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コロナ禍の健太の日記  作者: 蔓草登上
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盆休みの仕事

2020/08/05










「お盆の休みにですか!はい、大丈夫です。」




弦賀つるがから 呼び出しの電話があった健太。


呼ばれなくとも行くところだったが これで心置きなく堂々と真正家しんせけにお邪魔する事が出来る。








 真正家しんせけへ早速 仕事へ行く日になった。


一番初めに 目に着いたのは 鬼空が斎服さいふくで 護摩焚ごまたき用の人形ひとがたを制作している姿だった。


もちろん エアコン下で、落ち着いて作業をしている。


弦賀つるがさんに 呼ばれたんだけれど……。」


「弦賀なら居ないよ。」


「え?」




「弦賀は お盆休みだ。」


健太は 弦賀さんは自分が休みだから 僕を呼んだんだと思った。


「弦賀さんだって、休みはあるよね。」




納得して 奥へ進むと、寿樹じゅきが軽装で大きな荷物をまとめていた。


「寿樹、今日は運転手をすればいいの?」


弦賀さんから 話は聞いていた。


「あぁ、この荷物を積んでくれ。」


儀式用の斎服さいふくがしまわれた木箱と宿泊用のボストンバックが指示された。




「こんなにも……。」


「こんなにあるから 頼んでおる。」


「僕の着替えとか、どこに入るんだろう。」


「そんなもん 自分で考えろ。」




「ところで、但東町たんとうちょうって何処?」


「京都かな?」


「えぇ」


カーナビで設定してみたが、無い。


「ないんだけど。」


「兵庫かな?」


「えぇ!そんなアバウトなところなの?」


兵庫でヒットした。


「これは、1泊じゃなくて、着いたらもう1日たってるって事じゃないの?」


「案ずるな、先方は豪邸だから 快く泊めてくれる。」


「あ、そうなんだ。先方さんは遅くに到着する事を知っているんだね。」


 案の定、車中、寿樹は寝ていた。


 着いたのは、夕飯時だっただろう。






 真っ暗な闇の中に、灯が建物の外観を照らす。


寿樹の屋敷と張り合うくらいの 大きさだった。


築年数はかなり浅そうで 現代的な造りになっている。




 灰色の壁に 月光つきあかりに照らされ 流れるように反射する屋根瓦。


寿樹の屋敷と大きく違う所は 建物自体が真四角に造られており、外部との接触が少なくネズミの子1匹も入れないといった感じだ。


更に驚いたのは その真四角なボディは 金箔で縁どられ 闇夜でも建物の輪郭が神々しさをかもち出している。




 中を案内されると、新築のようなニオイと奇麗さに目を奪われる。


これは、ある程度自分の家自慢みたいなものかな?






 必要な荷物を車から担かつぎ降ろす。


後ろの山林からヒグラシが悲し気に泣きわめく。






 砂利のしかれた庭を 走り回る軽い足音が聞こえた。


振り向いても 何もいない。






 降ろし終わると、夕飯へ招待された。



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