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暗闇  作者: もんじろう
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 どれもが毎回というわけではない。


 ごく、たまの1回。


 されど1回だ。


 恥ずかしい話だが、私のほうは出逢ったときから最近まで妻に首ったけだったので、その1回が恐ろしく大きな出来事なのだ。


 この悩みを相談してみた友人には「世間一般の夫婦とは、そういうものだよ」と笑われた。


 だが、私は全く「ああ、そうなのか」と納得する気持ちにはならなかった。


 妻が私から離れていってしまうような気がして、心が落ち着かなかった。


 そのうちに妻のおかしな態度が2回、3回と増えていった。


 私の悪い予感は当たった。


 そして決定的な事件が起こった。


 夜の生活においてだ。


 私たち夫婦はある特殊な趣味、そう、性癖を持っており(このことについては詳しく語る必要はないだろう)、お互いの合意の上で、とても充実した「夜の営み」を続けていたのだが、その行為の最中に妻の反応が良くなかったのだ。


 これに私は大きな衝撃を受けた。


 彼女の私への愛情が冷めているのが、はっきりと証明されたのだ。


 そして次に私が抱いたのは、妻に他の男が居るのではないかという疑いだった。


 これは誰しもが1度は考えることだろう。


 私は、自分が仕事で家を空ける時間の妻の行動が気になり、プロの探偵を雇うことにした。


 そうして雇ったのが今、私の足元に横たわる大柄な男、中田だった。


 中田はかなりの金額を経費として要求しただけあって、仕事が早かった。


 依頼した2週間後に仕事先の近くの喫茶店で待ち合わせると、すでに妻の不貞の全容を掴んでいた。


「大原さん、非常に残念ですが」


 中田は大げさに、悲しそうな顔をして言った。


「奥様はクロ。それも真っ黒でしたよ」

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