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62 立ち入り禁止

 

 闘いは終わっていたけど、子犬ちゃんはグッタリとして倒れていた。


 急いで駆け寄ってよく見ると、血だらけで、横っ腹には刺された傷で穴が開いて、酷い状態だった。


私が結界を纏わせる前にもう酷い怪我を負っていたみたい。


「ちょっと!まじ?傷ひどくない?ま、魔物って回復魔法掛けても大丈夫なのかなっ?でも、やるしかないよね?パ…完全回復(パーフェクトヒール)!」


 金色の光が子犬ちゃんを包み、瞬く間に傷は塞がったが、状態異常のままで意識も戻らない。


「キュアヒール。浄化(クリーン)。」


 続けて唱えた。


 血だらけだった身体が、美しい真っ白でフワフワの毛並みになり、毒状態も解除されたと思う。だけど、やっぱり意識が戻らない。


 そっと撫でてみる…めっちゃいい。気持ちいい手触り。可愛い…。


 そしてそのまま、しばらく撫で続けた。


 あ…もうそろそろ帰らないと。いくらなんでも、もうヤバい。それに、あのダンジョンらしき穴の事も父様に報告しないといけない。


 この子が目を覚まして元気になったのを確認したかったけど、もう、時間切れだ。


 …邸に連れてっちゃう?


 魔物だし、ダメよね。また、明日来よう。あのダンジョン穴の確認もしに来ないといけないし。


 静かに立ち上がり転移を唱えた時、子犬ちゃんが起き上がり、一瞬目が合った。私と同じ黄金の瞳だった。


 邸の自分の部屋に転移して、一瞬だったけど、無事子犬ちゃんの意識が戻って回復したのを確認出来たことに安堵し、明日またあそこに行ってみようと思う。あの子犬ちゃんをモフれるとは限らないし、もしかして、姿さえ現してはくれない可能性だってあるんだけれど。そして、攻撃される可能性も。


 夕食を食べる為に1階へ降りて行くと、なんだか慌ただしくて、何だろうと気になり、父様の執務室に行ってみた。私の顔を見るなり、ホッとした顔をしたけど、すぐに厳しい顔つきになり…こう言った。


「魔の森の魔物の氾濫が始まるかも知れないのだ。」


 冒険者ギルドから連絡が来て、今朝早くに魔の森に入ろうとした冒険者パーティが魔物の大群に攻撃されて、森の中にさえ入れなかったらしい。すぐにギルドに報告され、魔の森は立ち入り禁止になったという事の様だった…だけど…ねぇ?


「あのー…父様?あの魔物達、沢山いたけど、そんなに強く…なかったですよ?それに今日、湧き出す元を特定できたので、ちょっと塞いで来ました。」


「は?」


「あ、ですが、完全に塞げたかどうかはわからないので、また明日確認しないといけません。明日は父様もお連れ致しますね。」


 そして、今日有った事、私が塞いだダンジョンらしき穴の事を詳しくお話しした。


 父様はしばらく固まっていたけれど、すぐに諦めた様な目で、わかったとだけ言った。


 あの子犬ちゃんの事は、森の主で守護者的なモノではないかと話しておいた。あの子はかなり強いと思うので、出会っても絶対に手を出してはいけないとだけ言っておいた。


 討伐隊を率いて行くとか言い出したので、とりあえず、明日私と確認に行って、必要ならその後にしてほしいとお願いしておいた。もしかして、今日消したトレントの大群が復活でもしてたら、大惨事になるだろうから。


 あ。魔物のドロップアイテムを冒険者ギルドで売るの忘れてたー!今日の稼ぎ、すっごい楽しみだったのにぃ…夕食の後にこっそり行って来ようかな?


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