65 冒険者達の稼ぎ場は?
…まったく!冒険者でまともな奴おらんのー!?
私は多重結界を解いて、冒険者ギルドに戻った。
入り口を入ると、お姉さんがまたびっくりして、走ってきたよ。ごめんね。
私がすぐそこで冒険者達に襲われて、返り討ちにした事を説明し、後の処理をお願いした。因みに、その冒険者達は犯罪常習者という事も付け加えておいた。私を捕まえて、売り飛ばすと言った事も。
お姉さんは他のギルド員達に、外で伸びて転がっている奴らの回収をお願いして、私を奥の部屋に案内した。まだ、眠る時間ではないから、大丈夫よ。
そして、この際だからとお姉さんに色々と聞いてみたよ。
冒険者達は普段、何処に行くのか?
私命名のゴブリン平原では全然冒険者には会わなかったよ?そうすると、魔の森ぐらいしか無いんじゃないのかな?
そしたら、魔の森は魔物が強すぎて、監視、調査目的の高ランク冒険者くらいしか、依頼で行かないらしい。魔物…そんなに強かった…かな?
それ以外の中堅の冒険者はディラントの東にある山か、西に広がる砂漠地帯にあるダンジョンに行くらしい。
ダンジョンあったのね。
その砂漠地帯にジルムール共和国との国境が有り、ダンジョンを管理する街が国境の検問も兼ねているらしい。その街とディラント領都の間にあるダンジョンは、低ランク冒険者でも入れるくらいのレベルの初級ダンジョンで、兵士の訓練にも使われるそう。
…はッ!もしかして!バトルメイドのエリーはいつもそこのダンジョンで、レベル上げをしているのだろうか?
その街までは、馬車で1日の距離で、ダンジョンまでなら半日で着くらしく、ほとんどの冒険者達は砂漠のダンジョンで稼ぐんだそう。
山の方には、食肉用の獣を狩りに行く冒険者が多いらしい。もっと山奥では、犯罪奴隷が鉱山で採掘の役についているらしい。
その話を聞いて、魔の森のダンジョン?にも人が沢山入って、魔物を狩れば、スタンピードも起こらなくなるのではないかと思ったのよ。
だけど、質の良い冒険者は少なそうだ…。
『冒険者を見たら犯罪者と思え』みたいな事言われてたりして。
このディラントに、変な奴らが入ってこない様にする方法とかないのだろうか。何か対策とかしてないのか…父様にそこら辺の事を聞いてみないと。もし、対策がないのなら、検問の魔道具みたいなものをつくるのにトライしてみようかな。
「…フィアルリーナ様?」
はっ!またボーッとしてたわ。いかんいかん。
「は、はい?何でしょう?」
「先程、買取に出された物は…一体何処から持っていらしたんでしょうか?」
…うん。そうだよね。立ち入り禁止の場所の魔物とか持って来たんだからね。
「あー…立ち入り禁止なの知らなくて。トレントとかいっぱいいたし、ちょっと間引きした方がいいかと思って。…少し狩りすぎたかしら。そんなに強い魔物いなかったし。だ…大丈夫でしたよ?ははは…」




