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51 冒険者ギルドに入ったよ

 

 リタがいないんじゃ、益々冒険者登録しなければならない。買取してもらえないもの。


 あーあ…冒険者登録は、先輩のリタについて来てもらおうと思ってたのにな。


 仕方ない。リタの事は後で父様達に聞くことにして、とにかく、今日、冒険者ギルドに入ってみよう!


 確か、名前と魔力を少し流すだけってリタが言ってたよね。


 私は、意を決して冒険者ギルドに入った。


 …おお。こんな感じなのねー。


 うん。大丈夫よ。私はもう8歳なんだから。見習い登録が出来る歳なのよ。


 左側がカウンターで、右側が酒場っぽい飲食スペースになっている。左右を分ける様に真ん中に通路があり、奥は…わかんないけど、部屋がある感じね。


 あ。そうだ。マップ展開しとこう。


 そして、私は左側の受付カウンターの方に進んだ。


 受付カウンターと買取カウンターがあるのよ。


「あの…。」


「はい。冒険者ギルドにようこそ。どんな御用ですか?」


 なんか大丈夫そう。ちゃんと教育はされてるみたい。相手が子供でも、丁寧に接してくれてる。


「冒険者の見習い登録をしたいです。」


「はい。では、このカードに名前と年齢を書いて、魔力を少し流すか、魔力が分からなければ、血を一滴付けて下さいね。」


 そして、名前、本名で貴族名と年齢を書き、魔力を流した。


 …あ。やっばい。これ、光が強いんじゃない?眩しいよ。


 受付のお姉さんは、一瞬ぎょっとしたけど、すぐににこやかにカードを受け取って、確認作業を始め…またぎょっとした顔で、私の顔とカードを二度ほど往復した後、少々お待ちくださいと奥に引っ込んだ。


 貴族名、不味かったのかな。領主の娘は冒険者になれないなんて事…無いよね?


 私は別に領主の娘だと知られても構わないんだけど。


 …ん?マップに赤い点。右側の飲食スペースにある。テンプレキター!?


 赤い点、名前スレドル、魔術師ね。


 ん?それとは別にオレンジの点が…こっちに来るわね。敵対で状態異常なんだけど。酔ってるのかな?


 名前はビスラ、戦士…か。脳筋だろなぁ。


「おいおい。チビっ子。ここは遊び場じゃないぜ?」


 うわぁ…嬉しい!ホントにテンプレね!


 私はチラリとその男を一瞥して、すぐに無視してみた。結界は…纏ってるよ!多重結界もね。


『結界』は服を着る様に身体に纏うもので、『多重結界』は透明なドームの様なものよ。


「おいっ!無視しやがって!生意気なガキめ!痛い目見ないと分からねえみたいだなぁ…」


 と言いながら、私の腕を掴もうとしたみたい…みたいってのは、触れなかったからよ。


 男の手は透明なガラスに突き指する感じで、ぶち当たった。あらら。変な風に曲がってるよ?折れたんじゃない?


「う…ぎゃあぁっ!痛てぇっ!」


「あの。大丈夫?」


「大丈夫な訳あるかっ!ガキめ!どうやったんだ!」


 初対面で因縁つけて来て、ガキめって…こいつ失礼だわ。一体何がしたいんだろ。テンプレ経験出来て満足なんだけれど、釈然とはしないね。全く不思議ね。理解不能よ。


「大人のくせにぎゃあぎゃあと…うるさいわね。」


 私はもうこいつの声は聞きたくないから、雷ちゃんに指示出そうかと思ってたら、真ん中の通路から、あの受付のお姉さんと知らない男の人が間に割って入って来た。


「ビスラさん!それ以上はおやめください!新人冒険者に絡むのは駄目だって、何度言ったらわかるんです!冒険者ランクが下げられますよ?指の治療費は後でちゃんと請求しますからね!まったく…お酒呑んで騒ぎを起こすのは、これっきりにして下さいねっ!」


 受付のお姉さんに怒られてる。


 ん?このビスラって人、よく見ると額から上の部分に、灰色の煙の様なモヤがまとわりついてるよ?何だろう。


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