表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/172

64 夜の冒険者ギルド

 

 冒険者ギルドの建物の裏に転移すると、真っ暗だったけど、かえって好都合ね。


 私はギルドに入って、真っ直ぐ買取カウンターに向かう。


 チラリと横目で右側を見ると、凄い賑わっている。やはり、昼間とは違う雰囲気だ。


 昼間の酒場は比較的弱い冒険者がたむろしてたけど、夜の酒場は、一仕事終えた中堅冒険者が多い様だ。


 だけど、今日、魔の森は立ち入り禁止だったから、この沢山の冒険者達は一体どこで狩りをしているのだろう?


 お姉さんがびっくりした様子で私を見た。そして、小さな声で話しかけてきた。


「フィアルリーナ様…!大丈夫なのですか?もう夜ですよ?どうかなさったんですか?」


 べつにどうもしないんだけど。


「買取、お願いします。」


「は?はい。かしこまりました。」


「また、多いんだけど…」


 私はトレントの枝をカウンターに乗せた。


「…こちらへ。」


 そして、また同じ部屋に通された。


 麻袋に纏めた魔石。フォレスト系の魔物。トレントやソードリザードとかのドロップアイテム。因みにソードリザードは硬い皮や刃物の様な尻尾を残した。ワームは糸。スネークは皮や毒の牙。


 あっと言う前に部屋のテーブルが埋め尽くされた。


 お姉さんは、父様と同じ様な…諦めた目で積み上げられた物を眺め、『沢山ありすぎて、すぐには算出できないので、明日こちらに来られたら、お渡しします。』と言った。


 討伐報酬はすぐに計算出来るので、明日カードを渡して、清算することになった。


 そして、酒場からの視線を少しだけ感じながら、お姉さんに入り口まで付き添われて、冒険者ギルドを出た。


 マップ展開。うん、ギルドの建物裏には人影なし。


 転移する場所を確かめて、そちらに歩き出そうとすると、呼び止められた。しかも、『おい!そこの黒いチビッ!』よ?


 …誰?私、知り合いなんていないわよねぇ。赤い点ね。テンプレかしら。にしても、冒険者って、あんまり良い人いないのかしら…。ちょっと、いや、かなり不信感が募るわ。子供とか女とか分かると絡んでくるの、何とかならないかな。


「何?私、忙しいんだけど。」


 とりあえず、今後一切絡んで来ることが無いようにしとかないと。


 男達は私の周りを取り囲んだ。


 多重結界ドーム型展開はしたので、私に触れることすら出来ないだろう。とりあえず、私を呼び止めて囲んだ理由を知りたいね。


「で、何?」


「俺たち、こんな夜にふらふらしてるガキを見つけたら、捕まえて売り飛ばす事にしてるんだ。」


 そう言うと、一人が私に飛びかかって来た。


 はあ?何よそれ!


 だけど、多重結界ドーム張ってるから、当然、顔面ぶち当たるよね。あらあら、鼻血出して…鼻折れてるよ。勢いが強かったみたいで、伸びちゃったね。


 あ。それを見て、みんな武器出しちゃった。


 それで、私の結界壊れるかな?どうなんだろう。保険にもう一枚下に張っておこう。


 今度は一斉に斬りかかって来た。鈍器で叩いてる人もいるけど、やっぱりビクともしないね。結界凄い。


 その間に精密鑑定をしてみたら、こいつらBランクからDランクの冒険者の称号がついてた。そして、奴隷売買、誘拐、盗賊とか…って犯罪者パーティじゃん。もういいわ…。


 相変わらず、馬鹿みたいに私の結界を叩いている奴ら。


「エアハンマー。」


 先ずは、Bランクの奴を吹っ飛ばす。


 それを見て、Dランクの雑魚が逃げようとしたので、すかさず…全員に向けて、『ショック』を放った。もちろん、壁にぶち当たって倒れていたBランクの奴にもキチンとトドメをさしてあげたよ。


 皆少し煙を出しながら気絶したわ。


 ああ…それにしても、冒険者は犯罪者と紙一重なのかしら。幻滅よ!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ