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69 ハクは速いよー!

 

「父様ー!私の新しいお友達、フェンリルのハクです!この森、案内してくれるって!だから大丈夫よ!」


 そして、私の多重結界の中から出ようと頑張ってたみたいで、ちょっとグッタリとしていた2人は、近くに寄ったハクを見てまた警戒をした。


 あ、多重結界解除しなきゃね。


 私はハクから降りて、顔を撫でてあげながら、父様達にさっきハクから聞いた事を話した。


「…では、魔の森のフェンリルは魔王ではなく、女神リルディアが遣わした神獣なのか?」


「そうです。魔の森から定期的に魔物が溢れて、森が広がるのは、私が昨日発見したダンジョンから溢れているだけなのです。だから、そのダンジョンを何とかすれば、魔の森は普通の森、私達に資源をもたらしてくれる良い森になるはず。」


「うーむ…これも、直ちに陛下に報告しなくてはならないな。ガダン、邸に戻ったら王都に早馬を出せ。だが、先ずは魔の森のダンジョンの詳細を確認してからだが。フィア、本当にそのフェンリルは大丈夫なのか?案内すると言っているのか…?」


 え?ハクの声は私にしか聴こえてないの?実はさっきから、ハクはずっとしゃべっている。まだ子供だからか、少し寂しがりやみたい。


「はい。ハクは身体の大きさを自在に変えられるので、私達全員も乗せてくれるそうです。」


 そう言うと、ハクは先ず、ちっちゃな子犬ちゃんサイズになった。めっちゃ可愛い!私でも抱っこ出来るくらいの大きさ。後でハクはでっかくなって、私達を乗せてくれると言っている。


「父様とガダン兵長、ハクを跨ぐ様に私の後ろに並んで下さい。ハクが大きくなって、乗せてくれるって言ってます。」


 父様達は今はハクが小さいからか、少し警戒を解いて、恐る恐るだが、私の後ろに並んだ。


 すると、ぐんぐんとまるで成長するように大きくなった。私達3人が余裕で乗れる大きさまで。一回り大きい馬くらいね。なんか、もっと大きくなれるらしい。だけど、そんな大きくなられても、怪獣映画みたいになりそうだから、やめてね。そもそも、そんな怪獣みたいに大きくちゃ森の中に入れないでしょ。木を踏み潰して進むのかしら。


 父様達は大きくなったハクにビクッとしたが、高い所は大丈夫な様で、声をあげる事は無く、とても冷静だった。


 結界は皆に纏わせてるから、小枝にぶつかっても大丈夫。ついでに上半身をすっぽり覆う様にドーム型多重結界も展開しておこう。透明なコクピットみたいにね。よし準備OKよ!


『へんなやつらのところ、いく?それとも、ぼくのおきにいりのばしょ、いく?』


「先ずは、へんな魔物が出てくる場所に行ってくれる?今どうなってるか心配だから。」


『わかった。』


 そして、ハクはさっきと同じく、風の様に走り出した。昨日私が、魔物を殲滅しながら作った道を走り抜けた後、森の木々の間を縫うように走り抜ける!速いわー。ジェットコースターみたいよ。絶叫マシン苦手な人はヤバいね。父様達…吐かないよね?チラリと後ろを見ると、2人とも硬直してたけど、馬に乗りなれているせいか、大丈夫そうだ。流石だ。


 私はジェットコースター好きだったよ。ああ、だけど、船みたいなやつはふわっとする感じがちょっと苦手だったけど。『ふわっ』ってすると『ひいぃー!』ってなったね。普通に遠心力がかかる系は大丈夫だったよ。


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