133 ギルドに地下があった
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慌ててやってきた受付のお姉さん(ミレーヌさん)に冒険者カードを預け、ソレストさんの先導で地下へと降りた。
地下の修練場への入り口は酒場の横にあった。
冒険者ギルドに地下があるなんて知らなかったよ。
私は酒場には用がなかったから、全然気づかなかっただけで、冒険者なら誰でも利用できるらしかった。そこで、新人冒険者の基礎訓練講習や冒険者昇級試験、模擬戦とかも行われるらしい。
地下の修練場はかなり広い。これなら、サンドワーム7匹なんとか出せそう。
「なんで俺らが出て行かなくちゃいけねーんだよ!」
ギルドの職員に食って掛かっている冒険者パーティが1組残っていた。
うわぁ…なんか、怒ってるわ。そりゃ自主練してて、突然ここから出てけって言われたら嫌だよね。ごめん。
「君達、済まないね。ちょっと大物が討伐されたから、場所が必要なんだよ。なんなら見ていてもいい。今後の参考になるかもしれないしね。」
「…わかったよ。ギルドマスターがそう言うんなら仕方ない。見学はさせて貰う。だが、そんな大物どこにあるんだ?」
「フィアちゃん、出してくれるかな。」
「はい。ソレストさん。全部で7匹なので、こちらから並べていきますね。」
ほいっ。
長さ10メートル、太さ直径3メートルくらいのサンドワームを並べていく。
あ。しまった…全部凍ってるわ。どうしよう。
「ソレストさん、これ、凍ってるけど、良かったです?」
「ああ、大丈夫だよ。順番に溶かして解体するから。寧ろ凍ってて良かったよ。こんなにたくさん一気には解体できないからね。腐ってしまったら大変だ。」
さすがにソレストさんは、討伐してたの見てたから、驚かないけど、兄様や他の皆は違う。
「フィア…?これ、お前が?」
「あ。はい。例のディザの町を包囲してたサンドワームです。ここに出したのは半分の7匹ですけど。後のはちょっと黒焦げで素材としては売れないかなと。あ、魔石は取れましたけどね。」
「そ、そうか。あんまり無茶はするなよ。」
「はい。兄様。」
さっき文句を言っていた冒険者達は…固まってた。
「こんなものどうやって討伐したんだ…?」
「俺の前にこんな魔物が出たら…逃げるよ。」
「うん。これ氷の魔法がかかってるみたいだけど、私には無理よ。多分この半分も凍らせられないわ…。」
「あの子供がやったのか?」
「いや、違うだろう。あの一緒にいる騎士がやったんじゃねーか?あの子供は…アイテムボックス使っただけだぞ。きっと。」
「そうよね。身形も良いし、金持ちの貴族ね。高価なアイテムボックス持ってるのよ。」
「いいなぁ。俺らも早くアイテムボックス手に入れてーな。もっと稼がねえと。」
とかなんとか仲間同士で話してた。
そりゃそうよ。私の魔力量は半端ないし、精霊ちゃん達が優秀だからね。それにアイテムボックスじゃなくて自前の収納魔法だからね。
「君達。この方達はこのディラントの次期領主様とその妹君だよ。噂を聞いた事はあるだろう?」
…噂?って何よ。
「え…。じゃあ、この子があの殲滅の白金姫様!?」
…何それ怖いお姫様ね。まあ、殲滅は本当だけど、私、姫じゃないよ?
更新は不定期です。
遅筆お許しください。
ストックが無い状態なので必死に書いてるんですが…。
やはり、完結させてから投稿すべきだったと少し反省しております。
集中して書ける長期のお休み欲しいな…。




