143 状況説明
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てっきり私は自分の部屋に直行させてもらえるかと思いきや、そんな甘くはなかった。
応接間のソファに座らされ、隣に兄様、向かいに父様、アレスト様が座り、ハクは小さくなって私の膝の上、今回の騒動のグランダ皇国の関係者であるマリアナちゃんとその近衛騎士のリグトス子爵、母様、エルドに囲まれる形で、今回の件についてを全て話した。
話す毎に、安堵で明るくなっていくマリアナちゃんとは対照的に父様、兄様、アレスト様達の表情が曇っていく、眉間に皺が寄っていく…何で?
やっぱやり過ぎたのかしら?
でもね、殆ど全部、浄化だけで済んじゃったんだよ。
私、只のアンデッド駆除作業して来ただけだったよ?
とっても楽な作業だったよ?
何と言っても、マリアナちゃんの家族も無事だったし、これで家族の元に帰れるし、万々歳じゃん。
グランダ皇国って魔道具の技術が進んでるっぽいから、これを機に国交できたら、この国ももっと便利になるんじゃないかな。
あの国境の壁んところ、ちゃんとアンデッド駆除して門とか設置するつもりだし。
それで、そのまま王都の国境警備団が関所の保守業務に就いてくれたら、今現在の領軍の人員不足を補えるんじゃないかな。
まあ、王都もディラント領(と私?)の監視も兼ねて来てるんだろうけど。
本格的な魔の森ダンジョンとその周辺の整備も早くやってしまいたいし、早くお風呂が造りたい!
南門町も造りかけだし、その他諸々も。
そもそも、今回、私がグランダ皇国に乗り込んだ訳じゃなくて、無理矢理拐われたんだから、不可抗力だったんだよ。何でみんなそんな微妙な顔してるかな。
やらかした感は私もあるけど、ガルダート教は消滅するだろうし、隣国が閉ざされた危ない国じゃなくなるのはいい事だと思うんだけどなぁ。
「あの…これで、お話は全部なんですけど…。あ、何かご質問でも…。」
「…いや、もういい。状況はわかった。この後夕食を済ませたらすぐに休め。マリアナ皇女殿下を無事隣国へお返しせねばならん。フィアには、明日にでもあの国境を造り変えてもらうからな。」
「はい。ロイ様もマリアナ様の事を御心配されておりましたから、明日、国境の壁を門に作り変えて、中のアンデッドも駆除してしまいますね。」
うん?気のせいかな?兄様とアレスト様何か怒ってる気がする…これは…。
ごめんなさい。かなり心配させてしまったみたい。
グランダ皇国の問題がサクッと終えられたのは良かったけど、不可抗力とは言え、皆に心配かけちゃったのは反省しなくちゃね。
それにしても、可愛いハクのモフモフは…癒されるわぁ…。
…バトルとか苦手なんです。サクッと終わらせてしまってすいません。
私すぐに思いつきで書いてしまうので、収拾が大変です。




