33 王都への道
今、王都への道を馬車に乗って移動中。
退屈である。
王都へは馬で3日ほどの距離らしい。遠い。
父様達によれば、馬で3日なんて遠い内に入らないらしい。
これ、馬じゃなくて馬車だし、周りには騎馬の護衛兵が取り囲み、厳重だ。
だから余計に進みが遅いのではないかと思う。
私の横にはエリーが座っている。
エルドは父様と母様の間に座って、ウトウトと眠りかけている…カワイイ。
私は、訓練も兼ねてこっそり『索敵』をかけている。
この『索敵』は既に改良済みで、以前の欠点である、距離が分からないままなのは危険だったので、もっと索敵範囲を広げ、上から見る感じで悪意、敵意のあるモノが大小様々な大きさの点で表示されるイメージでわかるようにした。ゲームとかのマップみたいな感じ?
途中、すぐに盗賊らしき反応があったけど、赤い反応のモノは全て即行動不能にしてもらう様にらいちゃんに頼んである。
暇なので更に改良を加えてみよう。
気絶とかなら黄色、死亡は黒い点、敵意のないモノは白い点、知り合いは青い点で表示されるようにした。
本当は、その点々に誰なのか名前が出るようにしたかったけど、今のところ、鑑定との組み合わせは成功しなかった。
うーん…『索敵』から『レーダー』に変えた方がいいかも。探るのが敵だけじゃないからね。
うん。『レーダー』に変更。
私の索敵もとい、レーダーに引っかかったら、自動で『ショック』の雷撃。私はただ座ってるだけなので、魔力のある限り、らいちゃんは私の出した任務を遂行するだけ。
今のところ、らいちゃんが魔力を使っても回復する方が早くてほぼ満タンのままです。あんまり強い魔物とかもいない感じ。
精霊は眠らないので、私が眠っても自動的に行動してくれている。私が『キャンセル』しない限り与えた任務を遂行してくれる。
もし、雷ちゃんの『ショック』が効かない相手の時は知らせてもらう事になってる。
その時は全力で逃げる様に父様に言う。
もし逃げられない様な相手なら、私が頑張ってみるつもりだ。
『多重結界』で皆を囲んで、攻撃魔法の雨でも降らせましょう。
まあ、そんな強い魔物がいれば、きっと、既に王都とかでも大騒ぎになってるし。
それに魔の森からは反対方向に進んでるんだから、強い魔物なんてほぼ居ないと思うよ。
王都までの道沿いには、町や村が大体馬車で半日の距離に配置してあるので、そんなに厳しい旅ではない。
お金のない旅人、冒険者とかは野宿するらしいけど、ウチは貴族なのでちゃんと町や村で宿を取る。
それなりに食事も美味しいのでよかった。
王都まで馬で、ぶっ通し休みなく進めば3日の距離だった…馬車で途中休息をとりながらなので、この分だと倍の6日かかりそう。
ふふ…だけど、もう覚えちゃったもんね。各町停車してくれてるおかげで、これからはどこでも行き放題になるよん。
次はリタと遊びに来ようっと。




