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41 あー疲れた

 

 うーん…なんか良い移動方法ないかなぁ。こう、素早く目的の場所にシュッていけるやつ…ええっと、瞬間移動?


 やっぱ、転移を細かく繰り返すしかないかなぁ。


 目に見えてる場所ならどこでも行けるしね。


 練習しながら行こうか。


 人攫いをお仕置きする為に。


 エルドと(おぼ)しき黄色の点目指して細かく移動を繰り返す。


 さて、どんなお仕置きしたらいいかしら…本当は、魔の森のど真ん中にでも転移で放りだしてやろうと思ってたんだけどな。侯爵のお仕置きもしたいし。


 豚侯爵のお仕置きはもう決まってるのよ。魔の森の中少し入った所にオークの巣が出来てたから、殲滅する前に豚同士仲良くさせてあげようと思っているのだけれど。エルド攫った人も侯爵と一緒に連れて行ってあげようかな。手間が省けるから。


 侯爵と側近、行方不明ってなっても大丈夫かな。


 あ…見えてきた…あれ?馬車じゃない…ちょっと!馬でエルド連れてるの?!


 でも、馬上にエルドの姿は見えない。


 まさかとは思うけど、あの後ろの袋にエルドが入れられて…る?


 あの男、馬から降りたよ?どうするつもり?


 ああっ!エルドになにするの!触んないで!


 あ。黄色の点から青い点に戻った?


 隷属のチョーカー外したのね…それ、どうするつもりなのかなぁ?


 エルドから外したのはナイスだよ。


 だけど、とりあえず手放してもらおうかな。


(えん)ちゃん、(ふう)ちゃん、『サークル』」


 出血し過ぎて死んじゃったらお仕置きにはならないからね。


 一瞬で男の右腕を隷属のチョーカーごと切り離す。


「ねえ、その汚い手で私の弟に触らないでほしいんだけど…それにこんな隷属のチョーカーなんて着けて!こんな麻袋に押し込んでっ!…許さないから。」


 …化け物どもって言われた。ムカつく。失礼な奴ね。


 ん?『ども』ってどゆこと?まさかエルドの事?こんなに天使なのに!


 え?父様の事?…不死身の辺境伯爵って。それって、私が完全回復で治した時の…。


「あー…そう、父様刺したの、あなただったのね…。」


 エルドを攫っただけじゃなく、父様を殺そうとしたんだね。もう、ここで消滅させた方がいいかしらね。


 …凄く黒い気持ちが沸き起こったけれど、直接殺すのは、ちょっとねぇ。


 きっとこの人は、父様とやり合うくらいだから、強いのね。オークの巣に連れて行っても、討伐できちゃいそうだから、お仕置きにはならないか。


 これは父様に引き渡す事にしよう。半殺しで。


(らい)ちゃん、ショック、最大ね。」


 鑑定で視たら、この男、盗賊だった。


 触りたくないけど、とにかくロープで縛って…あと、馬もいるんだよね。エルドは気絶じゃなくて、寝てるし。チョーカーも回収して。…こいつの腕はどうしよう…血は出てないけど気持ち悪いー。落ちてる方は証拠隠滅。焼却処分で。


 みんな纏めて、王都のウチの屋敷の厩舎へ。


「転移」


 あー疲れた。眠いよ。


 でも、エルドレットを無事取り戻せて良かった…。


 屋敷の使用人に聞いたら、父様達はまだ戻って来てないらしい。


「あー…もう限界…。」


 私はエルドを部屋のベッドに寝かせると、そのまま一緒に眠りについた。


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