創作上のキャラが行う違法行為への嫌悪について~それは現実との混同か?
たまに話題になる創作上のキャラの違法行為についての是非についてですが、
「創作上の架空の存在がやってることに文句をつけるのはおかしい」
「創作に現実の感覚を持ち込むな」
というのはまあ分かります。
実際誰が迷惑かけられたわけでなし、目くじらをたてるようなものでもないのかもしれません。
しかしその「文句」を一律にそのような言葉で片づけられるのは、何というか個人的に据わりが悪いと思い、それは何故なのか少し考えました。
そもそも創作上のキャラの違法行為や倫理に欠ける行動がやり玉にあがる場合、対象は主人公やそれに類する立場のキャラが多いのではないでしょうか。
悪役キャラが悪事を働いているのをわざわざ「この人悪いことやってる!」なんて非難する人はそういないでしょう。
……いやいるかも。
いたとしたらそれはもう私には理解不能な存在なのでどうしようもありません。
さて、では何故主人公の悪事だけが非難されるのか。
子供が真似をするから?
そういう人も居るでしょうが、少なくとも私はそんな理由で強い嫌悪を抱いたことはありません。
某幼稚園児は元気にいらんことしてげんこつくらってもいいと思います。
それに主人公にも悪事を非難されないタイプのキャラはいます。
それこそ敵が軍や警察で、主人公が犯罪者なんて作品も有名どころにはあるし、探せば他にも何人もいるでしょう。
犯罪者ではない。むしろ警官なのに、ちょっとお世辞にも善人とは言えないし、たまに悪いことやってる主人公だっています。
ならば何故彼らが非難されないかと言えば「そういうキャラだから」ではないでしょうか。
悪いことをやっても「ああこのキャラならやるな」と納得されるバックボーンがある。
ならば悪事を非難されるキャラというのは、悪事を働くようには思えない性格、立場のキャラなのではないでしょうか。
正義のヒーローが「悪を倒すためなら多少の犠牲は仕方ない」などと言い出しても、そういう非情な所もあるキャラだという描写があれば納得されるでしょう。
しかしそれまで普通に人的被害にも気を使っていたのに、突然そんなことを言い出したら「なにがあった!?」「いやダメだろ!?」という反応も出てくるかもしれません。
長々と書きましたが、要するに今風に言えば「解釈違い」なのではないでしょうか。
「そのキャラはそんなことしない」
そんな反応がたまたま悪事に対することだっただけという場合もあるのではないでしょうか。
まあ自分で言いだしといて何ですか、その場合お気持ちの問題なので製作者様サイドは別に気にしなくていいと思われます。
気にするとすればそのキャラの行動が自然に思われるような描写や表現を心がけるくらいでしょうか。
「いやこのキャラはこういうことするんだよ」と公式が言うなら、個人が自分で折り合いをつけて消化する問題でしょう。
もちろん「どう考えても納得いかねえ!?」となる場合もあるでしょうが。
以上。
「創作上のキャラのやることを現実と混同するな」という意見に、何か違和感を覚えた人間のまとまりのない感想でした。