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79 街道を造ろう

 

 さあ、先ずはこのディラント領都から魔の森まで、街道を造る事から始めようかな。


 ハクを抱っこし、父様の元へ向かう。


 マップを見れば何処にいるのかすぐにわかる。


 邸に隣接した領兵の訓練施設前にいる様だ。今まで一度も入った事はないけれど、父様に用があるのだから、止められる事はないだろう。父様に用があり、会いたいと守衛兵に申し出て、少し待っていると、許可された様で中に入れてもらえた。父様の所まで案内され、私は早速話しかけた。


「父様。私は今から土魔法で、このディラントから魔の森までの街道を敷こうと思っておりますが、普通に南門から真っ直ぐ造ってもよろしいでしょうか?何かお考えの事がございましたら、どうぞおっしゃってくださいね。」


「街道を…敷く?本当に敷けるのか?かなりの距離があるのだぞ。…一体フィアの魔力はどれだけあるのか…。」


「一緒に来て、ご覧になりますか?道幅とかも見ていただいて、色々ご意見をお聞かせくださいますか。」


「ああ、わかった。一緒に行こう。…だが、それよりも、今凄く気になっているのは、お前が抱いている犬…見覚えがあるのだが、気のせいか?私の考えている通りならば、それは森にいる筈ではなかったか?」


 あー…そう言えばそうですね。


 私はあの後、森で冒険者ギルドのギルドマスターに会った事、ハクを従魔にした事を話した。


「はぁ…お前は私をどれだけ驚かせるのか。魔の森の魔王と云われた伝説のフェンリルを従魔にしてしまうとは。きっとこの後も私を驚かせるのだろうな。まあいい、街道を造るのだろう?行こう。…南門までは転移出来るのか?」


 もちろん出来ますよ。東西南北どの門でも転移できます!


 北門は王都方面へ、東門は山岳地帯へ、西門は砂漠地帯へ、そして南門は魔の森方面へとなっている。


 そして、私は父様と2人で南門に転移した。ガダン兵長は魔法士の選出で忙しいので、今度は父様だけだ。


 南門は静かで全く人が居ない。門番が2人見張り程度に居るだけで、冒険者の姿も無く、閑散としていた。


 そりゃそうね。魔の森の立ち入り禁止は解除されてないもの。


 だから、仕事はやりやすい。これから私がやる事は人が居れば騒ぎになる事間違いないから都合がよいのよ。


 門番兵が私達の姿を見て、慌てて走って来た。


「おーい!今は魔の森は立ち入り禁止だー!危険だから街に戻れー!」


 私達の事を冒険者だと思ってるんだね。まあ、領主、いや、元領主?だって事に気付いてないから、仕方ないよね。


 現在門番は出入りする人を一々チェックする訳ではなく、素通りなのだ。


 うーん…ちょっと不用心じゃないのかな?こっちはあのグランダ皇国方面でもあるし。


 だから、門番は私達2人が、転移で突然ここに現れたのに気付かなくて、普通に通って魔の森へ行こうとしている冒険者達に見えたのだろう。



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