25 冒険者ギルド
やったあーー!
やっと…街の外に出れたよぉー!
ありがとうっ!ありがとうリタ!
心の中で感謝する。
本当は声を出して言いたかったけど、恥ずかしいし、ちょっとだけやましい事情があるから、街の外に出たくらいで喜んでるのを、知られたくないと思ってしまった。
それから、リタに色々と教えてもらいながら、薬草を摘んだ。
2人で採ったから、2時間ほどでいつもより早く多く集まったと、リタは喜んでいた。
これを冒険者ギルドに持っていくと、薬草採取は常時依頼なので、すぐに換金してくれるのだそう。見習いにはランクがつかないので、魔物討伐の依頼は受けられないし、どれだけ薬草を納めても、ランクアップも関係ない。
薬草は1本で1リル。安っ。
リタはこれを毎日、朝からお昼過ぎまで200本程集めるのだそう。暗くなると魔物が増えてくるので、早めに街に向かって戻る。
今日は2人で2時間くらい、約200本。
リタを待たせてしまった分、取り戻せて良かったよ。
実は、私が薬草を見つけるのが早いのには理由がある。精霊が場所を見つけてくれて、私に教えてくれていたのです。いつも私の周りにフヨフヨ漂ってるけど、私が薬草を探し始めると、薬草のある場所でふわふわしてるから、場所を教えてくれていると気づいたんだ。
いつもよりは少し遅い時間らしいけど、まだ暗くはない。
戻りながらさらに薬草を採り、2人で街に向かって歩く。
ふいに前を歩いていたリタが立ち止まった。
くるりと私の方を向くと、私の腕を取り走り出した!
「えっ?ええー!何っ?!」
「ゴブリン。まだ気づかれてないから大丈夫。ちょっと、遠回りで帰るね。」
リタは走りながら私に説明してくれた。
…私、多分リタよりもステータス上のはずだけど、ゴブリンに気づかなかったよ。
きっと、リタの方が危険察知に敏感なんだね。
私って、そういうの鈍いからなぁ…。
索敵みたいな、遠くから敵を見つけられる魔法とかも必要よね。
言霊創造さんで作れるかも知れない。今日、帰ったらやってみよ。
そして、私達は迂回して、街へ戻った。
「じゃあ、私、ギルドに薬草納めてくるね」
リタはそう言って冒険者ギルドに入って行った。
…街に入ってすぐに気づいた。こちらを窺う視線。魔物の探索とかは出来ないけど、こういう視線には割と敏感。
私かと思ってたけど、どうやらリタをつけてきたようだ。冒険者ギルドの前で別れると、視線を感じなくなった。
あー。昨日のリタを襲った奴らかな?じゃあ、まだ帰る訳にはいかないね。
やがて、リタがギルドから出て来たので、話しかけながら、リタを狙ってる奴がいると教えた。
流石に大通りでは襲って来ない。
昨日は巧みにスラムの奥に追い込まれたそうだ。
私の転移。リタにバレちゃうけど、もういいや。
リタの腕を掴み走り出すと、店の間の路地に素早く逃げ込んだ。
「転移」
次の瞬間、2人で孤児院の裏に転移した。
うん。2人でも問題なく転移出来た。
「えっ?」
リタが目を見開いて、周りを見渡している。
「ど、どう…して?」
リタに、自分には色んな魔法が使えるとだけ話した。
きっと、詳しく話してもわからないと思うし。
すごい、すごいとはしゃぐリタには、誰にも話さないようにと、念は押したけど、漏れたら仕方ないよね。
それから、毎日、私はお昼過ぎにリタと街の外に転移して、店の間の路地や、冒険者ギルド近くの物陰に転移で戻ってを繰り返した。
移動に時間がかからなくなったし、2人なので採取量が増えて、毎日400リル、銅貨4枚稼げるので、山分けで半分の銅貨2枚が私の取り分になった。
うふふ。毎日、日本円で考えると200円だけど、少しずつ貯まってる。




