折するっちゃ」
「じゃあ、竹刀と防具にしたら?」
「何それ?」
魔法の袋から出したように見せかけて、
ストレージから竹刀と防具を出すと、
「魔法の袋持ってるんだ。良いな~だっちゃ」
「此の竹刀で、防具叩いてみて」
「うん、だっちゃ」
≪パ~~ン!!≫
「おお~!凄く良い音がするっちゃ~」
「食いつく所、其処~!」
「此れ借りて良いか、だっちゃ?」
「だっちゃ、無理に付けて無い?
良いっスよ~此れなら思い切り打っても脳震盪位で、
怪我も少なく成ると思いますよ」
「君は天才か~気に入ったっちゃ」
学内の魔法の試射場に案内されて、
「さあ、得意魔法を撃つっちゃ~
先ずは、エレノワ君、撃つちゃ~」
「はい」
エレンは、ファイヤーボールを的に向けて打ち出すと
スピードに乗ったファイヤーボールが、
的に当たって、燃え盛った。
「おお、無詠唱か~スピードも良いし、
破壊力もまずまずだっちゃ
で、剣の腕は、真剣で良いから掛かって来るっちゃ~」
「ええ~っ!私くしレベル35ですわよ~死にますわよ~」
「まじか~うち、レベル30だから軽く死ねるな~
じゃあ、竹刀にするっちゃ」
「はい、良いですわよ、モモちゃん竹刀出して」
「は~い」
一瞬で決まった。ドラゴンスレイヤーは伊達では無いのだ。
「ずるいっちゃ、魔法使いの癖に強すぎるっちゃ、
此れなら、ドラゴンでも倒せるっちゃ」
「はい、私くし達今日、ドラゴンスレイヤーの称号を
冒険者ギルドから頂きましたわ」
「そ、其れは反則っだっちゃ~次モモタロウ~・・・・
レベルは?やっぱり35位~?」
「いいえ、俺ヒーラーですから、攻撃レベルは1で、
その辺の酔っ払いのおやじより弱いですよ~」
「おお~可愛い奴っちゃ~其れなら、真剣で来るっちゃ~」
「いや、剣は俺居合初段で、北辰一刀流初段ですよ~
初見では、エレンに勝ってるし~下手したら死にますよ~」
「え~っ!まじですか~
うち、死にたく無いっちゃ~じゃ、竹刀で」
「は~い」
又、一瞬で決まった。
ヨハンナ先生は、馬の様に両手を地面に付けて、
「レベル1に負けた。レベル1に負けた。レベル1に負けた。
レベル1に負けた。レベル1に負けた。レベル1に負けた」
と、ブツブツ呟いて居た。
「ヨハンナ、何一人で呟いて居るぜよ、おまんらが、
此の学院に新しく入学するって言う生徒がか?
私は、魔法担当の教師で、さかも・・・・マドカって言うぜよ」
肩に素っ裸の女性を担いだ、身長170センチ位の、
色白、金髪ロングの魔乳の女性が
腰をブンブンと振り乍ら、現れた。
「・・・・牛乳だね」
「・・・・ええ、牛乳ですわ」
「・・・・牛乳??(うしぢち)・・・・コホン、まあ良いぜよ、
所で、ヒーラーってどっちぜよ?」
「ああ、俺です」
「ん、実地の代わりに、此の娘を治して欲しいぜよ」
と、肩に担いでいた女性を地面に降ろした。
「見ての通り全身、1度~2度の火傷をして虫の息だぜよ」
「ふむ、金髪なのに下は赤毛なんですね」
「おう、上の髪と下の髪の色が違うなんて、
普通に有るぜよって、
そうじゃね~今、大事な所其処じゃね~ぜよ~
此の生徒、魔法薬の精製中に薬液が爆発して、
全身に被ってしまったぜよ。
幸い一命は取り留めては居るが、全身大火傷で虫の息ぜよ、
命を助けてやって欲しいぜよ、
衣服は張り付くと厄介なんでな、
全裸にして有るぜよ」
「ふむそうですか、で、
如何な魔法薬を作って居たのですか?」
「惚れ薬ぜよ!」
「死ねば~?」
「其処を何とか!
スペシャル報酬付けるから頼むぜよ~!」
「スペシャル報酬って?」
「此の女生徒と私の全裸、御奉仕スペシャルセット~!」
「要りません!!」
「其処を何とか!」
「結構です!」
「ヨハンナも付ける!」
「お断りです!!」
「此の生徒死んじゃうよ、ぜよ?」
「う~ん、ぜよ、無理に付けてんな~で、その心は?」
「私がクビに成るぜよ!」
「あんたが、死ねば?」
牛乳先生は土下座をし乍ら、
「私、魔法薬の試験セットのローンが残って居るの~
今、クビに成ったら明日から
ご飯が食べれ無いの~お願い~助けて頂戴~」
と、俺にしがみ付いて来た。
「ぜよは、何処行った~!!まあ、分かりました。
今回だけですよ、ほい、ヒール」
全裸の女生徒の体が輝き出して、
焼けただれて居た皮膚が再生されて行く。
苦しんでいた呼吸も落ち着いて、
唇が血の気を戻して、薄ピンクに、
「凄い、普通ヒールは、
怪我が治っても皮膚が再生される事は無いのだが、
此れは、最早ハイヒールでは無いのかい?」
「ぜよは、何処行った~!!」
「・・・・ぜよ」
「「遅~い!!」」
女生徒はやがて、目を覚まして、
「私は如何なってしまったの?確か、
薬液を全身に被ってしまって・・・
何で生きて居るの?」
「おお~!ポワン!気が付いたか~其処のモモタロウに、
治して貰ったぞ、本当に良かった。
もうダメかと思ったぞ、私の人生も~」
「えっ、モモタロウ様?ヒーラーですか?
ほ、本当に有難う御座います。命の恩人です。」
「まあ、治って良かったですね、先ずは服着ましょうか」
ポワンは胸に手を組んで、
視線を上にしたり下にしたりし乍ら、
「いいえ、裸位何時でも見て下さい。
お尻の穴を見ても良いですよ、
命の恩人ですもの、
おさわりもオーケイです~」
「おさわり良いのかよ~!本当に魔法使いって、
変人ばかりだな~おいっ!」
ストレージから、下着と靴と、メイド服を出して、
「取り敢えず此れを着て、幾ら何でも全裸は不味いから」
ポワンは、パンツを履きつつ、
「モモタロウさんは、
何時も女性の下着と服を持ち歩いて居るのですか?
・・・・ええ私は構いませんよ、
受けって事で、変態さんカムオンです。」
「私も構わないぞ、縛りプレイもオーケイだぞ、ぜよ」
「其のぜよ、絶対に可笑しいだろ~!!って、
服は、エレンので、何時も予備を持ってんの~!」
と、実地でも俺たち二人は、エスのハンコを押された。