145 アンデッド殲滅
お読みいただきありがとうございます。
遅くなり、申し訳ございません。
魔の森横の白壁前に転移した。
麗しの王子様はキラキラした笑みで喜んでる様に見える。
そして、少し口の端を上げニヤリとしている次期公爵様…ちょっと頰が赤い。こちらも多分喜んでる。
やっぱり、転移を体験してみたかったんだろうなー。
ふふ…二人ともまだまだ成人前の少年だもんね…可愛い。
アレスト様は油断すると、10歳にあるまじき色香を纏った笑みで私をフリーズさせるけど、今の笑みは無邪気な少年のものだった…キラキラは変わらずだけど。
何故こんなに眩しいのか…彼は魔法でも使っているのか?不思議だわ。
ま、目の保養になるからいいんだけど。
さて、早速、この壁撤去しようかしらね。
あ、壁を撤去したら、アンデッドが出て来ちゃうか…まずは転移で壁を越えて先にアンデッドを殲滅しなきゃね。
「じゃ、ちょっと行ってまいります。転移。」
「え…?フィー?行くって、待って…!」
アレスト様の声が聞こえたけど、大丈夫ですよ。ちゃちゃっとやってすぐに戻って来ますから。
きっと、父様が説明してくれているだろう。
壁の向こうは…結構すごい事になっていた。
まず、臭い!吐きそう…。
これがアンデッドの領域のにおいなのかもしれない。
我ながら、ヤバいことしちゃってた…反省。
「うえ…くっさ!ヤバっ…浄化っ!」
…かろうじてリバースせずに、乙女の面目を保てたわね。
ぐへぇ…臭いはとりあえず消えたけど、マップに敵性反応多数。
地上に現れて来ないと浄化できないのかしら。
あー…。
一目でわかる、浄化だけでは不足だったことが。
黒いモヤが地面から湧き出て来たから。
黒い呪いってこんな感じですぐに出来ちゃうんだ。
皆んなの恨み辛みが変化するのかな。
不味いわ。私が安易にゴブ捨て場にして、この場所を呪われた地…なんてものにしてしまったのね。
うん。すみません…。とにかく、責任を持って全力で元に戻そう。
「解呪。浄化。解呪。浄化…。」
壁の中、隅から隅まで祓って廻った。
ふぅ…これでもう大丈夫でしょう…臭くないし。
あー、あっちにあるオークの巣はどうしようかな。
魔の森固有のやつか、ダンジョンから出たやつなのかわからないけど、なんでかこちらの土地に入って来られない感じね。
ならまだ放っておいてもいいかな。
でも、なんでこっちに来れないのか。
見えない壁でもあるのかしら?
一応、鑑定してみよっか。
『女神の祝福受けし聖地』
あれ…やり過ぎた?
聖地になっちゃった…てへ。
だ…大丈夫よ。きっと大丈夫。呪われて無ければいいの。
危険じゃないならいいのよ。
さあ、壁を取っ払うわよー。
また来週末更新しますね。




