第9話 普段の学校生活:午前の部
学校の様子に関する三部作の中編です。
AM7:20 ~学校到着~
中学校に着いた僕たちは、早速テストに向けた勉強を始めた。
僕たちの学年は207人おり、クラスは6クラスある。
6クラスと比較的多いのだが、幸いにも、僕や麻衣…そして希も同じクラスとなった。
ちなみに、3人が所属するクラスは1年3組である。
テストの話に戻るが、今回の定期テストは期末テストで、1学期最後のテストである。
中学校に入学してから今まで行ったテストは、入学生テストと中間テストの2つ。
学年の人数は207人と先ほど説明したが、それらの人数のうち3人の順位はというと…
優:新入生テスト29位、中間テスト22位
麻衣:新入生テスト7位、中間テスト8位
希:新入生テスト76位、中間テスト90位
となっている。
少し順位を上げた僕と、ほぼ現状維持の麻衣はともかく、希は中間テストで15位近く順位を落としていた。
主な原因として、部活に力を入れすぎたことが大きい。
授業中に船を漕いでいることが何度かあったからだ。
先ほど、麻衣が希を勉強会に誘ったのも、期末テストではこれ以上順位が落ちないようにという配慮である。
もちろんそれだけが理由ではないのだが、それは希が僕の部屋に来たときに分かるので、今は何も説明しない。
さて、テストに向けて勉強にとりかかった3人だが、なるべく喋らないようにしている。
まずは分かるところをやっていき、分からないところは終了5分前に教えあうスタイルをとっている。
といっても、質問する側は僕と希で、それに答えるのは麻衣なのだが。
勉強が終わった頃には、続々と他の生徒も登校してきて、徐々に賑やかになっていく。
AM8:30 ~朝の学活~
朝の学活が始まり、クラスの委員長が司会を務める。
ここでは麻衣の出番となる。
なぜなら、麻衣はクラスの委員長を務めているからだ。
『今日の目標は、一時間一時間の授業に集中することです。』
今日のクラス全体の目標を、麻衣はハッキリした口調で伝える。
委員長は男女1人ずつなので、男子の委員長もいるのだが、麻衣が主導権を握っているのか、麻衣が仕切って進めることが多い。
今日の目標や連絡などを伝えた麻衣は席に戻る。
移動するとき、麻衣はチラッと僕のほうを見る。
僕は無言だが『良かったよ』という意を込めて頷いた。
麻衣も微笑みながら無言で頷き返した。
これを見た希は心の中で『夫婦かっ!?いや、夫婦だったな…。』
と思っていた。
AM8:50 ~午前の授業開始~
授業中での様子は、先生の発問に対し、麻衣はよく発表をする。
僕も手をあげて発表するが、麻衣よりは少ない。
希は自分が絶対に答えられるもの以外は絶対に手をあげないが、発表することはある。
他に、教科によっては、少人数によるグループワークがある。
具体的には、4人組になって、ある問題に対して4人で話し合いながら答えに導くという方法である。
麻衣は、委員長ということもあり、少人数でも司会を務めることが多い。
そして、自分の意見を一方的におしつけずに、しっかりと他人の意見を聞き、それを尊重するので、相手も意見が言いやすくなる雰囲気をつくる。
要は司会がうまい。
僕と希は同じ班にいるので、グループワークなどの活動も一緒に行う。
麻衣の『希ちゃん、うらやましいっ!!』という無言の圧を感じることがあるが。
これに関して希は…
『なんか…麻衣の視線だけで、私の身体に穴があきそうなんですけど。』
と僕にぼやいたりもする。
話を戻すが、僕と希を含めた話し合いは、麻衣と同じく仕切るのが得意な希が司会をすることが多い。
希も様々な意見を否定せずに『なるほど~』と相槌をうつので、安心して意見を出しあうことができる。
意見を出しあうなかで、最終的には僕の意見が通ることが多い。
なんでも、僕の意見に周りがすごく納得するから…とのこと。
AM10:40 ~休み時間の一コマ~
休み時間は、3人で集まって話をすることが多い。
今回は先ほどのグループワークの話になった。
『希ちゃんが羨ましいです。』
『私は麻衣の視線によって穴をあけられそうで怖いです。』
早速、麻衣の恨み節が始まった。
このままではまずいので、話題をかえてみる。
『それにしても、今回も僕の意見が通って終わったね。』
『まぁ優は、物事をしっかり考えて発言をするし、周りもそれを信頼しているからね。』
『そうそう。優くんはスゴいんだよっ!!』
どうやら軌道修正はできたようだ。
ただ僕を褒める内容になったので、少し恥ずかしいが。
というより、麻衣のその発言は誰目線なのだろうか。
『優はあまり自分から前に出ないけど、クラス内から信頼されているからね。まぁ奥さんの良さを最大限に引き出せるのが優しかいないということにみんなが気づいているからだけど。ねっ?奥さん?』
さっきの仕返しか、希は麻衣に向かって、奥さんという言葉を強調してそう言った。
『うぅぅ~…。』
効果があったのか、麻衣は俯きながら顔を赤くする。
ただ『僕にも飛び火してるんですけど。』と言ったら…
『夫婦なんだから連帯責任!!』
と言われ、麻衣は『はうぅぅぅ~…。』とさらに顔を赤くする。
僕は慣れたので、麻衣のように顔を赤くしたりしないが。
そして…そのやり取りを、風物詩として微笑ましい気持ちで見守るクラスメートたち。
この状況に関しては、僕はすでに諦めている。
もう何度もこういう状況になっているからだ。
PM0:40 ~午前の授業終了~
そうこうしているうちに、午前の授業が終わった。
この学校では、昼食は給食ではなく弁当である。
次からは、弁当の時間・午後の授業・下校の様子などを伝えることにする。
麻衣は学校ではかなりの優等生ですが、お堅いわけではありません。
優と二人きりになると、甘々になるだけです。
そして希に優関連でからかわれると、ニヤニヤするか、顔を赤くします。
それで学校公認の夫婦として認識されるという構図です。