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~96~ 託された想い

 






 あれ......。



「......あれ?」



 目と目が合う。見覚えのある、小さな女の子が俺の顔を覗きこんでいた。




「......少し、待っていて。 あの医者呼んでくる」



 これは、夢、か?



 キア?......俺は死んだはずじゃ。



 顔を覗いていたのは、十二騎士の一人キアリク。



 懐かしいな......確か、俺が王都で初めて目をさましたとき、こんな感じだった気がする......。

 部屋も似てるし、何だか懐かしい。




 もしかして、全て夢?



 壮大な夢オチだな......一国が潰される夢なんて。




 な、訳ないか。



 ......と言うか、俺はなんで生きてるんだ?魂が壊れれば、生命活動は停止するはず。

 どう言うことだ......?



 ......。



 て言うか、戦いはどうなった?



 王は戻ってきたのか?皆は......?




 ガチャ。



 扉の開く音。




 ノア、久しぶりだね。と、声のする方を見ると、そこには。



「あ......アレオスさん! なんでここに」


「ある人に呼ばれてね。 お前の力が必要になるって......間に合って良かったよ」


「それって、まさか......」


 にこりと微笑む。


 キアがアレオスに聞く。


「あの、アレオスさん......それでノアの体は」


「大丈夫だよ。 肉体的には僕が完全に修復した。 けれど、普通に生活できるようになるには半年はかかるかな......何せ魂の半分が砕けていたんだから」


「でも今は何とも無いけど......これもアレオスさんが?」


「いや、僕は魂までは治せない。 魂の補強や破壊ができるのは悪魔の名を持つ者だけ......つまり、君を助けたのは七つの大罪ベルフェゴール。 ベルゴさ」


「そんな......最初から俺を?」


「僕はベルゴに呼ばれただけだからわからない。 けれど......」



 ガチャ......と、再び扉が開かれた。


 そこに立っていたのは、いないはずの彼女。




「ノア......お帰りなさい」



 ステラだった。



「......」



 目を見開き、放心状態のノア。それもそのはず、あのときステラが受けた傷は決して浅いものではなく、致命的なものだった。

 アレオスがその疑問を察知し、話し出す。



「斬りつけた時に瞬時に力を弱めていたんだ。 まあ、それでも傷は深かったけれど、彼が本気で剣を振っていたら間違いなく真っ二つだったろうね......そして、傷が深いと知るやすぐに魔力を流し込み応急処置をしていた......形跡があるんだ」



 あの一瞬で!?



「ノア、私......ごめんなさいなのだわ」


「ステラ、謝らないで。 俺のほうこそ君を......」


 その時、ちっと誰かの舌打ちが聞こえた。


 ポンとステラの背を押すキア。


 ノアのベッドへと倒れこんだステラは至近距離のノアと目が合い顔を赤らめた。


「前から思ってたけど、あんたら面倒くさい。 素直になりなよ」


 キアは少しイラついてるように部屋を出ていく。


 確かに、俺は今までステラの為と言い遠くから見守ってきた。その結果がこれだ......ベルゴが相手でなければ俺はステラを見殺しに......。


 ステラの手を握りしめる。


「......あ、ノア」


「ごめん、もう......離したり、しない。 ずっと側にいるから」


 あんな思いはもう嫌だ。そして想い知った。


 俺はステラが......。



「あー......まあ、なんだ。 こんな雰囲気で言うのも何だが、内乱の事だが......国民と魔族、双方の被害人数は計り知れない。 今も正確な所はわからないが、約八万人を越えるらしい」


 それほどまでに、人が魔族が死んだのか......。


「......ちなみに戦争が終わってから今日で一週間」


「そ、そんなに!? 俺、ずっと眠っていたの!?」


「そうなのだわ。 私よりノアの方が心配だったのだわ......」


 ぷんぷん、とステラが腕組をして明後日の方に顔を向けた。可愛い。


「まあ、そんな感じだ! 一週間も寝たきりだったからあれだけど、歩けそうならリハビリがてら町を見て歩くと良い。 町は君の顔を見たがってる人だらけだからね......皆、喜ぶぞ。 ふふ」


 ???


 どういう事?








 ◆◇◆◇◆◇







 ステラに手を引かれ、杖をつきながら外へとでる。



 まず目についたのが、城だ。半壊していて、どうみても修復不可能なレベル。

 あそこで俺達は戦っていたのか......。



 周囲を見渡す。


 荒れ果てた王都の町並みは、以前の美しさを失い瓦礫や倒壊した建物だらけであった。


「......夢みてるみたいだ」


「そうね」


「一瞬......そうだ、一瞬にも感じるような間に、呆気なく人の幸せは奪われる」


 ステラの手を強く握る。


 そうして歩きだすと、町の復興作業をしていた人々がノアに気が付く。



「......あ!! あんた!!」


「え、あ! ノア様!?」


「目が覚めたのか! 良かった!」


 ぞろぞろと集まりだす人々。


 な、なんだ......どうしたんだ?


 戸惑う俺に静かに微笑んでるステラ。ど、どういう事?


「ノアさん、ありがとう! あんたがベルフェゴールを倒してくれたから......」


「魔族の親玉、あなたが倒してくれたんでしょう!? ありがとう、本当に......ううっ」


「まるで地獄のような戦いをノア様が終わらせてくださったんですよね!? あああ、本当にあなたは」




「この王都の勇者だ!」





 口々にノアを勇者や英雄だと誉め称える町の人々。


 ノアが王都へ来て、王都十二騎士へと入った時、住民や貴族、様々な人に避難をされた。

 その理由は簡単で、とある町での大量殺人。魔神となったノアがおこした殺戮はこの王都でも有名な噂となっていた。


 それが、今や「勇者」「英雄」と、王都の人々の命を救った者となっていた。



 ベルゴ......もしかして。




 ノアの目から涙が落ちた。ずっと、認められずに過ごしてきた日々。


 ステラや一部の人達がわかっていてくれさえすれば、それで良かった。

 そう思い、全てを抑えてきた心が綻んだ。



「そ、そうだ......」


 ステラがティッシュを手渡してくれて、鼻をかむ。ありがとう。


「レナは......エルナも! 皆は?」


「あ、皆ね......多分あそこにいるはずなのだわ。 案内するわね」


 って事は皆無事なのか......良かった。色々と必死だったから忘れてた。


 ......薄情だな、俺。自己嫌悪。







 そうしてステラに導かれる事、三十分くらいでたどり着いた。


 そこは酒場、バーだった。




「あ、ここ......レジスタンスの」


「うん。 レジスタンスはあの戦いで、王都を守った事が称えられて国へと認められたの。 ヘンリーさん? エルナの......あの人達の戦いにもちゃんと意味があったのだわ」



「そっか......ヘンリーも喜んでいると思うよ」





 頑張ったね、ヘンリー。





 ノアはヘンリーの全裸と怒るキアの風景を思い出し、一人笑った。








読んでいただいて、ありがとうございます!


もし、続きが気になる!と思っていただけたなら、下にある☆☆☆☆☆を押して応援してくださると嬉しいです。


面白いと思っていただけたら星5つ、あんまり面白くないと思ったら星1つ。もちろん正直に感じた気持ちで!


そして、もしよろしければブックマークも押していただけると嬉しいです!


皆様に、応援とブックマークや感想をいただくことで、執筆をがんばれるので、よろしくお願いします!



◆◇◆◇◆◇



皆様、いつもありがとうございます!

このお話も、もうすぐ100話をこえようとしています。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

そして、お知らせなのですが、一旦、王都編+後日談で終わらせようと思います。

勿論、続編は書きます!

詳しくは、活動報告にて近々書きます!φ(゜゜)ノシ




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