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6美味しい食事?

 

 うおぉ…めっちゃ美味そう!やばい。早く食べたい。屋台の謎肉とは雲泥の差なステーキの匂いとふかふかのパンの香ばしい匂いが…たまらない!


 ねえ。もう食べていいの?どうなのよ!


「お待たせ致しました。どうぞお召し上がり下さいませ。」


 そんな事を思っていると、執事風の爺がそう言ってくれた。


 だけど舌打ち王子の前には、何も置かれていない…私だけ?


 ご一緒に食事っつーのはどうなったのよ。別に一緒にしたかったわけでは無いのだけどね。


「あの…し…王子様のお食事は?私だけで食べてもよろしいんでしょうか。」


 ヤベ…舌打ち王子様って言いそうになった。


「良いのだ。腹が減っているのはそなただけの様だからな。気にせず食べるがよい。」


 でも、こう…ガン見されている中で食べにくいよ。


 あぁ…もう限界だから、食べちゃう!


 私はステーキを一口切り取り、添えてあるソースをたっぷりつけて口の中に入れた…美味しいっ!肉汁たっぷりで柔らかく美味。王城らしく上品な味がする…様な気がします。


 続けてパンも食べてみる。フカフカで柔らかく、こちらもうまい!


 この美味しいお肉は何の肉なのだろう。チキンステーキじゃあないよね?異世界の食材…気になる。


 …鑑定持ってたのまた忘れてる。何でもすぐに鑑定する癖をつけないと。


 周りに聞こえ無い様に口の中で「鑑定」とつぶやいてみると、お肉はフォレストリザード…と。これトカゲの…?トカゲがこんなに美味しいなんて…そして添えてあるソースは…シビレマッシュ?


 えっと…シビレマッシュって?痺れキノコ…ってとこかしら。


 なんて、冷静に言い換えてる場合じゃないから!私、食べちゃったんだから。


 一服盛られたってこと?


 それともこちらの世界では普通に食べるキノコ?


 致死毒じゃなさそうだから死ぬ事は無いかもしれないけど、非常にマズい。いや味は美味しかったんだけどね。やはり舌打ち王子。良い人ではなかった。


 あ…?なんか口が動かしにくくなってきた?


 あうう…身体が痺れて…口も…喉も痺れて声出せない…転移。転移。て・ん・いっ!やっぱり、少しでも声に出さないと発動しないみたい。…詰んだ。


 私が、目の前の皿に顔を突っ込まないようにプルプルしながら頑張っていると、舌打ち王子が…。


「薬が効いてきたな。皿を下げろ。汚れるのは面倒だからな。」


「さて、異世界からの召喚者殿。名前はルリだったな?これからお前には、私のためにしっかりと働いてもらう。」


 身体が痺れているだけで、意識はある。


「今から私自らこれを着けてやろう。」


 なに?それは…美しい意匠の金細工のチョーカー?


 それが私の首もとにカチリと嵌められ…すぐに何も考えられなくなり…意識は途切れた。


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