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~43~ 化け物になった

 


 海でひとしきり遊んで、満足した僕達四人+一匹はレジスタンスの拠点へと戻った。


 どうやら、レジスタンスには組織名はなく、基本的にその名を言葉にすることはないらしい。

 かわりにその仲間である証を見せあい、仲間の証明をする。


 証は、レジスタンスだと敵に漏れそうになった際にも、大丈夫なようにすぐに隠滅できる物が支給される。

 そしてそれは一定期間で別の物になり、例外的に緊急事態が発生すると更新され別の物になる事もある。


「今晩は。 僕がこちらの支部を担当している、サトリです。 よろしくね。しかし、若い人ばかりだね......嬉しいよ!」


「サトリ、組織の説明をしてくれ」


 ハイムが促し、サトリはそうだね。こういうのは早く短時間で済ませた方が良いからね。どこで誰が聞いているかもわからない。

 ちなみにレジスタンスは表向きの滞在理由としては、生物調査と魔物対策と言う風になっている。


 サトリの話しによると、メンバーは少数とのことで、この国で活動している者は百人近くしか居ないらしい。まあ、相手取っているのか国である以上、国王軍との戦闘の犠牲者、つまり殺されるメンバーが多く、常に人手不足だという。

 他にも魔物を倒したりと、危険の多い仕事が沢山あるのもメンバー不足の原因だ。


「......と、ここまでは良いかな?」


 サトリは僕らの顔を順に見ながら、話しについてこれているか確かめる。


「あの......」


「どうした、ノア君」


「これって、仮にメンバーに入ったら、どうなるの?」


「どうなるとは? 活動的な話かな?」


 うん、と頷く。そうだ、どこで何をするかが問題だ。できれば、王都まで行きたい。

 そして王に直接交渉を......ダーナムのオークとゴブリンの為にも、早く決着をつけないと。


「そうだな。 入りたての新人となるから、先ずは各地を周りながら魔物と戦い力を付けてもらい、そして敵である国王軍が何をしてきたかを改めて理解してもらう」


 ......ダメだ。時間が無い。そうこうしてる間に期日が来てしまう。オーク達とかわした約束の期日が。

 ノアの様子を見てハイムがサトリに言う。


「サトリ、コイツらは物凄くつええぞ。 すぐに戦力になる。 というか俺はそうしたい」


「戦力にか......配属はどうする気だ? レイグンかバルナーマくらいしか行けないが......」


 ハイムは首を横にゆっくり振った。


「いや......王都だ」


「!? 王、都!?」


 それまで冷静で立ち振舞いに余裕がみられる、大人の男の人と言う印象だってけど、王都とハイムが言ったとたん目を見ひらいて物凄い表情になっていた。


「王都なんて今行けば確実に殺されるぞ! ハイム、君が知らないわけないだろう!? いま、王都がどういう状態にあるかを!!」


「ああ、だが鍵はもう揃っているだろう。 これ以上期を伺っていたら......地方の村や里、警護の弱い場所は魔物に殺され、無くなる」


 ノアはここで聞きたかったことを聞いた。魔物の領主の事。


「ねえ、聞いても良いかな......ここの魔物側の領主って、誰が倒したの?」


 ああ、とハイムが言いガンディーがライカムと顔を見合わせる。

 そして「僕だよ」と、エルナが手をあげた。

 だから、この地区の警備をしていたのだと。


「ここに来るまでに、沢山の犠牲者の遺体をみたんだ......」


「うん、沢山の犠牲が出ているな......」


「それは、考えなかったの? もしかして、これも計画の内......?」


 まあ、まて。とハイムが言う。それについては俺が話そう。そう言い、頭をかいて溜め息をついた。


「結論から言うと、まあ、お前の言うとおりだ。 計画の一部にある。 と、言うのも犠牲を出すのが目的ではなく、グラインから王徒十二騎士を引きずりだし、王の周囲の戦力を分散させるって意味合いの物だ」


 ライカムが言う。


「そう、だから俺達は出来る限り犠牲者をださないよう、魔物を狩って回っていたんだよ。 まさかあれほど大量の魔物がいるとは思ってもいなかったが......」


「そっか......」


 僕は犠牲者が計画の内だと知り、不快感と悲しみに襲われた。そうなるとわかって、エルナはあんな悲しそうな顔で僕をみたんだ。

 でも、僕はこんな感情を持っていい訳もない。


 だって、僕も沢山の犠牲を出してここまで来たんだから。


「......まあ、そうだな。 王を倒せる鍵は揃っている。 王都にいる殺人鬼だとか、神徒教会の奴ら......他にも動きの読めない奴らがいて心配だが、そろそろ動いた方が良いのも確かだね」


 サトリは僕とアレオスとステラ、レナに聞いた。


「どうだろうか。 ハイム達とどういう話をし、ここまで君たちが来たのかはわからないが、仲間になれば命を落とす可能性が高い。 目的が目的なだけに、無事に全てが終われると言う保証も全く無い」


「話を聞いたからどうすると言う訳もない。 普通に断って貰っても構わないよ......その場合は僕の能力で、組織の記憶を消させてもらうけれど」


 記憶を消す能力っていうのもあるのか......すごいな。


 アレオスは凄く悩んでいるようで床に視線を落とし一点を見つめていた。彼にも目的があり、旅をしていたはずだ。組織に属するのは難しいのかもしれない。


 レナは、急な話で困惑している。でも彼女は戦闘能力があるわけでもない。だから、仮に所属することになっても事務とかそちらへ回されるだろう。

 リンドが戦力として認識されたらわからないけど......っていうか、このミーナルで普通の暮らしがおくれるならそっちのが良いんだけど。レナはどう考えているのかな。


 ステラは......。

 彼女は僕の視線に気がつき、目を見て微笑む。うん、わかった。

 言葉には出てはないが、ステラは、こう言った気がした。


「大丈夫、私はあなたと一緒にいる」と。


 僕は、ステラがいれば......戦える。だって、僕はステラの勇者なんだから。


「......まあ、こんな重要な話だしな。 皆で話し合いたいこともあるだろう。 数日中に決めてもらうでどうだ? サトリ」


「ハイム......まあ、そうだね。 急な話でもあったし、では三日待とう。 それまではこの施設も自由に使ってくれ。 食事も用意しよう。 ハイム達が世話になった礼としてね」


 これは、きっと重要な岐路。僕の生きていく道が決まる。



 ◇◆◇◆◇◆



「んで、話しって......」


「今、ミーナルにはおそらく反逆者が滞在している。 その排除を願いたい」


「反逆者。 居場所はわかっているのですか?」


「いや、何せ広く、人も多い町だ。 だいたいの当たりはつけてあるが、果たしてそいつらがそうなのかは、わからない」


「全部ぶっ潰せばいんじゃね? ダメなの?」


「ダメに決まっているだろう。 はあ、だからお前をこのミーナルへ連れてきたくなかったのだ」

 

「ぷぷぷ......目的地ミーナルだと気がつかないで、ミーナルには連れていかないとか言ってたド天然女には言われたくねーぜ」


「くっ......貴様!」


「あ、いや、すまないが......レジスタンスの排除の話をしてくれないか。 こっちも領主としての仕事が山積みなんだ」


「あ、はい。 では、そのだいたいの当たを教えていただければ私達でなんとかしましょう」


「ああ、すぐに始末してやるよ」


「助かる。 では頼むぞ、王徒十二騎士、ミミ、ガルデア」





 王徒十二騎士No.2 ミミ・アマリアス (女) 武器 弓、剣


 王徒十二騎士No.5 ガルデア・シーア (男) 武器 斧





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