55 トラップ付きの壁作っちゃった
そうか…リタに会える可能性があるのは、10歳になったらなのね。王都の学校に行ったら…会えるといいな。
両親の元で幸せになってると信じて…。
もし学校で会えなかったら、その時は本格的に探しに行くと決意した。
◇◇◇
昼食後、すぐに出かけようと思ってたのに…兄様が離れない。離れてくれない。ねえ、領主の勉強は?
「兄様?父様と領主のお勉強なさらないの?」
「俺が居なくなったら、どっか行くつもりだろう。ダメだぞ。父さんからもフィアをみている様に言われているんだ。」
チッ…駄目か。なら…。
「兄様?こうしてお部屋で居てもする事無いし、つまらないでしょ?だから、散歩にでも行きましょう。ねっ?」
兄様にあざとく抱きついて、上目遣いでおねだりしてみる。
「うっ…わ、わかった。俺が一緒ならいいぞ。だけど、その黒尽くめの格好は…」
やたっ!OKが出た所で…早速ね。
「転移」
一瞬の浮遊感。
「えっ?ええーっ!?」
ふふ…兄様驚いてる。そう、ここはもうディラントの外よ。
ディラントの南、グランダ皇国の国境と魔の森の狭間。
ふーむ…またちょっと森が広がった?
「マップ」
おお…森の中は魔物だらけね。だけど、それは多分、以前来た時に発見したオークの巣ね。倍くらいに増えてるなぁ。グランダ皇国内に魔の森の警戒の為か、沢山の団体様がいくつか固まっている場所がある。…ウチへの侵略準備とかじゃないよね?
やだわ。なんか心配だから、防壁作っちゃいたいね。ダメかしら。父様に…いいわ。駄目だって言われたら撤去しに来ればいいのよ。グランダ皇国が不穏な空気出してる気がして胸騒ぎがするからね。まず、今、作っちゃう。
「つーちゃん、イメージするから、作って!ハードウォール。」
まずは、一つ国境に沿って壁を作る。高さ3メートルくらい、厚さ50センチぐらいでいいんじゃないかしら。壊れても可。
そして、こちら側に溝を掘る。そして、分別万能庫から、溜め込んでいたゴブ達の死体…個体からポイポイと投げ込んでゆく。そして一番捨てたかった血液を流し込み…まるで、血の川…うぷっ。すぐにつーちゃんに埋めてもらった。ううっ…スッキリしたけど、キモかったよ。臭いが臭すぎる。ゴブ臭い!
そして、臭いゾーンを挟んでもう一つ防壁を作る。こちらの壁は、二階屋ぐらいの高さの6メートルで魔の森にも少しだけかかる様に作って、臭いゾーンに魔の森の魔物が誘い込まれる様にね。
こうすれば、グランダ皇国からの侵入阻止にも役立つんではないかと作ってみた。
おお…早速、オークの巣から、臭いに釣られたのか魔物の赤い点が移動してます。魔物ホイホイみたい。
もし、グランダ皇国の方達がこの国境の壁を越えて覗き込めば、あら、びっくりね。魔物だらけなのよー。
しかも、3メートルの高さでは、でっかい魔物の頭は見えるでしょう?ちょっと意地悪かしらね。だけど、あんた達が先に仕掛けてきたのよ。エルドを隷属して連れて行こうとした罪は消えないわよ。
私は侵略とかは興味ないけど、防衛はさせていただきます。




