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フルーツバスケット

作者: 小走り

あなたは椅子取りゲームの亜種、フルーツバスケットをご存知だろうか。


ルール説明をしよう。


1.人数を集める。(10〜20人程度)


2.人数より一つ少ない量の椅子を用意する。


3.椅子の割り当てを得られなかった者が、人の特徴などをカテゴライズする文言を吐く。


4.着席者たちは、吐かれた文言に対し、自らが該当すると感じとった場合、席を立ち、別の席に着く。この際、文言の発言者も席を奪い合う権利が与えられる。


5.最終的に座席を得る事が出来なかったウスノロが、次の発言者となる。


そして、この作業を無限ループで行う、それがフルーツバスケットである。


ルール上、明確な勝ち負けは無く、明確な終わりも無い為、暇を持て余した多数の人間が一緒に嗜む事のできる優秀なゲームである。





優秀なゲームであるのだが。恐ろしいゲームでもある。


鋭い者であれば気付くかもしれないが、このゲームはルール上、我が国で嗜むには問題が多い。


一人ひとりの個性の尊重や性的な差別の撤廃、個人が持つ価値観を重視する今の世の中では、なおさらの事である。


このゲームは社会主義的な思想を植え付けるゲームなのである。


一見、皆の身体的特徴や気性を述べる事により個人の違いを指摘し合う事で、一人ひとりの個性を見いだすゲームの様に思える。


しかし、その本質は、その「個性」をカテゴライズする事により、皆同じであるという考えを刷り込む物である。


これだけでは無い。「鬼」の存在にも問題がある。


このゲームに於いて、唯一ほかの者とは違う者、つまり席を持たぬ者は「鬼」と呼ばれる。

皆と違う唯一の者は「リーダー」と呼ばれるのでは無く「鬼」と呼ばれるのだ。


つまりは、皆と違う事は、このゲームに於いて「悪」なのだ。


しかし、「悪」である者も、他者を均一化する発言をする事により、全体の中へと溶け込む権利が与えられる。


何と社会主義的なゲームであろうか。


資本主義を是とする国で遊ぶべきゲームでは無い。


しかし、実に奥深いゲームである。


実に社会主義的なゲームである為、その思想が持つ問題点もプレーヤーに見せてくれるという面もあるのだが、その事を語るのは次の機会にしておこう。

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