31 婚約なんてお断り
申し込みのあった婚約話は全てとうさまが丁重にお断りしたそうです。
一人、直接会いたいと、ここに訪ねてきた人がいたらしいけど、断って、丁重に…お帰り願ったそう。公爵家のご子息だったらしいです。
んーと。もしかして、あの時私を見てたあの男の子だったのかも。
他に王族からも数人申し込みがあったらしいけど、すぐに向こうから取り消してきた(第二王子らしい)もの、こちらから、今はまだ考えてないとやんわりお断りした(第三王子)のものとかあるらしい。
因みに、第一王子は病弱でもう何年も病に臥せっているのだそうで、王位を継ぐのは多分第二王子が有力らしい。
まあ、その辺の事情で未来のお妃様には私ではだめなんでしょう。とうさまはめっちゃ怒ってたけど。自分から申し込んだのに、すぐに取り消すな!と。いや…すぐに自分も断るつもりだったんでしょうに…。
上の階級の貴族相手だと、やっぱりかなり断りにくいので、私が王都の学校に入学する頃も、まだ婚約者がなく、お気持ちも変わらないようならば、本人に判断を委ねると…私に丸投げ!?とうさま!私に全て押し付けたのね!?
貴族なのに自由恋愛主義は嬉しいんだけどね…。まあいいよ…。
それまでには、私の事なんて忘れてると思うし、他にも、血筋とか、家柄とか、すっごい美人もいるだろうから、私みたいなガサツなのは実際のところ相手にしないと思う。
精霊魔法士なんていう、珍しい戦闘職だから、ちょっとほしい力かなぐらいでしょうか。
一応、マナーとか貴族の立ち振る舞いとかの基礎は叩き込まれたよ?…かあさまに…ガクガクブルブル…。
でも、唯一のお友達のリタと離れるのは寂しいな。リタに話すとまた泣いてしまうかもしれない。あの子は泣き虫だから。普段は冷静なのにね。
学校を卒業してから、こちらに戻って来て、冒険者パーティを組めばいいよね…。
そもそも、貴族の娘が冒険者なんてって思うけど、私には魔物を殲滅したいという目標というか、願望というか…がある。
今現在、ゴブリンなら腐るほどやっつけてますけど。
って言うか、ここの周り、ゴブリンしか出てこないんだもの。
もうちょい遠くに行くと、私のトラウマ、オークとか出てくるみたいだけど。
さらに森に近くなると、ウルフ系やリザード系(ちょっとだけ嫌な思い出が…美味しかったけどね)がいて、魔の森の中は…高ランク冒険者とか以外立ち入り禁止らしい。
できれば高ランク冒険者を目指したい。
そして、あわよくば大金も手にしたい!
そして、悠々自適な生活をしたいの。
そして、…今度こそ幸せに天寿をまっとうしたいの。




