24 念願の街の外
欲しかった情報も聞けたし、満足〜!
これで魔法の練習できそうだし、上手く行けばお金も稼げる。
だけど…門を通る時、私を知っている兵がいるかもしれない。一応領主の娘だし。
今までで、邸から出たのは、王都に馬車で行った時と、賊に攫われた時ぐらいなので、街の人々には知られていないと思う。
けれど。髪。私のこの髪は、かあさま譲りの珍しい髪色で、ちょっとだけ目立つ。結界を発動してるけど、レベルの高い人とかなら、気づかれてしまうだろう。この前の男の子の様に。
明日、さっそく連れて行ってもらう為にも、準備をしないと。何か頭から隠せるローブの様なものがあればいいけど。
そして、リタに明日、街の外に連れて行ってほしいと頼んだ。
リタはいつも朝食を食べ、すぐに薬草を取りに出るそうで、私とは時間が合わない。なので、申し訳ないと思いつつも、明日はお昼過ぎにここで待ち合わせ、一緒に街の外に出る約束をして、スラムの中の物陰で転移した。
◇◇◇
翌日、昼食を食べ、いつものように1人で部屋に戻る。
そして、クローゼットでフード付きのローブを見つけた。外出用にちゃんとあった様だ。職業によって色を分けていたり、オシャレ用に派手に仕立てる貴族もいるらしいが、ローブは目立ちたくない時に纏うことが多い。私のは深い緑のローブ。
確かに私には外出の予定がないので、メイドさんが用意するはずないよね。
長く白い髪を後ろで一つにまとめて、紐で結ぶ。黒い布を三角巾の様にして結び髪を隠す。
ローブを着て、しっかりとフードを被り、結界を発動して転移した。
孤児院の裏に出た。
後ろからリタに声を掛けてびっくりさせてしまった。
リタは孤児院の前で道の方を向いて待っていたので、後ろから私が来たら、変に思われるかなとは考えたけど、びっくりさせようと隠れてたと言って誤魔化した。
ローブで私だと分からなくて余計にびっくりしたのだそう。ごめんね。
リタと私はあまり体格が変わらないので、孤児院所属の7歳ということにした。嘘はつきたくなかったけど、多分二度とこんなふうに門を通ることはないし、記録にも残らないから…いいよね?
リタが門番に冒険者カードを見せて、孤児院の仲間が一人一緒に出ると告げると、…あっさり通れた。
すっごく緊張したのにー!歳も言う必要なかったのね…めっちゃ嘘つく覚悟したのに…。
嘘つかなくて済んだのは良かったし。
結果オーライでしたね。




