142 きゅんきゅんした。
遅くなりました。申し訳ありません。
お読みいただきありがとうございます。
「っ!!」
「フィアっ!」
「あはっ…ただいまぁー…?」
…やっぱり、攻め込もうとしてたんだね。急いで帰ってきてよかった!
私は敢えてこの領軍施設に転移で戻った。
急げば出兵する前に間に合わせて、止められると考えたから。
本音は自分の部屋のベッドへダイブしたかった。
あれからまだ半日も経ってないし。間に合うとは思ってたけどね。
「フィー!」
うぉっ…突然、誰かに抱きしめられたんだけど。
父様と兄様はまだあっちから走って来てる最中だし。
これは誰?ってか、わかってるんだけど、ここにいるはずがないんだよ。
キラキラの黄金の髪。角度的に瞳は見えないけど、多分空の水色。
な…なんでいるのかな?
「良かった。無事で…。貴女が拐われたと聞いて、ディラント領軍とベルクリフの国境線警備団を率いてグランダ皇国に入ろうとしていたところです。」
「そ、そんなことしたら、戦争に…。」
「貴女を取り戻すためなら、私はどんな事でもします。例え戦になっても。それは貴女のお父上と兄上にも同じことが言えますが。本当に良かった。」
あ、あのぅ…良かったはいいんですが、もうそろそろ離して頂けると嬉しいんですが。緊張するのよ。
貴方にこんな風にされるとめっちゃドキドキするんです。
兄様や父様に抱きしめられるのとちょっと違うんです。
ふっと腕の拘束が緩んだから、離してくれるのかと思いきや、超至近距離からの瞳見つめ攻撃。
ふぁぁ…綺麗。アクアマリンの瞳に吸い込まれちゃう。
「私の姫。凄く…逢いたかった。」
ひゃぁー10歳でその色気は何ですかー!甘いぃーやめてぇー。心臓が壊れちゃうー。トドメ刺さないでぇー。
身動き取れずに心の中で身悶えていると…
「恐れながら、アレスト王太子殿下…もうそろそろ我が妹を離して頂けませんか。妹とは婚約したとは言えまだ結婚前の間柄。もう少し距離を置いて接して頂かないとなりません。それに妹も敵陣から戻ったばかりで消耗しております。先ずは落ち着いて話の出来る場所に移動いたしましょう。」
「あ…兄様。」
てめぇーまだ結婚したわけじゃねーんだ離れろ!ってかんじですかね。
父様もいる。目で頷いてる。
「…いいでしょう。」
アレスト様はちょっとだけ眉を動かしたけど、素直に離してくれた。
ふうぅ。助かった。
至近距離での美麗な度アップは心臓に悪いわ。
同じイケメンでも、兄様や父様ならこんなに緊張しないんだけど。
そして、私は兄様に抱っこされながら邸に連れて行かれた。
クーラー未だに壊れておりますーー暑い꒰꒪д꒪|||꒱
骨折は治ってきてます。
この連休中に話を進めたい…と頑張っていますが、表現に迷う所で悩んだりして、ちょっと進みが遅くなってます。
宜しければ「時繰りの聖女」も読んで頂けると嬉しいです。




