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~15~ 四人パーティー

 


 ヘルハウンドとの戦いの夜を経て、朝。

 鳥の歌声と日差しの柔らかな光に起こされ、(まぶた)を開ける。


 おはよう。と、アレオスが塀に体を預け、にこにことこちらをみている。

 そして僕は、起きなければと思い、寝袋から体をずりだし顔を前へと向けると、そこには一生懸命にダガーを振り回しているステラいた。


「......いったい、いつから」


 聞いたつもりも無かったが、となりのアレオスが「多分一時間くらい前かな」と答えてくれた。

 一時間も前から......。偉いな。


 偉い......?


 ふと疑問に思い、ステラに視線を戻す。すると、ステラの姿に昔の自分が重なった。

 非力で自信のない自分を変えたくて、毎日鍛練を怠らなかった。

 あの日々の自分を見ているようで、変な感じがする。


 頑張りやさんなんだな......。と、ステラに思うことも、自分に返ってきているようで不思議な気分だ。


「あ、ノア!おはよう!って、何で泣いてるの!?」


 え、あれ?何で涙が......。


「ご、ごめん、朝だからあくびで......」


「あくびで流れる量ではないのだわ! はい、いいから顔向けて......」


 と、僕の目を濡れた布で拭いてくれるステラ。よしよし、と僕の頭を撫でる。


「いつになるかはわからないけれど、私もノアを守れるくらいに強くなるわ。 だからずっと側にいてね」


 そうか......僕は知らない内に、僕を救っていたのか。


 同じ痛みを、寂しさを、わけあってここまできた。ならば、これから先ずっと共に生きていくのなら、守られるだけでは嫌だという彼女の気持ちを考えなければならない。


 そしてそれは自分への答えにもなる。


 それを得ようとして戦い、努力する力。

 守る守られるではなく、パートナーとして戦い、助け合う力。

 大切な人を守りたいという、意志の力。


 僕の何かが救われたと、思えた。



 ◇◆◇◆◇◆



「――治癒魔法で治してという村人に、僕は言ったんだ。 治療魔法は患者の体内魔力を大きく増幅させてしまう。 だから普通に治療をしたほうが良いと」


 僕らは商人のロドリゲスから昨日、貰った黒パンを朝食にして、何気ない雑談をしていた。アレオスがある村での話をしてくれていた。


「なぜ魔力が増幅するとダメのかしら。 怪我が治るなら良いんじゃない?」


「ううん、ダメなんだよ。 人は魔力を有してはいるけれど、それはごく少量。 それが許容量を越えてしまうと、魂が歪むんだ。 極端な話し、魔族になってしまう」


「魔族に!?」「やばっ」


 驚く僕とステラに、アレオスは続ける。


「まあ、その話しは浸透していなくて知っている者はあんまりいないんだよね。けれど、とても危険な事だから、僕が話を広めてまわっているのさ。」


 まあ、効果不幸か魔法治療師が少ないから被害者はあんまりいないけれどね。

 と、付け足す。


 あれ、でも僕も里で怪我したときとか、回復魔法で治してもらっていたんだけど。

 結構な回数、魔法をかけてもらっていたけれど、大丈夫なのか......?こ、こわくなってきた。


「そういえば、僕、回復魔法を何回もかけてもらってるんだけど......大丈夫なのかな......?」


 するとアレオスは、ああ、勇者は特別なんだよと言った。


「勇者って言うのは魔力への抵抗力が強いから、いくら魔法で治しても魔力は蓄積されないのさ。 だからこそ、恐ろしい程の魔力を持つ魔王達と戦えるんだよね」


 ふんふん、と色々と教えてくれる、アレオスの話しに聞き入る二人。

 なんだか面白い。


 すると、商人のロドリゲスが旅支度を終え、別れの挨拶へと来た。


「ノアくん、ステラちゃん、アレオスさん。 また何処かで会えることを楽しみにしている。 王都に来たときは是非会いに来てくれ」


「ありがとうございます、パン助かりました」


「うんうん、とっても美味しかったのだわ!」


「僕達も、会えるのを楽しみにしてるね!」


 そして、手を振りあいロドリゲスと別れた。ちなみにずっと寝袋で眠り込んでいた女騎士は、朝起きたら居なくなっていて、ベルゴが見ていたらしく、日の出る前に旅立ったと言っていた。


 そして、野営地を出る準備をしていたら、ベルゴが話しかけてきた。


「お前達は、これから何処へ向かうのだ?」


「えと、僕達はダーナムの村へ行くよ。 ベルゴさんはどこに?」


「私も目的地はダーナムだ。 ......ひとつ提案なのだが、私と行動を共にしないか」


 いきなりの申し出に驚く三人。けれど、ベルゴさんの強さは凄まじいモノがある。

 一緒に居てくれればとても心強い。あと、戦いかたの勉強にもなる......

 。


「僕は構わないよ。 君たちで決めてくれ」


 と、アレオスが言うと、ステラもうんと頷き賛成を示す。


「私も良いわよ。 ベルゴさんとも話してみたかったしね」


「うん、じゃあ、ベルゴさん、よろしくお願いします!」


「ああ、よろしく頼む......」


 こうして僕ら、ノア、ステラ、アレオス、ベルゴの四人のパーティーでダーナム村へと目指し旅をすることになったのだった。




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