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76 もっと美味しい物食べたいの

 

 このギルマス兄弟は一体何歳なんだろう。見た感じ20歳そこそこ…鑑定はせずに直接本人に聞いてみたら、エルフ族で、普通の人族より長生きで、現在、なんと122歳!…おじいちゃんだね。


 『おじいちゃん?』って言ったら、ちょっと怖い笑顔で窘められた。すいません。


 あーっと…結局、まだ砦の建物造ってないよ。


 街道も造らなくっちゃ…やる事いっぱいよ。


 もうすぐお昼ご飯の時間だし、一旦邸に帰らないと、兄様がお仕事ほっぽり出して私の事探すからね。


 早速、転移専用部屋と言われた部屋に入ると、ギルドマスターの部屋だったよ…大丈夫なの?秘密保持とかしなきゃいけない書類とか物とかあるんじゃないの?


 私も勝手に他人の引き出し漁るとかはする気もないけど、不用心じゃないのかしら。


 …もちろん使わせていただきますけどね!


 ◇◇◇


 邸に帰ると、兄様は私を探すどころではないくらい、書類にサインをしまくっていた。


 今日、父様は例のダンジョン関係の手配で超多忙となり、兄様が見習い領主として、父様代行で通常の陳情とかの精査を任されたのだ。勿論、父様の側近が付きっきりの指導で、私の事など構っていられないらしい…ちょっと淋しい。


 執務室で真剣にお仕事をしている兄様も凛々しくて素敵だから、それを入り口のドアの隙間からこっそり見て応援したよ。だけど、ちゃんとご飯は食べましょうね。


「アル兄様?お昼ご飯の時間ですよー。」


「フィア!うんうん。すぐに……あ、いや、もう少し書類片付けてから…。」


 側近に睨まれたのか、兄様は残念そうに書類に目を戻したよ。


「ダメですよ?お腹が空いてたら、集中力も判断力も落ちるのよ!ねえ、解りますよね?バートン執務長?規則正しい食生活をすれば、執務も捗るのではないですか?父様もお食事の時間は必ずいらっしゃったと思いますが…。」


 バートン執務長を間近で見上げて顔を見つめてみた。


「はあ…お嬢様には敵いませんね。その通りでございます。続きはお食事の後に致しましょう。」


「ありがと!さあ、兄様、行きましょう!」


 美味しい食事は幸せの素なのよ。


 この世界にはスイーツが無いのがイマイチなんだけどね。


 果物くらいしかないのよ。


 それから、クリーム系の物、シチューとかもないね。そもそも牛乳がないのよ。基本的に洋食なのにね。


 そして…米!コメが無い!米食べたいなぁ。パンは美味しいのよ?でもね、前世のパンの味と比べると…。ウチは焼きたてのを食べられるから、まだマシなんだろうけど、冷めたらもれなく固くなる。残って、冷めたパンは細かく切って、スープに入れて使用人達のご飯になる。


 せめて、牛乳みたいな物が手に入れば、バターだって、クリームだって作れるのよ!


 魔物って…乳…出るやついるのかな…。


 そもそも、魔物が子供を育てる?…魔物乳は無しね。


 母乳も無理があるだろう。


 牛か羊かヤギみたいな動物を探さねばならない!


 そして、酪農を広めたいね。魔物に襲われないようにもしないといけないのが、大変だろうけど。


 小麦粉、卵、砂糖があれば、ケーキは焼けるのよ。だけど、クオリティに拘るなら、溶かしたバターや生クリームがあればもっと美味しいケーキやパンが焼けるだろう。酵母やイースト菌が無いと、フワッフワのパンは難しいか…。果物から作れるんだけれど、雑菌が混ざるとダメだし、冷蔵庫無いし温度管理なんて無理。魔法でも何ともならないだろう。何より、あんまり苦労したくない…。


 …錬金か、『プリーズ』か『クリエイト』で出ないかな!


 あっ…ダンジョンでドロップとかしないかしら?そしたら苦労して酪農なんてしなくてもいいでしょ。もし、そんなダンジョンがあったら、通い詰めます!


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