30 冒険者断念?
大変な事が発覚した。
いや、私のいろんな…そう…色々がバレたんじゃないの。
とうさまに、私10歳になったら冒険者になる…って言おうと思ってたのに、私、10歳になったら、王都の魔術学校に入学しなきゃいけないらしい。
ええー…また、学校行くのやだー。
正確にはこの世界の学校は初めてなのだけど、前世で学校は試験あるから、あんまり好きじゃなかったのよね。だって、試験勉強一夜漬け山ハズレ爆死だった。
とうさまは侯爵の事もあるから、王都に行かせたくないんだそうだけど。
その頃にはターゲットから外されてるといいんだけれど…。
話は変わるけど思い出した事がある。
兄の事だ。
そういえば、アルにいさまは10歳で王都の騎士学校に入学したんだっけ。今年で13歳、成人だ。卒業?
聞いてみたら、そのまま、王宮の騎士として働くそう。
卒業後、すぐに実家の後継者として戻る人もいるが、ウチはとうさまがまだ若くて元気だから、王都で少し人脈を作ってから戻ってくる予定らしい。嫁候補も探さなきゃいけないのだ。
もちろん貴族だから、新人だけど、それ用のそれなりの役職がつくのだ。その中で優秀なら、どんどん上にあがれる。
ダメダメ貴族ボンボンくんだと、ずっとそのままなので、大概はプライド高いから、すぐ辞めて実家でニートになってしまうんだそう。
まあ、そういう実家ほど大貴族だったりするから、ダメ息子が帰って来ても大丈夫なんだろう。
因みにアル兄様はダメ息子じゃないと、とうさまが言っていた。
とうさま似のイケメンで、優秀って。学校のアイドルじゃね?ますます見てみたい!恋愛対象じゃあないんだけどね。目の保養よ!目の保養は心の癒し。
でもね…この3年、里帰りとかしたの、見たことない。何故かしら。当然夏休み的な長期休暇あったはずなんだけど、どうしてか、帰って来なかった。
まさか、親子の確執とかあるのだろうか?!
あ…とうさまの歯切れの悪い様子を見て、何となくわかってしまった。
そうです。きっと私が元凶です。
私が狙われてるから、兄様に危害が及ぶのを恐れて、とうさま達は里帰り禁止令でも出してたんではなかろうか。とうさま刺されたし…。ごめん。
貴族の子供は誰でも10歳で必ず、王都の学校に入学するのが決められている。それは、地方の貴族の生まれでも、優秀な人材を確保して取り込みたいから。
そして、結婚相手を探す場でもあるらしく、とうさまとかあさまも学校で出会ったんだそうです。…ごちそうサマです。
ん…?でも、とうさまは騎士学校、かあさまは魔術学校だよね?
ああ。学校がお隣さんだったのね。姉妹校的な。
ちゃんと、定期的に交流会があって、とうさまが一目惚れしたらしい。…ああ。ごちそうサマ。
かあさまにも聞いてみたら、とうさまは知らないみたいだけど、かあさまもとうさまに一目惚れだったそうです。…はあ…ごちそうサマ。もう満腹です。
私の両親はいつもラブラブです。ありがとうございます。
いいなー私にも、素敵な旦那様ができるといいけど。
いや、まだ8歳なんだけどね。この世界の結婚は早いから。13歳で成人なんだもの。
私ももうそろそろ婚約させられるのかも。
そういえば、私に申し込まれてた婚約はどうなったのかしらね。…侯爵は論外。




