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~98~ 魔王ノ命

 



 あれからまた幾つかの月日が経ち、町は依然として荒れてはいるものの平和を取り戻していた。


 そして、城では貴族や十二騎士等の要人達が集められ、この国のこれからを話し合う会議の場が設けられていた。

 今はまだ時間には早く、あちらこちらで雑談が行われている。


「いやいや、ホントに。 あの時、マーリンとか言う魔術師に拐われていなければ、我々もあの戦いに巻き込まれていた所ですよ」


 白い髭を蓄えた男が言った。 それを受けて隣の眼鏡をかけた小太りの男も同意する。


「そうですなあ、拐われた時は身の危険を感じましたが、我々を救ってくれたとは。 彼女はいったい何者なんでしょうなあ? まあ」


 彼らはこの国の要人達で、あの内乱の日に城へと呼び集められ、マーリンの能力で皆べつの場所へと転移させられていた。

 それ故に、あの時城には人が居なかったのだ。


「我々の代わりはいないのですからなあ、本当に良かった」


「ですなあ。 はっはっは」


 一部の要人はまるで他の犠牲や住民の死を見てみぬふり。自分達が助かった事を喜び、話に花を咲かせ弾ませていた。

 遠巻きに話を聞いている、ノア。


 こんな人達が、この国を動かしているのか......。


 険しい表情のノアの肩を、つんつんと指でつつくエルナ。


「ノア、顔恐いよ? 笑って笑って。 これから大事な未来を決める会議なんだ。 暗い顔しない!」


「あ、うん。 そうだね、エルナ......ありがとう」


 レジスタンスであるエルナが何故この場にいるのかと言うと、王が彼女を十二騎士へと誘い、それを受け入れたのだ。

 裏ではなく、真っ向から。


「確かに、国を変える事が出来るのはお前達だ。 だが、そんなやり方では血に呑まれまたヘンリーやこれまでに犠牲になった者達のように、悲しみの中で消える命は後をたたない......どうだ? エルナ。 君も十二騎士に入り、革命を起こしてみないか」


 そう言われたエルナは、ヘンリーの亡骸を見て一瞬その顔に迷いの表情を浮かべたが、覚悟を決めたように頷くと、すぐにその誘いを受けた。


「僕は、もう嫌だ。 悲しみが生まれ続けるこの世界......王、あんたがまた繰り返すなら、今度こそその首を貰う」


「ああ、良いだろう。 私も、友人の遺志を継ぎ今度こそ、終止符を......」



 そんなやりとりがあって(王に聞いた)レジスタンス代表として、十二騎士の一員に加わることになったのだ。

 ちなみに彼女は多くの大切な人の死により、復讐を糧に生きていたが、今は出合った頃のように、明るく元気なエルナに戻った。

 きっとヘンリーの言葉が彼女の何かをとかしたのだろう。


 ありがとう、ヘンリー。そうだよね、暗い顔じゃ明るい未来は創れない。


 あ、そう言えば、と僕はふと思った事をエルナにたずねる。


「そう言えば、エルナはヘンリーの武器を使うの? 十二騎士には武器が与えられるんだけど」


「それは無理見たいだよ? 僕もヘンリーの武器を貰いたかったんだけど、あれは十二騎士それぞれの専用に作られた武器みたいで、その人じゃないと能力も発動出来ないんだって......って、今まで知らなかったの? ノア」


 ジト目で見てくるエルナ。いや、だって、他の人のやつ使おうとも思ってなかったし......。

 そうなのか。て、事は王の能力はその人の中にある力を元に神器を創る能力?



 と、その時、扉が音をたて開いた。入ってきたのは勿論、王。


「皆、待たせてしまってすまない。 会議を始めよう......まずは、魔族により戦力強化されていた各地方の戦力ダウンによる被害だが......」





 ◆◇◆◇◆◇





「......長い。 ノアは毎回こんなに長い話し合いしてたの? 僕もう挫折しそうだよ」


 ふらふらとするエルナに、自然と笑みが溢れるノア。

 やっぱりこの人といると明るい気持ちになるな。そんな事を思っていると、後ろから声をかけられる。


「ノア......と、エルナさん、会議お疲れさま。 これからご飯行くんだけどどう? ステラも一緒なんだけど」


 見るとそこには小さな女の子。彼女は俺達と同じく、十二騎士のキアリク。

 最近はステラと二人で行動する事が多いようで、頻繁に食事を共にしてるみたい。

 友達になったのかな?だったらかなり嬉しいんだけど。


「エルナ、どうする? 俺は行くけど」


「あ、僕は王に呼ばれてるから、また今度で......キアリクさんごめんなさい」


「ううん。 良いわよ、また誘うから」


「んじゃ、またねノア、キアリクさん」


 そう言うと、エルナは尻尾を振りながら王の間へと歩いていった。

 エルナも俺のように王に鍛えられてるのかな?彼女のポテンシャルはとてつもないから、戦力としても期待されてるんだろうな。


 彼女の後ろ姿を見送り、キアに話しかける。


「ねえ、キアはあの話、本当だと思う? 例の他国への潜入作戦」


「え、ああ、あれね。 無くはないと思うよ。 だって、このままじゃその国々が邪魔で魔界へなんていけないんだから......まあ、王の魔王を倒すって話が本気ならだけど」


 それは第一回目の会議の事だった。

 王は魔族との共存を難しいと判断し、この因果を断ち切るべく王自らが魔王を倒すと言いだした。


「魔王を......キアリクは王は魔王を倒せると思う?」


「思わないわね。 だって、そもそも国の人々が行かさない。 彼が居なくなれば今回のように魔族が大量に押し寄せた時に、またどうにも出来なくなるし......まあ、今回も王はマーリンに拐われて実際役立たずだったけどね」


 うわあ、これ王が聞いたら泣くぞ。でも、そうだよね。確かに王が国を離れてしまえばかなり心もとない戦力になるだろう。

 十二騎士も居るが、今回の戦いで死んだ者もいるし、そもそもどっか行って戻ってこない騎士もいる。

 他に戦える人、例えばレジスタンスの人々もかなりやられてしまっているし。



「でも......魔族みんなが悪いわけじゃないのに。 魔王を討伐か......」


「......どちらかが消えなければ終わらない戦いよ。 例え、ノアが隊長から聞いた話が真実だとしても、今を生きる人々には関係の無いことだもの」


「関係無くないよ。 まあ、知るよしもないだろうけどね」


 そりゃそうだ。生まれる前の話なんて......。この人と魔族の問題をどう解決すれば良いのか。

 簡単だけれど恐ろしく難しい方法を王はとろうとしている。


 魔族の殲滅と、魔王の死によって。









読んでいただいて、ありがとうございます!


もし、続きが気になる!と思っていただけたなら、下にある☆☆☆☆☆を押して応援してくださると嬉しいです。


面白いと思っていただけたら星5つ、あんまり面白くないと思ったら星1つ。もちろん正直に感じた気持ちで!


そして、もしよろしければブックマークも押していただけると嬉しいです!


皆様に、応援とブックマークや感想をいただくことで、執筆をがんばれるので、よろしくお願いします!



◆◇◆◇◆◇



皆様、いつもありがとうございます!


このお話も、もうすぐ100話をこえようとしています。


ここまで読んでくださりありがとうございます!


そして、お知らせなのですが、一旦、王都編+後日談で終わらせようと思います。


勿論、続編は書きます!


詳しくは、活動報告にて近々書きます!φ(゜゜)ノシ







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