-100話ー 事故物件死霊討伐
俺達は、住宅ギルドの、
赤毛の、色白ロリ巨乳のドワーフのお姉さんに連れられて、
近くにある冒険者ギルドにやって来た。
お姉さんは、受付に行くとエルフのお姉さんに、
「エニー、相変わらずの洗濯板ね、
何でこんな所に居るのよ鬱陶しい」
「あ~ら、お言葉ですね
あんたこそ穴倉に潜って居たら、デブ!」
「あっ!エルフとドワーフって仲、
悪いって本当だったんだ!」
「あ~面倒臭い、早く話を進めます。
此方の方が、悪魔の館を購入に来たから、
あんたん所の依頼書を出して頂戴!直ぐに!」
「ふん!・・・・って、」
受付のお姉さんは、俺を見ると、
「ボク、悪魔の館って知ってんの?バカなの?死ぬの?」
「あ~ボインのお姉さんに聞きましたよ」
「まあ、ボインだなんて可愛い子ね」
「本人が望むのなら仕方有りませんね」
と、貧乳のエルフのお姉さんが、棚の箱の中から、
1枚の羊皮紙を取り出すと、
「此れが依頼書に成ります。
冒険者カードを見せて頂けますか?」
「は~い、綺麗でスレンダーなお姉さん」
「まあ、綺麗でスレンダーなお姉さんだなんて、
可愛い子ね、フフフ・・
でも貴方、モモタロウさん、光魔法は使えるの?
使え無いとアンデットは倒せないよ、ボク?大丈夫?」
「ああ、俺実は特殊で、回復魔法でアンデット倒せますんで、
今の所負け無しっスよ~色白美人のスレンダーなお姉さん」
『私の真似は、しないで欲しいっス~』
「まあ、色白美人だなんて可愛い子、でも確かに、
回復魔法でアンデッド倒すって聞いた事無いわね~って
ボク~回復士なの~?しかも、冒険者の~」
貧乳エルフのお姉さんは、
冒険者カードを魔法の機械に掛けると、
「君達!飛竜倒して居るじゃ無い~凄い、
ドラゴンスレイヤーなのね、
で、倒した飛竜の素材は?何処?さあ出せ、今出せ!」
「商業ギルドに売りましたわ!」
「な、何ですと~・・・・ちっ・・先を越されましたか、
仕方が有りませんね、其処の貴方、
貴方もパーティーの仲間でしょう?
カードを貸して下さい。
ドラゴンスレイヤーの紋を刻みます。
でも、レベル1で、ドラゴンスレイヤーとか無いわ~
其処のお嬢さんが、凄く強いのですかね~?」
「ちっ、とか言っちゃてるよ~ああ、
俺ヒーラーだから、凄く弱いですよ、
其れこそ、その辺の酔っ払いのおやじに負ける位に」
「何を言って居ますの、
モモちゃんは地上最強のタンクですわ、
有り得ない防御力を持って居るじゃ有りません事」
と、エレンから冒険者カードを受け取り、
魔法の機械に掛け乍ら、
「へ~って、タンクでヒーラーなんて、凄い逸材じゃ無いですか!
金級のパーティーから、お呼びが掛かるよ、ボク~
エレンさんですか、凄いですねレベル35ですか~
金級に上げられますけど、如何します?銀のまま行きます~?」
「銀のままで良いですわ、魔法学校に入りますから、
暫くは、冒険者家業はお休みですわ」
「魔法学校ですか~しか~し~!春、夏、冬、と、
長期休暇が有りますから、其の時で構いません。
是非冒険者ギルドの依頼を受けて下さい。お願いします」
「ふむ、長期休暇のアルバイトですか・・・・
生活費も心許無いですし、考えて置きますわ」
「はい、宜しくお願いしますね、しかし、
此処で、モモタロウさんを死なせる訳に行きませんね、
私も付いて行きますね、
馬車は冒険者ギルドが出します。直ぐに用意して!」
「受付嬢は~い!」受付嬢
「こんな事、自分で決められるって偉い人なの?」
「私、こう見えて南地区のギルマスやって居ます」
「あら偶然、私も住宅ギルドのギルマスよ、
あんた、来んの?鬱陶しいわね~」
「ふん!好き好んで行くんじゃ無いわよ、こんな逸材、
死なせる訳には行かないのよ、此のデブ!」
「まあまあ、綺麗なお姉様達、此処は仲良くね!」
「「そうね・・・・バチ、バチ、バチ・・・・」」
此の後、俺達は数人のギルド職員と荷馬車に乗って、
その、悪魔の館とやらに向かった。
「現場に行くだけなのに、
何か物々しいですね馬車も大きいし」
「其れはそうですよ、もし、あの死霊が退治出来たら、
遺体を回収しないといけないのですから、まあ、骨ですけれど、
其の後、共同墓地に埋葬しないといけ無いですし
何よりボクを死なせる訳に行かないですからね、
凄く貴重な回復士ですからね、
休みの日だけで構いませんから、
冒険者ギルドに、
冒険者の回復に来て欲しいのです。
勿論、それなりのお手当は出させて頂きますので、
傷を負った冒険者が多くて、本当に困って居たの、
教会の回復士は高いし、
中々来てくれ無いし、お願い出来ますか?」
「喜んで、明日も南街に行きますので其の時にでも、
冒険者ギルドに寄りましょう」
「助かるわ~お願いしますね、モモタロウさん」
「はい」
「あんたら、此の子、今日死ぬかもしれないんだよ~」
「だから、死なせない為の布陣を敷きます。
モモタロウさんが、死んでしまえば南街冒険者ギルドは、西街に負けます。
又、ビリッケツでお姉様に叱られます。・・・・今年こそは・・・・」
「あんたら姉妹は、本当に迷惑なんだから」
「な、何を言って居るの、去年なんてね~去年なんてね~
パンツ1丁で逆立ちして南街一周させられたんだからね~」
「いや、あんたの裸見ても嬉しく無いと思うんだけど」
「何よ~其の手の同好者には需要が有るんだからね~」
「ま~其れはそうだけど・・・・」
「実は此の二人、仲良し~?」
「とか何とか言って居る内に着きましたよ」
「あ~本当だ~凄っげ~瘴気だ~」
「でしょう、見た目に分かる瘴気で、一般人は敷地に入っただけで、
即死レベルの瘴気なんですよ」
「高級住宅街みたいだけど、大丈夫なの?」
「はい、中に入らなければ大丈夫です。
何でも引きこもりの、オタクの死霊らしいです」
「オタクかよ~」
「で、どの様にして退治するのですか?」
「そうですね~中に入れないと言う事なので、
梯子で塀に上がって、魔法を使いますか~」
「そうですか、では、梯子からは降りないで下さいね、で、梯子は?」
俺は、魔法の袋から出す振りをして、ストレージから、
2段梯子を取り出して、蔦だらけの塀に掛けた。
「あらまあ、珍しい梯子ですね、まあ良いですわ、
では、モモタロウさん、
此のロープを体に巻き付けて下さいな、
危険に成ったら、引っ張って降ろしますから」
「6メートルは有るよ~落ちたら死ぬんじゃない?」
「大丈夫!此処に来たスタッフが下で受け止めるので」
筋肉、ムキムキの3人がポーズを取って居る。
「落ちたく無いわ~普通に~で、
誰が見てるの?ってか見えるの?」
「あっ・・・・・・・・此の3人が、
肩車で壁面の所まで行って、
監視して危険に成ったら合図しますわ、
そしたら、私が引っ張ります」
「あっ、て言ったよ~此の人~考えて無かったんだ~
3人が抜けたら、俺を誰が受け止めるの?」
「・・・・良いでしょう!別に、
死ぬよりマシでしょうが~
普通しないんだからね~ギルドは~
大サービスなんだからね~」
「逆切れされちゃったよ~良いですよ別に、
結界シールド張ってるから」
俺は2段梯子に登って
腰の上から出る様にすると、
2メートルを超える、
ムキムキマン達は2段に肩車をすると、其の上に立ち上がった。
「何処の軽業師だよ、サルと言うよりゴリラだね」
一番上の人が塀の上によじ登って、
肘を付いて体半分を塀から出して、
「何時でも良いよ~ボク~」
「は~いって、有れ何?」
「あ~あれが、死霊だね~噂通り醜いね~」
「う、う~ん・・・・あっ、あっれぇ~」
瘴気が塊り人型へ、そして、
・・・・あれだ、昔良く居た、
太ったお兄さんが、眼鏡を掛けて、
リュックサックに紙袋の、そう、
東京や、大阪のアレな所に出現すると言う、
元祖オタクだった。
≪な、何で御座るか~
魔法学院のマドンナを家の力で、うさ耳メイドに、
するので御座る~邪魔をする者は皆殺しなので御座る~
ヒャッハ~!!≫
「う~ん、リリー範囲固定~」
『は~いっス~』
「セイクリッド、ヒール!」
俺の体が輝き出して、
屋敷の敷地内に光の魔方陣が浮かび上がり、
敷地内が光に包まれて行き、悪霊の悲鳴が響き渡った。
≪お~仕置きだべぇ~!!ウッキャ~~!≫
瘴気が、黒いどくろのキノコ雲に成って消えて行った。
「ううぅ~虚しい戦いだったぜ~生きていたら、
きっと親友に成れただろに、悲しいぜ~戦友~」
「「「・・・・・・・・」」」
俺は降りて行くと、
「終わったよ、虚しい戦いだったぜ」
「あらあら、慢性の肩こりが・・・・」
「まあまあ、辛い冷え性が・・・・」
「モモちゃん凄い効き目だね~
改めて見て、びっくりしたわ~」
「じゃあ門を開いて、
サクサクと遺体の回収しちゃいますか?」
「はい、では、通用口を、んっと、錆び付いて居ますね」
っとボインのお姉さんが力任せに、扉を押すと、
ぎ、ぎ、ぎ、ぎ、ぎぎぎ・・・・と開いた。
ドワーフは、相変わらずのバカ力である。
次に内側から正門をやはり、錆びついて開かない。
と、ボインのお姉さんは、
「そぉ~りゃ~!!」
と蹴り上げると正門の扉が、ご~ん~と開いた。
「モモタロウさん油、差して置きますね」
「はい、宜しくお願いします」
と、入って来た馬車の遺体回収を手伝おうとすると、
「遺体の回収は、此の3人がしますので、
私達は、屋敷の確認に行きましょう」
「「「は~い」」」
と、俺達4人は背丈程も有る、雑草をかき分けて行き
「何此れ、屋敷はまだか~?」
「広い庭ですのね、まだ着きませんの~」
「「うん、うん」」
雑草は鬱蒼としているが、上空には青空が広がり、
時折小鳥が鳴いて居る。
「うん、清浄な空気ですね、瘴気のかけらも有りません。
モモタロウさんの回復魔法は、
恐らくは光の性質を持って居るのでしょうね。
例えば、天界の空気の様な、私も知らない、
聖なる回復の奇跡の一種なのかも知れませんね」
「あっ、着きましたね、大きな、立派な屋敷ですね」
3階建ての、ちょっとした高級ホテル並みだった。
50年放置されて表面上は傷んでは居るものの、
少し手を掛ければ、美しい宮殿に成るであろう。
玄関から中に入ると、人骨で一杯であった。
「何せ事件からこっち、誰も入る事が出来なかったので、
事件当時そのままに成って仕舞って居るんですよ」
「ああ、此の貴族の血縁者は皆殺しにされて居て、出て来た金品は、
全て、モモタロウさんの物に成りますよ」
「ヤッタ~まじですの~」
「貴方は何もして居無いじゃ、無いですか~」
「そうでしたわ~だって、お化け怖いんですもの~」
惨劇の後を見乍ら、
倒れたテーブルを起こして、4人座ると、
俺は、兎に角落ち着く様に、
紅茶を出して、皆に入れた。
「あら、此の器初めて見たわ、綺麗、薄くて品が有るわね」
「貴方に品が有る訳では無いわ、
貴方には、素焼きの器がお似合いです」
「な、キィ~ッ!!何ですって~」
「まあ、まあ、綺麗な御姉さん達、甘い物でも食べて、
機嫌を直して下さいな」
と、皆大好き、クレープのチョコバナナをお茶うけに出すと、
大喜びされた。
「まあまあ、美味しいわ~お茶も優しい味で、
全然渋く無いし」
「本当ね~こんなに殺伐とした所なのに落ち着くわね~」
「もぐもぐもぐもぐ、ですわ~」
3人共、口の周りをチョコだらけにし乍らお茶を楽しんだ。
「所で、俺達明日も南街に行くので、遺体の回収作業が終わったら、
宿に帰っても良いですか?」
「「勿論、良いですよ」」
「もう、古い事件で解決もして居るので、問題は無いでしょう。
警備には私から報告して置きますね」
「はい、有難う、助かります」
「其れは此方の方よ、明日はお願いするわね」
「はい、心得ましたお任せ下さい」
遺体は、1時間程で回収し終わり、
行方不明の人数と合ったので、
其のまま、
合同墓地に納めに行くと言うので、此処で分かれた。
俺は、油を差して良く動く、正門と、通用扉を閉じると、
「さて、今日、最後の仕事をするかね」
「今日最後の仕事って?まだ昼前だよ?
何をするんですの?」
「其れは、見てのお楽しみ~リリー此の屋敷、
改修出来そう?」
『10分も有ればオ~ケ~っス~その間に、
コピーも幾つか作って置くっス~』
「はやっ!其れに図面じゃなくて、コピーなのね、」
『図面、何て当たり前っス~私も進歩して居るっスよ~』
「おお~ぱちぱちぱち~頼もしい~」
『任せて置くっス』
俺達は、屋敷に戻ると、
「じゃあ、回収っと、」
ぱっと屋敷が消えると、
エレンがびっくりして、尻餅を衝いた。
「な、何ですの~」
「ああ、ストレージに回収して、
屋敷をリリーに改修して貰うんだ。
其れと、此の荒れた庭だね~」
土魔法で
「セイクリッド、ガーデン!」
辺りが、輝き出して、雑草が消えて、美しい庭が現れた。
「も、もう、何でも有りですわ~!」