表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/172

35 大教会

 

 大教会は屋敷からはすぐ近くだったけれど、馬車で移動するのが常識で、5分くらいかな…もう着いた。


 教会の中に入るのは…初めてね。


 前世は入り口の扉あけて覗いただけだったし。


 もうちょい近くであの女神様の像見てみたいと思ってたんだよねー。


 ディラントでは街中に居るのがバレちゃマズいから、リタの所の教会には入らなかったし。


 私は少しだけワクワクしながら教会の中に入った…。


「…?」


 なんか、私、光ってない?それに暖かい空気で包まれている感覚。


 エリーが目を見開いてる。


 私も訳がわからないんですけど。これは何ですか?


「お嬢様!これはきっと女神様から祝福を頂いたんですよ!すごいです!私、以前聞いた事があります!教会に足を踏み入れた人で淡く光るのは、その人が女神の祝福を受けたのだと。私こんな間近で見たの初めてです!」


 ステータスオープンして見てみると、確かに称号についてる…女神の祝福。


 …んん?固有スキルのところに新しく、《真実の瞳》が追加されてる…?これは何?真実って事は、ホントかウソか…ってやつ?それとも、犯人はお前だーっとか?異議ありーとか?うーん。裁判官でもさせるつもりですか?


 とか、色々考えながら、ふとエリーを見ると…


「あれ…?エリー、腕、怪我して…る?」


 エリーの左の上腕の部分にまるで切り傷から血が滲むように赤いモヤのようなものが…視える。


「え…ああ。あの…恥ずかしながら、ちょっと訓練で失敗しまして、軽い切り傷を…。」


 いや…これ、軽く見えないよ?かなり切ったんじゃないのかな?


「痛くないの…?」


「これくらい大丈夫です。ご心配をおかけして、申し訳ございません。」


 馬車の中でも、顔色悪いなーとは思ってたけど、アレの日かと思ってたよ。


 まさかこんな酷い怪我を負ってたなんて。


 うん。ダメね。女の子がこんなでっかい傷、身体につけてちゃダメだ。


「ハイヒール」


 ヒールじゃ、足りないかもしれないから。


 モヤが消えた。


「うん。よし。もう痛くないでしょ?エリー。これからは我慢しちゃダメよ?」


「お…お嬢様…ありがとう…ございます…。」


 エリーがウルウルしてる。泣きそうだけど、放っておく。こんな事くらいなんでもないのよ。痛いのや苦しいのは嫌いなの。私は私の思う通りに出来る事をしただけなのだから。


 これ…隠してても、視えるんだ。傷とかだけかな?まあ、何かの役には立つよね?


 父様、母様、エルドは先に奥に進んでしまっていたので、私とエリーのやり取りには気づいてない。


 儀式の部屋には、エルドが先に入り、準備が出来たら両親が呼ばれて儀式が行われるそう。


 私とエリーは儀式が終わるまで待つため、別の部屋に案内された。


 案内してくれたシスターが「こちらでしばらくお待ちください」と扉を開いてくれた。


 私が部屋に入ると、突然、床が紫色の光を放ち始めた。


「え?何?」


 う…?動けない!身体が拘束されているみたいに動かない。


 何か模様のような…これは。魔方陣ってやつ…?アニメとかで見た事のあるような紫の光で描かれた円形。そして模様や文字。


 エリーもシスターも慌ててる。私を助けようとこちらに手を伸ばしているが、見えない壁があって、私のところまで届かないようだ。私も動けない。


 これって、マズイよね…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ